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かつての夢、いまの現実。

ゼロ年代に軽妙な文章でコラムを綴っていたモリサワジュン氏のブログがなかなか興味深い内容になっています。相変わらず、任天堂への愛にあふれた文章が多く、3DS版『ゼビウス』は“裏”キラーソフトだとか、Wii Uが一気に解決する3つの「問題」といったコラムはぜひ一読していただきたいところです。

アンチ○○とか、アンチアンチ○○みたいな……うざったい言説行為とは無縁の、愛ある文章の数々には、文章書きとしての羨望をおぼえざるを得ません。


さて、現実にはまったく実現しなかった、少なくとも現時点ではする気配がない「夢の景色」について見てみましょう。(今回は長文の引用が多いです。)

↓は3DS発売日から2日後に書かれた文章であり、色々な意味で夢と現実の境界線上に存在するものです。ではその夢とは何か?

ニンテンドー3DSの3DボリュームをOFFにしたら、なぜかほっとした
私も発売日に入手することができたんだけど、これは本当にとてつもないゲーム機だ。歴代の携帯機のみならず、Wiiをはじめとする据え置き機も含めあらゆるノウハウを結集した「任天堂の歴史の集大成」という印象である。言っても伝わらないかもしれないが、『バーチャファイター』のデュラル、『ストリートファイターIV』のセスみたいな感じだ。

中でも外せないのが、ニンテンドー3DSの代名詞とでも言うべき裸眼立体視機能。立体でもないものが立体に見える。掛け値無しにすごい機能なのは確かである。しかし、しばらく3Dボリューム最大でゲームや3D写真を楽しんでから、ふと3DボリュームをOFFにして画面を2Dにしてみると、「物足りない」と感じると同時に、なぜか「ほっとする」のである。
すさまじい任天堂愛の一端がこの文章からもうかがい知れますし、おそらく3DS発売前までの任天堂ファンの期待感はこの水準に達していたのでしょう。

そう、性能が向上し、据置のノウハウも生かし、DSで培った圧倒的な信頼感とノウハウも投入し、サードパーティ各社の絶大な信頼とタイトルも集まり、コンシューマーゲーム機市場の「真の統合」がなされ、任天堂が生み出すさまざまなサプライズ革命によって、ゲーム機は新時代を迎え……
……
……
……るはずだったのかもしれません。その「夢の光景」からすれば、現在の3DSは「悪夢」以外の何物でもなく、現実はくそげーという一語に集約されるのかもしれません。

しかしその「夢の光景」というものは、本当にゲームを遊んでいる人達、楽しんでいる人たちが思い描く夢だったのか、それとも任天堂愛にあふれる人達が思い描いた、真っ白な輝きにつつまれた天国のような何かだった(現実には存在しえず、何の実態も無い)のでしょうか。
私が「3DボリュームをOFFにしたらほっとした」理由は、まだこの「非日常」が「日常」に溶け込んでいない、ということかもしれない。いつかそれが完全に日常の一部となったとき、「立体映像なんて慣れたらどうってことないよね」で終わってるのか、それとも「もう立体映像じゃない世界には戻れない」となるのか
現実には前者の結論で落ち着きつつあるのですが、あのタイミングであれば、まだ結論は出ていなかった、と夢想することは可能でしたね。
まずは3DSがたくさん売れることが前提ではあるけれども、世界中の人々の日常に立体映像が溶け込み、さらに3DSの強力な通信機能で人々がつながったとき、何かどえらく面白いことが起きるのかもしれないし、任天堂のロードマップにはすでにその「どえらく面白いこと」が太字で書かれているのかもしれない。

だけど、私はそれが実現するのが何だか不安だ。今でさえ生活の中にありとあらゆる「面白いこと」が蔓延し、消費しきれない「おもしろ」の在庫が山積みになっているというのに、そんな「どえらく面白いこと」を受容するゆとりが、私の人生にあるんだろうか、と思うのである。
実際には任天堂のロードマップにはそんな凄まじい何かは書かれていないし、書かれているとサードパーティ各社に信じ込ませることさえ失敗しました。ユーザー目線でも同様です。E3において、3D立体視を切って遊んでも構わないと明言されたり、本体アップデート以後、ネットワークサービスが利用できるようになって、DSiからのあまりの進歩の無さが露呈してしまいました。

