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2006年雑感 ライトノベル編

あけましておめでとうございます。
2007年になってしまいましたが、2006年を振り返りたいと思います。

いわゆるライトノベルブームはピークを過ぎていると思いますが、『ハルヒ』の大ヒットもあって、ライトノベルのアニメ化企画は勢いづいたんじゃないでしょうか。2007年もライトノベル原作のアニメはいくつも登場しそうです。

(ボクの場合、人生でゲーム離れした時期はあっても、本離れした時期は無いので、ブームがあろうと無かろうと、あんまり関係はありませんが。)


■見事なフィナーレを飾った2006年最高の作品

2006年の最高傑作といえば、間違いなくこれでしょう。

銀盤カレイドスコープ海原 零
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女子フィギュアスケートを題材にした『銀盤カレイドスコープ』がついに完結。人気がある限りダラダラと続いて、終わった頃には人気が無くなっている……というケースが多く、きちんと終われる作品が少ないご時世、ここまで高い完成度を誇る最終巻はなかなか無いでしょう。

オリンピックの舞台で世界的なスケーターとなってから4年、タズサはついに不敗の天才スケーター、女帝リア・ガーネット・ジュイティエフに宣戦布告します。タズサが天才なら、リアは神に愛でられた天才。

リアを猪熊柔とするなら、タズサは『YAWARA』における本阿弥さやかやジュディ、テレシコワ。凡人が天才に勝つには天才を上回る努力と運が必要。努力だけで勝てるような相手を天才とは言いません。しかし天才は、その運さえも軽々と超えていきます。

絶望的な実力差。そして女帝のプレッシャー。かつてない重圧と戦いながら、桜野タズサはオリンピックにて、女帝リアとついに対決します。はたして桜野タズサはリアに勝つことができるのか!
その後の展開は、予想を超えたものに。いや、まさか、こんな事になるとはなあ……。


■収穫の多かったスニーカー文庫

そろそろ電撃にも飽きてきた……というわけではありませんが、振り返ってみると、2006年はスニーカー文庫に手を出すことが多かった気がします。『ハルヒ』効果という訳でもないんですが。

されど罪人は竜と踊る浅井 ラボ
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化学式を組み込んだ独特の魔術理論や、濃度の濃いバトル、独自の世界観など、魅力は多いのですが、それ以前にこのシリーズは「ライトノベル界随一の鬱小説」です。ライトノベルに萌えを求める人にはまったく向きません。

仲が悪そうで、しっかり結びついたガユスとギギナのコンビ、二人の将来の危うさを誤魔化しながら、揺れ続けるガユスとジヴの大人の恋人関係。主人公は心に挫折感を抱いていますし、事実、許されない失敗をおかした過去を持っています。

全体にビターな味わいです。ハードボイルド・ファンタジーという表現が近いかな。多くのライトノベルが中高生向けとするなら、これは大学生~社会人向けという感じです。

お・り・が・み林トモアキ
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デビュー作の『ばいおれんす☆まじかる!』が途中で打ち切りになってしまって、追いかけるのをやめていたんですが、今年ついに再会しました!

非常に勢いのある小説で、とりあえず3巻まで一気に読んだほうがいいです。1巻だけだと、伏線が多いだけのメイド少女アクションに思えますが、二転三転して先が読めなくなるあたりから面白くなるので! 巻を追うごとに面白くなる、逆に言うと、何冊か読まないと面白くなってこないという事ですが、その障壁を乗り越えるだけの価値がありますよ!

戦闘城塞マスラヲ林トモアキ
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『お・り・が・み』の続編。
負け犬ひっきーと、電子ウイルスのコンビが、人生の逆転をめざして、世界を律する聖魔王の権利を賭けた武闘大会に出場します。『お・り・が・み』では借金のカタに内蔵を売られそうになっていた少女が主人公でしたが、『マスラヲ』もかなりどん底からのスタートです。

先の読めない展開はますますエスカレートっ!! 『マスラヲ』が面白くて、『お・り・が・み』を読み出した人もかなりいるみたいですし、まずはここから入るのもありですね。

『神様ゲーム』と『薔薇のマリア』は共にスニーカー文庫でプッシュされている作品。『神様ゲーム』は名前の通り、神様とゲームするユニークな設定の作品で、『薔薇のマリア』は1巻に関しては、ウィザードリィ小説を思わせる内容です。

神様ゲーム宮崎柊羽
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ある日突然神様は言いました、「さあ、ゲームを始めよう!!」と。1ヶ月以内に人間になりすました神様を見つけ出さないと、地球は崩壊することに。しかし神様が隠れた場所は、願いを叶える土地神「かのう様」の支配する土地でした。神様の土地で神様とゲーム。はたして創造主を見つける事ができるのでしょうか。

