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2006年雑感 ゲーム編

今年1年を振り返ってみます。
日本国内では大作路線が急激に衰退し、良い意味で「こんなんでいいよね?」が顕著になった1年でした。この記事では、前半は大作路線の衰退について、後半は昨今のゲームのトレンドについて書いてみます。


■出たのが良かった大作ゲーム

開発が長期化していた『FF12』と『ゼルダ』が共に発売されました。「本当に出るのか?」と思われながらも、期待作を世に送り出した開発スタッフの方々には素直に拍手。

開発体制の効率化がテーマとなっている、昨今のゲーム業界の流れを考えれば、ここまで予算と人員をかけたタイトルはしばらく出てこないでしょう。大作志向の衰退を表すという点で、歴史的にも有意義でした。実際、両タイトルの評判は、大作ゲーム「繁栄」でも「終焉」でもなく、「衰退」レベルでした。

年末、何人ものゲーム開発者と呑みましたが、どちらも遊んでいない人ばかり。この2タイトルは、業界人がチェックすべきタイトルではないんですね。みんな、わかってます。

個人的には、大作ゲーム路線が頂点を極めたのは2004年だと思います。その年に『ドラクエ8』が出たわけで、やはりゲームの神様に愛でられたソフトは違いますね。時代を読み切った『ドラクエ9』にも大いに期待したいです。


■大作ゲームを作れない会社が増えた

今年の出来事ではないのですが、この数年を振り返ると、大作ゲームを作れない大手企業が増えてきたなあと思います。今でも開発力を維持できているのはカプコンぐらいでしょう。「神風」タイトルが出ていないのがやや懸念されますが。

巨大プロジェクトをマネージメントできる会社というと、スクウェアエニックスは外せませんが、最近のDSシフトを見ても、『FF』以外は大作路線を志向していないのがわかります。

バンダイナムコは『フレームシティ』の開発中止を引き合いに出すまでもなく。まぁしかしナムコのようなアーケード系の会社は、映像では先端を切っていましたが、昔から大作ソフトは得意ではないんですよね。無理に肌に合わない大作路線を歩む必要は無いんです。セガも同様。『龍が如く』は評判がいいのですが、ペイできてないはず。

コナミは今年、最も存在感が薄かった気がします……。ゲームそのものから腰が引け気味。予算と納期が厳しい体質のため、『MGS』以外の大作路線は無くなってしまいました。

SCEには手持ちの大作タイトルは無いですし、『GT』もまぁ……。任天堂も現在発表されているラインナップでは、『ゼルダ』が最後の大作でした。評判もまぁ……。任天堂はGC時代に大作ゲームを作るのが苦手なことを露呈していますから、最近の軽いゲームへのシフトは適切な判断でしたね。

また最近では、中堅規模の開発会社が大作タイトルを担当するケースが増えていますね。『ブルードラゴン』はアートゥーン、『ロストオデッセイ』はフィールプラス、『ドラクエ』はレベルファイブ。大作ソフトはプロジェクトに関わる人数が多いので、人件費の高い大手よりも、より規模が小さい開発会社や、海外に仕事が流れていくのは自然なことです。

大作を作れない会社が増えたという点だけを捉えると、日本のゲーム業界が衰退している、という誤った言説が出てくるのもわかります。しかし日本市場では、大作志向という病気から自由になった新しいソフトが次々と登場していますし、欧州、北米でも売れ始めています。

選択肢が増えた、束縛から解放されたわけです。アーケード屋はロケーション重視になり、玩具屋は体験重視になり、という風に、各社がそれぞれ「自分らしいやり方」へ進み始めた、といえます。


■ゲームらしいゲームの退潮傾向が鮮明に

「ゲームらしいゲーム」はやっぱり売れてません。後世の歴史家からは「ゲーマー向けに商売できた最後のハード(時代)がPS2だった」と言われるかもしれませんね。ゲーマー層が部分的にPS2からDSに流れたものの、トータルで見てゲームらしいゲームはかなり減退しています。

