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雑談×雑談×雑談×雑談×雑談 『生徒会の一存』

生徒会の一存葵 せきな

4人の美少女と1人のエロ少年が毎回毎回、生徒会室で雑談して、雑談して、雑談するだけの連作短編小説。262ページの大半がひたすら雑談に費やされ、事件らしい事件は何一つ起こらない。

読むのは時間の無駄だろうか。
その通り。無駄が嫌いな人は今すぐ「戻る」ボタンを押すことをお薦めする。
だがそもそも娯楽とは無駄を楽しむことではなかったか?

美人コンテストのような人気投票で選ばれた生徒会役員は、会長の桜野くりむを筆頭として、全員が美少女であり、子供っぽいツンデレキャラから、おとなしめの妹キャラ、勝気で元気な同級生キャラ、あやしいお姉さんキャラとバリエーションも十全である。

成績最優秀者に与えられる「優良枠」を勝ち取ったのは、エロゲ的な野心に燃える一匹の野獣・杉崎鍵。エロゲの主人公に憧れた少年は、美少女に囲まれる楽園をめざして、成績ビリからトップへと欲望のままに駆けのぼった。

実はけっこういいヤツだったりするが、自分の欲望を赤裸々に口にするので、すべて台無しである。1人の女の子に絞るのを良しとせず、全員を幸せにするハーレムエンドのみを求道するその姿は、一匹の修羅といえる。その生き様は笑いと涙無しでは語れない。

作者自身が「四コマ小説」と呼んでいるように、この小説は萌え系四コマ漫画に近似している。ギャグとパロディがふんだんに盛り込まれ、99.99パーセントは無駄な会話で出来ている。『ただの人間には興味あ(自主規制)』や『嘘だ!』のような危険なネタが多いのも、昨今の萌え系四コマっぽい。
 ざわ、ざわ、ざわ。

 俺達のバックに、そんな擬音が出ているのを感じた。
 真冬ちゃんと深夏の目が動揺で激しく揺らいでいる。知弦さんも冷静を保とうとはしているものの、胸の辺りを苦しそうに押さえていた。
 俺も……会長を、怯えた目で見つめる。
 なん……だって? 次? 次、だって? しかも「なにするー?」って……もう、ポーカーは終わり? そんな……そんなっ! あんだけ……あんだけ決意して臨んだ戦争を……そんな……そんな一言で終わらせて、次の戦争を起こそうというのか貴方はっ!
「ふ……ふは……ふははははは」
「す、杉崎?」
 俺は思わず笑い始めてしまった。会長がキョトンとしている。
「いえ、なんでもありませんよ、会長。いえ……ベルセルク」
「意味分からないよ! ベルセルクじゃないよ、私!」
「ふ……では、修羅と改めさせてもらいましょうか」
「会長か桜野くりむと改めてよ! なんで修羅になったのよ!」
始終こんなノリである。ここまでくると、AAも欲しかった気がするが、さすがに出版は難しかったろうか。
馬鹿馬鹿しさに笑うもよし、0.1秒で本を閉じるもよし。
しかし最後まで読むことをお薦めしたい。無意味と無駄をぞんぶんに楽しんでほしい。

この小説、もはや新しいジャンルと言ってもいいが、欠点が無くも無い。
昨今の四コマ漫画と比べると、まだ「意味」や「物語」「シリアス」に未練を残している点だ。例えば、杉崎を「実はいいヤツ」として説明し過ぎているのが非常に気になった。『らき☆すた』や『ドージンワーク』では、その種のエクスキューズは存在しない。こなたはいいヤツでも何でもなく、ただのオタクとして描かれているし、なじみも同様である。また、全体を通してのメタ構造も蛇足感をおぼえた。

それは「もっと真面目な作品も書けるんですよ」という、シリアスな作品を書き慣れている作者の無意識のエクスキューズではないか? 馬鹿なら馬鹿に徹して欲しかった。そこまで徹したとき、本当に新しい領域を切り拓けるはずだ。

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コメント

はじめまして。いつも楽しく読ませて貰っています。

生徒会の一存に関しての感想ですが、概ね同意です。ただしかし、最後の「作者のエクスキューズ…」あたりは、それこそちょっと余計とういか、いらないんじゃないかなとも…。
なんていうか、想像の人物像で、勝手にけなしてしまっている印象でしたので。

私は、この作品はシリアスな部分含めて面白いと思っています。恐らく、らきすた等を基準に設定して見るから、その部分に違和感を抱いてしまうんじゃないでしょうか。

すいません。個人的に作者さん自体のファンなので、最後の「想像でけなす」一文がどうしても引っ掛かってしまいました。

>sana さん
いえいえ。
色々な読み方があると思います。

ボクはsenaさんとは逆に、不徹底な部分がイマイチだと思ったから、その点を指摘しました。けなすというより、より良くなってほしいという願いですね。もちろんその願望はいち読者からの一方的なものです。

欠点と感じた点を挙げる=けなす、とは思いません。
「想像でけなした」というより、欠点を挙げて、欠点の理由を『推察』したことになります。むろん『推察』には明確な根拠はありません。

強いて言うなら、あとがきを含めた本全体を通して、そういう「言い訳がましい」印象を抱いた、という事ですね。senaさんのおっしゃるとおり蛇足かもしれませんし、僕のいつもの書評からすると、やや批判の色が強いのは、僕自身かいていて感じていました。

にもかかわらず、やはり書いたのは、それだけ気になったんですよね。惜しい、もったいない、という思いが強かったのだと思います。とりあえず、もう少しマイルドに修正してみました。書評をどうまとめるかは、なかなか難しいですね・・・・。

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