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圧倒的な完成度に驚愕 『Omegaの視界』
『Omegaの視界』は、リーフのグラフィッカーだった閂夜明氏の世界観を具現化した、絵師主導の同人ノベルゲーム。数ある同人ノベルゲームの中でも、『ひぐらしのなく頃に』に続く作品として期待する声を聞く。
実際クオリティは他の同人ゲームと比べて格段に高い。絵師主導なだけあり、絵作りに掛かっている労力は半端ではない。否、とんでもない。
閂夜明氏の描く少女達がベホマかわいい。
イベント画、立ち絵、顔ウィンドウの3パターンあり、とりわけ最重要キャラの宮さんの表情がホントにかわいい。猫みたいにかわいらしく、イタズラ好きで、気まぐれで、しかも残酷な彼女をよく描けている。
顔ウィンドウは1キャラあたり4枚前後と多く、台詞にあわせて細かく表情が変化する。少女たちの個性がぐぐっと引き立ち、愛らしさも倍増。イベント画の総数も多く、プレイ時間あたりの量は商業作品の基準を超えている。背景は写真を加工したものだが、丁寧に処理されていて、立ち絵のイラストとうまく溶け合っている。
BGMも作品のその場その場の雰囲気に合っている。
以前公開されているオープニングムービーも歌と映像が素晴らしく、ボクはiPodに入れてよく再生している。儀式のシーンに使われる挿入歌の『白と黒の祭儀』も、厳かさと神秘性がよく出ていて良かった。
総じて、テキストと映像と音が正しく噛み合っており、総合点でいえばAAAクラス。
もちろんノベルゲームで大切なのはストーリー。
飯窪真言(まこと)は叔母の紹介で、古本屋『ねこざんまい』でアルバイトをしている大学生。年齢不詳、見た目は十代の少女な店長、宮岡門王水(宮さん)にからかわれながらも、平凡な日々を送っていた。
うらやましい。
……はずだった。
二年生に上がる前の春休みに、叔母の頼みで宮さんとともに、飯窪本家のある玄の森の地で「月狂跳」という古文書の調査を頼まれる。折しも、玄の森の神官をつとめる三春家の関係者が2人、相次いで不自然な原因で亡くなっているという。微妙に緊張感の高まった土地で、真言は2つの旧家の隠している秘密に接近していく。
物語は基本的に真言の視点で進むが、頻繁に幕間が挿入され、舞台裏で起きていることが少しずつ明かされるようになっている。真言はほとんど何も知らされず、飯窪本家や宮さんに言われるがままに調査を進めていくが、彼が現れたことで旧家の支配する地で不穏な動きが現れ始める。
かなり平和に、のほほんと進行する真言パートとは裏腹に、幕間では八相(やそう)と白の勢力、八相どうしの策謀が垣間見える。重要なことを教えられてない真言がかわいそうな気がしてくる……。
設定が非常に多く、おそらく2回は遊んでみないと、幕間でなにが起きているか、把握できないと思う。ボクも2度目で構図がかなり見えてきた。そこまでわかって面白くなってくる。そういう意味では、情報の出し方がやや煩雑なのは否めないし、物語の引きもかなり弱い。娯楽作品としては少しマイナス。
いずれはアクションシーンなどもありそうだが、今の所はなく、現時点ではシナリオが絵とBGMに相当助けられている。まあシナリオの天村血花は、じつは閂夜明氏と同一人物らしく、そりゃこれだけクオリティの高い絵を描いてて、シナリオもまで面倒みてたら、ペースが遅いのはやむなし。
『未開封のハコニハ』を終えても、物語の全貌はいまだ見えない。登場人物も揃いきっておらず、幕間にのみ出てきたキャラも多い。プレイ時間は正直短い。2、3時間といったところで、物語中の時間も3月31日、4月5日~4月12日まで。重要なポイントとなる玄の森の祭りが4月30日に開催予定なので、まだ先はかなり長い。
魅力的な世界観ではあるものの、最後まで完成するのがいつかちょっと見えない。絵の完成度が高い反面、制作ペースが早くないので、あと2年は待つことになりそう。
登場人物が多く、サークルの制作能力を超えている規模に思えるが、そういうものを作れてしまうのも同人ならでは。性急に完成を求めるなら、商業作品を買えばいい。続きが出るたびに明かされる設定に対して、想像力をめぐらせる楽しみもある。今の所は、気長に付き合えるプレイヤー、意欲作を支援したいプレイヤーにのみ、お薦めしよう。

実際クオリティは他の同人ゲームと比べて格段に高い。絵師主導なだけあり、絵作りに掛かっている労力は半端ではない。否、とんでもない。
閂夜明氏の描く少女達がベホマかわいい。
イベント画、立ち絵、顔ウィンドウの3パターンあり、とりわけ最重要キャラの宮さんの表情がホントにかわいい。猫みたいにかわいらしく、イタズラ好きで、気まぐれで、しかも残酷な彼女をよく描けている。
