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1年間おつかれさま 『刀語カタナガタリ 第12話 炎刀・銃』

刀語カタナガタリ 第12話 炎刀・銃西尾維新

「うわあ、なんか本当に終わらせちゃった。引くわー」(あとがきより)
読者の反応を作者が先回りするの禁止(笑
1年間おつかれさま、と登場人物全員をねぎらいたい気分。
作者も、読者も、僕自身も。
このブログの「本の紹介」のじつに7%が『刀語』で占められている。毎月毎月よくもまあ書評を書いてきたものだと思うが、楽しかった。さすが、会話の妙技にかけては当代随一。とがめと七花の道中のらぶらぶトークは実に面白く、軽く、無意味で、愉快だった。『化物語』といい、『刀語』といい、会話における絶技の数々は、他の追随を許さない。

キャラクターも実に多く、1話につき最低1人の対戦相手+αが用意され、そのほとんどが殺されていく。恐ろしくハイペースでキャラクターを生み出し、惜しげもなく殺していくのが西尾維新。強烈なキャラクターをこんなに次々と生み出す才能は、まさしく天才という他ない。

自分自身の天才性を持て余している感もある。
『刀語』は従来の西尾作品のひねくれた主人公像とは大きく異なり、鑢七花は非常に素直な性格。刀という設定のせいでもあるが、その違いが結末にも現れている。その終わり方は書かない。意見は色々あるだろうが、まぁありだろう。

最初から最後まで読み通して1つ感じたのは、西尾維新はあまりフォーマットに縛られない方がいいということ。戯言シリーズがある意味、読者の予想以上に早く終わりを迎えてしまった。狐面の男にいわせれば、物語が加速したからだが、終わらせるかどうかを含めて、暴走するぐらいで西尾維新はちょうどいい。12ヶ月連続刊行という、ある意味商売の見え透いたフォーマットに作者を縛り付けるのが編集の仕事なのかどうか、少し疑問が浮かぶ。唐突に6巻あたりで終わるとか、13巻まで続いちゃうぐらいの暴走は、やっちゃってほしかった気がする。

『化物語』は好き放題書いたので、『刀語』はわりと優等生に徹したのかもしれないが。そういう意味では、比較的まともなので、西尾アレルギーの人に薦めるにはいいかもしれない。ただ全12巻だと、引かれてしまう怖れがあるが。

愛読者としては、次なる西尾ワールドの登場を待つのみである。今年は毎月確実に西尾作品が読めて幸せだった。今一番の期待は『化物語』の続編、『傷物語』である。阿良々々々木くんに早く再会したいものだ。


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コメント

>>12ヶ月連続刊行という、ある意味商売の見え透いたフォーマットに作者を縛り付けるのが編集の仕事なのかどうか、少し疑問が浮かぶ。
いやいや、大した物ですよ。「編集者」として尊敬に能うことです。どんな大作家もどんな大作も「〆切を守らない輩はすべからくクズ」ですから。〆切とフォーマットを守った上で刀を振るうのがプロってのがアテクシの気概なので、こういう「編集者」がいれば、そうなりたかったかも知れない、と過去を振り返ったりしますw

むかーし、役者をやっていたお友達が槍の達人から稽古を受けたそうですが、帰りのタクシーが凄かった。何が凄いってどう考えたって車内に入らない槍を、するりと入れて見せた。空間把握能力に圧倒された、とのこと。
確かに型に嵌らないのはそれはそれでいいのですが「〆切は守る」「文量は守る」はすべきことですので、西尾維新は素直に(仕事師としても)見直しました。感服。

追記:まぁ、編集者がどれだけ予備兵力(時間)を持っていたか気になりますがw

>kingate さん
いや、安い商売は結局は、損になるという事ですよ。ゲームも本もそこは一緒。
ライトノベルでさえ、厚さに関してはばらつきがあるのが普通なのに、あそこまで縛るのは正直やりすぎでしょう。編集の器に、作家を閉じ込めてその器を小さくしてどうするんだ、って感じです。西尾維新は、いつまで小器の下で書き続けるのかな・・・・。

西尾維新はもっと売れる作家になりえるでしょう。
にもかかわらず、「今の売上で十分。あとは何冊書かせるかで、利益が決まるぞ。やっほー!」という感じの方針が露骨で、二流、三流のプロ(笑 に寄生されて、もったいない事このうえ無い。

>〆切とフォーマットを守った上で刀を振るうのがプロ
ボクの価値観では売れればいいですね。
プロである必要さえありません。プロよりアマが売れるなら、それでもかまわない。
納期守って売れないゴミを作ってもしょうがないでしょう。

西尾維新は売れますが、それは西尾維新だから売れるんであって、『刀語』のきついフォーマットが良かったからでは決して無い。それはゲームにたとえるなら、ゴミゲームをばら撒くしか能の無いプロデューサーが優秀な開発スタジオに寄生するようなもので、醜いの一語。

出版業界の長期的な衰退も、案外、そういう所に要因があるのでは。
アマチュアの書いたケータイ小説が大ヒットしている現実を出版業界の人々には、強く認識していただきたいところです。

ゲームの場合、良くも悪くも売上至上主義な風土がありますが、出版はその意識が低すぎると思っています。納期守って売れないもの作られても、会社は損失ですから。まぁもはや「本」というメディアは、成熟しすぎて、1冊の本の損益にこだわる文化でもないんでしょうが。

作家に合った最適な売り方をプロデュースするならともかく、安っぽい思いつきに作家を隷従させるのは、編集の思い上がりでしょう。そんなだから、衰退するんだよ、出版は・・・・。と嘆く読者がどれだけ多いことか。

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>kingateさん
捨て台詞が好きな人だなあ(苦笑

まぁ、出版が衰退産業化した理由がわかる気がしました。
面白いかどうか、売上がどうかで、素直に判断するゲームの世界と、編集のプライドを守る出版の世界の大きな違いがよくわかりました。

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