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現代を生きる魔術師の物語 『レンタルマギカ』、ほぼ全巻紹介
科学全盛の現代において、魔術師を生き生きと描くのは難しい。何故なら、今の人類にとって魔術など不要なのだから。火を起こすなら100円ライターで事足りる。空を飛ぶなら飛行機があり、一般人が自動車という暴力装置を運転できる。戦いにしても、現代兵器の前で、あらゆる幻想種など、容易に駆逐されてしまうに違いない。
あらゆる幻想を殺し尽くした世の中で、今なお魔術を追い求める者。そいつは馬鹿という他ない。あきらめが悪く、偏屈で、意地っ張りで、負けず嫌いで、プライドが高く、孤高で、挑戦心に満ち、傲慢で、そのくせ俗世になじむことに臆病なのだろう。そのような愚直で不器用な人間を魔術師という。
そんな魔術師の物語にこだわり抜く、数少ない作家が奈須きのこ。
魔術師とは続く者。父が子に、子が孫に、代々その血と魔力、魔術の技を伝えていく。そうやって、より血を濃くし、魔力を高めて、いずれ子孫が真理へ到達するのを望んでいる。人の意志も才能も努力もすべて、連綿と受け継ぐ血に比べれば、何の価値もない。人の営みからすれば異質なあり方。ゆえに孤独、ゆえに異端。しかし意地っ張りのこの連中のあり方に、何とも言えない魅力も感じるのだ。
同じようにこだわり抜いて魔術師を描く作家が三田誠。
奈須きのことほぼ同じような魔術師観を備えた作家である。いわば、同志。こちらの対談でも、なんと仲の良いことか。
凜に叱ってほしいと悶えた者、青子に眼鏡を作ってほしい者、橙子を傷んだ赤色と呼んでみたいと考えてしまった者。魔女に魅入られた読者たちは、アディ(アディリシア・レン・メイザース)の操るソロモンの魔神に引き裂かれ、穂波・高瀬・アンブラーにしごかれたいと思うに違いない。
この作品は、現代では数少ない、真性の魔術師作家がつづった物語である。
レンタルマギカ 魔法使い、貸します!

普通の高校生だった伊庭いつきは、父親の遺産を相続して、零細企業<アストラル>の社長になる羽目に。零細企業の哀しい宿命。しょぼい仕事ばかりで、副業の占いコーナーの執筆で生計を立てている始末だ。
そのうえ、ソロモン王の魔術を受け継ぐ有名な魔術結社<ゲーティア>と競合することになってしまう。欧州が縄張りのゲーティアが極東の地にやってきたのには、実は理由があった……。古代ケルト魔法、黒魔術、神道、陰陽道など、世界中のさまざまな魔術が登場し、魔術師達の混沌の夜が始まる。
レンタルマギカ 魔法使いVS錬金術師!

最初の事件を解決したのもつかの間、新しいトラブルが<アストラル>に降ってくる。
かつて父とともに<アストラル>のメンバーだった錬金術師ユーダイクスが、いつきの遺産相続に異議を唱える。もともと望んで、社長の椅子を継いだわけではあるまい? ユーダイクスの言葉は真実。そもそも、成り行きでなった社長なのだ。
魔術決闘を挑んできた錬金術師に、いつきはどう答えるのか。社長としての自覚を持ち始め、少年の成長がうかがい知れる第2巻。
レンタルマギカ 魔法使い、集う!

初めての短編集。
<アストラル>で唯一1巻に登場しなかったメンバー、黒羽まなみが仲間に加わる「魔法使い、貸します!」のほか、葛城みかん、アディの活躍する短編を収録。毎度、色々な魔術が出てくるところがレンタルマギカの魅力の1つ。
レンタルマギカ 竜と魔法使い

穂波の同門フィン・クルーダと、父と共に<アストラル>で働いていた隻蓮が初登場。
子供の頃、穂波がいつきをとある場所に連れて行った事がきっかけで、いつきは妖精眼を持つに至った。彼女はずっと、その事に罪の意識を抱いてきた。ケルト魔術の先輩であるフィンは、彼女の望みを叶える方法を教えてくれるが……。
妖精にさらわれて戻ってきた子供、取り替え児(チェンジリング)。フィンはどこまでも無邪気に、おのれの確たる意志をもたずに、最大の善と悪をなす。シリーズ全編を通しての敵<螺旋の蛇>も、徐々に姿をあらわすが、敵の強大さに、いつきや穂波、アディ達は翻弄される。穂波にとって1つの転機になる巻でもある。
レンタルマギカ 魔法使いの宿命!

