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もはやオタクは「不健康」「不健全」「不摂生」ではない 『いつまでもデブと思うなよ』
いつまでもデブと思うなよ(岡田斗司夫 )

岡田斗司夫はつくづく嗅覚の鋭い人だと思う。
センスと言ってしまうと、身も蓋も無いが、「鼻が利く」というのは娯楽の世界では得がたい資質である。本人が何となく始めたことなのに、いつのまにか次の商売の種を拾ってしまう。
きっと観察力や洞察力が鋭いのだろう。自分のやってることや、身の回りの人がハマっていることを、スッと取り込んで、飯の種につなげてしまう。しかも、その筋が大変よく、ヒットにつながるとなると、勉強や努力で身につけられない何かを感じざるを得ない。
さてこの1年の変化を一言で表現するなら、「肉体の逆襲」になると思う。とりわけゲーム業界においては、的確に当てはまる。PS3やXBOX360といった、より仮想的な世界の表現力を高めていく路線、あるいはセカンドライフのようにネット上の仮想の生活を楽しむ路線は、業界内の期待にかかわらず、失敗してしまった。その一方、映像表現力は前世代と大差ないレベルにも関わらず、より身体的な感覚を遊びに取り込んだWiiが全世界の販売台数でXBOX360を追い抜き、世界トップのハードになった。
ゲームというと、身体を動かさない遊びというイメージが強かったが、今や室内で身体を元気に動かす娯楽の代名詞になりつつある。むろん、過去にも『DDR』のようなダンスゲームがあり、体感ゲームそのものはWiiが始めたものではないが、しばらく忘れられていた認識が取り戻されつつある。
また「ビリーズ ブートキャンプ」の人気の高さも注目に値する。とりわけオタクの間で、これほど流行るとは思っていなかった。オタク系ニュースサイトが『ビリー』や2chのダイエット、筋トレ関連のスレを紹介していたりする。
オタクといえば、「不健康」「不健全」「不摂生」の3拍子揃っていたはずだ……が、いつのまにやら挨拶がわりに「うほっ! いい腹まわり」と口にする人種になっていたようだ(誰も言ってねーよ)。それは冗談としても、少なくとも腹回りの肉を簡単に落とす方法は、切実な話題になっている。
来年になって、「萌え萌えブートキャンプ」「うほっ! いい腹筋」などというオタ向けフィットネス商品が続々出てきたとしても、僕は不思議には思わない。また来年はDDR10周年ということもあり、コナミあたりは何か狙っているんじゃないか。少なくとも僕なら狙う。
今や「健康」「運動」「ダイエット」は誰もが注目するテーマになっている。実際、DSの実用ソフト市場でも、ドラスの『デューク更家の健康ウォーキングナビ』や『どこでもヨガ』といったソフトが発売されているし、スクウェアエニックスの『DSではじめるティップネスのヨガ』が10月4日に発売される。
また「ヘルス&フィットネス ジャパン 2007」にコナミが新型のDDRを出展したという記事をファミ通.comが掲載しているが、フィットネスに対するコナミの地道な努力もすごいが、ちゃんと記事にしているファミ通もえらい。この分だと、来年あたり、「ひさしぶりのDDR。わたしはこれで20kgやせた!!」という巻末コラムを、浜村通信氏が掲載しても不思議ではない。ファミ通でプロテインの飲み方の特集記事が載るかもしれない。
岡田斗司夫がその変化を読んでいたとは思わない。
だがごく自然に、何気なく、ヒットの種を拾ってしまう人がいる。そういう人種にとっては仕事もプライベートも区切りが無い。生活することが企画なのだ。「センス」や「才能」という言葉は安易に使うべきではないが、もし使うならこういうことを指すのだと思う。
この本で岡田斗司夫が紹介しているダイエットは、レコーディングダイエット。「ためしてガッテン」で紹介された『量るだけダイエット』である。その内容については、あらためてまた書評を書きたい。この本は1回の書評で終わらせるには、あまりに惜しい。

