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やっぱり最後はラブ&ピース。超恋愛戦争痛快劇 『図書館革命』

図書館革命有川 浩

有川浩の初めてのシリーズがついに完結。
アマゾンの書影には載ってないが、帯にもデカデカと書かれているとおり、あのProduction I.Gによるアニメ化も発表され、これから読み始める人も増えそうだ。

ライトノベル作家としてデビューしたものの、2作目以降はハードカバーでの刊行が続いている。本屋大賞にもノミネートされているし、実質的には一般文芸の作家扱い。今では一般文芸とライトノベル両方の読者に親しまれている。

有川浩は個性的な作家だ。
話の筋書きは複雑ではなく、ベタベタで甘い。にもかかわらず彼女の小説を独特のポジションに押し上げているのは、自衛隊への過剰ともいえる愛情である。

デビュー作から続けて3作、いずれも自衛隊が活躍する小説を書いた。自衛隊の活動の1つは被災地での人命救助だが、小説の題材としてはやや地味。そのためか、『塩の街』を始めとする自衛隊三部作では、「怪獣」に該当する存在が登場する。しかも普通の怪獣映画と違い、自衛隊がかませ犬ではなく、大いに頼りになる。

芸風を広げろよというツッコミもなんのその、『図書館戦争』では自衛隊のかわりに架空の組織「図書隊」が本当に戦争をおっ始める。国民の政治に対する無関心をついて、超法規的にメディアを検閲する「メディア良化法」が成立してしまった。良化機関に唯一対抗できるのは行政法で守られた図書館だけ。
2つの組織の抗争は激化し、やがて武装化に発展。図書館は図書隊を設立し、良化機関に対抗を図る。両組織の抗争に限り司法介入無しという異例の超法規的判断にもとづき、銃火器を使用し、お互いに死傷者を出すに至った。事実上の内戦の勃発である。

ここまで馬鹿馬鹿しいと、少々こっ恥ずかしい話でも全然気にならなくなる。娯楽として単純明快で面白い。展開は徹底的にベタだが、燃える。少女趣味と漢のドラマの見事な混合。

主人公の笠原郁は図書隊の新人女性隊員。3人の兄に揉まれて育った、熱血山ザル娘。ムカつくチビの鬼教官に背中からドロップキックをかます直情径行ぶり。熱血バカだが、素直で優しく、涙もろい。

志望動機も乙女チック。
高校生の頃、検閲によって本を奪われそうなところを、若い図書隊員に助けてもらった。そのかっこ良さに惚れて、「王子様」を追いかけて同じ道に進むことを決意した。その話を聞いた面接官は爆笑した。だが彼女は受かった。
その後の展開は読者の誰もが想像した通りになる。
ベタすぎるほど、ベタだから覚悟してほしい。

最終巻となる4巻では、冒頭からとんでもない事件が起こる。
福井県の敦賀原発が深夜、テロリストグループの襲撃を受けた。かろうじて撃退しものの、襲撃犯は全員が歯に仕込んだ毒で自害。事件の背後関係や全貌は闇に包まれたままだ。

原発テロを発端として、図書隊とメディア良化機関にとって重大な問題が持ち上がる。やがて日本中の世論を真っ二つに割る騒ぎに拡大していく。2つの組織の抗争の歴史に、劇的な変化が訪れようとしていた。

活躍するのは我らが図書隊の特殊部隊、堂上班の面々。彼らの恋の行方ももちろん気になる。ま、有川郁の作品でハッピーエンド以外はあり得ねーんだけど。繊細な人物描写も見られる他作品よりも、さらに痛快さに比重を置いているだけに、正直アラもある。だが、超痛快劇の一気通貫な面白さの前ではどうという事も無い。ぜひまとめて読んでほしい。


図書館戦争

図書館内乱

図書館危機


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超法規的検閲と戦え図書館! 正義の味方にあこがれる乙女の 『図書館戦争』

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