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戦うと決めたら徹底的に戦うこと 『私の愛馬は凶悪です』

私の愛馬は凶悪です新井輝

『Room No.1301』の新井輝の最新作。『Room』シリーズのファンにはぜひお薦め。

高岡霧理は直情径行な女の子。武道をやっていて、まっすぐな性格で、そして奥手。えっちなことはあんまり考えたことないし、詳しくない。いるよねえ、こういう女の子。ライトノベルとかゲームにはさ。現実にはいないかもしれないけど。そんな風なありがちな設定に見える女の子、男の子がありがちでない恋愛をしていくのが、新井輝の小説である。

えっちなことに耐性が無い霧理は、えっちな男の子に関わろうとは思わなかった。だけど堪忍袋の緒が切れることもある。放課後の教室で、堂々と女の子との「予約」の日程を調整している女たらしを前にすれば。他校の教室にやってきて、そんな話をしている女の子を見れば。怒るのも仕方ない。

しかし非常識な行為を説教していたはずが、何故だか、射水君が「予約」をやめるかわりに、霧理が彼の話し相手になる約束をしていた。常識を越えた射水君の言動に振り回され、彼のペースにつき合ううちに、やがて思いがけない複雑な事情を知ることになる。

霧理の単純な物差しでは、射水君は測れない。愛されて育てられた霧理と彼の間には、大きな常識の隔たりがある。すれ違いも少なくない。そんなつもりが無くても、傷つけてしまう事があり、傷ついてしまう事がある。途中で下りたほうが楽かもしれない。

しかし霧理のモットーは師匠の教えの通り。「武道家は、まず戦わない道を探す。でも戦うと決めたら徹底的に戦うこと」。お互いの言葉が全然通じない世界にいるわけじゃない。小さい子供のような心を持った射水君。何事も一直線で、えっちな事にうとい、お子様な霧理。アンバランスだけど、だから補えるのかもしれない。

まだまだ戦いは続く。きっと先は長い。けれども一つ一つの戦いを乗り越えた向こうにしか、戦いの終わりは無い。霧理の恋愛はまっすぐだ。

恋ってなんだろう? 好きってどういうことだろう?
恋愛に向かい合うのが苦手な少年や少女の愛の追求の物語という点は『Room No.1301』と共通しているものの、主人公の性格の違いもあって、物語の終着点はこちらの方が見えやすい。完結までの道のりはたぶん『Room No.1301』よりも短いでしょう。まずはここから新井輝作品に触れてみるのもいいんじゃないでしょうか。
「お互い様……なのかな? 俺は霧理さんに返せてる?」
「返せてないかもしれないけど……いいのよ、それで」
「どうして?」
「この先、返してもらえるかもしれないし、そんなに焦って返さなくてもいいの」
「……そういうものかなあ」
「それはそうなの。だって、私たちずっと友達なんでしょ? だったら、いつか返せる。そういう気がしない?」

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テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

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