岡田斗司夫はつくづく嗅覚の鋭い人だと思う。
センスと言ってしまうと、身も蓋も無いが、「鼻が利く」というのは娯楽の世界では得がたい資質である。本人が何となく始めたことなのに、いつのまにか次の商売の種を拾ってしまう。
きっと観察力や洞察力が鋭いのだろう。自分のやってることや、身の回りの人がハマっていることを、スッと取り込んで、飯の種につなげてしまう。しかも、その筋が大変よく、ヒットにつながるとなると、勉強や努力で身につけられない何かを感じざるを得ない。
さてこの1年の変化を一言で表現するなら、「肉体の逆襲」になると思う。とりわけゲーム業界においては、的確に当てはまる。PS3やXBOX360といった、より仮想的な世界の表現力を高めていく路線、あるいはセカンドライフのようにネット上の仮想の生活を楽しむ路線は、業界内の期待にかかわらず、失敗してしまった。その一方、映像表現力は前世代と大差ないレベルにも関わらず、より身体的な感覚を遊びに取り込んだWiiが全世界の販売台数でXBOX360を追い抜き、世界トップのハードになった。
ゲームというと、身体を動かさない遊びというイメージが強かったが、今や室内で身体を元気に動かす娯楽の代名詞になりつつある。むろん、過去にも『DDR』のようなダンスゲームがあり、体感ゲームそのものはWiiが始めたものではないが、しばらく忘れられていた認識が取り戻されつつある。
また「ビリーズ ブートキャンプ」の人気の高さも注目に値する。とりわけオタクの間で、これほど流行るとは思っていなかった。オタク系ニュースサイトが『ビリー』や2chのダイエット、筋トレ関連のスレを紹介していたりする。
オタクといえば、「不健康」「不健全」「不摂生」の3拍子揃っていたはずだ……が、いつのまにやら挨拶がわりに「うほっ! いい腹まわり」と口にする人種になっていたようだ(誰も言ってねーよ)。それは冗談としても、少なくとも腹回りの肉を簡単に落とす方法は、切実な話題になっている。
来年になって、「萌え萌えブートキャンプ」「うほっ! いい腹筋」などというオタ向けフィットネス商品が続々出てきたとしても、僕は不思議には思わない。また来年はDDR10周年ということもあり、コナミあたりは何か狙っているんじゃないか。少なくとも僕なら狙う。
今や「健康」「運動」「ダイエット」は誰もが注目するテーマになっている。実際、DSの実用ソフト市場でも、ドラスの『デューク更家の健康ウォーキングナビ』や『どこでもヨガ』といったソフトが発売されているし、スクウェアエニックスの『DSではじめるティップネスのヨガ』が10月4日に発売される。
また「ヘルス&フィットネス ジャパン 2007」にコナミが新型のDDRを出展したという記事をファミ通.comが掲載しているが、フィットネスに対するコナミの地道な努力もすごいが、ちゃんと記事にしているファミ通もえらい。この分だと、来年あたり、「ひさしぶりのDDR。わたしはこれで20kgやせた!!」という巻末コラムを、浜村通信氏が掲載しても不思議ではない。ファミ通でプロテインの飲み方の特集記事が載るかもしれない。
岡田斗司夫がその変化を読んでいたとは思わない。
だがごく自然に、何気なく、ヒットの種を拾ってしまう人がいる。そういう人種にとっては仕事もプライベートも区切りが無い。生活することが企画なのだ。「センス」や「才能」という言葉は安易に使うべきではないが、もし使うならこういうことを指すのだと思う。
この本で岡田斗司夫が紹介しているダイエットは、レコーディングダイエット。「ためしてガッテン」で紹介された『量るだけダイエット』である。その内容については、あらためてまた書評を書きたい。この本は1回の書評で終わらせるには、あまりに惜しい。
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