さあ？ 　　　　

バカとテストと召喚獣 4（井上 堅ニ）

バカ丸人気急上昇中の『バカテス』シリーズ第4巻。

あれ、ラブコメ買ったはずなんだけど、おかしいな、どこにもラの字が・・・・とは言わないものの、あまりのバカ率の高さにLOVEが霞んでいた『バカテス』シリーズ。おもりをつけてバトってたうえ、「オレはまだ60パーセントにすぎない」と、いつまでも出し惜しみ続けるマッチョ野郎みたいに、ラブパワーを抑制していたバカたちが、ついに本気でラブコメし始めた。

島田美波、吉井明久にキスをする！

登校時におきた衝撃の出来事に、Fクラスは騒然。
臨時査問会が執り行われ、厳正にして公正な審問が……。

『そうだ！　自白を強要しろ！』
『議事録を改竄しろ！』

「ねえちょっと！　皆ノリで言ってない!？　普通こういう時は自白の強要が事実だと認めちゃいけないと思うんだけど！」
　この連中は本当に審問会の意味を知っているんだろうか。
「ええい、灯油とライターの用意はまだか！」
「自白させる拷問もそれなの!？　要するにどっちも処刑だよね!？」
「違うぞ吉井。罪を認めない場合は自白用と断罪用の二回があるから、一回分お得なんだ」
「騙されないぞ！　そんな洗顔フォームの増量キャンペーンみたいな売り文句を言われても僕は騙されない！」

相変わらずのFクラスだが、島田の様子は尋常ではない。
隣に座っていいかしらと基本技でポジションを確保。授業中の髪の毛攻撃に、手作り弁当。やめて！　明久のHPの残りはゼロよ。

とばかりに、繰り出されるラブ攻撃。昨日の暴力娘が今日の恋する女の子。明久＠バカ最強が余計な一言を口にするたび、鉄拳が飛び、関節破壊のサブミッションが人体破壊していた昨日までがなつかしい。

嫉妬するFクラスの連中が投げるカッターの雨が明久をおそう。恋愛も命がけなのがラブコメの掟だね☆　しかし嫉妬は、クラス内にとどまらない。テストでクラスの序列が決まる文月学園では、上位のクラスが自分から下位のクラスに戦争をしかけるメリットなど無いはずだったが・・・・DクラスがFクラスに武力制裁を準備しているという情報が飛び込んできた。

主謀者は、美波に恋する女の子、清水美春。憎い恋敵をキルするためなら、戦争も辞さない。クラスメイトを扇動する、女の子の嫉妬は恐ろしい。最大の危機をかわすため、Fクラスのリーダー、雄二がとった作戦とは？

巻き込まれた美波と明久は微妙にすれ違い、食い違って・・・・。体が傷つくのが男の子なら、ハートが傷つくのが女の子。バカは恋愛も失敗するのか？　けれども、それで終わらせないから、明久は愛されるバカなのだ。決めるときは決めるし、言うときは言う。

明久を争う二人の女の子、島田美波と姫路瑞希。
終始、美波のフルボッコだったが、次巻以降、瑞希の反撃を見せてほしいもの。今回のささやかな反撃は122ページの一幕ぐらい。隣のイラストは反則なほどかわいらしい。

バカも恋愛もパワーアップしつつあり、ますます面白くなってきた『バカテス』シリーズ。巻数がまだ少ない今のうちに手をつけることをオススメする。


関連
バカ、バカer、バカestの学園ゲーム小説　『バカとテストと召喚獣』
それは秀吉という概念　『バカとテストと召喚獣 2』
バカ3乗！　漢たちの熱い戦い！　さあ理想郷へ！　『バカとテストと召喚獣 3』
外で読むのが危険すぎる　『バカとテストと召喚獣 3.5』