任天堂はユーザーからこの「どえらく面白いこと」を期待されていることを自覚していなかったのではないか? 現在の3DSの状況を見ていると、そう疑いたくなります。そんなバカな……。それほどまでに「みんなが期待した3DS」と「現実の3DS」の落差は大きかったのです。

本体価格やローンチのラインナップ、貧弱な本体内蔵ソフト、発売日に間に合わなかったネットワークサービス、……と細々とした問題点はたくさんありますが、本質的にはこの落差の大きさを任天堂自身が甘く考えていたのが原因です。


とはいえ、タイムマシンで過去に戻るわけにもいきません。
我々の前にあるのは「みんなが期待した3DS」ではなく、「現実の3DS」なのですから。
では、それはどのような物なのか?

ついに復活した傑作『時のオカリナ 3D』。やはり3DSは「続編+3Dリメイク」なのか
ニンテンドー3DSが、任天堂がもくろんでいたほどには売れていないらしい。とはいえ、3DSの市場は立ち上がったばかりだし、まだまだ伸びしろはあるはずだとは思うけど。でも、最悪このまま3DSが伸び悩んだままだとしても、任天堂のタイトルさえちゃんと遊べれば私は十分満足ではある。セガマークIII、メガドライブ、ニンテンドウ64、ゲームキューブ……伸び悩んだまま終わったかつてのゲーム機たちに、私は本当に十分楽しませていただいた。ゲーム機が市場で伸び悩んだかどうかと、そのゲーム機がつまらないかどうかは別問題なのだ。発売から4ヵ月足らずの3DSをメガドライブと一緒くたにするのも失礼な話だけど

私は以前「3DSの3DボリュームをOFFにしたらなぜかほっとした」と書いた。3DSの裸眼立体視が本気を出すと、DSの「脳トレ」に匹敵するような画期的なインパクトを持った3DSオリジナルのソフトやサービスが登場して、私はお金と時間を浪費せざるを得なくなるんだろうなあ、と危惧していたのである。危惧って。しかし、今のところ3DSはそこまでの物にはなっていない。
この後に『スティールダイバー』と『ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D』の話が続くのだけど、3DS向けの新作である『スティールダイバー』で「裸眼立体視の本気」が見られると期待したにもかかわらず、実際にはさほどの衝撃はなく、リメイク作品の『時のオカリナ』のほうがよほど印象的だった、というような感想がつづいています。
今回の『時のオカリナ 3D』や、3DSで先日発売された『ゼビウス』などの3Dリメイク作品には、「かつて慣れ親しんだゲームの世界を3Dで見たら、本当はこんな場所だったんだ」という、3DSオリジナルのタイトルでは実現できない静かな感動がある。これは絶対的な強みだ。

この感動は、老若男女を巻き込んでパラダイムをひっくり返した「脳トレ」のインパクトには遠く及ばないかもしれないけど、3DSでこの3Dリメイク路線が推進されていくとすれば、それはそれで面白いことになるだろうと思う。任天堂だけでなく、過去にヒットした作品の権利を持っていれば誰でも乗っかれるからだ。GBAのファミコンミニやWiiのバーチャルコンソールといったベタ移植よりもコストはかかるが、「過去の思い出が3Dでよみがえる」というのは字面の新鮮味の無さに反してかなりツブシの効く売り文句になりえる。

任天堂は、DS時代の「脳トレ」並みの画期的なムーブメントを3DSでは起こせないかもしれない。でも、「『スーパーマリオ』『マリオカート』といった人気シリーズの続編に加えて、過去の名作の3Dリメイク版もあわせて楽しめるのがニンテンドー3DSです」という謳い文句は、ベタ中のベタかもしれないけどかなり座りがいいし、いろんな世代にもアピールできそうだ。
この「静かな感動」がわかるのは、おっさんゲーマーだけ、という点が非常に狭いし、それではPSPをメインに遊んでいるユーザーはまったく説得できない(だって彼らは若いのだから)のですが、「現実の3DS」はまさにこういうポジションに落ち着きつつあります。

