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業界と企業と人の話

マネージメントの議論と関連して、ゲーム開発者の選択についての議論が盛り上がっています。発端は最近刺激的な発言(?)が増えているあれれさん。
特に2番目の記事のコメント欄の荒れっぷりはなかなかのもので、(ボクじゃあるまいし)こんな記事を書く人だったかな??? と正直、不思議でした。3番目の記事で自分の心情を率直に語っておられるのを読んで、ようやく納得。

荒れている間は言及するのを避けてたんですが、一応の収拾がついたようなので、今更ながら感想を書きます。たぶん混乱の原因は「業界の選択」(趨勢)と「企業の選択」と「人の選択」がゴッチャになっていたからでしょう。

この3つはそれぞれ持ってるリソースが違いますし、判断の基準も違います。ゲーム業界の現状を踏まえて、少し整理してみます。


業界の選択(趨勢)

国内でいえば、もう議論する段階を過ぎていると思います。『ドラクエ9』がDSに供給されるという時点で、多数派の見解というか趨勢は固まってしまった感があります。ボクが煽りぎみの記事を書かなくなった理由もそこにあって(笑、今さら書くまでもないでしょう、と。

最近は商業メディアのほうがむしろ舌鋒鋭く、新しい時代を語っているので、個人メディアで書く意義を感じていません。というのは、個人メディアは認識が浸透しきっていない段階で物を書けるところに価値があると思っているからです。現状認識では常に個人メディアが先行し、商業メディアが後追いするものです。

市場のシェアというものはハッキリ数字で出ますから、趨勢というものは割りと明確に答えが出ます。自分の好みと合わないからといって、突発的に不満や歪んだ現実認識をぶち上げる開発者がたまにいますが、そんなことしたって、現実は変わりません。シェアや売上という数字は客観的なものです。

業界全体が大きな変化を迎えている時には、まぁ例外はあるかもしれませんが、とりあえず業界全体に対して強い言葉を響き渡らせる方がメリットが大きいです。そうでないと、変化に乗り遅れる企業や開発者が出てきて、莫大な機会損失につながります。去年はまさしく、時代の変化に対して、認識の共有化を進める段階だったと思います。


企業の選択

このレベルの議論は、なかなかまとまらないでしょう。というのは、企業ごとに「正解」は異なるからです。ボクが見るところ、各企業は割りとそこそこ良い選択をしていると思います。

『まるごと帝国ホテル』を筆頭にコーエーは遅まきながらDSにシフトしつつあります。元々コーエーはPC系のメーカーで、古くは『ナイトライフ』、PS時代には英会話学習アドベンチャー『EMIT』など、多様な実用ソフトを発売している企画力のある会社です。また、ゲーム業界では珍しい女性経営者の襟川会長が率いているため、古くから女性向けゲームに手をつけています。

最近『無双』やMMORPGを乱発しすぎてバランスが偏ってましたから、企画のバランスが持ち直すのは良いことでしょう。特に今後は女性向けのマーケットが拡大していくと予想されますから、飛躍するチャンスは十二分にあると思います。

カプコンは逆に大作路線を貫いていますが、高い開発力を誇る会社なので、適切な選択といえるでしょう。率直にいってカプコンの体質で、『脳トレ』系のソフトを作って当たるとも思えません。自社開発のエンジンも軌道に乗りましたし、今後も日本のゲーム開発者の技術力の高さを立証しつづけていただきたいものです。

スクウェアエニックスは『ドラクエ』をDS、『FF』をPS3に振り分けました。対極の方向性を取ったわけで、リスク分散という点では良い判断です。それぞれのソフトの方向性に沿っています。

『ラブ&ベリー』を擁するセガも忘れてはならないでしょう。他にもハドソン、アトラス、ロケットカンパニーは規模が小さいながら、小回りを利かしてDSでうまく稼いでいますね。アトラスは知育系のゲームは出さず、むしろ『世界樹の迷宮』のようなマニアックなソフトをヒットさせていますが、アトラスのイメージからすれば自然な流れです。

……とまあ、基本的にその会社の体質をうまく活かしていくべきで、自社の中に無いことを無理やりやろうとしてもうまくいかないと思います。まずおのれ自身を知れ、です。

例えば、任天堂が軽いゲームを中心に展開して成功したのは、ユーザーのライフスタイルの変化にうまく当てはまったからですが、そちらに舵を切ったのはN64→GCと中途半端に重厚長大な方向に引っ張られていたのを反省したからでしょう。体質に合わないことはやるものじゃない、という事です。