アディと穂波。しょっちゅうケンカしているくせに、お互いに実力を認め合っている、強敵(ライバル)にして親友(ライバル)のふたり。はじめての出会いをえがいた「魔法使いと学校の怪談」は必読。今ではいつきを巡る恋敵(ライバル)でもある。
猫屋敷蓮の過去の因縁がよみがえる「魔法使いと星祭り」など、<アストラル>メンバーの過去に関するエピソードが多い巻。
レンタルマギカ 魔法使い、修行中!

裏切り者によってソロモン王の72の魔神を奪われてしまったアディ。魔法が使えないにもかかわらず、単身、敵の手から魔神を奪い返そうとする。対となる短編「ソロモンの絆」では、アディに仕える幹部のダフネと隻蓮、意外な組合せの2人が事件の裏側を暴きだす。
それまで描かれていなかった、ゲーティアの内情が明らかになり、アディがクローズアップされる巻。彼女の強さに、打ち震えること間違いなし。
レンタルマギカ 鬼の祭りと魔法使い (上)

里帰りしたみかんと付き添いの猫屋敷が帰ってこない。彼女達を心配したいつき達は、みかんの実家・葛城家をたずねる。しかし山の中で彼らを待ち受けていたのは、無数の鬼たち。
才能ある姉の香と才能の無い妹のみかん。葛城家は非情にも、みかんを人柱にして「鬼の祭り」の儀式を強行しようとしていた。魔術師にとっては、魔力を後代に引き継ぐ事こそすべて。才能の無い人間を犠牲にするのは魔術師の正義だった。
レンタルマギカ 鬼の祭りと魔法使い (下)

ついに始まった鬼の祭りによって、みかんと姉の香は鬼と同化していく。助けに駆けつけたいつき達の前に立ちはだかる無数の鬼。祭りをめぐって、さまざまな人の悲痛な想いが交錯するなか、ようやく真の敵が姿を見せる。
祭りは暴走し、すべてが怨(おに)に飲みこまれようとするが……。
レンタルマギカ 魔法使いのクラスメイト

いつきや穂波、アディ達のふだんの学校生活を描いた、貴重な短編集。
功刀翔子や山田和志など、いつきを見守る一般人の友人達にもスポットが当たり、全体的に微笑ましいエピソードが多い。学校編はもう少し増えてもいい気もするなあ。
また、妖精眼をもつ、もう1人の少年フィンを主人公にした異例の短編「魔法使いと水の都」も収録。
レンタルマギカ 吸血鬼VS魔法使い!

ルーン魔術を使う少年・オルトヴィーンが新入社員としてやってくる。強い魔術師に憧れる彼は<アストラル>のあり方を否定し、社長のいつきに食ってかかる。いつきは彼に社長として認めさせることができるのか。
そして彼の後を追うように姿をあらわす「吸血鬼」。あまりに強大な敵と対峙して、アストラルはかつてない窮地に陥るが……。
レンタルマギカ 妖都の魔法使い

魔術結社<アストラル>、ロンドンへ。
格付けを見直す審査を受けるため、いつき達は<協会>本部のあるロンドンにやってきた。<螺旋なる蛇>が本格的に活動を始め、協会本部を襲撃。強力な魔法使い達が次々と倒されていく中、魔法使いを罰する魔法使い・影崎の力がついに明かされる。
穂波や、祖母のヘイぜル・アンブラーをめぐる謎もほのめかされ、物語は佳境へと加速していく。
レンタルマギカ ありし日の魔法使い

いつきの父親が行方不明になる前の、過去の<アストラル>を描いた特別編。
魔法を使わない魔法使い・伊庭司。錬金術師ユーダイクス。魔女ヘイぜル。若き猫屋敷蓮。そしてもう1人。かつてのアストラルと<螺旋の蛇>の因縁が描かれる。思わぬ人物の意外な過去も判明して、謎は解き明かされる端から深まっていく。
レンタルマギカ 魔導書大全

