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SFしなくなったSF 『人類は衰退しました 2』

人類は衰退しました 2田中ロミオ

いやし系人類衰退SFがもっと楽しくなってしまった。
ページも増量、お話のシュールさも増量、SF度も増量。まさか1巻を越えてくるとは思わなかった。

妖精さんを「眺める」本だった1巻と異なり、2巻は「わたし」が妖精さんのイタズラに巻き込まれて不思議な体験をする構造になっている。体験のシュールさは1巻を完全に凌駕していて、妖精さんの作り出した不思議アイテムは妖精さん以上に理不尽な出来事を引き起こす。相変わらず優れているのは、珍奇な現象にまったり流されるもよし、SF的な想像を巡らすもよし、どっちを選んでも構わないこと。

去年読んだ本の中で最もSFしているにも関わらず、最もSFから遠い理由がそこにある。SFを知的想像力への刺激とするなら、この小説はそれを否定している、とも言えるからだ。妖精さんという最大の謎を前に、人類は考えるのをやめてしまった。SFすることをやめているのだ。

もしかすると、あの貪欲な人類がどうして考えるのをやめてしまったのか、そちらの方がより大きな謎かもしれない。そう考えると、「わたし」がアホになっていく「人間さんの、じゃくにくきょうしょく」はかなり怖い話にも読める。無論、そんな事気にせずに、ハムスターの可愛らしさに身悶えていてもかまわない。

考えても、考えなくてもかまわない。文明を進歩させても、放置してもかまわない。衰退する、老いるというのは、そういう事なのだろう。しかしそれは悲惨ではない。じっさいこの本に出てくる人類も、妖精さんも、固執しない。それは「楽しい」ことなのだ。

1巻の書評から引用してみよう。
妖精さんは、お互いを識別する名前を持たない。個体ごとの差異はあるが、個体ごとのアイデンティティーにこだわりは無いようだ。思えば、人間が苦悩し、他人を愛憎するのも、人類が妙に「個」にこだわるからではないか。本当にそんなもの、必要だったのか。わからないが、人間の幸も不幸も、そこに端を発していると思う。


関連
個の無い世界でまったりと 『人類は衰退しました』

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