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DS市場の変化で見えてきた、次の新しい市場

前回の記事は意外とタイムリーな話題だった?

前回の記事は正直、予想以上の反響でした。例えば、はてなブックマークはこんな感じ。時期尚早という意見は確かに。でもその時、その時の考察や感想を書いていくのがブログですからね。それにしてもふむふむと納得する人がこれだけいるとは思いませんでした。

意外とタイムリーなテーマだったのかなあ、と。
確かにWiiのソフト不足は深刻で、野安氏が似合わぬ釣りエントリーをぶち上げるほど。Wiiチャンネルのリリースは絶えて久しく、『ドラクエソード』が一瞬話題になった他は、これといった話題はありません。Wii本体ソフトウェアのバージョンアップも、不具合騒動にかき消された感があります。

今年、コアゲーマーの中で最も話題になったのはXBOX360です。売上にまったく直結してないのは悲しい話ですが、『アイマス』と『Forza2』は、ネットにおけるユーザークリエイティビティーの可能性を日本中に示しました。Wiiは去年、新しいゲームライフを提示しましたが、今年「ゲームの未来」の1つを提示したのはXBOX360だけです。

『Wiiスポーツ』以外のキラータイトルに欠けており、『マリオパーティ8』も売上こそ高いものの、本体牽引率はさほどでもなかったです。いわゆる定番の任天堂タイトル、とりわけ『マリオ』系タイトルで引っ張れる客層は、すでにWii本体を購入している人が多いのでは。

『スマブラ』でコアゲーマーが動くと予想されますが、やはりWii所有者の比率が気になりますね。本体牽引率はちょっと不透明。よりゲーマー向けであり、オンライン対戦もサポートしているため、『マリオギャラクシー』より本体を牽引すると見て間違いないでしょうが。

(なお、前回の記事で引用したブログでは、初回出荷数について「大苦戦という程でもない」らしいと訂正しており、さらに後日「目標100万本に対して70万本の受注」と書いてます。年末商戦を通しての受注本数だとすると、流通関係者は『マリオサンシャイン』程度という予想をしているわけですね。

それにしても流通系ブログで、情報ソースに混乱が見られたのはちょっと珍しい。Wiiについての期待と不安に揺れる、流通関係者の微妙な心理が反映されてるようですね。ゲーマーの支持が厚い『スマブラ』の本数予想は立てやすくとも、3Dアクションの『ギャラクシー』の予想は確かに難しいのかもしれません)

まー、「飽きられやすいのでは?」という潜在的な不安感を抱えつつも、年末商戦における任天堂の強さには定評があり、流通関係者の判断が微妙に揺れたのも、仕方ないか。しかし「任天堂の常連客」だけを相手にしても、普及する台数には限度があります。

DSにおいて『脳トレ』やその他のタッチジェネレーションタイトルが多大なユーザーを引き込んだように、Wiiにおいても「任天堂の常連客」以外のユーザーを引っ張れるタイトルがどれだけ出てくるか。そういう観点も1つ持っておきたいですね。


ライトユーザーの二極分化?

さて、今回の本題です。据置ゲーム市場ではなく、携帯ゲーム市場について。DS市場にも変化が起きています。実用ソフトの勢いが明らかに去年より低下している一方、ゲームらしいゲームの売上が高まっているのです。いったいどういう事でしょうか? 推測するなら、『脳トレ』でゲームを始めた人たちが、2つに分かれていると考えられます。

一方のグループは『どうぶつの森』や『Newマリオ』でゲームの楽しさを知り、徐々にゲームに深入りしている最中。ライトユーザーからライト「ゲーマー」へ、そしてコアゲーマーへと進んでいます。もう一方のグループは、『脳トレ』に続く実用ソフトを購入しているうちに、新鮮な驚きを感じなくなり、「DSなら楽しく○○できる」という期待感がしぼんで、積極的にゲームを買わなくなっています。

あくまで推論ですが、ライトユーザー層が分化しつつあると捉えれば、今年の市場の動きはおおむね説明がつきます。これはかつてのPS1バブルの時にも起きたことです。


高品位ゲームの時代がやってくる?

では、これからどうなるのでしょうか?
ファミコンの次はスーファミ、PS1の次はPS2の時代でした。その流れをくり返すのでしょうか? すなわち「高品位ゲーム」の時代の到来です。

なるほど。
すると次のフェーズの競争は、DSに満足し切れなかったユーザーをPSPに取り込もうとするSCE陣営と、DSの満足度を高めてPSPへの流出を防ごうとする任天堂陣営という構図になっていくのでしょう。

そういう意味では、新型PSPの猛烈なスタートダッシュは本当にSCEにとって大金星でした。これでこの年末に、ミリオンヒットが出れば、流れも変わってくるんでしょうが、なかなか難しいですね。この辺り、SCEもまだまだツキが無いし、戦略の筋が悪い。


脇道の市場

ま、その一方で、ボクは「脇道の市場」に注目したい。
ファミコン→スーファミの横で、ゲームボーイが発売され、携帯ゲーム機という市場が誕生していました。PS1→PS2の横で、携帯電話のiモードが始まり、iアプリが生まれ、あっという間にケータイゲーム市場が成長していきました。

PS1バブルが弾けたあと、ライトユーザーはどこかへ消えてしまい、ゼロになってしまったんでしょうか? ボクはそうは思いません。1度あじわったゲーム体験は、彼らの記憶に残ってるはずで、何らかの刺激があれば、この層はすぐにまた活性化するはず。ボクはそういう層がケータイゲームに流れていったんじゃないか、と考えています。

1度耕された畑は、その後放置されていても、耕された分だけ、耕しやすくなっている。ゲームはちょっと離れたとしても、再び遊べば、楽しさをみずみずしく思い出す、素晴らしい体験だとボクは信じています。

ファミコン→スーファミでこぼれた人たちがゲームボーイに。PS1→PS2でこぼれた人たちがケータイゲームに。証拠はありません。ただの仮説です。ポジティブすぎる、楽観的すぎる解釈かもしれません。

でも5年、10年という月日はすごいですよ。
97年頃、PS1バブルの最盛期に「ケータイでゲームが遊べるようになって、数百億円の巨大市場になる」と言ったら、鼻で笑われたでしょう。10年後の今、現実はどうなってますか?

