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人生は消せない痛みを抱えて生きていくこと 『流れ星が消えないうちに』

流れ星が消えないうちに橋本紡

橋本紡がライトノベル以外のレーベルで書いた初めての小説。
それまで高校生の少年少女の恋愛を書いていた作者にとっての、はじめての大人の恋愛小説でもある。

代表作『半分の月がのぼる空』の二人、裕一と里香は痛みを(実感として)知らない。先が見えないから不安も大きい。でも未来へと踏み出す、向こう見ずなたくましさも持っている。しかしこの小説の主人公は、すでに大きな痛みをいくつも身に受け、傷も負っている。『半月』の夏目や小夜子が主役になったようなものだ。

恋人を失い、玄関でしか眠れない「わたし」。亡くなった恋人の親友で、現在の恋人の「僕」。二人の男女をつなぐのは亡くなった彼の死。「わたし」も「僕」も共に死の痛みを抱えていて、さらに「僕」は親友の恋人と付き合い始めることへの罪悪感も抱えている。

時間と共に記憶は徐々に風化していく。時は人に優しい。しかし完全に忘却はできないし、する必要もない。「わたし」と「僕」は失われた彼を忘れて、まっさらな状態からやり直すことはできない。大人の彼らは、それを知っているし、イヤという程思い知る。人生で負った痛みはそもそも消せない。

肉体の怪我と同じで、若い頃には痛みを感じるよりも、鈍感でいられる元気が勝っている。だが大人になると、痛みを無視できなくなり、巧妙に事故を避ける術を身につけていく。

痛みがあるから、大人になるわけだ。世の中と摩擦が起こるから、研磨されて、適度に角が取れて丸くなったりもする。「研磨」と捉えるなら、傷は必ずしも害悪ではない。まあ、そうやって受け入れられるようになったのは、僕もここ1、2年のことだが。

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