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ジブリにアニメ化してもらいたいような、まっすぐな物語 『ミミズクと夜の王』

ミミズクと夜の王紅玉いづき
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ジブリにアニメ化してもらいたいような、まっすぐな物語でした。
ど真ん中に投げてきて、そのまま心を貫通された感じ。半身浴しながら3日ぐらいかけて読もうと思ってたら、ダメ、この引力に逆らえない……風呂から上がって、そのまま読みふけって最後まで読み終えてしまいました。

こういう紹介の仕方は安っぽいから好きではないのですが、泣ける本を求めている人にはぜひ読んでほしいです。ケータイ小説にありがちな、友達との不和、男とのすれ違い、レイプ、妊娠、ドラッグ、不治の病といった泣かせギミックは存在しません。また、戦う少女、肉体改造、魔術、周囲の人間の死、非日常からの来訪者といったライトノベル的なギミックも存在しません。

これは、ミミズクというちょっと変わった女の子が夜の王に出会う、ただそれだけのおとぎ話です。おとぎ話というのは、世界中のどこであっても、誰もが楽しめる物語の形式です。舞台となる王国や世界についての詳細な設定は語られません。これが現代の小説でなく、ヨーロッパに昔からあるおとぎ話だと言っても、けっこう騙せそうな気がします。ライトノベルらしからぬ表紙の絵は、編集者の英断ですね。できれば、ハードカバーで出してほしかった気もしますが。
「あたしミミズク違ったのー。あたしぃ、村で、奴隷しててー、奴隷する前覚えちゃいないんだけどー、そん時名前ミミズだったの。クソとか、悪魔とか呼ばれたりもしたけどねー、ミミズって名前でー、ミミズって知ってるー? 泥食べんだよーだからあんたも食べなさいって泥投げられるんだけど、そんなん、食べられるわけないよぅ。
だからあたし、ミミズにクをつけて、ミミズクって自分のこと呼ばれてると思うことにしたんだよー。っていってもミミズとか食べるわけじゃないんだよー?」
「…………愚かな。
”苦”だけを付け足したか。ミミズだけの方がまだ、ましであったかも知れぬものを」
「んー、クって苦しむの苦ー? えぇーでもだってー、可愛いと幸せだし。苦しんでも、幸せのがよくなぁーイ?」

(注:地の文を省略)
ミミズクという少女は何も知りません。無知は不幸なのかもしれませんが、彼女は無邪気であり、ある意味無垢で、そして無謀でもあるのでしょう。彼女が人間なら皆が恐れる夜の王と出会ったのも、たまたまです。

彼女は彼を好きになったのか。いえ、どちらかというと、懐いたという表現がふさわしいでしょう。他の人間から「家畜」扱いされ、「人間なんて言わないで。あたしミミズク、ミミズクだよー!」と叫ぶ彼女は確かに、人間として与えられるべきものが与えられていなかったのです。

夜の王と一緒に森に住むようになり、彼女は何かを得るのです。しかしその生活も長くは続きません。彼女は優しい人々に森から「救出」されてしまいます。そうしてようやく彼女は、他の人間から与えられるべきものを与えられるのですが、やがて一人の女の子として、自主的に自分の運命を選択します。そう、これは、獣にされた少女が人になり、愛を知るに至るおとぎ話なのです。
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テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

タグ:ミミズクと夜の王  紅玉いづき  

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