薔薇のマリア十文字青
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1巻に関しては、ウィザードリィ小説をライトノベル的に再構築した作品です。本格的に物語が動き出すのは2巻以降ですが、ウィザードリィっぽさを求める人はとりあえず1巻だけ読んでみればいいかと思います。


■安定した人気の電撃文庫

『禁書目録』に手を出した以外は、さほど大きな注目作も無かった気がします。電撃文庫は、いわゆる現代学園異能モノを積極的に展開しています。今後ジャンルとして定着していくかどうかが気になる所です。個人的にはちと食傷ぎみかな。

とある魔術の禁書目録鎌池 和馬
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電撃文庫とガンガンのコラボレーションが始まり、今後のメディアミックスが期待されます。今年読み始めたシリーズの中で、問答無用一言一句の文句無しに一番燃えた作品。魔術勢力(魔術師)と科学勢力(超能力者)が対立している世界というのがユニークな設定です。

魔術サイド中心の巻と科学サイド中心の巻がありますが、科学サイドの話のほうが断然面白いですね。腹ぺこシスターのインデックスと、ツンデレびりびり中学生の御坂美琴では、美琴のほうが人気ありそうです。

面白いのは一方通行(アクセラレータ)や1万人の妹達(シスターズ)、打ち止め(ラストオーダー)が登場する3巻、5巻、8巻です。とりあえず1巻と2巻はさらっと読んで、3巻に突撃してみて、続きを読むかどうか決めたらどうでしょうか。

狼と香辛料支倉 凍砂
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電撃小説大賞の銀賞を受賞し、新人作家の作品の中では、最も人気が高いシリーズ! 狼神ホロと行商人ロレンスの二人旅。ある銀貨が値上がりするという噂を聞きつけたロレンスは、そのもうけ話に乗るのですが……。

中世を舞台にしたファンタジーに見せかけながら、中身は経済小説という点が斬新でした。したたかな商人同士の駆け引きや、教会の勢力が増していき、人が伝説と決別しつつある中世の世界観もしっかり描けています。しかし一番の魅力は自分のことを「わっち」としゃべる賢狼ホロです。
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テーマ:ライトノベル感想 - ジャンル:小説・文学

タグ:ライトノベル  富士見ミステリ  スニーカー  電撃文庫  

コメント

ありがとうございました。

DAKINIさんの紹介にうごかされ「とある魔術の禁書目録」
そして「神様ゲーム」よみました。
既刊12冊と5冊一気読み!
ひさかたぶりに読書の楽しさを満喫いたしました。ありがとうございます。

これからも面白そうな本をたくさん教えてくださることを期待しております。

さて、しかし。
この2つのシリーズを読んで気になった点がひとつ。
主人公周りのドラマがない!ということ。

登場人物たちが主人公と接触することでいろいろ
変化があって楽しいのですけれど、
主人公自身はまったく成長も変化もしないのですね。

僕はビルドゥングスロマンが大好きなので
少し残念です………。
最近のライトノベル事情には明るくないのですが
これは共通する傾向なのでしょうかね?

恐縮です、ライトノベルの読者が増えてたいへんうれしいです。

> 僕はビルドゥングスロマンが大好きなので
中高生向けという意味では、本来ビルドゥングスロマンが欠かせないのですが、昨今のライトノベルは王道的な傾向は少ないですね。萌え的な意味での王道作品は多いのですが。

たまたまボクが読んだ本がそういう傾向なだけかもしれませんが、どちらかというと、少女の成長を描いた作品のほうが多い気がしています。『よくわかる現代魔法』『銀盤カレイドスコープ』『お・り・が・み』あたりもそういう感じですし。

美少女ゲームで主人公の男の子が成長しないように、ライトノベルの主人公も成長しないのかなあと思います。現代学園異能も、ビルドゥングスロマンとは違いますし。

まだシリーズを3巻までしか読んでいないのですが、『薔薇のマリア』には成長はあります。ビルドゥングスロマンとは違う作風ですが。ウィズ系小説というかんじです。
戦いとかはまったく無いですが、『半分の月がのぼる空』も主人公の少年の成長はありますね。8巻まで出ていますが、5巻までが本編で、6巻以降は後日談という形です。あと、『神様家族』の1巻とか。

『Dクラッカーズ』『ブラックブラッドブラザーズ』あたりは熱いのですが。あと、『紅』もなかなか。『紅』なら成長もあるといえるかなあ。トラウマの克服って感じで、親との対決というような感じではありませんが。

うーん、振り返ってみると、ライトノベル全体として、親的な存在との対決、前世代からの継承という枠組み自体が、リアリティーを失っている感はあります。

善良な市民の2006年総括 (4) 成熟をめぐって~「エウレカセブン」はなぜ失敗したか
http://www.geocities.jp/wakusei2nd/32d.html
この辺の議論がなかなか面白いです。この中で触れられている『ジョン平とぼくと』は、購入済みですが、未読のままなので、オススメできるかどうか判断できません。地味な作品だなあとは思いますが。