短編集ではなく、ほとんどがイラスト。
イラストレーターのpako氏のイラスト集+ショートストーリー「本日は猫日和」+短編「魔法使い、結婚します!?」という構成だが、穂波とアディの結婚騒動を描いた短編を入れているのは巧妙すぎる商業主義。
あらゆる幻想を殺し尽くした世の中で、今なお魔術を追い求める者。そいつは馬鹿という他ない。あきらめが悪く、偏屈で、意地っ張りで、負けず嫌いで、プライドが高く、孤高で、挑戦心に満ち、傲慢で、そのくせ俗世になじむことに臆病なのだろう。そのような愚直で不器用な人間を魔術師という。
そんな魔術師の物語にこだわり抜く、数少ない作家が奈須きのこ。
魔術師とは続く者。父が子に、子が孫に、代々その血と魔力、魔術の技を伝えていく。そうやって、より血を濃くし、魔力を高めて、いずれ子孫が真理へ到達するのを望んでいる。人の意志も才能も努力もすべて、連綿と受け継ぐ血に比べれば、何の価値もない。人の営みからすれば異質なあり方。ゆえに孤独、ゆえに異端。しかし意地っ張りのこの連中のあり方に、何とも言えない魅力も感じるのだ。
同じようにこだわり抜いて魔術師を描く作家が三田誠。
奈須きのことほぼ同じような魔術師観を備えた作家である。いわば、同志。こちらの対談でも、なんと仲の良いことか。
僕と三田さんは'80年代後半から生まれた伝奇観を今でも大事に思っていて、それを今でも生かそうと戦っている同志なんです。同じところをめざす者として、お互いにこれからも良いものを作っていければいいなと思います。奈須きのこの生んだ魔術師を大好きな人間は、三田誠の描く魔術師も気に入るだろう。三田誠の書いた魔女を愛してやまない人間は、奈須きのこ作品の魔女にも惚れるはずだ。
凜に叱ってほしいと悶えた者、青子に眼鏡を作ってほしい者、橙子を傷んだ赤色と呼んでみたいと考えてしまった者。魔女に魅入られた読者たちは、アディ(アディリシア・レン・メイザース)の操るソロモンの魔神に引き裂かれ、穂波・高瀬・アンブラーにしごかれたいと思うに違いない。
この作品は、現代では数少ない、真性の魔術師作家がつづった物語である。
レンタルマギカ 魔法使い、貸します!

普通の高校生だった伊庭いつきは、父親の遺産を相続して、零細企業<アストラル>の社長になる羽目に。零細企業の哀しい宿命。しょぼい仕事ばかりで、副業の占いコーナーの執筆で生計を立てている始末だ。
そのうえ、ソロモン王の魔術を受け継ぐ有名な魔術結社<ゲーティア>と競合することになってしまう。欧州が縄張りのゲーティアが極東の地にやってきたのには、実は理由があった……。古代ケルト魔法、黒魔術、神道、陰陽道など、世界中のさまざまな魔術が登場し、魔術師達の混沌の夜が始まる。
レンタルマギカ 魔法使いVS錬金術師!

最初の事件を解決したのもつかの間、新しいトラブルが<アストラル>に降ってくる。
かつて父とともに<アストラル>のメンバーだった錬金術師ユーダイクスが、いつきの遺産相続に異議を唱える。もともと望んで、社長の椅子を継いだわけではあるまい? ユーダイクスの言葉は真実。そもそも、成り行きでなった社長なのだ。
魔術決闘を挑んできた錬金術師に、いつきはどう答えるのか。社長としての自覚を持ち始め、少年の成長がうかがい知れる第2巻。
レンタルマギカ 魔法使い、集う!

初めての短編集。
<アストラル>で唯一1巻に登場しなかったメンバー、黒羽まなみが仲間に加わる「魔法使い、貸します!」のほか、葛城みかん、アディの活躍する短編を収録。毎度、色々な魔術が出てくるところがレンタルマギカの魅力の1つ。
レンタルマギカ 竜と魔法使い

穂波の同門フィン・クルーダと、父と共に<アストラル>で働いていた隻蓮が初登場。
子供の頃、穂波がいつきをとある場所に連れて行った事がきっかけで、いつきは妖精眼を持つに至った。彼女はずっと、その事に罪の意識を抱いてきた。ケルト魔術の先輩であるフィンは、彼女の望みを叶える方法を教えてくれるが……。
妖精にさらわれて戻ってきた子供、取り替え児(チェンジリング)。フィンはどこまでも無邪気に、おのれの確たる意志をもたずに、最大の善と悪をなす。シリーズ全編を通しての敵<螺旋の蛇>も、徐々に姿をあらわすが、敵の強大さに、いつきや穂波、アディ達は翻弄される。穂波にとって1つの転機になる巻でもある。
レンタルマギカ 魔法使いの宿命!