だからボクは、こう言いたい。
DSとPSP、WiiとPS3とXBOX360、それらのシェアを追いかけて、あっちにいくら投資し、こっちにいくら投資し、と頭をひねるのは構わない。単一プラットフォームの時代じゃなくて、マルチプラットフォームのご時世でござーい、と自社の技術基盤を整えるのも全然オーケー。けどね、自社の売上の1パーセント、いやいや0.1パーセントでいいから、「脇道の市場」の発芽を探し求めることに使いましょうよ。

97年のPS1バブル、99年のiモード、2001年のiアプリときて、ケータイゲームが市場として本格的に期待されるようになったのが2003年頃。それになぞらえるなら、今から2〜3年後に「発芽」し、その時点でも笑い飛ばされるような大きさで、さらに3年を経て市場として広く認知される。

そういう巨大マーケットの種が「ある」と思って、今一度、現在の状況を見直してみたらどうだろう? もちろん、このまま「DSライトユーザー人民共和国は永遠に不滅」かもしれません。その可能性を否定しません。しかし2度あることは3度あるかもしれないのです。

DSに流入したライトユーザーの次の受け皿はどこか? 耕された畑に、どんな種をまくのか? そう考えたあなたの目には、「次」が見え始めているんじゃないかな。

コメント

僕が今はまっているゲームはPS3でも、Wiiでもありません。PCの格闘ゲームです。誰かが勝手に開発した、ネット対戦ツールを使って毎日対戦しています。それでも暇ならニコニコを見ています。そんな風に明らかにメインストリームから外れた僕は一体どこに行けばいいのか、と悩みながら、この間の記事を読ませていただきましたが、今回の記事を読んでどこにも行かなくていいのだと安心しました。

>kiue さん

5年もすれば、メインストリームも寂れ始めて、10年もすれば、メインストリームが移ります。
ゲーム業界的には、ローレベルのマルチプラットフォーム(自社あるいは商用のマルチプラットフォーム型エンジンを使って、複数のプラットフォームにゲームを提供する)に向かいつつありますが、一方でWii, PS3, iPod touchと、Webブラウザ搭載型の組み込み機器は増大しつつあり、Webコンテンツは自動的に、勝手にマルチプラットフォームコンテンツになっています。

今後は、ローレベルのマルチプラットフォームと、Webブラウザ上のマルチプラットフォームの2つが重要になりますが、既存のゲーム企業はWebブラウザ上のコンテンツを軽視してきました。オンラインゲームも、基本的には独自のクライアントソフトを使ったものが大半です。

というのは、ゲーム機にブラウザが乗ってなかったので、Webブラウザ上のコンテンツを商売の種にしづらかったのですね。そしてWiiやPS3にブラウザが乗っても、使いにくさを考えると、まだ主流にはなり得ない。しかしなりえないが、この流れは止められない。

止められない流れですが、ゲーム企業はWebブラウザ上のコンテンツを作るノウハウが非常に不足しており、そこで勝負する地盤は皆無に等しい。さて、どうなるか。

DAKINIさんがDSや任天堂が凄いぞ、と感じ始めたのはいつ頃からでしたか?

>mさん
過去のブログを読んでいただければわかりますが、DSについては発売前からですね。ハッキリ書いたのは2004年のE3以降だったと思いますが。
SCEを見限ったのは2004年の頭ぐらいかな。ま、明文化したのはその頃という事ですね。

問いかけるmさんはいつ頃からですか?
といっても、これ、イマイチな質問ですよね。だって、例えば任天堂の昔からのファンなら「子供の頃から」ってなるじゃないですか。あるいは、アップルの熱狂的なファンにしてみれば、iPodの成功のはるか以前から、アップルが凄い企業だってことも、凄いことをやってのける企業だって事も、自明だったんでしょうし。

いつから信者でしたか?
という質問と混ざってる気がしますね。

いつ頃から、任天堂やアップルの成功を論理的に説明できるようになりましたか?という質問なら、少し意味がありますね。ま、ボクは今も昔も信者ではありませんが。

DSミリオン軍団の売り上げ推移を見ても、
「もっと脳トレ」以外の実用ソフトが軒並み沈む一方で
「マリオカートDS」が週販で「どうぶつの森」を大きく上回り、
「Newマリオ」に迫る状況なんですね。

元々DSの狙いも「PS+GBAでこぼれた層を拾う」ことだったわけだし
(こんな馬鹿勝ちするとは思っていなかったでしょう)
今の主流と違うところに次の芽がある、というのはその通りだと思います。

おそらく今のゲーム業界で脇道の芽を探せる力と発想の広さがあるのは
任天堂だけでしょうが(というより他のメーカーに可能性がなさ過ぎる)、
それとても「健全」に縛られている現状では「有意の可能性」ではなさそう。

「次」を見つけ出してくるのは、
おそらく今現在ゲーム業界にいない勢力なのではないかな、と予想しています。

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