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ゲームとネットの間にあるもの

ブログでは「飯の種」になる話は極力避けてきて、特にこちらに移ってからはゲームデザインの話もほとんど書かないようにしてますが、ちょっと以下の記事に反応。

4Gamer: ダレット代表取締役社長 稲船敬二氏ミニインタビュー
ダレットワールドを見て、すぐに思い浮かんだのは「はてなワールド」です。
いや、ホント、日本人って2.5Dが好きですよね。みんな考えることなんだなと思いましたが、ゲーム屋的な豪華主義とネットベンチャー的なプリミティブ性の対比が面白い。それぞれのサービスから、ゲーム屋さんの強みと欠点、ネット屋さんの長所と短所を読み取れます。

稲船氏のインタビューは全般的に興味深いのですが、とりわけ以下の部分が目を惹きます。
4Gamer:
 いわゆる“ゲーム屋さん”が本格的なオンラインコミュニティサービスを提供するというのは,日本では実ははじめてだと思うんですよね。スクウェア・エニックスさんが始めてますけど,あちらはゲームの一部,一機能という印象も受けますし。

稲船氏:
 そうですね。いわゆるゲームという枠から飛び出して,それ以外のところでやろうというのは初めてだと思います。そこはなかなかゲームメーカーが始めないところなんですよ。

4Gamer:
 それはどうしてなんですか?

稲船氏:
 一言で言えば危険なんです(笑)。あとゲームクリエイターの中には,ゲームを作っているほうが面白いという人がまだ多いですね。

ここは多くの会社にとって悩ましい点ですよね。
ゲーム制作者は基本的にゲームを作りたい。そのために会社に入ったわけで、Webサービスを作りたいわけじゃない。会社の命令なら従わざるを得ませんけど、しぶしぶやって良い物が生まれるかというと、なかなか難しいでしょう。

実用ソフトブームの時にも同じことが起きました。
『脳トレ』の大ヒットの後、実用ソフトの市場に注目が集まり、各社が追随しようとしました。しかし一部の開発現場では、「足し算ゲーム作るためにゲーム業界入ったんじゃねえよ」というような反発がわき起こったんですね。

その結果、身軽に動ける中小企業が真っ先に実用ソフトを展開し、大手ソフトメーカーは完全に出遅れてしまいました。ロケットカンパニーの『漢検DS』が50万本を越えるヒットを飛ばす一方、大手の実用ソフト群はほとんどが爆沈していったのです……。

このようにハッキリ明暗が分かれてしまったものの、実用ソフト市場は急速に縮小しつつあり、失敗は致命的ではありませんでした。ではオンラインサービスはどうでしょう? この分野だけはさすがにチャンスロスしたくないと考えているゲーム企業は多いでしょう。しかし自社でやるなら、ゲーム制作者のモチベーションが問題になってきます。カプコンがドワンゴと組んで、別会社を立ち上げなければいけなかった点にも、苦心がうかがえます。

そして問題はモチベーションだけではありません。
何故なら、この領域はゲームとネット、双方のノウハウが必要だからです。ゲーム屋さんはついつい豪華なアプリケーションを作ることに熱心になりがちです。一方、ネット屋さんは技術者が多い体質もあってか、やや真面目すぎる傾向があります。ゲーム企業がネットサービスに手を出そうとしてうまくいかないのも、ネット企業に丸投げしてうまくいかないのも、そのせいなんですね。

では、どうしたらいいんでしょう?
Webサービスを作ることにゲーム以上に面白さを感じていて、ゲーム制作のノウハウと実績をもち、ネット関連の技術者を抱えた企業、集団、ネットワーク、……そういう物が、まぁちょっと都合が良すぎるかもしれませんが、あればいい。ダレットはカプコンなりの1つの解答でしょう。
それでは他の企業は?