DS市場でも売れたのは懐かし系である『Newマリオ』と『FF3』でした。入力インターフェイスの革新もゲームデザインに貢献していません。そんなもの、ユーザーは求めてません。あと、両タイトルとも、DSの中では群を抜いて絵がキレイな事も無視してはいけませんね(最優先の項目ではないが、普通の人はキレイなほうを好む)。

好調といわれる任天堂でも、売れるタイトルと売れないタイトルの差が明確になっていて、ゲーマー向けタイトルは軒並み苦戦しています。

<補足>
問題数が有限で毎日少しずつしか遊べない『常識力』が当初ダブついていたり、トレーニングソフトでもないのに毎日少しずつ遊ばざるを得ない『マジック大全』がワゴン行きになったり、「無理やり脳トレ型」のゲームは苦戦しています(参考:忍之閻魔帳「値崩れ番付 2006年末」)。毎日遊びたくなるユーザー本位のゲームではなく、毎日遊ぶことを強制する作り手本位のゲームがあふれてくれば、任天堂自らの手で脳トレマーケットをぶち壊す結果になりかねません。


■PS3とWiiが示した「こんなんでいいよね?」

Wiiのローンチソフトは描きこみという点で、GCの初期タイトル以下のグラフィックでした。プラットフォームホルダー自ら「こんなんでいいです」という空気を作っているので、ソフトメーカー各社は割り切りやすいです。

Wiiは「Xavix」と比較すればスーパーXavixで、グラフィックもゲーム性も大幅に進化しています。しかし従来のゲーム機からすれば、どちらも退化したように見えます。体験性を除いた場合のWiiのゲーム性は、ゲームウォッチ~ファミコン初期レベルです。グラフィックもゲームも頑張りすぎた『ゼルダ』と『エレビッツ』が悪い意味で浮いているのも興味深い。事実、この2本の売上は低調です。

PS3で一番のキラーは『トロステ』でしょう。YouTubeで大いに話題になっていますし、毎日ゲーム機に電源を入れるゲームの先陣を切りました。最近、右脳ゲームが追加されましたが、基本的には番組を観るだけの内容。しかしおそらくPS3では、このゲームが一番稼働率が高いはず。インタラクティビティーやゲーム性についての神話を大きく揺さぶるソフトになった、というのは言いすぎでしょうか。

またここ数年、ゲーム開発者の中から「大多数の日本人にとってゲーム性はパチスロで十分」という意見をよく聞きます。『ムシキング』や『おしゃれ魔女』を見ても、確かに過剰なゲーム性は不要に思えます。


■退化することで進化するのがゲームの歴史

そもそもゲームは、「ある時期」を境にゲーム性を落とす方向で進化してきました。クラシカルな意味でのゲーム性が頂点を迎えたのは『ストⅡ』だと思います。その後、ゲームが3Dになった時、2Dゲームのドット単位の精密な遊びが好きな人たちは、3Dゲームの大雑把さを批判したものです。2Dゲームの正確なルール性や精密な操作性を捨てて、ゲームはより派手な、より魅力がわかりやすい進化を選んだのです。

またオンラインゲームにおいては、通信遅延の問題があり、完全にフェアな対戦を実現するのが難しいです。対戦ゲームの代名詞だった格闘ゲームは、家庭では通信対戦を実現していないタイトルが大半です。

FPSにおけるチートの問題も顕在化しました。昨今のFPSが、精密な射撃よりも、チームによる集団戦闘や、トラップの配置など、対戦をゆるくする方向に進んでいるのも見逃せない点です。

DSのようにコミュニケーション性を追求する路線、Wiiのように体験性を追求する路線、XBOX360やPS3のように仮想世界の構築を追求する路線。いずれの道を歩むにしても、10年間培ってきた何かをあきらめて、新しい何かを手にしたゲームが生き残ると思います。


■「動き」はあんまり重要じゃない

次世代機になると「動き」(物理とAI)が重要と言われていたものの……。

『Line Rider』大人気。大多数の人間にとって、動きとか物理計算はあれぐらいでいい。PS2『聖剣伝説4』、Wii『エレビッツ』など、国内でも物理エンジンを使用したゲームが登場しているが、スルーされています。「動き」のハイクオリティ化を求めているユーザーなんてどれだけいるの?

