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2年前の記事を掘り起こす。クリエイティビティーマネージメントとは何か?

今日掲載するのは、以前のブログで書き上げたものの、掲載する時期を逃して、ずっと死蔵していた記事です。2005年の12月頃に書いたものだという前提で、お読みください。リンクしている記事がやたら古いのも、そのせいです。

ではどうしてこの記事をこのタイミングで掘り起こしたかというと、クリエイティビティーが今年の大きなテーマになりつつあるからです。去年の秋からうぇぶたまという面白い番組が始まっていて、実際に『くるポト』が今日発売されました。またガンホーゲームズに『モアイの巣』が公開されています。さらに今年のGDCでは、ユーザーのクリエイティビティーをどうやって取り込んでいくかについて、話題になりました。いよいよ、機は熟しつつある、といえます。


*          *          *


注目を集めるグーグルのクリエイティビティー・マネージメント

最近、グーグルの組織運営のあり方に注目が集まってますね。
人数が増えても、大企業病に陥らず、開発速度が速く、イノベーション性の高いサービスをリリースし続けているクリエイティビティーの高さ。注目されるのは当然といえます。
グーグルの経営陣は、「次の10年」の企業経営では、時間、資金のマネージメントに加えてクリエイティビティーのマネージメントが重要になる、ということを強く認識しているのでしょう。ネットが普及したことで、技術の浸透と時代の変化の速度が上がっていることが一因ですが、それだけではありません。

以前、「かめはめ波」から「元気玉」の時代へに書いたことですが、要はクリエイティビティーを集積する装置として、会社という枠組みが説得力を持たなくなってきたのです。
クリエイティブの世界でも、「副業」「副収入」化現象は進んでいて、元々商業の世界にいた人が会社が潰れたのをきっかけにして、ふつうの会社に入って安定した収入を得ながら、空いた時間で同人活動するというケースが増えています。総制作時間はどうしても減ってしまうでしょうけど、不安定な会社にいて理不尽な指令で健康を崩しながら、自分が作りたいと思ってないソフトを下請けで作るよりも、よっぽどいいんじゃないか。……という考え方が可能になっています。

それはつまり、クリエイティビティーを集積する仕組みとして、「会社」というものが説得力をもたなくなってきた、ということなのですが、長くなるのでまた今度書こうかな、と思います。ただ、「会社を通さなければ、世の中に作品を流せない」という時代には、働く人間のクリエイティビティーは半ば自動的に集積できていたわけですが、その大前提が崩れてしまうと、会社経営においても、「社員のクリエイティビティーを結集しつづけるにはどうしたらいいのか?」をつねに意識しなければならないのでしょうね。


変わる「仕事」のあり方

クリエイティビティーに留まらず、「仕事」という点でいえば、企業は全体として、正社員の人数を抑制して、契約社員やパートの比率を増やす傾向にあります(2007年問題などがあり、今は若干の揺り戻しの動きが一部の企業に見られますが、正社員抑制の長期的な傾向は変わらないでしょう)。

また、「Amazon Mechanical Turk」のように従来の「仕事のあり方」「働き方」を変えてしまうイノベーションも生まれつつあります。
 「仕事」を非常に細かく解体して、個人にばら撒くなんてできるのか?と思うかもしれませんし、実際できない種類の仕事も多いとは思いますが、すでに「アフィリエイト」は普及しているわけです。あれは代理店がやっていた「広告の仕事」を個人にばら撒いて、個人が「広告」でお金を手に入れる仕組みでした。 じゃあ広告以外のこともやれるんじゃいの? と考えるのはそれ程不自然な考えではないでしょう。どこまで「仕事」をばら撒けるかはわからないが、やれるだけやってみようじゃないか、という挑戦精神はさすがです。

中国やインドヘの「仕事」の流出も進んでいますから、企業側が以前と同じようなコスト構造で「仕事」を維持するのが難しくなってきているのも確かです(もっとも米国と違い、家電を始めとする日本のハードメーカーは、技術の流出を防いだり、市場変化のスピードに迅速に追随するため、アジアでの生産を限定して、日本での生産を強化する方向に動いています。ただし効率化を前提としているので、単純に人員枠の増大を意味しません)。

こうした時代の変化は、今年になって始まったものではなく、何年間もかけて、ゆっくり進んできたことです。 しかし、にもかかわらず、時代の変化に対応できている、すなわちクリエイティビティーマネージメントができている企業がどれだけあるでしょうか。もちろん、グーグルのやっていることをそのまま取り入れられる訳ではないでしょう。経営規模、業種、企業余力、色々なものが違います。しかしそのエッセンスから、各々の企業に合ったクリエイティビティー戦略を導き出すことは可能でしょう。

誤解されそうですが、クリエイティビティーのマネージメントはモチベーションのマネージメントとは違います。モチベーションの維持だけでは、クリエイティビティーは維持できないからです。熱烈で盲目的な作業者集団になってしまう危険性もあります。例えば、ゲーム産業は総じてモチベーションが高いわけですが、だからといって革新的なゲームが次々生まれているわけではありません。


2種類のクリエイティビティー・マネージメント

クリエイティビティー・マネージメントには、1)会社内部のクリエイティビティーを高く維持することと、2)会社外のクリエイティビティー、特にWeb上のクリエイティビティーを集めること、の2種類があります。

会社という枠組みが説得力を持たなくなってきたため、会社内のクリエイティビティーを維持する努力をより計画的に、より意識的に、より経営的に実行しなければなりません。しかし同時に、競争を考えると、社内だけでなく、Web上のクリエイティビティーを利用する必要もあります。この2つのオペレーションは、さじ加減、舵取りを間違えると、簡単に矛盾してしまいます。クリエイティビティーマネージメントの難しいところです。

