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これがホントの自分に克つ戦い 『悪魔のミカタ666 スコルピオン・デスロック』

悪魔のミカタ666 スコルピオン・デスロック うえお久光

ITを生み出すための膨大なエネルギーを手にした堂島コウは、あふれる力のやり場に困っていた。ホントに、文字通り困っていた。若い乙女たちのはじけるようにみずみずしい肉体を前にして。異性の友人に毛の生えた少女たちだったはずなのだ、ついこの間まで。が、ある日を境に、気づいてしまった。自分の中の欲求に。自分が可愛がっていたモノが自分のエサである事に気づいて愕然とするライオンのように。

ここまで戸惑い、動揺した堂島コウは初めて。最大の敵はつまり自分自身。幾多の強敵を撃破した、悪魔のミカタにとって、内なる衝動こそ、未体験の最悪の敵だった。

異能バトルが展開した一学期編、吸血鬼に支配された町からの脱出劇を描いたIT編をへて、2学期編(スコルピオン編)は欲情と愛情の恋愛喜劇。1人発情するコウと、《イブ》の座を巡って、彼を口説き落とそうとする乙女3人の巻き起こす騒動が物語の中心になっている。

3巻と4巻は体育祭。
暴走する《知恵の実》グレイテスト・オリオンの影響を受けて、生徒全員が熱血化。ピンチになればなるほど心が燃え上がり、守るべき者があれば不思議と力がわいてくる。根性こそ、エネルギー。ひそかな憧れこそ、原動力。モチベーションが才能や能力を凌駕する。

日炉理坂高校の生徒会長選挙も、異例づくし。体育祭で二手にわかれて争い、勝った方が会長になるという変則ルールがまかり通るし、騎馬戦と棒倒しを合体させた『棒鳥騎馬戦』も数年ぶりに復活した。怪我人が多くて中止になっていた競技を、生徒たちが熱血化した状態でおこなえば、その激しさは熾烈を極めるに違いない。

異常現象がさらなる異常事態を呼ぶ体育祭で、コウは1つの決断をする。それは自分が自分でいつづけるために必要な決断。自分を支えてくれる人を選ぶ決意。コウの周囲の少女たちも、コウの最大の味方だった男も、自分が自分であるために、決断し、実行していく。

とりわけ、コウの腹心だった葉切洋平の決断は予想外。まさか、こうきて、こう続くのか、この小説は……。『スコルピオン』編4冊を締めくくるにふさわしい、先の読めない終わり方をしやがる。
 そうだ、と男は泣くようにうめく。
「彼女たちは、おれを、……こんなおれを好きだといってくれた。ただ強い力しかない、でくのぼうであるおれを、彼女たちは愛してくれた。……愛して、強く抱きしめてくれと、おれに、このおれにいってくれたんだ……」
「……だから?」
 だから? と問われ、
 男は答えた。はっきりと。
「だからおれは、こんなおれでも、……それでもおれで、い続けたい。おれが愛した彼女たちが、好きだと、愛しているといってくれた、彼女が愛したおれのままで、あり続けたい」


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