さてもう1つリンクを。
fladdict.net blog:世界大恐慌とか雑感
WEB2.0が金になりにくいというのは、まさにここが本質で、金がある層はよりリッチなタンジブルメディアに金を出すので、低所得者層から広く浅く回収するしか手段がない。そういう層は貧乏故に無駄に対してリソースを配分する余裕がないので、即物性のある情報ばかりを求めアート性には金銭を払わない。
低所得者層ほどネット利用時間が多く、ネット事業そのものは大した金にならない、という話はたしかによく聞きます。耳タコと言ってもいい。ネット企業は広告で回収するか、上場益で稼ぐのが相場で、「虚業」と揶揄される事も少なくありません。

しかしそこで僕は疑問を抱くのです。ゲームはお金になってますよ、と。
子どもの電子玩具から始まったゲームもネットと並んで、低所得者層の代表的な娯楽です。海外は特に顕著ですが、日本でも同じ傾向があります。「貧乏人は麦でも食ってろ」風な態度をとったPS3(SCE)がどれだけ叩かれたかは記憶に新しいところです。

ゲームはお金を取れているのですから、ネットでも同程度にはお金が取れるはずです。現状ネットがお金になりにくいのは理由があります。ゲームとの違いはどこにあるのでしょう? その答えを僕はここでは明示しません。あえて迂遠な言い方をすれば、attention-based game designが1つの解答になります。

(昔のブログで議論にのぼった curiosity-based game designと共に、Webサービスとゲームを包括的に設計するための方法だと考えています。)

2つの課題を提示するだけ提示して、締めてしまって申し訳ない。でも思考実験のネタとしては面白いと思います。

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コメント

おっしゃるとおり、世の中には「購入限界価格」ってのがありますから。ゲームはあくまで「おもちゃ」であることにこだわる任天堂がCPU性能を犠牲にしても価格を下げてハードでも黒字が出るよう設計するのは正解かと。
どんなに高性能で「赤字価格」とメーカーが言っても一般家庭にフェラーリは必要ない、そういうことを忘れると「ウチは高級レストラン、見合う客だけ来てくれればいい」とトンカチな発言してしまうのでしょう。金持ちが買う一本も貧乏人が買う一本も、ソフトの値段は同じなのに。
現在PS3が4万円にまで落ちてきましたけど、もしかしたらこれが本当の意味で「購入限界価格」だったのかもしれませんね。この価格と性能なら魅力的な商品として、ようやくスタートラインに立った、そんなイメージです。

>tt さん
今回の記事の主旨とははずれていきますが、4万円が1つの目安なのは確かでしょうね。PS3発売前にサードパーティ経営者からも、4万円以内でないと困る、といった牽制発言があったはずです。

ようやく4万円になったとはいえ、今頃遅いよ、と思っている人達も少なくないでしょうが。とはいえ、PS3を叩く人達が減っているのでは? という意見がうちのブログのコメント欄でも出てましたが、徐々に意識も変わってくるのではないでしょうか。

PS3に関しては、PSPと同じような流れをより巧くたどるべきで、セカンドハードとして着実に普及台数を伸ばしながら、新型(小型化)などを契機にして、ブースとを掛けていくといいですね。『FF13』発売のタイミングをめどに小型化できると最高でしょうけど、なかなか難しいかな?

ネットコンテンツ類の足枷は、利用者が持つ”無料意識”が大きいと思います。
もう10年以上前ですが、ネットは今のような個人表現の場ではなく、個人の研究成果を発表する場という雰囲気がありましたから。各大学、各学会が日本から世界に向けて、研究成果を”無料”で発信する。個人プログラマーが、自分の開発したツールを無料で発表する。そんな、「無料で公開する」という雰囲気がインターネットには今も残っていると思います。
これと対極なのは、同じネットワークでありながら、当初からサービスの有料化を出していた携帯電話ですね。テトリスなどの簡易なアプリや着歌には料金を払う事に、あまり意識がありませんから。
ケーブルTVや衛星放送などの有料TVが、有料である意味が理解されるまで長い時間が掛かりました。ネットコンテンツも「商売として成り立つ業界」になるには、やはり同じく時間が必要でしょうね。無料から始まったサービスが有料に切り替わるには、サービスの質だけでなく利用者の意識も変化する必要がありますから。
ただ、今は儲からないからと何もしなければ、商売として成り立つ時には完全に出遅れるので、そこが悩ましいところなんでしょうね。