物理については結論が出つつあり、AIについては国内発売が決定した『Oblivion』あたりがどう評価されるか?


■YouTubeとゲーム

2006年前半は『ハルヒ』の大ヒットがあり、YouTubeとアニメとマーケティングが大いに注目されました。根本的には『ハルヒ』のクオリティが高いことが重要でした。YouTube以前は文章や静止画でしか共有できませんでしたが、YouTubeによって動画が共有されるようになり、アニメの品質、作りこみ、細部のディティールが共有できるようになりました。

もちろん単に作りこめばいいとか、手間をかければいいわけではありません。ユーザーから注目されるクオリティと注目されないクオリティの違いは何か?により意識的にならざるを得ないでしょう。その辺は『Line Rider』にも通じる部分があります。

今年の後半には、YouTubeとゲームにも良好な関係が生まれました。1つはWiiとYouTubeです。女の子がWiiのボクシングを遊んでいる映像が話題になりました。任天堂は体験映像を公式に配信していますが、あのプロモーションも新鮮さを失ってきましたし、加工臭が拭いきれなくなってきました。YouTubeに上がっている、より素人くさく、加工臭の無い映像の数々がWii人気を支えたのは間違いないでしょう。

もう1つは『トロステ』とYouTubeです。『トロステ』はほぼ「観るだけ」のゲームですから、YouTubeに内容がアップされれば、ゲーム機を持たない人の間でも話題を共有できます。特に「今年の流行語大賞は?」の回での「ニンテン……」や、「モーターストーム特集」の回での「レベルじゃねーぞ」など、意図的な失言が大受けしてます。

いまだ『ハルヒ』クラスのインパクトこそ無いものの、来年にはYouTube効果を受けてゲームがヒットすることもあるかもしれませんね。

一方で、ストーリー重視のゲームとYouTubeの相性は極めて悪いです。『FF12』と『ゼルダ』は共にネタバレ映像がアップされました。ストーリー重視のゲームは、制作者が用意したネタが尽きてしまえば、そこでオシマイです。そのため話題を共有し、消費するYouTubeとは相性が悪いのです。

ストーリー型のゲームは、デモ部分とゲーム部分の相性の悪さが露呈しつつあり、不必要なストーリーは面倒くさいだけなので、好まれなくなっています。

実際、欧米のゲーム業界では、デモの挿入でストーリーを表現する方式を古典的と評し、よりインタラクティブなストーリー表現を模索しています。ちょっとした操作で派手なとどめアクションを見せたり、AIとフェイシャル制御を強化することで、ゲームの進行を止めずに物語を進めるようにしています。

また、ストーリーをゲームに入れてしまうと、遊びの要素が一直線に配置されるため、プレイヤーが遊びたい要素に簡単にアクセスできないという構造上の問題があります。
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タグ:ゲーム  

コメント

yosinaga@mesh,

トロステーションがキラータイトル、っていうのはどうかと・・・
キラータイトルって言うのは「そのソフトのためにハードの購買層が増える」ソフトだと思うのですが。現にトロステの為にPS3を買った、って話を聞いたことがありません。
どちらかというと稼働率の高い理由は「他にやるソフトがないから仕方なく毎日見ている」ってモノだと思いますよ。
もちろん、面白いことは否定しませんけど。

>yosinaga@meshさん

日本で「XBOX360で一番のキラーはGeometry Wars」と言われたのと同レベルの意味だと思ってください。

他にやるソフトが無かったら、そもそもゲーム機を起動しないのが今のユーザーだと思います(笑
それと、トロステのためにPS3を買ったという人をボクは何人か知っています。

