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銃撃ち作家の共闘 『ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ』

ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ虚淵玄

広江礼威と虚淵玄、当代きっての銃撃ち漫画家と小説家がタッグを組んだ。
ガガガ文庫の編集をベタ誉めしたくなる、最強の布陣。
さながら、張とバラライカが相棒になったようなものだろう。

虚淵玄というノベルゲームライターをご存じない人のために、補足しよう。
作品の特徴はハードなバイオレンスと重苦しいストーリー、そして濃厚な「銃」の描写。出世作『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』と『吸血殲鬼ヴェドゴニア』が多くのファンを獲得し、ニトロプラスの名を一躍PCゲーム界に知らしめた。最近ではTYPE-MOONとコラボレーションして、『Fate/Zero』全4巻を執筆し、同人出版界の歴史に記念碑を築き上げている。

救いのない暗い終わり方をする事もしばしばで、軽くて明るい作品が好まれる昨今、読者を選ぶ作家ではあるだろう。『Fate / Zero』の後書きによれば、本人は心温まる物語を書きたいらしいが……。そういえば『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』のアインENDは、絶望の果てに確かな希望を感じる、人が大きなものに抱かれて希望を見出す、さわやかで心地よい結末だった。

虚淵玄は作家として正直すぎて、過酷な状況からの脱出をなかなか信じられないのかもしれない。救いを見出すほど過酷な生を描くがゆえに、奇跡のような救いを書ききれない。

本作は虚淵玄らしい陰鬱な雰囲気は影をひそめて、いかにも『ブラック・ラグーン』らしい、馬鹿げた、狂った、本物の、腐った、ブラックな戦いと人生と銃撃戦がテンコ盛りだ。時系列としては、ロックの日本への里帰り前のエピソードにあたる。ブラックラグーン号が運んだ「お客様」が引き起こした事件のせいで、三合会(トライアド)とホテル・モスクワを巻き込んだ騒動が巻き起こる。

ロックやレヴィは無法都市ロアナプラの「ハルマゲドン」の再発を防げるか。いやいや、そんな真面目なお題目なんぞ、クソに捨てちまえ。レヴィにとっては、あのイケすかねえナルシス変態野郎にキツい仕返しをしてやらないと気が済まない。ただ、それだけで十全。

悪党たちのイカレっぷりは原作に負けず劣らず。
銃にCCDカメラを取り付けて、「銃口の視点」で映像をインターネットに配信し続けている、自称ネットアイドルのジェイク。バラライカとの過去の因縁を抱える、ヘロイン中毒者の凄腕スナイパーのスタン。しかし最も痛快なのは、現代に生きるニンジャのシャドーファルコンだ。あのシェンホアさえ手玉に取る最強の忍者と、三合会の伊達男・張維新の1対1の対決は抱腹絶倒。ぜひ読み逃しなく。

個性的な登場人物が多く、バラライカや張にもかなりのページが割かれているため、ブラックラグーン号の面々は今回冴えない役回りになっている。特にロックがこれといった活躍をしておらず、ファンには少し物足りないかもしれない。しかし活字で描かれたロアナプラも熱い。それは確かだ。


『ブラックラグーン』の8巻と同時発売で、どちらの巻末にもふたりの対談が掲載されている。
銃撃ち作家のバカ話はコミックで、ノベライズの経緯は小説で触れている。
広江  虚淵さんが脚本を書いたPCゲーム『続・殺戮のジャンゴ』でまず良かったのは、ヒロインの一人が開口一番「童貞、食いてえ!」って言うところですね(笑)。ま、そこで僕は(ハートを)ズキューンとされちゃったわけです。なんという正しいビッチだ!と。
虚淵  それをお客さんが受け入れてくれたら良かったのですが…。
広江  ああ、ビッチ萌えの時代はまだ来てくれないのか(笑)。
虚淵  女性はね、モンスターというか、もっとおっかないものであって欲しいんですよね。だから巷に溢れる幼なじみのクラスメイトに萌えきれない部分があるんですよ。
広江  それでいいんですよ。そういう話は僕らがやらなくても、他にもっと上手い人が描くわけですから。僕らは「童貞、食いてえ!」って叫ぶ女性を描き続けましょうよ(笑)。



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コメント

そういえば、アニメ第三期が決定したそうですね。
どの辺りの話まで入るか楽しみです。

今、カウボーイビバップの実写映画化の話が上がっているので、その内ブラックラグーンも…、と想像してみたりします。

>ZWEI さん
ブラックラグーンは実写向きではありますね。かっこいいのができそう。

実写になったら張の旦那がモロ男たちの挽歌になりそうな…

>VIPPERな名無しさん さん
確かに、確かに。
ホント、そうなりそうですね(笑

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