> どすこい さん
人が何にお金を出すのかというのは、どすこいさんがおっしゃるように慣習的・文化的なものが1つありますね。またもう1つ、当たり前の事ではありますけど、「お金を出す価値を感じる」という事があります。この「お金を出す価値を感じる」を評価/設計する指標の1つとして、attention-based game designというものを考えています。

>ただ、今は儲からないからと何もしなければ、商売として成り立つ時には完全に出遅れるので、
>そこが悩ましいところなんでしょうね。
ですね。
皆さん、悩んでおられるところではないでしょうか。

ちょっと個人的に忙しい状態が続いているんですが、ゲームデザインの話題ということで一応、反応いたします。

新しい発想が出てくるところまで考えると、時間とエネルギーがかかりますし、私はそれほどボランティア精神を持ち合わせていませんので、あまり練ってもいないし、推敲もしない荒い議論になると思いますが、私の中での議論の整理的な意味合いでコメントいたします(それでも長くなりそうですが)。見当違いの方向に行っているときは生暖かい目でスルーのほうをお願いします。

まず、

> attention-based game design
> curiosity-based game design

に関してはさっぱり思いつかずでした(笑)。ですので、DAKINIさんの考えておられる方向とはまた別の議論になると思います。

また、下記の二つの文章については、どうかな…、微妙な問題だな…(?)というのが第一印象で、共に今現在のゲーム業界の問題意識の中心近くにあってしかるべき問題であるという印象を受けました。

> ゲームはお金を取れているのですから、ネットでも同程度にはお金が取れるはずです。

> ゲーム制作者のモチベーションが問題になってきます。

で、DAKINIさんの問題提示を無視してまず言いたいのは、ぶっちゃけ、「ダレットワールド」にちっとも期待していない自分ですね。なぜ、こんなに期待感をもてないのだろうというか、ワクワク感を感じないのだろうと思う訳です。昔はゲームでワクワクしている自分がいたのに、です。で、昔、自分が感じていたゲームのワクワク感というのはどういうことかというのを思い出しているうちに、多分、ベーマガ(古っ!)のアーケード版「パロディウスだ!」の紹介の記事で、「先の展開が見たくなるようなゲームだ」みたいな文章があり、その通りだなあ、と思ったことを思い出しました。なんというか、ゲームにおける、ゲームシステムやストーリー性やギミックなどによる展開の吸引力はあなどれないなあ、と思うのです。「ダレットワールド」は、その吸引力が保証されているのか非常に疑問です。まあ、2chくらい人がいれば、話は別でしょうが。

要するに、「娯楽の楽しさは展開の楽しさだ」までは言いませんが、「我々は何も起こらない居心地のよいマターリ空間を提供しますので、ユーザーの皆様はボランティアで自主的にいろいろと楽しげな活動をして下さい」という宣伝文句だけで金を落とすユーザーがいるのか?ということです。例えば、プロの芸人が楽しませてくれるとか、漫喫のように(あるいはニコ動のように)DVDと漫画見が放題読み放題みたいなサービスなら分かりますが。まず、楽しませてくれる主体があって、ユーザーはそれに対するリアクションとして(コメントを書く・二次創作をするなどの)活動をするのだと思います。

で、ネットでどうやって金を取るかという話に戻るわけですが、結局、ネットの弱点をつくことで儲けるしかないのだと思います。ネットの弱点というのは、ゴミ情報の多さ(とセキュリティ)だと思います。最近、スパム関係でも話題になっていますが、ネットでは、面白い情報を無料で見ることができるわけですが、ノイズはそれ以上に多い訳です。情報のクオリティもてんでばらばらで、セキュリティホールをつく危険な場所もあります。ですので、「プロによって気持ちの良さ(快感)や快適性・安全性がある程度、保証されている場所」にはニーズがあるのではないかと思います。

