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2007年ライトノベルトップ10
この時期ありがちなネタですが、今年出た新刊の中から、個人的なお気に入りを10作品選びました。読んだ本をあらためて書き出してみたら、10冊じゃ全然足りない・・・・今年の新刊に絞ってよかった。
10位に『扉の外』、4位に『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』、2位に『ミミズクと夜の王』。4つの新人作品のうち3作品が電撃文庫から。電撃の新人作家のクオリティ高すぎ。「磐石」「不動」という言葉が自然と浮かんできます。
ただし、今年ボクが読んだ冊数でいうと、電撃以外のレーベルの比率がかなり増えてます。じっさい今年かいた書評では、電撃文庫の比率は2割弱でした。
既存のシリーズでいうと、『フルメタル・パニック!』の新刊が出たのが外せません。ずいぶん焦らされましたからね。かなめとテッサのいい意味での悪女っぷりが際立ちました。やっぱり、いい女ってのは男に地獄を渡らせてなんぼ。「わたしのために地獄に落ちろ」ですよ。
『オイレンシュピーゲル 2』も良かった。冲方丁の評価がさらに高まりました。2つのレーベルで同時並行に進める構想を知った時は、悪い意味で商売っ気が強すぎるんじゃないかと心配でしたけど、まったくの杞憂でした。
それ以上に商売っ気が強かった『刀語』は、ちょっと残念な結果でした。西尾維新は畳むのがあまり巧くないという評判を裏付けてしまったような。
小林めぐみの『食卓にビールを』シリーズが完結してしまったのは残念。女子高生で小説家、若奥様の「私」が毎度、毎度、奇妙な事件に巻き込まれるSF的日常を描いた作品。彼女のマイペースっぷりの生み出す、妙にまったりした軽さは独特の魅力があります。
ライトでシュールなSFといえば、何といっても『人類は衰退しました』でしょう。田中ロミオの初めての小説でしたが、ベテラン作家並みの完成度に脱帽。
1巻は妖精さんの生態を観察した記録で、猫のように気まぐれで、パルプンテのように予測不能な彼らの行動をまったり「眺める」のが楽しい。ほのぼの読んでもいいし、SF的な考察に頭をめぐらしてもいいでしょう。2巻はSF的なギミックが増えていて、1巻以上に不思議世界にご招待。考察する楽しさも増量してます。
それにしても、気がついてみると、恋愛に絡んだ作品を多く挙げてますね。
中でも、『BLACK BLOOD BROTHERS 8 宣戦恋歌』が気に入ってます。異国の地で新しい試練を乗り越えて、一段と成長したミミコにグッときました。尾根崎会長と神父のダメ親父っぷりが露呈しつつ、サマンサ教授が素敵なおばちゃまぶりを発揮。「人生の先輩」としてのすばらしい助言がなければ、ミミコは潰れていたでしょう。ミミコの周囲には、母親ぐらい年齢の離れた年上の女性が欠けてましたからね。
『文学少女と慟哭の巡礼者』は恋愛というより、狂愛に近い部分がありましたけど、読み終わった時には非常にスッキリして、おだやかな気持ちで本を閉じることができました。野村美月は人間の情念をドロドロと書き出すのが非常に巧いですね。
来年も素晴らしい本と出会えますように。
10位 扉の外(土橋 真二郎)

9位 フルメタル・パニック! つどうメイク・マイ・デイ(賀東 招二)

8位 オイレンシュピーゲル 2(冲方 丁)

7位 食卓にビールを 6(小林めぐみ)

6位 狼と香辛料 5(支倉 凍砂)

5位 BLACK BLOOD BROTHERS 8 宣戦恋歌(あざの 耕平)

4位 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸(入間人間)

3位 文学少女と慟哭の巡礼者(野村 美月)

2位 ミミズクと夜の王(紅玉いづき)

1位 人類は衰退しました(田中ロミオ)

10位に『扉の外』、4位に『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』、2位に『ミミズクと夜の王』。4つの新人作品のうち3作品が電撃文庫から。電撃の新人作家のクオリティ高すぎ。「磐石」「不動」という言葉が自然と浮かんできます。
ただし、今年ボクが読んだ冊数でいうと、電撃以外のレーベルの比率がかなり増えてます。じっさい今年かいた書評では、電撃文庫の比率は2割弱でした。
既存のシリーズでいうと、『フルメタル・パニック!』の新刊が出たのが外せません。ずいぶん焦らされましたからね。かなめとテッサのいい意味での悪女っぷりが際立ちました。やっぱり、いい女ってのは男に地獄を渡らせてなんぼ。「わたしのために地獄に落ちろ」ですよ。
『オイレンシュピーゲル 2』も良かった。冲方丁の評価がさらに高まりました。2つのレーベルで同時並行に進める構想を知った時は、悪い意味で商売っ気が強すぎるんじゃないかと心配でしたけど、まったくの杞憂でした。
それ以上に商売っ気が強かった『刀語』は、ちょっと残念な結果でした。西尾維新は畳むのがあまり巧くないという評判を裏付けてしまったような。
小林めぐみの『食卓にビールを』シリーズが完結してしまったのは残念。女子高生で小説家、若奥様の「私」が毎度、毎度、奇妙な事件に巻き込まれるSF的日常を描いた作品。彼女のマイペースっぷりの生み出す、妙にまったりした軽さは独特の魅力があります。
ライトでシュールなSFといえば、何といっても『人類は衰退しました』でしょう。田中ロミオの初めての小説でしたが、ベテラン作家並みの完成度に脱帽。
1巻は妖精さんの生態を観察した記録で、猫のように気まぐれで、パルプンテのように予測不能な彼らの行動をまったり「眺める」のが楽しい。ほのぼの読んでもいいし、SF的な考察に頭をめぐらしてもいいでしょう。2巻はSF的なギミックが増えていて、1巻以上に不思議世界にご招待。考察する楽しさも増量してます。
それにしても、気がついてみると、恋愛に絡んだ作品を多く挙げてますね。
中でも、『BLACK BLOOD BROTHERS 8 宣戦恋歌』が気に入ってます。異国の地で新しい試練を乗り越えて、一段と成長したミミコにグッときました。尾根崎会長と神父のダメ親父っぷりが露呈しつつ、サマンサ教授が素敵なおばちゃまぶりを発揮。「人生の先輩」としてのすばらしい助言がなければ、ミミコは潰れていたでしょう。ミミコの周囲には、母親ぐらい年齢の離れた年上の女性が欠けてましたからね。
『文学少女と慟哭の巡礼者』は恋愛というより、狂愛に近い部分がありましたけど、読み終わった時には非常にスッキリして、おだやかな気持ちで本を閉じることができました。野村美月は人間の情念をドロドロと書き出すのが非常に巧いですね。
来年も素晴らしい本と出会えますように。
10位 扉の外(土橋 真二郎)

9位 フルメタル・パニック! つどうメイク・マイ・デイ(賀東 招二)

8位 オイレンシュピーゲル 2(冲方 丁)

7位 食卓にビールを 6(小林めぐみ)

6位 狼と香辛料 5(支倉 凍砂)

5位 BLACK BLOOD BROTHERS 8 宣戦恋歌(あざの 耕平)

4位 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸(入間人間)

3位 文学少女と慟哭の巡礼者(野村 美月)

2位 ミミズクと夜の王(紅玉いづき)

1位 人類は衰退しました(田中ロミオ)

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