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日本最大のユーザークリエイションコミュニティ魔法のiらんどの秘密とは 『ケータイ小説家になる魔法の方法』

ケータイ小説家になる魔法の方法伊東おんせん


魔法のiらんどとは何か

100万タイトルを越えるケータイ小説が投稿されたコミュニティサイト「魔法のiらんど」のプロデューサー、伊東おんせん氏が書いたケータイ小説の今が一番わかる本である。ケータイ小説というと、携帯電話で読める小説をすべて含むが、以下の3種類に分けられる。
  • もともと携帯電話向けに書かれてない小説を携帯サイトに掲載したもの。
  • プロの作家が専用に書いたもの。月額会費など、コンテンツに料金が発生しているタイプや、サイトのアクセス数向上が主目的で無料で読めるタイプがある。
  • ユーザーが投稿したもの。その中で人気の高いものは書籍化されることがある。
このうち最も注目を集めているのが3番。今やケータイ小説=魔法のiらんどと言っても、決して過言ではない勢いがある。

10代の女性を中心に、おびただしい数の小説が日々投稿され、その中には1日数十万アクセスを稼ぐもの、書籍化され、数十万部を突破するものがある。魔法のiらんどで書籍化された小説の累計部数は今年1月の時点で300万部を突破しており、まさしくUGC(ユーザー・ジェネレーテッド・コンテンツ)を体現している。


日本最大級のコンテンツ投稿サイト

個人的な見解を述べるなら、今の日本で強力なUGCは「ニコニコ動画」と「魔法のiらんど」の2つだ。「ニコニコ動画」をPC文化、男の子向け、20代後半~30代前半多めとするなら、「魔法のiらんど」はその対極、ケータイ文化、女の子向け、10代多めのコミュニティである。

UGC、UGCと糞やかましいITベンチャ系ブロガーがキーワード念仏を唱えている間に、いつのまにか「魔法のiらんど」が広がっていたり、「ニコニコ動画」のような物がポッと出てくるあたり、世の中は面白い。プレゼンでスポンサーを説得するよりも、面白いサービスやモノでユーザーを説得するほうが、何百倍も世の中を変えられる。ブームの捏造感あふれるセカンドライフのような、プレゼン馬鹿が何百人も踊ってそうな場所から遠く離れたところで、世の中は変わる。

この本は、ケータイ小説が書籍化され、急速に注目を集めていった2005年~2006年の状況をまとめている。書籍化第一弾となる『天使がくれたもの』を出版するに至った経緯や、書籍化されたケータイ小説家たちの書き方、抱えている悩み、バッシングへの対応などが、愛情と熱意をもって書かれている。

魔法のiらんどのプロデューサーが書いた本であり、客観的に分析したビジネス書ではないが、盛り上がってきたケータイ小説の熱を感じるにはベストの1冊だろう。約150ページとページ数も少ないため、時間の無い人でも、ケータイ小説についての知識を得ることができる。


ライブ感そのもの

ケータイ小説で特徴的なのは、従来の小説との書き方の違いだ。ケータイで読みやすい、読んでいて気持ちいい文章を書くため、独特の文法を生みだしている。例えば
  • 改行が非常に多い。空行のスペースによって間を作っている。
  • 主人公が話す時は『』、それ以外の人物が話す時は「」。
  • セリフの後に”↓”のような下向きの矢印を入れることで、主人公の気持ちの落ち込みを表現。
Webでも紙媒体とは異なる文法が生まれてきたが、さらに極端な形で現れている。実話ベースの小説が多いのも特徴的で、「小説」を書くというより、自分の体験を何らかの形で表現しようとしたら、それがたまたま「小説」と言われるものに似ていただけ。そんな生っぽさがある。
伊東:版元のゴマブックスさんでは、「俺ボク論争」が勃発していた(笑)。俺、ボク……一人の登場人物なのに、表記が統一されていない。「どう統一したものか」と、ボク、担当編集者さん、編集長の間で論争が繰り広げられた!
(略)
伊東:いや、ボクはそれでOKと思っているんです。ケータイ小説は勢いも大事ですから。さっき凛さんが言ったように、”その時に思いついたことをとにかくバシバシ打って”というのは間違いじゃない。だからこそ、ライブ感やテンポのよさが出る。極端な言い方をすると、間違っていたら直せばいいんです。
凛:とにかく、アイディアが浮かんだら、どこでもいいからすぐに書く。調子のいい時には、更新する時間さえもったいないと思うこともあって、そんな時は保存して書きまくる。そして後で更新するという方法をとっていました。私は、財布を忘れてもケータイは忘れないですね。ケータイはカラダの一部になっているんです。
ブログ持ちの人は、このライブ感にシンパシーを感じるかもしれません。今の日本の娯楽の最先端は、まちがいなくここにある。

もう1つの先端、ニコニコ動画にしても恐ろしい。『アイマス』のゲームを毎日遊んでいる人と、ニコニコ動画で『アイマス』のMAD動画を楽しんでいる人、いったいどちらが多いのか? ゲーム機は娯楽のホットスポットから外れ、国内の据置ゲーム機市場を制しつつあるWiiでさえ、現状では家族や友人と週末に遊ぶために、たまに起動される機械でしかない。

ところで最近、魔法のiらんどで、ケータイ小説を書き始めている。当然DAKINIとは別の名前で、ほぼ毎日更新している。別人格を楽しんでいるので、知人にも場所を教えていないし、ここからリンクを張るような真似はしない。

始めたばかりのショボいサイトだが、感想をみると、中学生や高校生の女の子である。何とも奇妙な気恥ずかしさを覚える。自分の作ったゲームは数十万人に遊ばれて、当然中学生の女の子にだって遊ばれているわけだが、それとは明らかに異なる感触がある。この妙な面白さと、もう少しつき合ってみようと思う。

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テーマ:オススメの本 - ジャンル:本・雑誌

コメント

小さな疑問ですが2ちゃんねるはUGCに入らないのでしょうか?
UGCじゃないという見解なのか、それとも強力ではないという見解なのか気になったもので。

うーん。
2chを総体として見た時には、UGCではないと、ボクは思います。

「電車男」みたいなものや、いくつかの名スレはUGCと呼ぶべきですが、2chの大半のコメントは主に情報交換、評判、論争、信者戦争のためのもので、コンテンツを生み出したり、改変したりしているわけではありませんので。

板やスレによっては、UGCの種になることもあるし、やや曖昧ですけれどもね。2chはどちらかというと、「巨大メディア」として捉えています。ですので、UGCの例として引き合いに出すには、必ずしも適切とは思いません。

コンテンツ生成・改変に特化しているという純度で言えば、ニコニコ動画や魔法のiらんどのほうが大規模であり強力だと思います。

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