しかし変化には自分なりに適応しなければ生き残れないのも事実です。時代の変化と相性が悪ければ、市場全体の傾向を読んで、より大きな市場にシフトしていく必要があります。当然、体質改善を推し進めなければならない企業もあるでしょう。そこは企業体力との兼ね合いですね。


人の選択

好きにしろよ、もう。
という感じですね。とにかく売れる物が作りたい人は時流に乗ればいいし、とにかく自分の好きな物を作りたい人はそうすればいいんです。

しかし、多額の開発費を浪費したくせに大して売れず、他のゲームが上げた利益を食い潰すのは「ただの寄生」です。また、自分が好きに作ったゲームが売れないからといって、ユーザーが保守的などと言い出す人はみっともないです。そういう事を言っていた開発者は、この数年で存在感が薄くなってきました。

黒字になってる分にはどういう選択をしても、引け目を感じる必要は微塵もありません。また、sam113さんが書いておられるように、企業でゲームを作ることにこだわる必要性も薄れていると思います。
しかし今では、そのヒエラルキーも崩壊しつつある。仮にゲーム企業に就職してクリエイティブな職種につけても、これから仕事として作らなければならないのは、「脳トレ」や「Wii Sports」、あるいはもっと別の何かだ。それらを作りたいと思う人にとっては、最初からプロになるのも魅力的な選択肢かもしれないが、そう思わない人もおそらく多いだろう。
(略)
そのように始めから考える人も、きっと多いことだろうと思う。そういう人にとっては、もはやメジャーもマイナーも関係ないのだ*3。

共通の価値観が崩壊した結果として、プロとアマチュアがフラットになった。人によっては、プロよりもアマチュアの方が、自分のやりたいことをやるための有力な選択肢になりつつある*4。
外向型開発者は、他人が喜ぶモノを作ることで、自分自身も幸せになることができる。いわば天性のサービス精神の持ち主だ。そして、他人が喜ぶということは、需要があるということに他ならない。つまり外向型開発者は、売れるものを作ることで、自分自身も幸せになれる*1。

一方、内向型開発者は、他人を喜ばせることよりも、自分の思想や世界観を表現することに、幸せを見出す。このタイプの開発者が作ったモノは、独自の個性的な作品性を強く放つ場合が多い。それが多くの人の共感を呼べば、作ったモノが大ヒットする可能性も稀にあるが、しかし本人にとっては、単に売れるものを作ることは「迎合」であり、意にそぐわない場合も多い。
長文の引用になってしまいましたが、ぜひとも元記事を読んでください。大いに共感できる内容です。

古くからの読者はご存知のとおり、ボクは基本的に個人メディアに肯定的な記事を書き続けてきました。個人の持つメディアの力が強くなった現在、企業内にクリエイティビティーを集約し続けるのは非常に困難になっています。PC系でも、コンシューマー系でも、同人ゲームを作っているプロの開発者は結構いるわけです。会社では自分の好きな物をなかなか作れませんからね。

今の時代はプロでクリエイトしていくのに厳しい時代です。ユーザーは日増しに強くなり、ユーザーの生み出すコンテンツ(というよりそのライブ感)が支持を集めるからです。したがって各企業では、クリエイティビティーマネージメントが重要になっています。


補足

実際には、「外向型」「内向型」の2つに分けるのは難しくて、人によって比率が違うはずです。例えば、勝手に分析して申し訳ないですが、この記事を読んだ感じからすると、あれれさんはかなり「外向型」の比率が高いと思います。ボクはどちらかといえば外向型ですが、さすがにあれれさん程ではないなあ、と感じています。正直ちょっと引きました(笑
(別にどちらがいい/悪い、正しい/間違ってると言っているわけではありませんよ)

ゲーム業界について割と似たような方向性の記事を書いている割に、たまにまったく共感できない事があるのは、たぶんそのせいなんだろうなあ、と勝手に自己分析してます。

補足2

「人の話」ではちょっと誤読を招く部分があったので、補足の記事を書きました。
業界と企業と人の話の補足


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コメント

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リンク切れの件、失礼しました。
補足記事を昼間いったん上げてから、考えがあって、夜まで非公開状態にしたのです。単に書評(シャギードッグ)のエントリーがトップにある時間が短すぎるなあ・・・・と思っただけなのですが。

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