 はじめまして、なかなか興味深い文章でした。

 ゼルダそんなに不評ですか……?
 よろしければ、売り上げ以外で「評判が微妙」を示すソースが有れば教えてくださいませ。
 64・GCで離れていたユーザーにとっては、もはやキラータイトルではないと思うので。
 あ、ゼルダの擁護をしたわけではなく、単純に根拠があるのか気になっただけです。
 FF12なんかは、amazonレビューなどの色々なレビューサイトを見れば「大衆の評価は微妙」と判断できますが、ゼルダはどうもそれが見あたらなかったのです。

>無理やり脳トレ型
 ごもっともです。
 どうも最近、脳トレを「ゲーム」と勘違いしている気がします。
 あれはゲームであってゲームじゃない、いわば万歩計のような物だと思うのですが……。

>「動き」はあんまり重要じゃない
 個人的に、動きは重要だと思います。
 LineRiderが受けたのは「おもしろい動き」だったからで、聖剣伝説4が受けなかったのは「地味な動き」だったからだと思います。
 「動き」とするよりは、「リアルな動き」とするべきだと思うんですが、どうでしょう。
 あ、エレビッツは単純に知名度だと思います。


 と、長文すみません。
 色々書きましたが、概ね共感できる文章で、面白かったです。

> 売り上げ以外で「評判が微妙」を示すソース

・売上(これが一番正直な意見だと思いますよ)
・いくつかの掲示板(2chの家庭用ゲーム板の反省会スレ含む)での書き込み
・いくつかのゲーム系ブログの記事
・自分の知人の間での評判
などですね。

検索する努力を惜しまなければ、出てくると思うので、ご自分で探してください。それほど大変な事ではないと思います。うちはそれなりにアクセス数が多いので、こういう話題で、他所のブログにリンクを貼ると、よそを「炎上」・・・・は無いにしても、迷惑をかけてしまいます。

「迷惑」の根拠ですが、almさんは礼儀正しい投稿をしておられますが、すでにうちのブログには「ゼルダに文句つけるお前はアホだ」的なコメントが1件投稿されています。まぁ『FF12』の時もそうでしたが、熱狂的なファンの多いソフトはなかなかブログでは書きにくいものです。「面白いんだけど・・・・」という免罪符をつけたうえで、「途中で投げた」「難しすぎる」と本音を書いたり、苦労されているなと思います。

> FF12なんかは、
FF12 は何と言うか、アンチの活動もあったと思います。今回ゼルダはWiiの一番目玉ではないので、一番の標的にはなってない印象ですね。あと、ゼルダはファンが離れて行っているように見えるので、感想総数がFF12に比べれば、格段に少ない、というのもあるでしょうね。

どこが微妙かは色々な意見があると思いますが、ボクが引っかかったのは「遊びの要素の並べ方、構成の悪さ」です。

●ゼルダにしてはデモが多く、プレイヤーを振り回す展開が多い割りに、ストーリーの評判が悪い。プレイヤーも置いてけぼり。(ストーリーが重要でないゲームなのに、半端にストーリー的な強化をしたのが裏目ってる・・・・)

●序盤の構成が『時のオカリナ』『風のタクト』と比べてかなり悪い。
- なぜか「馬」が最初からいて、牛追いで操作チュートリアルをやらされるのに、気持ちよく走れる場所が用意されてない。狭い村や森を走っても・・・・。
- 釣りが序盤でいきなり強制される。しかも剣の前に? 剣もった勇者の冒険ゲーム買ったわけで、釣り師のゲーム買った覚えは無いよ。
- なぜ木刀?
- 村でのリンクの立ち位置が不明瞭で、ヒロインの1人イリアに愛着を覚えるイベントもないのに、ああいう展開。(時オカのサリアは、1人だけ外見が違っていじめられかねないリンクをかばう立場でしたよね)
- 冒頭で「城に行く」ことを目標にされているのに、いちいち目標を逸らされるような展開
- ゼルダ姫とガノン関連の扱い
    :
    :