PSPマーケットからユーザーを奪うタイトルを、任天堂自身が作る気は無いことはすでに露呈していますし、Wiiの後半での自称ゲーマー向けタイトルの末路をみれば、PSフォーマットからお客を奪うタイトルを作り、プロデュースする能力が無いことも明らかです。その割にサードパーティ各社との握りがあんな感じだったのは、本当に意味不明で、「ディスク媒体にすれば、自然とサードパーティが戻ってくる」と無邪気に夢想していたゲームキューブ時代と被るのですが……。

しかし3DSは良くも悪くも世に出てしまい、結果も固まってきたのですが、Wii Uは……。一番問題なのはWii Uにおいては、3DSの発売前のような幻想夢さえ生み出せていない事でしょう。妄想たくましく、信仰心に富んだ方達であっても、そこにお花畑な天国極楽パラダイスをイメージできないのだとしたら、それはあまりに残酷です。少なくとも、いい夢ぐらいは見させてあげてほしいものです。


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コメント

>この「静かな感動」がわかるのは、おっさんゲーマーだけ、という点が非常に狭いし、それではPSPをメイン>に遊んでいるユーザーはまったく説得できない(だって彼らは若いのだから)
この辺りはテレビ業界や車業界が通っている道を連想させますね。
「若者の車離れ」「若者のテレビ離れ」「若者の任天堂離れ」
コンテンツ提供側が時代の流れを理解できず、若い人に受け入れられずに落ちぶれるという。
任天堂は数年の間「若くない人」に成功しつづけてしまったばかりに、
他の業界のような危機感はいまだに無いみたいですが。

それにしてもこういう方々は任天堂のこと本当に好きなんでしょうか?
本当に好きなら今の任天堂の施策には厳しいことしか言えないと思うんですがね。
3DSはまだいいですけど、wiiUをダメといってあげられないのは任天堂ファン失格な気がします。

もう値下げしかないかと思います。

何が良かった。何が期待。何が感動。それは人それぞれですし、満足されているなら良いですが、今の3DSに¥25000の価値があるかないか。
VITAに性能で負け、アピールで負け、「選挙」で負け、ロクなサービスもない。期待と現実の落差が激しいなら、その落差を埋めるには価格改定しかないと思います。「それ相応の価格」になれば少しは世間の見る目も変わるでしょう。
VITAも3DSも同じ¥25000なのに人々が受ける印象は天と地ほどに違います。それが現実。
早期の値下げは印象が悪いですし、見ようによっては敗北宣言と見られるやもしれません。けれどそれを認めないことには何も始まりません。(敗北は言いすぎですね。少なくともつまづいたという事実)
幸い年内にマリオ3D、マリカーとも発売されるということですし、どちらかは秋頃には発売されると思われます。そのタイミングで値下げがベストかと思います。もしくはVITA発売日直近。
もっとも、マリオが何百万本売れてもサード事情にはあまり影響はないかと思います。ただ現状は3DSの今後のマーケットを語る以前の話だと思うので。

>任天堂のタイトルさえちゃんと遊べれば私は十分満足ではある。
任天堂大好きな方のブログや意見を見てると必ずこの一文、あるいはそうとしかとれない表現があります。
好きなんですからそれ自体は良いんですが、この一文を見るたび、「あー、結局任天堂さえ良ければサードなんてどーでもいー、って思ってるのかなあ」と感じます。
任天堂が「ソフトメーカー」なら別にいいです。けれどハードメーカーでもある以上、サードとの協力は必要不可欠。参入メーカーが利益を出せて、さらに別のメーカーも参入する。それもまた任天堂の発展につながると思うんですが・・・。任天堂さえ良ければ、という考え方はどうにも好きになれません。