また1)と2)の比率は、それぞれの企業がどのような将来像、ビジョンを持つかによって、変わってきます。内部のクリエイティビティーを極めて高く保つ道を選ぶ企業もあれば、外部のクリエイティビティーを積極的に利用する企業もあるでしょう。

たとえば、「ゲームの種」「ゲームの原作」は外から持ってきて、内部では「商品化」に特化する企業も出てくるでしょう。小説、漫画、アニメ、映画を原作とする以外に、ゲームそのものを原作とするケースですね。これは、今までも、移植やリメイクという形で存在しました。


社内のクリエイティビティー・マネージメントのポイント

グーグルの経営から学べるポイントを何点か挙げておきます。

●フィードバック
フィードバックこそ、クリエイティビティーの最良の燃料。
ただし適切な(バランスの取れた)フィードバックを得るのは案外難しい。
あらゆる試作品を市場に出すことは不可能(大前提)。
その上でどうやって、より上流で、より下流からのフイードバックを得るか。

●フェアであること
完全な平等はありえないが、最低限の平等は必要。
「誰にでも」最低限のチャンスは与える。
そうしない限り、「考える人」と「考えない人」が自然と生まれてしまう。
考えない人のモチベーションを維持する方が実は楽。
しかし組織としてのクリエイティビティーは低下する。

●集中すること
自由に感じる時間もあれば、不自由に感じる時間もある。
それぞれを効率よく片づける。

●1人より2~3人がより良い
せめて2~3人いれば、多くのことができる。
少なくとも行き詰まった時に飲みに行く相手には困らない。

●ペーパーは捨てさせ、実行を伴わせること
「誰かがやれば」面白い、「こんな物があったら」ヒットする、という類の
あらゆる提案は却下する。
「俺がやれば」「俺が作れば」という姿勢のみを評価し、実行させる。

●アウトプットさせること
インプットした量ではなく、アウトプット量で、その人の価値が決まる。
脳みそにどれだけインプットしても死んだ後には何も残らない。
しかしアウトプットしたものは地球上に残り続ける。
研究のテーマ内容で判断せず、アウトプットで判断する。


ゲームの種としてのフリーゲーム、同人ゲーム

1.ホビーとしてのフリーゲーム(同人ゲーム)
制作自体を楽しむ。
ゲームのオリジナリティーは重視されない。
世の多くの(90%以上の)フリーゲームが似通っているのは事実。
しかしそれが悪いわけではない。制作は楽しいし、プレイヤーも
面白ければそれでいい。

2.愛としての同人ゲーム
ある意味、最も同人らしい。
1次創作への愛の発露。
楽しめればそれでいいのかもしれない。

3.技術としてのフリーゲーム(同人ゲーム)
ゲーム自体はすでにあるが、完成度が高い物を作る。
やはりオリジナリティーは重視されない。
時として、「職人性の高さ」を飯の種にしている人もいる。
カジュアルゲームにも、実際には、こういう方向性のソフトが多い。

4.「ゲームの種」としてのフリーゲーム(同人ゲーム)
非常にレア。しかしゼロではない。
今後もっとも期待したい領域。
商品ゲームを個人が作り上げるのは難しいが、「種」なら作れる、というのは一種の希望。
3分ゲー(Every Extend Extra)、土日でつくるスレ。

5.「完成ゲーム」としてのフリーゲーム(同人ゲーム) 
ある意味、理想。
ノベルゲームのような技術的に枯れたジャンル、エンジンの存在
するジャンルでは現実的。
日本の携帯電話ゲーム、海外のカジュアルゲームなど、市場は
無いことも無い。

XBOX Live Arcadeなんかが良い例ですが、いよいよゲーム機でもダウンロード販売の道が拓けつつあるので、少し状況が良くなるかな?という期待感はありますね。今までは同人市場(萌え&エロマーケット)を除けば、「草の根」の上のステージが事実上なくて、誰かの気まぐれというか、奇跡的な確率で商品化されるしかなかったわけです。上層に市場ができる可能性は期待したい。

ただ、XBOX Live Arcadeもそうですが、やっぱり個人(作り手)と個人(お客さん)を直接つなぐのはゲーム機では無理でしょうね。ゲーム機は「安心感」を売りにしている世界ですから、最低限のデバッグやサポートを含めて、世の中に送り出すコストが流通以外にも存在します。ある程度、責任と保証のできる存在が必要になります。個人と個人をつなぐのは、PCとiアプリでやればいい世界かな、と思います。そこは層が分かれるでしょうね。ただ、今まではゲーム会社が拾っても、世に送り出す場所がほとんどなかったので、それが生まれるだけでずいぶん違うでしょう。

まぁ一方で、ちょっと夢の無い話をすると、フリーゲームというのはコアゲーマーがコアゲーマーのために作っているような部分があって、商品にする上で必要なオリジナリティーをもったゲームは希少の極みです。特に最近は完成度と引き換えに、オリジナリティーが下がっている印象もあります。この辺は欧米のゲーム産業と一緒で、ファミコン世代が作る側に回った結果、作る側の最低限の質というかリテラシーが底上げされた反面、何が出てくるかわからない混沌性は減ったな、と感じています。


補足: アジャイル・カンパニー

旧来の「会社」という枠組みの説得力が低下しているため、21世紀には新しい枠組みが必要になってきている、という問題意識を感じている人は少なくないと思います。例えば、多くの人がはてなに注目しているのはそのせいでしょう。

(シブヤ2.0。渋谷といえば、ケータイ小説『DEEP LOVE』が生まれたのも渋谷でしたね。PC系文化とケータイ系文化の接点になったりするんでしょうかね)

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