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激動のカタルシス 『花園のエミリー 鉄球姫エミリー第三幕』

花園のエミリー 鉄球姫エミリー第三幕八薙玉造
花園のエミリー―鉄球姫エミリー第三幕 (集英社スーパーダッシュ文庫 や 2-3)→bk1 →Amazon
1巻で凄惨な地獄絵図を生き残り、2巻で死中に生を得たエミリーは、冒頭から大胆な決断を下す。
「おい、グレン。貴様の親父に会いに行くぞ」
「は?」
平穏な昼下がり。エミリーが唐突に発した言葉に、護衛騎士グレンはぽかんと口を開けたままで固まった。驚くのも無理はない。グレンの父親、ノーフォーク公ジョゼフこそ、エミリーの命を狙って暗殺者を差し向け、家臣たちを殺した黒幕だからだ。

エミリーを殺すためなら、息子さえ囮に使う非道の陰謀家。そんな相手の所に進んで飛び込むのは、およそ自殺行為といっていい。当然のように制止するグレンだが、傍若無人の「鉄球姫」は当然のように止まるはずもない。かくして鉄球姫一行は、王都ルルジェに向かって出発する。

危険を顧みずに、黒幕との直談判を選んだ鉄球姫の真意は?
疑問を抱きながらも、グレンは鉄球姫と共にノーフォーク公ジョゼフの屋敷に潜入する。敵と味方にわかれた父と子の邂逅。グレンの目には、かつて尊敬した父親はもはや無く、暗躍する陰謀家の姿があった。

鉄球姫の決断とジョゼフの思惑により、事態は思わぬ展開へ転がっていく。
そして北方の隣国ヴェルンストも動きだし、老いたラゲーネン王国を揺さぶる大変化が起こり始める。

攻撃的な性格にもかかわらず、鉄球姫はこれまで「守る」立場に徹していた。
長女として生まれ、国を継ぐ教育を受けながら、弟が誕生したことで王位の座から遠ざけられた。しかし弟王は病弱で、貴族たちは国王派と王女派に割れてしまった。

争いを避け、王都から離れて暮らしてもなお、国王派の大貴族ノーフォーク公は刺客を差し向けてくる。彼女のあふれんばかりの才気が国を乱し、彼女の命を危うくする。乱世の英雄は、太平の世には逆賊にすぎない。

1巻、2巻の「守り」の戦いを経て、3巻でエミリーは初めて「攻め」に転じる。
その展開に読者は大きなカタルシスを感じるはずだ。しかし王国最大の危機はこれからである。国乱れる時、英雄立つ。鉄球姫の伝説は今、まさに始まろうとしている。

「……エミリー様。あえて申し上げます。その行為、姫的に大幅減点です」
 きっぱりと言い切る。
「……姫的という言葉がおかしいのはさておいて。あえて聞こうか。どの行為だ」
「まず。言葉遣いです。『腹が減った』? 淑女が『腹が減った』? そんな言葉遣うわけないでしょ。鞭で尻を叩く罰一回を、1ペシンと換算して、先程の言動は8ペシンに値します」
「なるほど。それで、我が護衛騎士グレン。妾が姫的に愚かな行いをして減点され、その8ペシンを得た場合、何をするのだ」
「無論。言葉どおり八回、尻を叩きます。さあ、こちらに向けて、お尻を出してください。鞭ならばここに」
 グレンは懐から鞭を取り出した。一目見て使い込まれたことがわかる妙なツヤを帯びた竹の短鞭だ。
「だ、出すか阿呆! 貴様、本当に、まさしく阿呆だろ! どこの世界に主の尻を叩こうとする護衛騎士がいる!」
「グレン・ジョゼフ・ノーフォークはここにいます」
もう1つの伝説も始まるのかもしれない。


関連
貴様も、貴様も、貴様も、頭蓋を砕かれろ! 王道の罵倒、卑猥の姫様 『鉄球姫エミリー』
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