まぁ「時オカのフォーマットはもう飽きた」という身も蓋も無い意見もあるみたいですが。
個人的な意見ですが、今度のゼルダは、タクトが不評でリアルに戻したという時点で、時オカから離れたくても離れられない(またファンから怒られたら・・・・)罠に陥っていて、ゲームデザイン的には進歩を感じません。

今回は「時オカクローン」というか、「ファンディスク」というのが一番しっくりくるのかもしれませんね。そういう捉え方をするかどうかで評価は変わりそうです。
開発の現場よりも、その上の判断に問題があったと思いますね。オンラインRPGを作ろうとして、途中でオフラインにしたらしい『FF12』も同じ事が言えそうですが。始まり方とか、枠組みの時点で、上層部が判断間違うと、現場はつらいですね。特に大作になると、時間も人も増えますから。

★念のため。
個別のゲームの評価を議論すると、記事の本筋から外れますので、ボクの書いた「ゼルダについての意見」への感想・反論は、内容を問わずに掲載不許可とさせていただきます。どうしても意見があれば、自分でブログを立ち上げればよろしいかと。


> 「動き」とするよりは、「リアルな動き」とするべきだと思うんですが、どうでしょう。
ですね。ボクの意図としても、そういう意味です。
ただ、じゃあ「デフォルメした動き」ならいいかというと、そういう訳ではないと思っています。

> LineRiderが受けたのは「おもしろい動き」
あれを面白いと捉えるのが普通の人の感覚で、あれを計算がおかしい、いい加減な動きと捉えるのが専門家の感覚です。で、割とあれにショックを受けたという話を、つい先日聞いたばかりでして。

大切なのは、色々出てくる状況と、ある程度楽しめるものになるフィルターと、それらを面白がれるモデレータ的、場の雰囲気的な何か、だと思います。

(そういう意味では、リアルでも、アンリアルでも、どっちでもいいんだと思いますし、上手くても下手でもいいんでしょう。ただ、上手い/リアルな方向は、「色々出てくる」を阻害しがちなのと、「面白がる」評価軸が1つに固定されてしまうのが問題なんでしょうね)

大作ってどんなモノを言うのかな?

うぬ~。大作が売れない理由の多くは
単純に取っつき難いからだと思います。
ポケモンは大作(ですよね?)だけど売れてますし
一般ウケ度?で言うと
ポケモン>DQ>FF>ゼルダ
だと思いますし、大作が売れない理由は
ゲームの出来の問題じゃなくて取っつき難い作りだと思いまふ。
出来が良いと言われても売れないモノも在りますし。

大作と呼ばれるモノがお金を掛けたモノだとすれば大作を理由に
売れないというのは悲惨な話ですよね。
うんでもまあ、面白いモノはあまた在るわけで
ゲームでも、人は面白ければチープなモノでも大作でも良いわけで
選ぶとすれば興味を持って、欲しいと思うモノで。
取っつき難さが邪魔をして興味も持たれないかもしれませンよね。

大作の定義付けがよく分からないんですが、
大作=売れないには成って欲しくないんですね。

大作というのは、小説や映画でも使われる一般的な用語だと思いますし、その程度の意味で使用しています。予算、人員、期間がかかったタイトルおよびその続編を意味します。またボリュームの多い、ディティールの凝ったゲームであることも多いです。

市場の中で存在感の大きい団塊ジュニア世代の年齢が上昇し、ゲームにあまり時間をかけられなくなってますから、タイトルの選別が起きて、強いタイトル以外は落ち込んでいくという現象はおきていますね。

タイトル全体が落ち込むのではなく、弱いタイトルが落ち込んで、強いタイトルが残るわけです。『ポケモン』『ドラクエ』は強いタイトルですから生き残れるでしょうし、『FF』も何とかなるかな。『ゼルダ』はここ数作の流れを見ていると国内では厳しそうですね。

大作が回避される理由としては、時間がかかる事もあるでしょうし、シリーズ物でいえば、時間をかけるだけの価値が無いと判断されたからでしょう。ある作品の出来が悪いと、次回作は売上が落ちるわけで、出来は無関係とはいえません。大作は通常、プレイにかかる時間が長いだけに、前作の出来は大きく影響します。