例えば、VIPにリクエストに応じて絵を描くスレなどがありますが、それをプロの絵描き(もしくは、ゲーム本編のキャラクターデザイナーやドット絵師など)がやってくれる場があれば、料金を払っても参加したい人はいると思います(会員規約などを設ければ、荒らしの被害も最小限ですむでしょうし)。要するに、インフラ開発志向(?)のウェブサービス開発者ではなく、自己表現志向のゲーム開発者の場合、ユーザーを楽しませてくれる主体のメイン部分を開発者自身の手で作ることで、開発者のモチベーション(とサービス精神)は維持されるのではないかと思います。

で、
> ゲームとネットの間にあるもの
を想像してみるわけですが・・・。

要するに、ゲームとネットの間で生まれる「新しい娯楽」にせよ、ユーザーから金を取るには、何らかの面白げな展開をする主体があって、それがコミュニティ内外のユーザーを楽しませるという構図は変わらないと思います。では、その展開する主体とはどういうものか。ニコ動の場合、CGMということで、まず元ネタがあって、CGM的にユーザー達の手によって、動画が二次作品、三時作品という風に展開していきます。多くのニコ動ユーザーにとって、明日はどういう動画がUPされるのかというワクワク感はあると思います。

では、ゲームの場合は?ということになる訳ですが、ゲームの場合、ゲームの進行によって展開を作り出せます(個人的には、ニコ動のシミュレーションゲーム関連のリプレイの面白さは異常だと思います)。思いっきり枯れた議論ですが、「野球」などには、ニコ動的に野球の監督の采配にヤジを飛ばすと、監督がそれを参考にして采配する、みたいなアイディアは、昔からありますし、例えば、見るだけだったら広告付きで無料、会員になれば、広告なしでヤジを飛ばせるみたいなシステムで、芸人に「シヴィライゼーション」のようなシミュレーションゲームをプレイしてもらうというやり方もありだと思います(というか、個人的には、観戦モードには、広告をつけてもいいと思います(所詮フロー情報ですし)。それで、Youtubeに動画が拡散してもOK、みたいなあり方もありだと思いますし)。また、ユーザーコミュニティのCGM的なあり方を考えると、(例えば、野球の場合)ユニフォームをデザインできるとか、サイトにそのゲームに関する二次創作が投稿できるとか、ある程度自由にやらせてもいいような気がします。

ただ、ゲーム+ネットサービスということで、上記のアイディアは、すごく金がかかりそうではありますね。そういう面から見ても、DAKINIさんの目指す方向性とは見事に違う議論になりましたね・・・。でも、予想通り、長いコメントになりました。

>bin3336 さん
> 私はそれほどボランティア精神を持ち合わせていませんので、
いえいえ、bin3336さんのコメントはいつも興味深く読ませていただいてます。

> DAKINIさんの問題提示を無視してまず言いたいのは、ぶっちゃけ、
> 「ダレットワールド」にちっとも期待していない自分ですね。
以前から、何度か書いているとおり、僕も仮想空間モノには期待してません。
エントリー本文で、ダレットワールドとはてなワールドを比較しているものの、内容の良し悪しにはまったく言及してないのも、そのせいです。

bin3336さんがおっしゃるように、勝手に盛り上がってください、はなかなか成り立ちづらいと思います。(一般論としては断言するのは危険ですが、仮想空間モノという観る側にとっても、かなり負担のかかるサービスでは、言い切ってもかまわない気はしています)

>そういう面から見ても、DAKINIさんの目指す方向性とは見事に違う議論になりましたね・・・。

おっしゃるとおり、ある程度品質の保証された「種」や「場」を提供するという作戦は当然ありだと思います。もともと家庭用ゲーム機はそうした温室ビジネスを取ってきましたし、任天堂の取っているWiFiコネクションの「あんしん」にもそうした思想をハッキリ感じ取れます。

もっとも、任天堂は無料で提供していて、ハードメーカーだから本体販促としてみなせば、ペイできるという考え方ですよね。ちょっと特殊なケースではあって、評価の際には慎重な議論が必要そうです。

新清士氏のWiiFitに関する記事がなかなか良い論点を提示していると思います(もっともWiiFitではなく、Miiコンテストチャンネルの方を引き合いに出した方が良かった気もします)。

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