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あきらめる賢さと望む愚かさ 『狼と香辛料 5』

狼と香辛料 5支倉 凍砂

「望んでも手に入らないかもしれない。だが、望まなければ絶対に手に入らない」

狼神ホロと行商人のロレンスの道中記もついに5巻。
このシリーズは毎度、商人どうしの騙し合いと、ホロとロレンスの活発な掛け合いが楽しい。いつも優勢なのはホロ。ロレンスがいくら若くして才能のある商人でも、数百年生きる賢狼が相手では、翻弄され、尻に敷かれるのは無理もない。

2人は狼神ホロの伝承が残っているらしいレノスの町へ到り着くが、町の検問は異常に厳しく、「外地商人証明札」なる物を渡される。町の雰囲気もどこか険しく、不穏だった。何かが起きているのは確かだが……。ロレンスは商売人としての好奇心を抑えきれない。

狼神の伝承と町で起きている事を調べるうちに、ロレンスはある商人から、危険な儲け話を持ちかけられる。リスクは大きいが、資金を貯めてどこかの町に自分の店を構えるというロレンスの夢に大きく、とても大きく近づく内容だった。だがその仕掛けで最もリスクを負うのは、ロレンスではなくホロで、それが彼を悩ませるのだが……。

2人の関係にとって、最大のターニングポイントになる話。4巻の終わり方からすると、脇道にそれるかと思っていたが、とんでもない。1つのクライマックスと言っても差し支えない。

ホロとロレンスはますます仲が良くなっているが、ピークが来れば、あとは下がるしかない。永遠に続く楽しさは無い。年を経ればそういう事がわかるようになる。「賢い」とは、これから起こるリスクをあらかじめ想定し、回避したり、身構えておく能力なのだから。しかし同時に、早々にあきらめる能力でもあるのだ。

愚かではあるのだろう。
でも自分がなにを一番欲しているかをよくよく見極める。それは賢い愚かさだと思う。どうなるかはわからない。終わりは見えない。だが欲しい物をあきらめる、愚かな賢さよりは、ずっと好感がもてる。

まっ、ぶっちゃけ、物語の主人公はじゅうぶん愚かでなければ、務まらないのだが。

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