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品質管理についての議論を色々と。

昨晩(つか今日)は朝6時までチャットして、10時に起きて11時に出社。さすがにキツいですね。今回は昨日の記事の続きです。


長距離バスの会社にたとえよう

ちょうど昨日の記事に関連した議論をおこなったこともあり、今後のために少し認識を共有しましょうか。ここ2年ほど、ゲーム企業各社の不具合件数が増加してます。そのおもな原因として、プロジェクトの短納期化や、ノウハウの喪失、モチベーションの低下が挙げられています。

これは競争の激化した長距離バスの会社に例えられるでしょう。
たとえば、合理化を唱える社長がこう言うわけです。
「スケジュールを切り詰めて、バスのスピードを上げたら、ばんばん儲かりますよね。人を増やす? いえいえ、運転手の努力が足りません。運転の仕方に無駄があるから、時間がかかるんですよ。もはや賃金競争は避けられません。よりスピード感のある運転をしてくたさい。寝不足で事故るのは気のゆるみです。事故を起こした時の責任は運転手にあります。会社に迷惑がかかるから、気をつけてください。あ、そうそう、便を増やしましたから、よろしくお願いしますね、ザーボンさん」
って、どこのフリーザ商会?

冗談(?)はさておき、あちこちから伝え聞く話をまとめてみると、残念な実態が見えてきます。競争が激化して、より速いスピードが求められているのは確かです。主張それ自体は正しい。直接的な責任が運転手にあるのもその通り。しかしスピードを上げれば、事故は起きます。バスの運行表を組んでいる人間にも責任は無いの? と考えるのは自然な発想でしょう。

運転技術の向上は、当然求められるにしても、現状では危機感を抱いた現場の運転手が勝手に自助努力している状態。つまりボランティア精神のようなもので、何とか綱を渡っているわけです。しかし全員がそんな精神の持ち主ではないし、不幸な事故は起こっていきます。そういう一部の積極的な運転手に依存している状態で、経営サイドが「運転手、甘えるな」とお説教しているのだとしたら、それは喜劇を通り越して、痛いだけでしょう。経営サイドの甘えも指摘されてしかるべきです。


今日の見知らぬ他社は明日のパートナー

そもそも最低限の品質管理は、定型的な作業も多く、マニュアル化や共通化がしやすい部分です。ゲームを面白くするノウハウは各社それぞれの秘伝だとしても、定型的なプロセスは共有化してもさほど問題になりません。

QAシートのフォーマットは? デバッグ管理ツールとして何を使っているか? ソースコードの品質向上のための努力は? デバッグ資料の作成はどうしてる? といった面白みの無い話でも、CEDEC等で公開/共有されれば、参考になるはずです。

そういう情報を社外に公開するメリットがわからない人もいるかもしれませんが、アウトソーシングの増加は、社外の見知らぬ会社と新たに仕事する機会が増えることを意味します。今日の見知らぬ他社は、明日のパートナーかもしれないという認識を持つべきでしょう。見知らぬ他社のQAレベルの底上げは、回りまわって、アウトソーシングのQAレベルを引き上げる効果をもたらすはずです。


より良い品質管理のための仕組みを

昨晩の議論の中では、致命的な不具合が発覚した場合に、メーカーのように「事故」調査委員会を作るというユニークな案も出てきました。ソフトウェア業界の常識からは外れてますが、よくよく考えてみれば、当然の発想です。そうなると、飛行機事故におけるフライトレコーダーのような物も欲しくなりますが、開発ログをどうするか。

開発末期は仕様書の更新が滞るのも珍しくないわけで、自主的に記録をつけるなんてことはありえません。ログの自動化が前提でしょう。svnやcvsのログ、Alienbrain、メールの記録を元に、社内の他のメンバーが調査するという仕組みが妥当でしょうか。

実際に運用するのは大変そうですが、そうやって失敗データベースを組織内に蓄積していく事が改善への第一歩でしょう。また第3者にプロセスをチェックされる事になれば、開発チームもおのずと、プロセスの可視化を進めざるを得ません。数年がかりでも、そういう体制を作り上げられれば、やがてはアウトソーシング先を選別する基準にもなり得ます。

「開発プロセスの可視化」を導入できない開発会社とは仕事をしないという選択も可能でしょう。そういう意味では、内作チームを抱えるパブリッシャーの方が、品質管理を改善しやすいです。

ゲーム企業のアウトソーシング担当は、一般的には、内作経験者とは限りません。したがって、プログラムのソースコードを見て、「この会社のソースは汚いなあ」というような判断ができないのですね。ソースコードというものは、パッと見ただけでも、ある程度のレベルはわかります。

もちろん、すでにそうした管理をやっている所もあるかもしれませんが、全部の案件をそのレベルで管理できてる会社はたぶん1社も無いでしょう。

上記は1つのアイデアで、他にもっと良い案がいくつも考えられるでしょう。大切なのは、旧態然とした仕組みを改めて、より良い品質管理の体制を作ることです。それを後押しするのが開発マネージャーや経営サイドの責任でしょう。「気をゆるめるな」と精神論を唱えるだけなら、事故を起こした長距離バスの会社と同レベル。今こそゲーム企業各社の経営の質が問われていると言えます。


日本のユーザーコミュニティへの期待

『家計ダイアリー』の不具合発表がかなり遅かったのに対し、『フォーエバーブルー』の発表は早かったですね。ボクの第一印象は「ニコニコ動画にアップされたから、慌てて発表したのかな?」ということ。動画投稿サイトに貼られると、あっという間に説得力のある形で情報が伝わってしまうため、企業側も迅速に対応せざるを得ないのではないか?

客層の違いもあってか、『太鼓の達人DS』や『家計ダイアリー』は不具合動画がアップされてないようです。DSは画面をキャプチャしにくいというのも一因でしょう。

つまり、ユーザーが不具合動画をばんばん動画投稿サイトにアップしていけば、ゲーム企業各社は品質管理を改善せざるを得ません。少なくともプレッシャーは掛けられそうです。ニコニコ動画に不具合動画がアップされ、数千、数万、いやいや数十万のコメントが付いたらどうなるか? すさまじい批判力です。まぁ著作権を盾にとれば、動画を削除できますが、そんな居直り度胸のある企業は存在しないでしょう(笑

本当にすばらしい時代になりました!
企業はユーザによって、市場によって育てられるものです。そして今や、ユーザーは市場原理に続いて、ニコニコ動画やYouTubeというツールも手に入れたのです。これはゲーム企業にとって、大きなチャンスです。品質管理は時として利益優先の犠牲になりがちですが、動画投稿サイトによってプレッシャーが掛かれば、変化は急加速します。5年かかる変化を3年で、3年必要な変化を1年で、より短い期間で高品質企業へとステップアップできるのです。

ユーザーがますます力を持つことで、ゲーム企業が高い品質管理能力を身につける。それは国内だけでなく、海外市場でも、重要な武器になるはずです。以前から何度もしつこく書いてますが、日本の良質なユーザーコミュニティによって、ゲーム企業は成長し、世界的な競争力を獲得してきたのです。我々、日本のゲーム制作者は、多数の海外企業に先んじて、より高みへと昇れるのです。
本当にすばらしい時代になりましたね。

失敗学のすすめ


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