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ゲーム企業は全社員に読ませるべき 『失敗は予測できる』

失敗は予測できる (中尾 政之

『ニンテンドーDSが売れる理由』を紹介するとき、僕は「松下は全開発社員に買って読ませるべき」と書いたが、その論法で言うなら、ゲーム企業各社はこの本を全社員に読ませるべきだろう。

不具合がよく話題になっている

ここ2年ほど、ゲーム業界では不具合がよく話題になっていて、うちのブログでも度々取り上げている。去年の2月に品質管理の話を書き、夏には任天堂が不具合を連発したのをきっかけに、いくつか記事を書いている。
(参考:開発マネージメントについての議論が高まっている

年末商戦は夏よりもタイトなスケジュールになりがちで、夏に不具合が続けば、年末にはもっと酷い事になるはずだが、今のところ特に聞こえてこないということは何らかの改善はあったのかもしれない。

ゲーム企業のQAはなかなか表には見えてきにくい部分だが、この1年で各社の危機意識が高まってきたのを感じる。不具合はブランドを短期間で損なうし、不具合が出やすい状態はプロジェクト管理がうまくいってない兆候でもある。単純に不具合の有無だけを問題にするのではなく、「組織の生活習慣病」に陥ってないかどうか、自己診断する良い機会にすべきだろう。


不具合以外の失敗もある

不具合ではないが、『GT5 Prologue』の失態も記憶に新しい。じっさい11月にはWiiの月間販売数を抜くほど好調だったPS3は、12月にはずっと低調で、『真三國無双』や『ウイイレ』をそろえたソフトメーカーの努力を台無しにした。

と書いていたら、『スマブラX』が開発遅延による発売延期らしい。年始のTVCMで発売日を明確に言ってなかった事から、一部には憶測も流れていたようだが、現実になった。年末年始でWiiが圧勝している事も含めての判断なのかなとも思うので、『GT5P』ほど深刻な失態ではないが、直前になっての発表はいささか情けない。

またどちらのケースも類似点が見られる。ポリフォニーデジタルも、ソラも、別会社ではあるがほぼファーストパーティに近い位置づけであること。キラータイトルの制作を担当していること。オンライン対応が大きな売りになっていること。両スタジオの内情は知らないが、案外、失敗した理由は共通しているのかもしれない。
(両スタジオの相違点としては、ソラは今回のスマブラのために結成されており、スタジオのまとまりや運営という点で難しさはあったのかもしれない。)

このようにゲーム業界では不具合やスケジュール遅延がますます問題になっている。不具合については、ニコニコ動画などにバグ再現動画がアップされることもあり、企業側のリスクは一段と高まっている。スクウェアエニックスのDS『FF4』もつい最近、不具合が発表された。


失敗学の出番だ!

さて本書は「失敗」を予測し、「失敗」を回避し、「失敗」から逆転するための方法を書いた本である。著者の中尾政之氏は「失敗学」の畑村洋太郎氏の弟子にあたり、師匠の本よりもさらに実践的であることをめざしている。たった200ページちょっとの中に、すさまじい数の失敗事例を盛り込んでいる。

もちろんただ数が多いだけではない。表層的な要因ではなく、根本的な要因を解明し、回避するための考え方を提示している。膨大な実例があるため、抽象的な概念にとどまっていないのも素晴らしい。

失敗学の根本は、他人の「失敗」から学ぶことにある。それは思ったより難しい。
他人の失敗から類似点を見つけて一般化する分析力、別の問題にも当てはまることに気づく応用力、自分の状況に当てはめられる想像力を養う必要がある。

結局、失敗学の行き着くところは、企画や設計のフェーズであり、その力を養うことに通じる。多くのゲーム企業が本書で、「失敗」を予測し、「失敗」を回避し、「失敗」から逆転してほしい。


(僕の一番の「失敗」はこの本を読んだのが最近で、今日になるまで紹介しなかったこと。実は、今月アフィリエイトで売れていたので読むことにしたわけで、うちの読者の方にお薦めされたようなもの。感謝、感謝。)

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コメント

ゲームソフトが発売日を延期するときの大抵の理由に
「さらなるクオリティ向上のため」とか「十分な品質に仕上げるため」等と
発表されるんですが、僕からすればちょっとナンセンスに思えますね。

以前どこかでカプコンの稲船さんがこのことに関して
「もうちょっと時間があればもっと作りこめて面白くなる、さらなる品質向上が求められる
という言い分はアマチュアの考えであって、きちんとしたスケジュールをたてて
期限内にきっちり面白いものを作るのがプロのクリエイター」と言っておられて

中には他ソフトとぶつかるのをさけたり、商戦時期をにらんで延期したりする
例外のソフトのもあることは承知してるんですが
稲船さんみたいなしっかりしたプロ意識を各クリエイターさんはもってほしいと思ってたりします。

>Ni.O さん
稲船氏らしいコメントですね。厳しい。

まあ発売日を発表してないような段階において、納期を延ばしてもらえるなら、延ばしてもらいたいと思う時はありますし、延ばしてもらえるなら、会社側の判断をありがたく思うのが制作側の気持ちですね。納期を延ばす交渉を上とおこなう事自体が悪いとは思ってません。

ただ、直前の延期というのは、不具合のような『事故』であり、プロジェクト管理の『失敗』に分類されるものだと思います。『スマブラ』に関しては2度目なのも、印象は悪いですね。Wiiの普及戦略としては、影響は無いでしょうが。

しかし『スマブラ』に関しては、発表が遅かった点が一番の問題だとは思います。小売店のブログで、回答数の返事がこなかったとか、入荷数が読めなくて予約が取れなかった、という風に、先週以前から騒がれていましたよね。

状況が悪かったのは、もっと早くからわかってたんでしょうし、早い決断がほしかった気がします。年末商戦においてWiiの状況が好調なことが見えた時点で、決断できたはず。結果論ではあるんですが、それをいうと不具合だって全部結果論なので。競争していれば、綱渡りしなきゃいけない局面はあるんでしょうけど、渡らなくていい時まで綱を渡る必要は無いんじゃないかなと。良い意味での余裕は欲しいです。

まあ変に理由を隠さずに「開発遅延」と言い切った点はよかったですね。お茶を濁して、「品薄商法か!?」と叩かれても馬鹿馬鹿しいでしょうから。

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