右肩下がりのシリーズには、そうなるだけの原因があると考えるべきでしょう。遊んだお客さんが次遊んでくれないのは、広報のせいでも、タイミングのせいでもなく、内容の問題なのですから。

また、『龍が如く』が口コミで評判がよくて、廉価版が出ると10万本以上出て、さらに『2』が出ると『1』を上回る35万本達成しました。これはゲームの出来によるものです。出来が良いゲームが売れるとは限りませんが、出来が良いゲームは売れるチャンスが回ってきやすい、と思います。そういう健全な視点は忘れないようにしたいものですね。
(上の記事では、『龍が如く』はおそらくペイできていない事もあって、評価していません)

森の中の漁師さんは、おそらくユーザーさんでしょうから、どういう思想をもたれても自由ですが、もしゲーム開発者が「売上に出来は関係ない」などと居直るのだとしたら、腐敗といわざるを得ないでしょう。

大作と四半期決算

「大作」というか「大型プロジェクト」のライフスパンと会社の経営指標である「四半期決算」が全然整合性がなくて、これが「大作」を生むには足かせになっていますね。売上を上げるまえに計上しなければならない開発費が短期の経営パフォーマンスを軽々と傷つけて、そろばんばかりが得意な経営陣に気の短い株主の矛先が簡単に向かってしまいます。プラットフォームの世代交代があった今期は特にその傾向が強かったようです。

映画では配給・制作会社と切り離した「製作委員会」と称する有名(匿名に対する)組合ファンド拠出式によるプロジェクト運営になっていますが、ゲーム開発にもこういう流れにでもしない限り、「会計年度」を越える形での大型プロジェクトは経営的にどんどんやりにくくなってくるのではないでしょうか。

しかし、これをやると「人的資源」を持って「技術」「ノウハウ」を「社内」に蓄積していきたいという流れとは別の方向に向かってしまいます。映画業界のように業界全体が縮小、低迷が長かったところは業界としての割り切りもあったのかもしれませんが、ゲーム業界では果たしてどう進むのでしょうか。

DAIKIさんが常々おっしゃっているようにDSによってスモールプレイヤーにも可能性があることが示されたわけですけど、先ずはまた一段の業界再編が進行するのではないかなあという予感も自分にはあります。

企業の吸収という点では、コーエーあたりが微妙な所ですね。
まぁ業界再編というか、水面下での分裂・分散が進むという気はします。

アーケード系の企業が据置ゲーム機含めて、コンシューマーに見切りをつけて
きている感もありますし、水物すぎるコンシューマー市場からのロングスパンでの
撤退が始まっていると思います。セガが良い例ですが、アーケード部門は安定して
利益を上げてますからね。中国市場も基本的には、ロケーションのほうが有利
だと思います。

カードゲーム方式は、お金をたくさん払ってくれるマニアからよりたくさんお金を
回収できる理想の方式という点でも評価できます。コンシューマーが辛いのは、
どんなユーザーからも一律にお金を取るしかない事です。すると数が大事だよね、
という事になって、ゲーマー相手の商売が回りにくくなるのが現状です。ネット
経由のアイテム課金が、どう転ぶかによりますが、ゲーム機にクレジットカードの
番号を打ち込みたくないと、ボクでさえ思いますからねえ・・・・。

コンシューマーに関しては、DS市場が落ち着くまでは、一時的な経営判断が
増えそうな気もするので、読みにくいですね。携帯機が据置機を超えるという
状況はもはや不可逆の事態だと思いますが、バブル的な盛り上がりは2007年
をピークとして、2008年、2009年と下降していくんじゃないかと思います。
ちょうど10年前の繰り返しといいますか。3年後ぐらいを見定めて、どういう
ポジションとブランドを固めるかが重要でしょうね。

