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『らき☆すた』と『FF』に見るコンテンツ展開戦略

入口いっぱい、お客いっぱい

ここ最近、コンテンツへの入口を増やすという戦略を取るケースが増えていますね。『らき☆すた』や『FF』が良い例となっています。
『らき☆すた』は単行本1巻の時点ですでに、コンプティークだけでなく、少年エース、エース桃組など、複数の雑誌に掲載されていました。4コマ漫画という軽いコンテンツなことも幸いして、複数の入口(雑誌)から『らき☆すた』へと導引する構造を早くから意識的に構築していたのです。

現在ではなんと、掲載誌6誌に加えて、携帯サイトでも掲載されています。これだけの数になると、「ファンにすべての掲載誌を買わせよう」という意図ではないでしょう。そもそも『らき☆すた』は強い吸引力がある作品ではなく、隙間に入るような、暇つぶし的でお気楽な作品です。

ネット上でのマーケティングでは、ブログに貼れるブログパーツを配布して、とにかく入口をたくさん増やすのが重要です。AmazonやYouTubeも、そこがキーになりました。非ネットのコンテンツ展開でも、同じように入口を多数つくる戦略が盛んになりつつあります。

『FF』についても、一番強いハードに絞ることをせず、DS、PSP、PS3、Wiiと、複数のハードで異なる作品をリリースしようとしています。現在までの各作品の販売動向を見るかぎり、かなり上手くいっているといえます。FFファンが「ファミコン→スーファミ」と「PS1以降」で分かれることを考えると、『FF7』系の流れはPSPでやり、『FF3』『FF4』のリメイクはDSでやるのも、理にかなっています。

分散し、多様化するユーザーに対して、複数の入口を設けることで、複数のプラットフォームに分散するマニア層を1人たりとも逃さず、導引するという戦略は、見事というほかありません。(ゲーム機戦争というメタゲームを楽しんでいるメタゲーマーからすると、この戦略は理解しにくく、面白みがないのでしょうが)


マニア向けか、ライト向けか

入口を増やす戦略は、マニア向けかライト向けかで、多少異なります。マニア向けの場合は、同じメディアを複数使うことが多いのです。『らき☆すた』は雑誌媒体を複数使ってますし、『FF』はゲーム機を複数使ってます。マニア層は嗜好の細分化によって、複数の雑誌やゲーム機に分散していても、「雑誌」や「ゲーム機」そのものにはリーチしているからです。

一方ライト向けの場合は、「雑誌」や「ゲーム機」そのものにアクセスしていないので、異なるチャンネルを使う必要が出てきます。作品そのものは単一で、広告チャンネルと販売チャンネルを多様化させます。任天堂のDSやWiiでの広告手法が良い例でしょう。テレビCMに加えて、大規模な体験台の設置、交通広告、山手線内の専用CM、折込チラシ、凝った店頭POP、体験会の開催など、できる限り複数の広告チャンネルを使って、情報に接する機会を増やしています。

こうしてみると、実はプラットフォームホルダーがマニア向けコンテンツを展開するのは、若干不利なことがわかります。というのは、自社のゲーム機で展開するだけでは、マニア層の取りこぼしが起きるからです。PS系のハードに限定すれば、任天堂ファン系のマニアを取りこぼすし、任天堂系ハードに限定すれば、PS世代のマニアを逃がしてしまいます。

SCEの『GT』シリーズが代を重ねて、売上が若干下降してきていることや、Wiiで『ゼルダ』が40万ちょっとで止まってしまったこと、『ファイアーエムブレム』が長いこと伸び悩んでいること、XBOX360向けのミストウォーカー作品が期待通りの結果を出せていないこと。そうした諸現象を見ていると、個々のケースでの敗因はあるにしても、総じてプラットフォームホルダーの強みが生きてないな、と感じます。

ソフト開発会社がどのパブリッシャーと組むかを考える際には、自分たちの作っているコンテンツの「濃さ」を見極めた上で、よく検討したほうがよいでしょう。

例えばミストウォーカーの動きを見ていると、プラットフォームホルダーとガッチリやっていくという、旧スクウェアの成功戦略が目立ち、そのせいでもったいない結果になっています。80年代、90年代の成功スキームをなぞるだけで、自分の目で市場を見て、自分の頭で市場を考えてないように見えますね。

もちろん圧倒的に強いコンテンツであれば、プラットフォームの幅を狭めても問題ないのかもしれません。けれども『FF』でさえ、入口いっぱい戦略を採っているご時世に、そんな作品がどれほどあるでしょうか。

任天堂によるモノリスソフトの買収も、率直にいって、モノリス側にとって良い結果なのかどうかは疑問です。RPGの薄い任天堂や、売上が芳しくない開発会社を持て余していたバンダイナムコにとっては良いビジネスだったかもしれませんが。まぁバンダイナムコの経営陣がモノリスソフトをうまくハンドリングできなかったのは事実で、今さらスクウェアエニックスとは組めないとすると、苦渋の決断だったのかな?


補足

複数誌への同時掲載というと、『ひぐらしの泣く頃に』も同じなのですが、『らき☆すた』で角川が採っている戦略とは意味が違うと思います。『ひぐらし』は8編で構成される並列構造で、どちらかというと「並列性」を重視した展開をしています。「4冊同時刊行→4冊購入特典」というキャンペーンは、同時に展開する複数の並列作品を「すべて」買ってほしいという意図がハッキリ現れています。


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テーマ:▼ゲームの話 - ジャンル:ゲーム

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