まあプラットフォームは他にもあるわけで、サードにしても何が何でも任天堂についていく理由もないし、考え方を変えてもらう必要もないのでしょう。普及台数至上主義が終わり、戦いはゲームを作り始める前、プラットフォーム選択の段階から始まっているのですから。

>唯一 さん
そうですね。
欧米では値下げの影響は大きいですし、PS VITAもPSPの実績が低いため、そこまで流通から信用されているわけでもないことを考えれば、海外の携帯ゲーム機市場を守るという意味で、有効な戦略です。

・・・・うーん、ま、あの成功体験に溺れた経営陣がそれを決断できるかどうかは五分五分かなという気もしますが。国内は自滅によって、任天堂の「敗戦」が確定的ですね・・・・。

Wii Uも立ち上げなければならず、現時点でどちらも革新的なタイトルを提示できていないこと、そしてサードパーティによる「選挙」が終わってしまったことを考えると、PSPやPS3のように「粘る」のも難しい。どうしてあんなラインナップで、あの価格で出してしまったのか、本当に理解に苦しみます。SCEハードは不利な状態でも、「営業」で粘ってきた実績がありますが、任天堂ハードは初動に躓くと、悪いスパイラルに入ったままという歴史が・・・・。

PSP,PS3と出足でおもいっきり躓いた両ハードが見事に花開いてきたのを見ると3DSも今後の展開しだいでは今の状況が嘘のような状態になるかもしれない。

今どれだけ種が蒔けるかにかかってるんでしょう。
任天堂の場合wiiuの立ち上げと時期が完全にかぶって力を分散させないといけない点が難しいですね。

>yosh さん
> PSP,PS3と出足でおもいっきり躓いた両ハードが見事に花開いてきたのを見ると
> 3DSも今後の展開しだいでは今の状況が嘘のような状態
SCEと任天堂の歴史を振り返ると明確ですが、SCEのハードは実はなんだかんだでどれも途中で持ち直しているんですよね。ところが任天堂はN64、バーチャルボーイ、ゲームキューブと失敗したまま終わっている事例のみ。

その差がどこにあるかといえば、サードパーティからの支持およびサードパーティのヒットタイトルの有無でしょう。熱狂的な人たちが数年前、「SCEハードはファーストパーティが弱いから巻き返しなんて無理」という主張をネットのあちこちでしていましたが、実際には逆で、PS系ハードは途中で持ち直しが効いており、逆に任天堂ハードは最初にこけるとそのままズルズルいくケースばかりなんですよね。

初代FCからリアルタイムで遊んでるおっさんだけど
3DSにはこれっぽっちも興味ないよ?w
(まぁ3DSピクロスが出たら買うと思う、3Dプレイはしないだろうけど)
訴求力があるとしたら、あの頃遊んでたけど、もうゲームしていない
しかも今のゲームはなんかついて行けないっていう更に限られた層じゃないかと思う。
どっちにしろ積極的にゲーム買う層じゃないんじゃないかなと
つーかPSPもGoもDSも持ってるがやっぱり画面大きくて解像度高い方がいいですよ

個人的キラータイトルが来てしまいました。
ルーンファクトリー4… これで私も3DS民決定のようです…
てっきり、次回作はそろそろPSPなんじゃないかと思っていただけに意外だったりしています。

世界樹は任天堂系列以外で出すのは難しいでしょうし、
個人的には自分のようなコアなゲーマーにも嬉しいハードになっていくんだと思っています。
PSPやPSVと比べて、という意味ではなく。どっちも買えばいいと思います。

スペック的にPSPと近いと誰かが言っていましたが、そのせいか、
今週のファミ通を見ると3DSとPSPで同時発売するゲームもあるようです。
意外と、それも狙いだったりするのでしょうか。
旧ハードと同列スペックって言うのはどうなんだとツッコミたい気持ちはありますがw
カルネージハートも3DSで出してくれないかな…3DS向きのゲームだと思うんですよね、あれ。

個人的には超操縦メカMGの新作が出てくれればそれだけでマンセーするのですがw
あれだけはタッチパネルかつ2画面じゃないといけないタイトルですから。
WiiUで出してくれたら一生任天堂に着いて行きますw

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