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娯楽の世界に安泰はいらん。海外ゲーム産業の勢力図を塗り替えかねないWiiとPS3

海外メーカーのUbi SoftとElectronic Artsの間で、明暗が分かれました。
Ubiは昔から親任天堂派として知られるパブリッシャーで、任天堂の据置ゲーム機が失敗していた時代にも、ラインナップを揃えていました。一方、EAはマルチプラットフォーム戦略を取りながらも、基本的にはソニー寄りでした。PS、PS2、PSPを支えてきた実績をもち、SCEAにも強い影響力を持っています。

昨年の年末商戦、Ubiは海外メーカーの中では最もWiiに注力し、EAはPS3にかなりの力を割いていました。その後の両ハードの売上は皆さんご存知のとおりです。

世界的に見て、WiiはPS3の2倍以上売れていて、累計台数格差が3倍に到達するのも時間の問題。Wiiは日米欧のどの地域でも成功している健全なマーケットを形成していますが、PS3はどの地域でも不調です。XBOX360は北米に偏りすぎ、全世界累計では年内にWiiに抜かれる可能性が高まっています。結果的にUbiは大成功をおさめ、EAは方針を大転換せざるを得ませんでした。

Wii:ゲーム機戦争を制した「逆転の発想」(2)
EA社の場合、2006年11月のWii発売に合わせて出したゲームは2本だけだったが、PS3用のゲームは5本出していた。その後、EA社がWii 用ゲームの開発を強化したとき、同社のゲーム・デザイナーたちは、Wiiのコントローラを活用するゲームを作ることが大変な挑戦であることに気づいた。
(略)
仏Ubisoft社のTony Key副社長は、このことをもっと楽観的にとらえ、「Wiiのコントローラを活用するゲームをデザインすることは、コスト増ではなく、チャンスの増大とみるべきだ」と語る。Ubisoft社は早い段階からWiiの可能性を認識し、ソフト開発企業の中で最初にWiiの開発キットを入手したと、Key副社長は説明する。その結果、Ubisoft社は2006年末までに9本のWii用ゲームをリリースし、これらの売り上げの合計は、2006年のWiiソフトウェア売上全体の11%を占めることになった。
しかしそれでは、株主に対して説明ができません。どうしてWiiではなく、PS3を重視したのか、問い詰められるのは必至です。Ubiという成功例があるのです。どれだけ理屈を並べても、自分たちがUbiよりも無能であることを立証するだけでしょう。大幅な路線転換を迫られた海外企業が少なくありません。

今年になって、EAはWii向けのラインナップを大幅に強化し、カジュアルゲーム部門を新設しました。「いちおう手を出しておくか」から「そろそろ本気になっていいですか」へ。北米における重厚長大路線の象徴ともいえるEAが、親しみやすく、軽く遊べるゲームの価値と可能性を素直に認め、舵取りを変えたのです。

EA、カジュアルゲームを強化--元アクティビジョン幹部を責任者に
Electronic Arts(EA)がカジュアルゲームに真剣になりつつある。世界最大のサードパーティーパブリッシャーである同社は、従来のゲームユーザーとは異なる層を狙った、「手軽に遊べる」ゲームを提供する部門であるEA Casual Entertainmentを設置することを発表した。
EAは巨大なパブリッシャーですから、1回の判断ミスでは傾きませんし、リカバーしてくるでしょう。けれどもマルチプラットフォーム戦略を採っているEAにとって、1機種だけグラフィック性能が劣るWiiは対応が面倒に感じられるでしょうし、Wiiリモコンへの対応も頭を悩まされるはずです。インターフェイスをうまく使いこなすノウハウも、やや低い。

いつまでもPS2時代の考え方に囚われ続け、新しい変化に対応できないでいれば、ひょっとすると、海外ゲーム産業の勢力図が塗り変わる……なんて事も、ただの妄想ではないかもしれませんね。


おまけ

欧米ゲーム産業優位論者が「これからゲームは映画みたいになる」と夢を見ていたところに、横合いから強烈な一撃がぶちかまされた。簡単にまとめれば、そういう事でしょう。ゲームをなめすぎ。ゲーム業界のダイナミクスをなめすぎ。

この業界、10年ごとに天下が入れ替わってるんだから。
ちょっと油断して、寝ぼけた事を口にしていると、後ろから奈落に蹴落とされる世界なわけですよ。たかだか10年とか20年ゲームを作ってきて、30年……はギリギリいらっしゃるか? なんか知ったような事をいって、法則だのなんのと言ってるだけでしょう。そういう人が不意打ちを食らって、無様に地面を転げまわるのは、じつに爽快ですよね。

10年前に任天堂が無様に負けたのはすばらしいし、SCEが哀れに倒れつつあるのも最高です。それでこそダイナミクス。娯楽の世界に安泰はいらん。だから5年後か10年後か知りませんが、任天堂もまた無様に転がる時がくるんでしょう。それが正しい。

PS1時代に成功した人間が権力をもち、その時の若手が中堅になった時に、SCEが無様に負けたように。DS時代に成功した人間が権力をもち、その時の若手が中堅になった時に、任天堂は地べたを這うんでしょう。
それは避けようが無いし、避けようと努力すればするほど、かえって組織の局所最適化が進んでしまいます。「優秀さ」とは、状況や環境への最適化にすぎない。

むしろ大破壊の嵐が必ず到来することを確信したうえで、それをエレガントにかわすことを考えず、どう耐えるかを考えた方がいいんじゃないか、と思いますね。例えば、任天堂がソニーに負けてサバイブできたのは『ポケモン』があって携帯機が脈々と生き残ってきたからですし、今回の復活劇は岩田社長のリーダーシップが大きい。

しかしその2つの要素は、任天堂自身とは別の所で生まれたもので、5年以上はまったく金にならない状態だったわけでしょう。それをスーファミ時代(勝っている時代)に拾っておいたから、負けた時に生き残れた。で、そこに理論や法則があるかというと、無い。むしろ無いからこそ、意味がある。だから非連続の変化に耐えられる。

例えば、任天堂がインターフェイスで勝ったからといって、もし仮にデバイス系の会社に過剰投資するようになったら、終わりですよね(笑 ソニーが半導体やディスクへの投資額を上げていって、後戻りできなくなったのを笑えません。投資すれば、それを回収することを考えてしまい、結果的に視野が狭くなります。

SCEは勝っている時にどんな種を蒔けたのか。それが次の10年、生き残れるかどうかを決めることでしょう。断言しますが、「優秀」(過剰最適化)な社内からは出てこないものが生き残る鍵になるはずです。

ゲーム機メーカーに限らず。
EAもそうですし、他のソフトメーカーも同様。ちょっと油断していると、思わぬ一撃を食らって、ぶざまに奈落に落とされる。ゲーム業界にはまだそれだけのダイナミクスがあると思うし、そうであってほしいですね。娯楽の世界に安泰はいらん。

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テーマ:ゲーム話 - ジャンル:ゲーム

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