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リーダーが歴史家や批評家になってはいけないという良い実例ですね。

3DS発売直後のGDCという事もあり、何らかの新発表が期待されましたが、マリオ最新作の発表以外には特に無く、E3に持ち越しという感じですね。

GDC講演内容

岩田社長の講演については、桜井氏のtwitterの方が話題になっていた印象も受けますが、実際には内容もなかなか興味深く、「ソーシャル」についてここまで強く言及したのは初めてでしょう。

前半ではゲームの歴史を「ソーシャル」という観点から描き直し、後半では現在のゲーム産業の危機として、無料ゲームの拡大を挙げています。もう1つ、ゲームソフトの開発費高騰も懸念点としてあげていますが、どちらに言えるのも、具体的な解決策を任天堂は提示してないし、提示できていないし、もしかしたら提示する気もないという事です。

今回の講演でははっきりと、無料ゲーム勢を敵として位置づけ、無料ゲームはすべて質が低いと断じ、ゲーム開発者の過去の時代への郷愁を刺激しました。
しかし、ビデオゲームのビジネスを全く異なった方法で見る第2の方法も存在します。スマートフォンやソーシャルネットワークのプラットフォームの目的は、そのプラットフォームがつくられた目的もそうですが、私たちとは異なっています。

これらのプラットフォームには、ビデオゲームソフトの高い価値を維持する動機がありません。彼らにとっては、コンテンツは誰か他の人が作るものであり、彼らのプラットフォームにより多くのソフトを集めることが目標となります。より多くの量を集められればお金が流れるのです。量こそ利益の手段であり、価値は大した意味を持たないのです。

つまり、ビデオゲームビジネスに対する二つの全く異なるアプローチを我々は今見ているわけです。一つの方向性は往々にしてあまりにも巨大な投資が必要になるものであり、そしてもう一つは高い価値を保たないゲームを供給するものです。

しかし事実は、我々が生み出すものには価値があり、我々はその価値を守るべきなのです。

日本では元来、ここまでの発言はありませんでした。どちらかというと”無料ゲーム? そんなもの相手にしない”という姿勢です。日本以上に欧米のほうが「無料ゲーム」の浸透が激しい、という見方をしているのかもしれません。

確かにZyngaの時価総額がついにEAを抜き、海外の大手パブリッシャーもソーシャルゲームを含むFree to Play分野に進出しています。会社にもよりますが、携帯ゲーム機やWiiでの売上を抜くのはすぐでしょう。

もはやゲームは無料で遊んで、それからお金を払うものになりつつあり、任天堂がゲーム機人口拡大を推進してきたカジュアルユーザーほど「無料化」をすり込まれているのです。

コアゲーマー層はWiiを見捨てていき、カジュアルユーザー層は無料ゲームに流れていく。現在の任天堂のパワーとシェアは強大ですが、ポジショニングとしてこのままでは両端から食われていくばかりです。しかもゲーム産業全体がその両端に分化しつつある。牽制の1つもしたくなるでしょう。


とはいえ、本当の問題はそれではありません。

じつはこの講演、いま起きている変化に対して、感情論的、情緒的に「昔からの伝統を守ろう」「昔からの価値を守ろう」と訴えているだけなんですね。それはとてもとてもとても美しく感傷的で、ゲームを愛するすべてのゲーム開発者が共感する物語でありましょう。

ただね、にもかかわらず、現在どうしてゲーム産業は「高開発費・高品質」と「無料化」の両極に分かれていってるのでしょうか? 全世界において、従来のゲーム会社からソーシャルゲームへの転身が進んでいるのは何故でしょうか? 彼らに「SNS屋の連中はゲームの量にしか注目しないっ! ゲームへの愛なんて無いんだ! 美しいゲームの価値を守るためにがんばろう」と言うのは自由です。

では美しき、伝統あるゲームの価値がゲーム会社を破綻から救い、ゲーム大手のリストラを防ぎ、ゲーム開発者の雇用を維持するのでしょうか?

このままでは食えないと言っている人達を前にして、満ち足りた王様が現れて「俺はまだ食える。お前らも可能性を信じれば食えるよ。不可能を可能にしてきたお前らだもの。パンが無ければケーキ食え、ケーキ」と言ってるようなシュールな光景に思えますね。


そうじゃないから、こういう流れになってるわけです。

岩田社長の講演はものすごく正しい。だけど、そこには「変化のただ中にある当事者」としての意識が決定的に欠けているんですよ。だからいま起きている変化に対する感傷以上の意味が無い。いまやあらゆるゲーム大手が無料オンラインゲーム、ソーシャルゲーム、Free to playのいずれかに手を出しており、今後の重点分野とみなしています。

おそらく任天堂は最後までパッケージビジネスを維持するでしょうし、実際できるでしょう。それは誰の目にも明らかです。そう、任天堂がこういう「有料パッケージ万歳」な姿勢を取るのは誰だって予想できるし、この講演はその予想の範囲内なのです。あえて予想外といえば、そうですね、危機感を表明するのが早かったという事です。

そして、だからこそ説得力が無い。いま無料化の波に適応しなければ生き残れない人達にとって、5年後、いや10年後に適応しても間に合うような会社の社長の言葉は、あまりにも虚しく響きます。天空に浮かぶお城の上から、混沌とする地上を睥睨し、「地上は文化価値を守れないねえ」と呟いているようなものです。それはリーダーの言葉ではなく、古い既得権益にしがみつく老人や、歴史家や批評家の言葉です。Wiiの反省がまったくいかされていません。