好調な任天堂なんかも、ゲーム業界的な観点を取り去れば、もはやゲーム会社
とは言えない感じですし。最近は情報端末屋に近い雰囲気ですよね。
スクウェアエニックスも携帯電話関連は地道に固めているし、全体として脱ゲーム、
脱ゲーム機という流れがあるのかな、と思います。その先に新しい産業が生まれる
予感もありますが、まだわからないですね。ホームエデュテイメント&コミュニ
ケーション市場みたいなものがあるのかもしれませんけど、夢で終わりそうな
気もしますしねえ。自己啓発って、普通の人は、実際にはそんなに長続きしない
でしょう。で、効果が無いなあ・・・・と思う、と。そうすると醒めていくわけです。

大作ゲームは冬の時代ですけど、逆に競合が減ってくれば、寡占メリットが
出てきますから、そのうち回るんじゃないかなと思います。カプコンは耐えられる
基礎が固まってきてるみたいですし、数年後が楽しみです。

あと、産業としては、世代の継承ができるかが重要ですが、その辺が相変わらず
うまくいってない気がします。PS2の不景気期間が長すぎたせいもありますが、
ゲーム世代があまり伸び伸びとゲームを作れてないですね。海外が伸びてきたのも、
ファミコン世代の開発者が、子供の頃から親しんできた日本ゲームの親切設計と
PCゲームで培った技術力を融合させた成果ですから。そういう意味では、続編と
版権モノの時代の次は、脳トレクローンの時代かよ・・・・と、日本の開発者が
愚痴りたくなる気持ちもわからなくはない。

それと、大作・・・・である必要性は必ずしもないんですが、「物語」とか「感動」
みたいな物を与えるゲームはやっぱり必要ですね。今は冬の時代ですけども、
そういう物が出てこないと、子供や若い人がゲームを作ろうと思いませんから。
『脳トレ』は素晴らしいけど、あれを遊んで、「僕、将来ゲームを作ろう!」とは
思わないでしょう。ボクはストーリーゲームを否定してるように見えますが、現状の
ゲームデザインに否定的なだけですので。そういう物が無いとメディアとして
衰退していくんじゃないかな、と思います。

ゲーム機から娯楽機へ

初めまして。
主記事ではなくコメントの話で恐縮ですが
任天堂が情報端末屋というのは的を射ていると思いました。
DSにしてもゲームらしからぬソフトが増えてますし、WiiにしてもWiiチャネルからして
ゲームと違ったアプローチからコンテンツを提供しようとする姿勢が感じられます。
フリーペーパーを作っているような会社がWiiチャネル向けにコンテンツを提供するといった
動きが出てくると面白そうだと感じました。

PS3の方もHD動画やSACDといった高品位なデジタルコンテツに特化した
ソニーらしいハードに仕上がっていて
PS2の進化型というより据え置きのPSPという感じですね
そういえばWiiもDSの据え置き版といった感じですし。

WiiもPS3もそうなのですが、汎用性を増したゲーム機というより
汎用機であるPCから娯楽機能を抜き出した専用機という位置づけで
これから先進んでいくのかなと。

はじめまして。
去年まで運営していたブログの方でも、関連する記事を書いていますので、もしよろしければ、ご一読いただければ幸いです。

2006年は「テレビ2.0元年」
http://amanoudume.s41.xrea.com/2006/09/200620.html

「汎用機」の時代から「複数の専用機」の時代へ
http://amanoudume.s41.xrea.com/2006/09/post_274.html

専用機の見直しが進んでいく時代
http://amanoudume.s41.xrea.com/2006/08/post_254.html

そういえば最近、デジタル家電屋さん、IT屋さんが、自分のブログでWiiとPS3に対して言及することが多いような気がしています。テレビの前の情報端末として非常に感心が高まっているのでしょうね。

その一方で、ビジネス面で具体的な動きが出てきにくいのは、従来のゲーム機ビジネスではカバーできない部分だからかもしれませんね。プラットフォームホルダーと、チャレンジャー企業両方の歩み寄りと積極性に期待したいところです。ゲーム機でも、i-mode的なオープン性をアプローチするのは面白いと思うんですけどね。

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