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クチコミの伝播とメディアの役割と作るべきクオリティ。


ゲームメディアの役割ってなんだろうね?
という話題が期せずしていくつか同時期に出てますね。

ファミ通が「応援団」なのか、「ジャーナリズム」なのかはどっちでもいいし、『メタルギア』に限らず、40点満点のご祝儀性は過去にもネット上で指摘されている事ですね。

率直にいって、日本のゲームユーザーは公平性というものを重視してない気がします。レビュー見て買ったりしないでしょ。最近はブログのレビュー見て買ったりもしないよね。(買わない理由にはなりやすいけど)

では何を見て買うかといえば、コンテンツではなく、コンテキストやコミュニティ。
そしてコンテキストがどのように形成されるかといえば、クチコミ。
じゃあクチコミって何よ?といえば・・・・。

クチコミとは人から人への伝播で、大きく4段階から成り立ちます。

 1.発火: 人に何かしゃべりたくなる要素がある。
 2.可視化: それらが可視化されて閲覧性が高い状態になっている。
 3.参照容易性: 可視化された言説やコンテンツ自体が参照しやすい状態になっている。
 4.再バイラル: (コンテンツや他人の言動に対して)自分自身が語りたくなる。

具体的な事例に当てはめてみましょう。

2000年代中盤以降のオタク系のクチコミヒットといえば、全部を挙げきるのは無理としても、アニメでは、京アニ(ハルヒ、らき☆すた、けいおん!)。ゲームでは、ひぐらし、東方、初音ミク、アイドルマスター、ラブプラス。ライトノベルでは、最近の事例で『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』か?

例えば『ハルヒ』の事例。
初見者には不可解な第1話の内容によって、原作ファンを中心に「解説したくなる」気持ちを刺激しました。そして2話以降では、京アニのクオリティに支えられつつ、構成の入れ替えによって視聴者の「(予想を)語りたくなる」気持ちをやはり刺激していきました。

そうした気持ちはブログ上の記事として可視化され、さらにブログの記事を読んでハルヒを観たくなった時にYouTubeで作品を観ることができました(参照容易性)。そしてYouTubeで実際にハルヒを観たユーザーは、長門への愛や、シャッフルされた構成や、京アニのハイクオリティの映像について、自分自身で語りたくなったのです。

ひぐらしの事例でいえば、ゲームを終えても正解が読めないという構造と、正解率1%というユーザーへの挑戦が最初の発火点。公式サイトの掲示板でユーザー各自の推理が書き込まれて閲覧性が高い状態になり、他人の推理に突っ込みたい人達、自分の推理を疲労したくなった人達が誘発されて、新しい推理をくり広げていきました。

しかし『ひぐらし』の初期の知名度は低く、火勢を強めるには2つのきっかけが必要でした。1つは体験版の配布(鬼隠し編を丸ごと配布)。もう1つはDAIさん帝国さんの感想記事。
同人ゲーム『ひぐらしのなく頃に』が超絶面白い!!!(07th Storming Party)

この記事があちこちで参照されて、火の勢いを強めました。こうした多数のサイトから参照される記事について、上述の4Gamerの記事では、以下のように理論づけています。
 ゲームを遊んで「これは面白い!」と思ったとき,それが具体的にどう面白いのか。そこをしっかりと文章で説明することは,案外難しいものである。「ネットにおけるクチコミ」の発端を考えるとき,商品の魅力をユーザーがゼロから説明することは,かなりハードルの高いアクションであることに気づく。
(略)
つまり,ネット上に優れた記事(=レビューや掲示板の書き込みなども含んだ,自分で正確に説明しないで済む何か)があることが,このように「クチコミ」のアクションを取るための“配信コスト”(労力的なコスト)を下げる効果をもたらし,その結果,対象がより話題に上りやすくなる……という側面があるのだ。これこそが,情報の共有/伝播がたやすいネットメディアならではの特性であり,これからのプロモーションにおいて重要な意味を持つはずの要素である。

配信コストが低いとは、4段階のうちの「2.可視性」と「3.参照容易性」が優れていることです。この2つの要素は作り手側の努力というより、運営やプロモーション側、そしてメディアやユーザーに委ねられた部分が大きいですね。

一方、「1.発火」と「4.再バイラル」は作り手側の努力が極めて色濃く反映されます。何故なら、発火点と再点火は、多くの場合、作品その物から始まるからです。発火については4Gamerのような丁寧な発掘や注目、ファミ通のような「応援団」的なアプローチがある程度影響する余地があります。しかし再バイラルは、メディアの介入する余地はほぼありません。

結局の所、クチコミで売れた作品は内容が優れているから売れたのです。では、では、クチコミに乗り切れなかった作品は優れていなかったのか。

ある意味そうともいえますが、問題はクチコミの乗る「クオリティ」は絶対的な数字で示される品質ではなく、徹夜して作るとか、命を削って作るなんて事でも無い。徹夜してゲームを作っている人間や会社なんて、はいて捨てるほどあるのですから。世の中につまらないゲームは多いが、面白いゲームもまた多い。80点以上、90点以上のゲームが多数ある中、5点上乗せて85点、95点のゲームになったところで、どれほど際だつのか。誰がしゃべりたくなるのか。

しゃべりたくなる「何か」こそが今やクオリティであり、しゃべるに値しない品質は極言すればゼロに等しい。しかし話題になることが至上目的ではない。成功例としての『ラブプラス』の話題性と、失敗例としての『ときメモ4』のヤンデレ、『アイマスDS』の男の娘を並べれば、一目瞭然です。

しゃべりたくなる「何か」を追い求めて、結果としてしゃべってもらうための「何か」になり、しゃべってもらうためだけの「何か」に傾いていく時、その他のあらゆる要素、制作者の情熱をかけたさまざまな作り込みは説得力を失います。まさか『ときメモ4』がヤンデレヒロインを描きたくて企画されたわけじゃないだろうし、『アイマスDS』が男の娘ネタをやりたくて企画されたわけじゃないでしょう。

やや青臭いことを書くならば、結局ね、最初に企画としてやりたかった事を伸ばしていくような「こだわり」や「クオリティ」が話題になった時にうまく発火するし、それが再バイラルにもつながると思うんですよ。正道ですよ、正道。まっすぐいきましょう。


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コメント

2000年代中盤以降のオタク系のクチコミヒットにsteins;gateが入ってないのはなぜなんでしょうか?ヒットとはみなされていないのか、口コミではないと判断されたのでしょうか。

> 佐々崎さん
ヒットの基準によりますが、実売で5万いったかどうかというソフトまで取り上げるならキリがないのでは?

そこまで基準を下げるなら、続編とはいえ『ロロナ』クラスを含めて、オタ向けゲームはかなり視野に入ってくるし、ギャルゲー系でも相当数タイトルが上がるわけで、10数万本クラスに絞りたい。また、オタ向けというなら、エヴァの再燃が入ってないとか、・・・・・たくさんありますよね。 『ドリクラ』だってそれぐらい売れてますし、5万本前後という水準はタイトル数が膨れあがります。

オタ向けの代表例を取り上げただけで、全てを取り上げるという主旨ではないので。
逆に、最近当たった作品という以外の理由で、『シュタインズゲート』を含めるべき理由ってありますかね? そこまで特権的、特徴的な当たり方でしたか?

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