しかしそれも予想された反応であり、守旧派としての任天堂のポジションを確固たるものにしたにすぎません。今後3~5年以内には、ゲーム機の世界でも「Free to Play」のゲームが一定のシェアを取るようになります。任天堂プラットフォームより先に、他社のプラットフォームでこの変化は起こる。そして任天堂はまたまた1世代遅れるんでしょう。それぐらいの将来、誰だって見えてますよ。

もし本当に説得したいんだったら、感傷的な演説を頑張るよりも、「将来はそうじゃない。何故なら任天堂が皆さんにこういう提案をするからだ」と語るべきです。任天堂はリーダーシップを期待されている立場の企業で、美しき過去の伝統を礼賛する批評家ではないんですから。

ま、無理なのはみんなわかってるんだけど(苦笑 「任天堂さんはSD機で商売になるかもしれないけど、うちらは違うんだよ」でサードパーティ各社はHD機に移行しました。将来「任天堂さんは有料パッケージで商売に……」となるのは子供でもわかります。


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コメント

デジタルコンテンツとだからと言って、時代の流れの中で不死ではありません。

音楽ビジネスの売上推移(人口あたり)
http://evolver.fm/wp-content/uploads/2011/02/music-industry.jpg

パッケージ販売のCD売上どころか、それを埋め合わせると期待されていたデジタルデータの有料ダウンロードビジネスですら早速減り始めるありさまです。そこに伸びてきているのはご存じの通り無料(もしくは定額かつ低額)のネット配信サービス。動画配信や音楽配信と言ってサービスを提供しているわけですから、コンテンツ業界の売上になんか(ほぼ)なりません。ここから見ても、ゲームコンテンツだけが現在の有料・パッケージビジネスモデルを未来永劫維持できるなどということは誰も期待していないでしょう。

岩田氏のスピーチに対する個人的な感想としては、今回のゲームコンテンツ業界に起きた構造変動については既にあっという間に結論は出ていて、その歴史に逆らったところでもはや手遅れであるということです。彼が歴史家や批評家に成り下がっていただけではなく、それを聞いている聴衆たちもとっくにゾンビだったと言われるのかも知れません。

もちろん、次の構造変動で揺り返し、巻き返しが起こるのかどうかは誰にも分かりませんね。ですが巻き返しであろうが、別の胎動であろうが、それを起こすのは次の人たちであって、いまの人たちではないようにも思います。デジタルの時代になってからはスティーブジョブズくらいではないでしょうか。業界のカリスマ、リーダー的存在から一度は追い出されて、なおも実績を挙げて返り咲くことが出来た強運の人は。

結局のところ、売り切りゲームで生き残るなら体験版を拡充しろよってことだと思います。

売り切りゲームと所謂無料ゲームの違いは、
イニシャルコストだけorランニングコストだけというところ。
人間ですからゲームに対し合う合わないというところは必ず存在するので、
イニシャルコストをかけたのに放置というゲームも少なくない(イニシャルコスト分丸損)です。
逆に気に入ったゲームであれば、売り切りゲームのイニシャルコスト以上にランニングコストがかかったとしても、
娯楽の対価として、喜んで支払えるものです。

コストを支払う側としては、大きなイニシャルコストに見合う結果(満足)が得られるかどうか見極めなければならない。
ランニングコストのみなら途中で(もしくはすぐに)切ればOK。

ただ、任天堂系ハードではパッケージソフトの体験版は皆無。
つまり、無から見極めよと。まぁそういうことでした。

他ハードでは「スルーする予定だけど体験版あるからやってみるか」→そのままAmazon等でポチという経験は多いです。
勿論「これ興味あったけど体験版やってみたら合わないし」でスルーも同様に多い。

某ハードのソフト市場の粗製乱造(つまり言及されている質の低いゲームということです)を見れば
後者を恐れるのはとても理解できるけれど、良質(?)のゲームを手にとって貰うためには、
まずは振り向いてもらえる環境を用意しないとね。

ランニングコストが多少かかったとしても、イニシャルコスト丸損よりは良いですから。
安心と信頼の(実際に品質も伴う)メーカーなら、ある程度のイニシャルコストに目をつぶってもOKなんですが、それはレアケースというもの。

某新型は試遊台で触った程度ですが、裸眼3Dは流石に「おおー」というところ。
3Dボリュームをイジイジしつつ楽しみました。
肝心のゲームについては、全く購買意欲は起きず。

遊んでない私が言うのは憚られるのですが、
仮にローンチソフトの体験版を一式詰めたとして、売れそうなのが2/8、
逆に体験版が無いほうが売れそうなのが5/8と思ったのは間違いでしょうか。

せっかくの新機能ですから、
新作の体験版をいつのまにか配信して購買に繋げる様な施策をとってもらわないと。

意図するところがズレていたらごめんなさい。

>ぶらりん さん
> ゲームコンテンツだけが現在の有料・パッケージビジネスモデルを未来永劫維持できる
> などということは誰も期待していない

音楽業界や映像業界で起きた現象を対岸の火事として見ていた結果が、この数年であっという間に「Free to play」が拡大しましたね。将来的には、圧倒的多数の「Free to Play」と、「パッケージとFree to playのハイブリッド」、そしてプレミアムコンテンツにのみ許された「有料パッケージ」という状態になるでしょう。

岩田社長も「老害」的な発言が目立ってきたのが非常に残念ですね。パイオニアではなく、守旧派になってしまったことが今回の講演で赤裸々になりました。ファンとしては絶望的なまでに悲しい・・・・・。


>けい さん
遊ぶまでのイニシャルコストを下げるのが当たり前になったので、イニシャルコストを下げないだけで、ものすごい機会損失が生まれてしまいますね。

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