顔ウィンドウは1キャラあたり4枚前後と多く、台詞にあわせて細かく表情が変化する。少女たちの個性がぐぐっと引き立ち、愛らしさも倍増。イベント画の総数も多く、プレイ時間あたりの量は商業作品の基準を超えている。背景は写真を加工したものだが、丁寧に処理されていて、立ち絵のイラストとうまく溶け合っている。
BGMも作品のその場その場の雰囲気に合っている。
以前公開されているオープニングムービーも歌と映像が素晴らしく、ボクはiPodに入れてよく再生している。儀式のシーンに使われる挿入歌の『白と黒の祭儀』も、厳かさと神秘性がよく出ていて良かった。
総じて、テキストと映像と音が正しく噛み合っており、総合点でいえばAAAクラス。
もちろんノベルゲームで大切なのはストーリー。
飯窪真言(まこと)は叔母の紹介で、古本屋『ねこざんまい』でアルバイトをしている大学生。年齢不詳、見た目は十代の少女な店長、宮岡門王水(宮さん)にからかわれながらも、平凡な日々を送っていた。
うらやましい。
……はずだった。
二年生に上がる前の春休みに、叔母の頼みで宮さんとともに、飯窪本家のある玄の森の地で「月狂跳」という古文書の調査を頼まれる。折しも、玄の森の神官をつとめる三春家の関係者が2人、相次いで不自然な原因で亡くなっているという。微妙に緊張感の高まった土地で、真言は2つの旧家の隠している秘密に接近していく。
物語は基本的に真言の視点で進むが、頻繁に幕間が挿入され、舞台裏で起きていることが少しずつ明かされるようになっている。真言はほとんど何も知らされず、飯窪本家や宮さんに言われるがままに調査を進めていくが、彼が現れたことで旧家の支配する地で不穏な動きが現れ始める。
かなり平和に、のほほんと進行する真言パートとは裏腹に、幕間では八相(やそう)と白の勢力、八相どうしの策謀が垣間見える。重要なことを教えられてない真言がかわいそうな気がしてくる……。
設定が非常に多く、おそらく2回は遊んでみないと、幕間でなにが起きているか、把握できないと思う。ボクも2度目で構図がかなり見えてきた。そこまでわかって面白くなってくる。そういう意味では、情報の出し方がやや煩雑なのは否めないし、物語の引きもかなり弱い。娯楽作品としては少しマイナス。
いずれはアクションシーンなどもありそうだが、今の所はなく、現時点ではシナリオが絵とBGMに相当助けられている。まあシナリオの天村血花は、じつは閂夜明氏と同一人物らしく、そりゃこれだけクオリティの高い絵を描いてて、シナリオもまで面倒みてたら、ペースが遅いのはやむなし。
『未開封のハコニハ』を終えても、物語の全貌はいまだ見えない。登場人物も揃いきっておらず、幕間にのみ出てきたキャラも多い。プレイ時間は正直短い。2、3時間といったところで、物語中の時間も3月31日、4月5日~4月12日まで。重要なポイントとなる玄の森の祭りが4月30日に開催予定なので、まだ先はかなり長い。
魅力的な世界観ではあるものの、最後まで完成するのがいつかちょっと見えない。絵の完成度が高い反面、制作ペースが早くないので、あと2年は待つことになりそう。
登場人物が多く、サークルの制作能力を超えている規模に思えるが、そういうものを作れてしまうのも同人ならでは。性急に完成を求めるなら、商業作品を買えばいい。続きが出るたびに明かされる設定に対して、想像力をめぐらせる楽しみもある。今の所は、気長に付き合えるプレイヤー、意欲作を支援したいプレイヤーにのみ、お薦めしよう。
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コメント
絵はかわいいですね。惚れます。
ボクは姫様(きさま)が一番好きですが、まあそれはいいとして。
現時点で買うのは、支援買いに等しいですね。画集に金を出すようなものです。
シナリオは逆に、絵師の人の割りには、と思わないと辛いかもしれませんね。雰囲気は良く出てるのですが、おっしゃるとおり、とっつきはかなり悪いです。
ボクは姫様(きさま)が一番好きですが、まあそれはいいとして。
現時点で買うのは、支援買いに等しいですね。画集に金を出すようなものです。
シナリオは逆に、絵師の人の割りには、と思わないと辛いかもしれませんね。雰囲気は良く出てるのですが、おっしゃるとおり、とっつきはかなり悪いです。
たしかに絵のグラフィックは格段に高いですね
専門職じゃない上にお世辞にも画力的にも上手いといえずに
絵でやる人を選ぶひぐらしにくらべてこっちの作品のデザインは
非常に可愛げのあるキャラデザになってて個人的にも非常に好みです
ゲームの中身としてはやったことが無いのでなんとも言えませんが
あらすじを見た限り若干とっつきにくい印象があるかも
興味はあるのでいずれやってみようかと思います