アディと穂波。しょっちゅうケンカしているくせに、お互いに実力を認め合っている、強敵(ライバル)にして親友(ライバル)のふたり。はじめての出会いをえがいた「魔法使いと学校の怪談」は必読。今ではいつきを巡る恋敵(ライバル)でもある。
猫屋敷蓮の過去の因縁がよみがえる「魔法使いと星祭り」など、<アストラル>メンバーの過去に関するエピソードが多い巻。
レンタルマギカ 魔法使い、修行中!

裏切り者によってソロモン王の72の魔神を奪われてしまったアディ。魔法が使えないにもかかわらず、単身、敵の手から魔神を奪い返そうとする。対となる短編「ソロモンの絆」では、アディに仕える幹部のダフネと隻蓮、意外な組合せの2人が事件の裏側を暴きだす。
それまで描かれていなかった、ゲーティアの内情が明らかになり、アディがクローズアップされる巻。彼女の強さに、打ち震えること間違いなし。
レンタルマギカ 鬼の祭りと魔法使い (上)

里帰りしたみかんと付き添いの猫屋敷が帰ってこない。彼女達を心配したいつき達は、みかんの実家・葛城家をたずねる。しかし山の中で彼らを待ち受けていたのは、無数の鬼たち。
才能ある姉の香と才能の無い妹のみかん。葛城家は非情にも、みかんを人柱にして「鬼の祭り」の儀式を強行しようとしていた。魔術師にとっては、魔力を後代に引き継ぐ事こそすべて。才能の無い人間を犠牲にするのは魔術師の正義だった。
レンタルマギカ 鬼の祭りと魔法使い (下)

ついに始まった鬼の祭りによって、みかんと姉の香は鬼と同化していく。助けに駆けつけたいつき達の前に立ちはだかる無数の鬼。祭りをめぐって、さまざまな人の悲痛な想いが交錯するなか、ようやく真の敵が姿を見せる。
祭りは暴走し、すべてが怨(おに)に飲みこまれようとするが……。
レンタルマギカ 魔法使いのクラスメイト

いつきや穂波、アディ達のふだんの学校生活を描いた、貴重な短編集。
功刀翔子や山田和志など、いつきを見守る一般人の友人達にもスポットが当たり、全体的に微笑ましいエピソードが多い。学校編はもう少し増えてもいい気もするなあ。
また、妖精眼をもつ、もう1人の少年フィンを主人公にした異例の短編「魔法使いと水の都」も収録。
レンタルマギカ 吸血鬼VS魔法使い!

ルーン魔術を使う少年・オルトヴィーンが新入社員としてやってくる。強い魔術師に憧れる彼は<アストラル>のあり方を否定し、社長のいつきに食ってかかる。いつきは彼に社長として認めさせることができるのか。
そして彼の後を追うように姿をあらわす「吸血鬼」。あまりに強大な敵と対峙して、アストラルはかつてない窮地に陥るが……。
レンタルマギカ 妖都の魔法使い

魔術結社<アストラル>、ロンドンへ。
格付けを見直す審査を受けるため、いつき達は<協会>本部のあるロンドンにやってきた。<螺旋なる蛇>が本格的に活動を始め、協会本部を襲撃。強力な魔法使い達が次々と倒されていく中、魔法使いを罰する魔法使い・影崎の力がついに明かされる。
穂波や、祖母のヘイぜル・アンブラーをめぐる謎もほのめかされ、物語は佳境へと加速していく。
レンタルマギカ ありし日の魔法使い

いつきの父親が行方不明になる前の、過去の<アストラル>を描いた特別編。
魔法を使わない魔法使い・伊庭司。錬金術師ユーダイクス。魔女ヘイぜル。若き猫屋敷蓮。そしてもう1人。かつてのアストラルと<螺旋の蛇>の因縁が描かれる。思わぬ人物の意外な過去も判明して、謎は解き明かされる端から深まっていく。
レンタルマギカ 魔導書大全

短編集ではなく、ほとんどがイラスト。
イラストレーターのpako氏のイラスト集+ショートストーリー「本日は猫日和」+短編「魔法使い、結婚します!?」という構成だが、穂波とアディの結婚騒動を描いた短編を入れているのは巧妙すぎる商業主義。
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