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覚悟を 『BLACK BLOOD BROTHERS 7 王牙再臨』

BLACK BLOOD BROTHERS 7 王牙再臨あざの 耕平

小説の中で最もポピュラーな怪異は何かといえば、吸血鬼である。無数の作家が吸血鬼を題材にした小説を書いてきた。しかしありふれているがゆえに、安易に使えない題材でもある。いかに新しい吸血鬼像を提示するか、その作家独自の世界観が求められるからだ。あえて言おう。個性ある吸血鬼の物語を描いてこそ、優れたライトノベル作家なのだと。

その点において、あざの耕平の『BLACK BLOOD BROTHERS』は問答無用に画期的な吸血鬼小説である! その吸血鬼観は目新しく、気宇壮大。黒き血=吸血鬼の考え方、生き方、死に様を独自に構築してのけた!!


吸血鬼は人間に自分の血を飲ませることで仲間を増やす。黒き血を身体に受け入れた人間の血が黒く染まるのだ。吸血鬼=黒き血の歴史は、人類史そのものに匹敵する。彼らは時の権力者のような一部を除いて、大多数の人類に存在を気づかせず、自分たちの血統を継承してきた。

しかし10年前、香港で吸血鬼の存在が公になった。血を飲ませるのではなく、血を吸うことで眷属を増やす『九龍の血統』が出現したのだ。のちに「香港聖戦」と呼ばれる戦いが勃発。1つの都市を灰燼に帰すほどの壮絶な戦いの果てに、吸血鬼は地上からいなくなった。

……はずだった。
しかし日本の海上都市「特区」、急激に開発の進んだその都市では、人間=赤き血と吸血鬼=黒き血が一緒に暮らしていた。大多数の人間はその事実を知らされておらず、吸血鬼にとっての理想都市となった特区には、大小さまざまな血族が集まっていた。

当然、吸血鬼だけで生まれた夢の都ではない。「特区」において、吸血鬼の存在を隠蔽し、吸血鬼同士の争いを調停し、吸血鬼の違反行為を取り締まる人間たちがいた。対吸血鬼トラブル処理組織『カンパニー』である。彼らは命がけで吸血鬼と交渉し、揉め事を調停しつづける。「特区」を人間と吸血鬼、赤き血と黒き血がはじめて共生できる場所にするために。

若き調停員・葛城ミミコが、大陸から渡ってきた不埒で人騒がせな吸血鬼の兄弟、ジローとコタロウに出会ったとき、物語は始まった。赤き血の女と黒き血の男は種族の違いを乗り越えて、互いに尊敬し、信頼しあう関係を築き上げていく。

『九龍の血統』が10年ぶりに姿を現したのが第一部。そして九龍王の復活をかけて九姉弟が暗躍する第二部もいよいよクライマックス。九龍姉弟の雌伏の時は終わりを告げた。彼らはずっと、九龍王の復活を待ち望んでいたのだ。

「特区」をかつてない危難が襲う! 用意周到な策謀によってジローやミミコたちは翻弄され、分断される! 秘密にしていた第11地区が暴かれ、都市を覆う結界が破られる! 都市の守りが陥落させられていく!!

九龍の血統が圧倒するなか、ジローやミミコたちは過酷な決断を迫られる。そうして熱い思い冷めやらぬ間に、第二部が幕を閉じる。こんな所で終わるか、こん畜生という感じである。熱い。熱いままである。第三部はさらにヒートアップしていくに違いない。特区聖戦の行方やいかに!
「先ほど会長は、わたくしが選抜した者の護衛を頼まれ、貴方はそれを承諾してくれました。そこで私からも依頼を付け加えたい。特区の外に出す者の中には、先ほどの襲撃で負傷した者や、意識のない者もいる。彼らの安全には、特に気を配って頂けますか?」
 のうのうと言う張は、表情ひとつ変えなかった。
 正義と名誉を信奉する『壮剣ローラン』の血族であるジャネットは、奇襲や騙し討ちという戦法を嫌っていた。しかし、三百年近く生きてきて、さっき見せられた以上に素晴らしい奇襲を、彼女は知らない。
「……心得た、張大老。そして、無粋な質問を許されよ。貴君自身はこれからどうされるのか?」
「ふむ。確かに無粋ですな」
「失礼。質問は撤回する。聞いて欲しい。私は、今日一晩ですっかり『カンパニー』が気に入ってしまった」
 心の底からジャネットは言った。すると張は、またしても完爾として笑った。
「はい。多くの血族の方々より、支持を得ております。我々の、誇りです」
次代を継ぐ者たちが未来の勝利を掴むことを信じて、これから命を張る男の台詞。おっさん、かっこ良すぎである。ぜひ読んでいただきたい。

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