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アジアンファン、必読 『薔薇のマリア 8 ただ祈り願え儚きさだめたちよ』
薔薇のマリア 8 ただ祈り願え儚きさだめたちよ(十文字 青)

本当に読者を驚かせる展開が好きだな、この作者。
アジアン編に突入したこの巻は、読者全員の予想を大きく裏切ってくれる。エヴァンゲリオンの25話、26話をはじめて見た時の衝撃に近いというと、大げさだろうか。
しかし最初の驚きから我に返ってみれば、ほぼ全編にわたってアジアン尽くし。
アジアンの過去、アジアンの本心、アジアンの思い出、アジアンの本質、それら全てが凝縮されている。『薔薇のマリア』ではなく、『薔薇のアジアン』というタイトルに付け替えたほうがいい。本人だけでなく、彼のクラン<昼飯時>のメンバーも勢ぞろいする。
したがってこの巻を読む前に外伝『薔薇のマリア Ver3』を絶対に読んでおいた方がいい。<昼飯時>のメンバーにまつわるエピソードを知っているかどうかで、この巻の面白さは1024倍は違う。
彼にはどこか人を寄せ付けない所がある。人でないものが人に混じって生きていく孤独感、疎外感。当初閉鎖房に閉じこめられていた彼は、1人の人間としての自我さえあやふやだ。しかし一般房に移って他人と接するうちに、徐々に明確な意思をもち、他人を受け入れ、逆に受け入れてもらう事を実感するようになる。
その過程は、じっさいに<昼飯時>でアジアンがたどった道のりなのだろう。過去編という形をとらず、あえて今回のような書き方をしたところが十文字青のユニークな点だ。そのおかげで、これまでよりもアジアンの内面がかなり深い所まで描写されている。
そして彼の歩みがマリアローズのものと似ていることにも気づかされる。作品中ではいまだ明示されてはいないが、両者とも人でないものである事が匂わされている。生まれながらに孤独感を抱えて生きる者同士、赤い薔薇と黒い薔薇の物語は二重螺旋のように絡み合っていく。
続く9巻で、たぶん2人には問いが突きつけられるのではないだろうか。
仲間か彼女か、どちらかを選ばなければいけなくなった時、アジアンはどうするのだろうか? その問いは2巻、3巻で発せされ、答えはいまだ保留されている。逆にマリアはどうだろうか? これまでの彼/彼女であれば、答えはシンプルだった。しかしそれはマリアの気持ちが育ってなかったからだ。今はどうか? 9巻ならどうか? 続きが早く読みたい。

本当に読者を驚かせる展開が好きだな、この作者。
アジアン編に突入したこの巻は、読者全員の予想を大きく裏切ってくれる。エヴァンゲリオンの25話、26話をはじめて見た時の衝撃に近いというと、大げさだろうか。
しかし最初の驚きから我に返ってみれば、ほぼ全編にわたってアジアン尽くし。
アジアンの過去、アジアンの本心、アジアンの思い出、アジアンの本質、それら全てが凝縮されている。『薔薇のマリア』ではなく、『薔薇のアジアン』というタイトルに付け替えたほうがいい。本人だけでなく、彼のクラン<昼飯時>のメンバーも勢ぞろいする。
したがってこの巻を読む前に外伝『薔薇のマリア Ver3』を絶対に読んでおいた方がいい。<昼飯時>のメンバーにまつわるエピソードを知っているかどうかで、この巻の面白さは1024倍は違う。
彼にはどこか人を寄せ付けない所がある。人でないものが人に混じって生きていく孤独感、疎外感。当初閉鎖房に閉じこめられていた彼は、1人の人間としての自我さえあやふやだ。しかし一般房に移って他人と接するうちに、徐々に明確な意思をもち、他人を受け入れ、逆に受け入れてもらう事を実感するようになる。
その過程は、じっさいに<昼飯時>でアジアンがたどった道のりなのだろう。過去編という形をとらず、あえて今回のような書き方をしたところが十文字青のユニークな点だ。そのおかげで、これまでよりもアジアンの内面がかなり深い所まで描写されている。
そして彼の歩みがマリアローズのものと似ていることにも気づかされる。作品中ではいまだ明示されてはいないが、両者とも人でないものである事が匂わされている。生まれながらに孤独感を抱えて生きる者同士、赤い薔薇と黒い薔薇の物語は二重螺旋のように絡み合っていく。
続く9巻で、たぶん2人には問いが突きつけられるのではないだろうか。
仲間か彼女か、どちらかを選ばなければいけなくなった時、アジアンはどうするのだろうか? その問いは2巻、3巻で発せされ、答えはいまだ保留されている。逆にマリアはどうだろうか? これまでの彼/彼女であれば、答えはシンプルだった。しかしそれはマリアの気持ちが育ってなかったからだ。今はどうか? 9巻ならどうか? 続きが早く読みたい。
それからあいつは、悲嘆とも、絶望とも、後悔ともとれるような、ああ、という声をもらして、頭を、髪の毛を、自分の両手でつかんだ。ものすごい力で引っぱって、頭を叩いて、また髪の毛を引っぱった。あいつは、おお、と泣いた。おお、おお、おおお。僕はあいつの手首をつかんだ。右手を左手で、左手を右手で、ぎゅっと握りしめて、ダメだよ、と言った。それでもあいつは泣きやまなかった。おお。おおお。おおおお。それは、でも、なんてなってない泣き方だろう。泣くなら泣くで、もう少しやり方というものがあるはずだ。知らないんだ。こいつってば、そんなことも知らないんだ。つらいとき、悲しいとき、どうやって泣けばいいのかもよく知らないんだ。
(中略)
あいつは僕の胸に顔を押しつけて、おお、おおお、おおおお、と泣きつづけた。僕はあいつの背中を叩いた。軽く、叩いた。よし、よし、と子供をあやすように、何度も、何度も叩いた。
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