なるほど

少女の成長物語ならあるのですか。

主人公に感情移入可能でさえあれば面白く読めそうですね。

ただ、ライトノベルに(萌えではない)王道作品が少ないということは
主人公に感情移入する読み方はもうはやらないということなのでしょうか。
あるいは逆に、感情移入した主人公が成長するのがいや、とか。

上記のような感慨を持ちつつリンクされていたページを読みましたが
議論としては面白いもののあまり納得は得られませんでした。

95年以降の世の中の変化が「善導する大人」を通用させなくした、
と読めますが、それ以前だって「善導する大人」は成長物語に
欠かせない要素だったわけではないのでは?と思ってしまったもので。
(『ガンダム』『15少年漂流記』などなど・・・まぁ例をいくら挙げても
意味がないことではありますけれど。)

なにか95年以前の作品で「善導する大人」がでている典型例が
あげられていれば、(僕に対して)説得力が出たのではないかと
思いますが。

ともあれ、少女が主人公の小説も
小野不由美『十二国記』シリーズや新井素子『星へいく船』シリーズを
面白く読めているので、ぜひチャレンジしてみようと思います。

また、美少女ゲームでは男の子が成長しない、とありましたが
僕がプレイした『ファントム』や『デモンベイン』、それに『Fate』では
成長、とはいえないまでも変化はあった気がします。
自分のプレイしているゲームが偏っているのかもしれませんが………。

> 95年以降の世の中の変化

まぁエヴァとオウム(地下鉄サリン)を重要視しすぎているきらいはありますね。>オタク、サブカル論壇
大人のようになれば、幸せになれるよね的な神話が崩壊した、という象徴という意味で、95年を挙げているのでしょうね。無論、どちらの傾向の作品もそれ以前から存在したのは確かです。

> また、美少女ゲームでは男の子が成長しない、とありましたが
> 僕がプレイした『ファントム』や『デモンベイン』、それに『Fate』では

ボクもどれも好きな作品です(^^
普通(?)のギャルゲーの事を指したつもりです。まぁハーレム系というか。『ToHeart』の流れを汲むものですね。プレイヤー=主人公の少年が、少女たちを救う(問題、トラウマ、弱点を克服するのを見守ったり、協力する)ことで、結ばれるフォーマットです。

ニトロとTYPE-MOONは人気は高いものの、例外的な作品(というには人気が高いのですが)でしょうね。両社とも、熱い作品をつくると思います。『Fate』はギャルゲーフォーマットを残しつつも、『月姫』と比べて、より少年漫画的なものを意識して書いていると思います。もっとも、士郎の内面自体は、終始一貫して、頑なに変わってないのですが。

『ファントム』は明らかに成長(いい方向かどうかはしりませんが)はしていますね。『デモンベイン』は少年漫画的という点で、比類ないのですが、主人公の内面の変化はあまり描かれていないな、と思います。まぁそもそも少年漫画において、内面の成長は必ずしも重要ではないんですが。少年漫画では成長を外部化(外面的にわかるように描く)することに重きを置き、少女漫画では成長を外部に出さず、心理的な成長を重視する傾向にあります。

『ドラゴンボール』でも主人公の孫悟空が「オラ、もっと強いヤツと戦いてえ」以上の人格を持たない(超サイヤ人になった時のような怒りはあるものの)のに対し、孤独感を演出されたピッコロ、べジータのほうが内面が複雑になっていたりします。

話が少し飛躍しますが、↓の「白」と「黒」の議論もちょっと面白いですね。まぁ評論が先行しすぎると、作品を枠(結論)に当てはめていくことになるので、やや危険ではあるのですが。
http://d.hatena.ne.jp/otokinoki/20051121/p1
http://d.hatena.ne.jp/otokinoki/20060412/p1

実際には、常に例外はありますし、作品ごとに定義(?)からのぶれが当然あるわけですが。というのは、定義から入って作品をつくる人はいないからです。作品があって分類の都合上、定義が生まれるのですし。また作劇上のセオリーがまとめられて、ジャンルを形成するからです。

『とある魔術の禁書目録』では、十馬が女の子を救うギャルゲー的な主人公で、一方通行がHUNTER×HUNTERのキルアの役どころに近いですね。彼のほうがはるかに「成長」を描かれています。
「白」と「黒」のフレームワークがどこまで有効かはわかりませんが、「主人公の少年の成長」を1人ではなく、複数の人物に分散させて描く傾向は顕著なのかもしれませんね。まぁそれにしても、先例は無論ありますが。

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