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ヤムチャの絶望、人の子の絶望 『とある魔術の禁書目録 16』

とある魔術の禁書目録 16鎌池 和馬

アニメ化が発表されると共に、原作本編はますますヒートアップ!

より強い敵との戦い、愚直なまでのドラゴンボールこそ、『禁書目録』の基本である。魔術師の次は大魔術師、司教の次は枢機卿、次は教皇、その次は聖人、さらには神の右席。次なる敵はさらに強い敵、その先はさらにさらに強大な敵。魔術と科学(超科学+超能力)の両方が存在する、筋金入りの中二病のるつぼで、ひたすら少年漫画しつづけているのだ。

弱者が強者に抗うのが熱血の基本。しかし16巻も戦いを重ねれば、敵の強さはすでに最上。「聖人」にして、『神の右席』たる後方のアックアが上条当麻の右手を狙って、学園都市に侵入してくる。

強い。この男、強すぎる。
戸愚呂(弟)と仙水を足したぐらい圧倒的。前巻で当麻たちを苦しめた難敵を一瞬で殺した、桁違いの強さである。スカウター吹っ飛んでるだろ、これ。

アックアは全世界に20人といない聖人の1人。
世界最大の宗教を魔術結社的に再構築した禁書ワールドにおいて、聖人とは『神の子』と身体的特徴が似ているがゆえに、偶像崇拝の理論によって『神の子』と同種の力を引き出せる才能をもった人間のこと。人の器という限界はあるにせよ、『神の子』の力をふるうという点で、反則なまでに破格。生まれもった才能だけであらゆる魔術師を凌駕する。

重傷をおった上条当麻を守るため、天草式十字凄教の数十人がそれに抗う。
さながら、サイバイマンの群れがフリーザに挑むがごとき所業である。すなわち絶望戦。全力をもって運命に抗い、命を賭して守るべきものを守らんとする。

が、一蹴。

人の子が聖人に勝つなど、所詮あり得ぬ夢。
戦いなどと呼べぬ児戯に等しい。

そして最大の味方が現われても、彼らを絶望から救いはしない。悟空が強敵と戦っていたとき、それは守られる者達にとって希望であり、同時に最悪の絶望でもあった。ヤムチャの絶望は人の子の絶望。聖人どうしの激闘は、天草式の面々を無気力感に陥らせる。
 他にも何人かが、同じように武器を落としていた。膝から力を失い、壁に手をつく者もいた。そして、これもやはり同じような表情を浮かべていた。

 それは、ただ圧倒的な無気力感。

 自分は一体何をやっていたんだろう、と五和は思っていた。
 神裂火織が自分達のために戦ってくれれば戦ってくれるほど、自分達の努力が否定されていく感覚があった。どこまで努力しても自分達は聖人の掌の上から逃れる事はできず、『彼女』は愛らしいものでも見るような目でそれらを眺め、そしていざ危険が迫れば誰にも到達できないような高みで戦いを繰り広げる。
 全然、本気で見てもらえていなかった。
 どこまでいっても、所詮は遊びでしかなかった。

この巻で描かれているのは人の子の絶望。すなわち、ますますエスカレートしていく禁書ワールドにおける最小の絶望単位。しかしそれで終わらないのが禁書目録。人の子の絶望を救うものをぜひとも見届けていただきたい。


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