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広がる雑談小説ブーム? 『ラノベ部』
ラノベ部(平坂読)

時代は『ハルヒ』型から『らき☆すた』型なのか。
と安直に考えたくないものの、雑談小説とでも呼ぶべきジャンルが急速に増えているのは事実だ。
雑談小説とは、『生徒会の一存』や『化物語』のような、少年や少女が世界を救うわけでもなく、ただひたすらに駄弁ってばかりいる小説のことで、この『ラノベ部』もまた登場人物たちがライトノベルに関係あるような無いような事をひたすら駄弁っている。
ショートショート並みのページ数でエピソードが完結するが、ショートショートのようにアクロバティックにオチを決めることもなく、雑談ばかりがつづられている。読み終えてみて、いよいよ「四コマ小説」という形式が完成しつつあるような気がした。チョココロネについて駄弁っている話も収録されており、作者は明確に『らき☆すた』を意識しているようだ。
ラノベ部というぐらいだから、主要な登場人物は全員ラノベ読者。
ラノベネタはあちこちに頻出しており、思わずニヤリとする箇所も多い。ラノベ愛好者なら、読んでいるうちに彼女達に自然と共感していることだろう。
ラノベ部には個性的なメンバーがそろっている。
まず主人公の物部文香。
彼女の天然マイペースっぷりは神がかり的で、本書のまったりムードの源泉になっている。普段は漢字がにがてでかいわにひらがなのおおい女の子だが、たまに邪気なく急所を毒針で一突きしたり、他人のツボを一突きする恐ろしい娘である。天然最強伝説。その最大の被害者親友の藤倉暦も、一見、クールな無表情系のようでいて、しょっちゅう顔を赤らめる様子がえらくかわいい。
百合好きにしてラノベ部の部長・浅羽美咲、美人なのに現実に興味を持たない婦女子・桜野綾、女の子みたいな可愛らしい外見で心は真っ黒な堂島潤、馬鹿っぽいがハイスペックな男の子・吉村士郎、ハーレムの主になり得たかも知れない竹田龍之介、と他の部員もキャラが立っており、魅力的だ。
『SH@PPLE』で可愛い女の子立ちを描ききったよう太氏がイラストを担当。その愛くるしさは尋常ではない。目次の「キャラクターしおり」は、キャンペーンで本物を配布してほしいぞ!
個人的なお気に入りはやはり藤倉暦と物部文香がツートップ。だが文香の妹の雪華もその性格に一撃で参ってしまった。
もう1人、桜野綾は好きとか嫌い以前に、俺がいる俺が。
等身大の自分を発見できる個性あふれる濃密なキャラたちに出会えるはずだ。

時代は『ハルヒ』型から『らき☆すた』型なのか。
と安直に考えたくないものの、雑談小説とでも呼ぶべきジャンルが急速に増えているのは事実だ。
雑談小説とは、『生徒会の一存』や『化物語』のような、少年や少女が世界を救うわけでもなく、ただひたすらに駄弁ってばかりいる小説のことで、この『ラノベ部』もまた登場人物たちがライトノベルに関係あるような無いような事をひたすら駄弁っている。
ショートショート並みのページ数でエピソードが完結するが、ショートショートのようにアクロバティックにオチを決めることもなく、雑談ばかりがつづられている。読み終えてみて、いよいよ「四コマ小説」という形式が完成しつつあるような気がした。チョココロネについて駄弁っている話も収録されており、作者は明確に『らき☆すた』を意識しているようだ。
ラノベ部というぐらいだから、主要な登場人物は全員ラノベ読者。
ラノベネタはあちこちに頻出しており、思わずニヤリとする箇所も多い。ラノベ愛好者なら、読んでいるうちに彼女達に自然と共感していることだろう。
ラノベ部には個性的なメンバーがそろっている。
まず主人公の物部文香。
彼女の天然マイペースっぷりは神がかり的で、本書のまったりムードの源泉になっている。普段は漢字がにがてでかいわにひらがなのおおい女の子だが、たまに邪気なく急所を毒針で一突きしたり、他人のツボを一突きする恐ろしい娘である。天然最強伝説。その
百合好きにしてラノベ部の部長・浅羽美咲、美人なのに現実に興味を持たない婦女子・桜野綾、女の子みたいな可愛らしい外見で心は真っ黒な堂島潤、馬鹿っぽいがハイスペックな男の子・吉村士郎、ハーレムの主になり得たかも知れない竹田龍之介、と他の部員もキャラが立っており、魅力的だ。
『SH@PPLE』で可愛い女の子立ちを描ききったよう太氏がイラストを担当。その愛くるしさは尋常ではない。目次の「キャラクターしおり」は、キャンペーンで本物を配布してほしいぞ!
個人的なお気に入りはやはり藤倉暦と物部文香がツートップ。だが文香の妹の雪華もその性格に一撃で参ってしまった。
「違うよ、全然違うよ。駄目なわけがないよ。じゃあおねえちゃんに比べたら塵芥にも等しい非才の身なれど僭越ながらこのゆきめがサッカーのルールについて教えたげる。ううん、謹んで教えさせていただきます。でも本当はおねえちゃんに比べたらサッカーのルールなんてうんこなんだけど。むしろおねえちゃんがルールだけど。ルールっていうかもう宇宙の摂理だけど。おねえちゃんならボールを自陣のゴールにスラムダンクしても30点くらい入ってコールドゲームだよ。おねえちゃんからボールを奪ったら即レッドカード」この妹がどうしてここまで姉を崇拝しているのか、まったく謎であり、世界の七不思議を越えた、グインサーガでいうところの「宇宙生成の秘密」に認定してもよいのだけど、まあきっと宇宙の摂理の一語ですませられそうな気がして恐ろしい。
もう1人、桜野綾は好きとか嫌い以前に、俺がいる俺が。
「三次元……え、ついにフィギュアに手を出しましたの? 立体モノはのめり込むとあっという間にお金を吸われますからご注意を」そんなわけで、ラノベ読者ならきっと、
「ちゃうわ! 普通に現実に生きている男の子よ!」
「はぁ?」
綾が「君が何を言っているのかわからないよ」という顔をした。
「……いや『はぁ?』て。なんでそんな不思議そうな顔するのよ」
「浅羽さん、現実の男の子なんかに未練がございましたの?」
「未練って……。別にあたし、あんたと違って二次元至上主義者じゃないし」
「失敬な。わたくしだって三次元に興味くらいありますわ」
「フィギュアでしょ?」
「ええ」
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