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Wii市場に漂う諦観と業界の分化

今週、全然更新ができてませんね。申し訳ない。

その間にも、バンダイナムコの業績下方修正とリストラ策の発表など、暗い話題も出ていますが、実際ゲーム業界のムードはお世辞にも明るいとは言えないでしょう。中小メーカーの経営が苦しくなっているほか、コンシューマーの案件が全体的に減っています。

ワールドワイドの市場を考えるなら、HDゲームに取り組まざるを得ませんが、対応できる開発会社の数に限りがあり、HDでの開発実績がある会社には仕事が集まり、一方でSD据置機と携帯機に注力していた会社は選択肢を狭めて、受注で苦戦しがちです。

HD開発が可能な開発会社/携帯機中心の開発会社/iPhone等のコンシューマー以外の仕事が中心になった開発会社、という風に層が分化しています。どちらの層が偉いという話ではなく、単純に分化。

うちの読者ならよくご存じのとおり、Wiiではサードパーティのソフトが売れないという認識が根強く、特にゲーマー向けのタイトルが不調です。その結果Wiiが1000万台近く普及しているにもかかわらず、携帯機とHD据置機の中間にあたるSD据置機の仕事が減っているのです。

停滞期に入った家庭用ゲーム機、世代交代も遠のく GDCを読む(3)
任天堂は今、サードパーティーがWiiでは儲からないと見切りを付け始めたという大きな問題に直面している。特にコアゲーマーを対象としたタイトルは、他のゲーム機向けではよく売れても、Wii版では売れないことが昨年顕著になった。カプコンの目玉タイトル「モンスターハンター3」の国内販売は結局100万本前後にとどまった。しかも、これは値崩れが相当起きた結果の数字であり、大成功とは言い難い。

 海外はもっと厳しい。セガは昨年、欧米でWii向けのコアゲーマー向けタイトルを強化したが、6月に発売した一人称シューティングゲーム「The Conduit」は欧米合計で27万本と振るわなかった。アクティビジョンが11月に発売した「Call of Duty: Modern Warfare: Reflex Edition」でさえ約80万本である。北米市場は1本あたりの利益率が低く、どちらのタイトルも赤字である可能性が高い。

 つまり、多くのゲーム会社は昨年の経験で「Wii市場にコアゲーマーはいない」との認識に至った。

サードパーティ各社にとって一番悩ましいのは任天堂がこの問題を本気で解決する気があるのかないのか、本音がわかりにくいことです。

もともと任天堂は、他社に対して情報公開が遅い傾向があり、何を考えているかわからないと言われがちです。それは独自の企業文化として強みにもなっていますが、外交面では大きなマイナスとして作用することもあります。

多くのサードパーティ各社は「任天堂はWiiWareやオンラインを本気でやる気は無い」と考えています。実際、体験版についての任天堂の方針は前時代的ですし、自社が無料オンラインの方針を貫いているせいか、課金回りが不便なまま放置されています。そして、さらにはWiiその物についても現状の(サードパーティソフトが売れないという)課題を解決する気がないのではないかと不安なのです。

任天堂 岩田社長「“Wiiはサードのソフトが売れない”という思い込みが未だに根強い」
しかし任天堂のトップはその現実を認めません。サードパーティ各社の「思い込み」と一蹴します。Wiiには改善する必要も、余地も無いという宣言であり、Wii市場を諦めないと奮闘していた関係者のやる気を一撃で粉砕する「言葉の鉄槌」でした。

無論、企業のトップが自社の問題点を素直に認めたくないのもわかります。しかし言い方という物がありますよね。

もしも「現状は必ずしも悪くありません。しかしもっと良くしていこうと思います。こういう大きな施策を考えています」という姿勢だったなら・・・・、サード外交における大きな改善策が発表されていれば・・・・、希望を見いだした関係者もいたかもしれません。

任天堂ファンブログのM☆G☆M+etc...さんの呟きが的確です。
北米のWii市場では「Just Dance」など、サードパーティ製タイトルでもそこそこヒット作が生まれているんですよね・・・。なので、上手い事数字のからくりを使えばWiiにとって都合の良いデータは作れたりします。
(略)
でも今回の話を聞いて「Wiiのサードソフトは北米では案外売れている」と言う印象よりも必死さを感じてしまいました。
「ただしモダンウォーフェア2を除く」という数字の操作は驚天動地。Wii市場の特性という論点を、売れるソフトと売れないソフトの格差の問題にすげ替えている点も露骨すぎて、惚れ惚れします。その論法を2009年のDS市場に向けてみてはいかがでしょうか、などと突っ込んではいけないのでしょう。

サードパーティソフトが売れないのも、ゲーマー向けソフトが苦戦しているのも、すべては虚妄であり、錯覚であり、非現実であり、幻想であり、思い込みに過ぎないのだと力強く宣言したいようです。ぶらぼおぉぉぉぉぉぉっ。かっこよすぎです。

起業して数年のSNS屋でさえオープンプラットフォォォォォォーム!と叫んでいる現在、今の日本から失われつつある神々しい何かを目撃した気がします。あの説明を聞いて、サードパーティ経営者が「あ、ごめん。思い込みでした。売れてないと思ってたけど、実は売れてました」と考えを改める、と本気で思っているんでしょうか・・・・。神々しさもここに極まった。

神々しいハードメーカーにとって、問題はすべて「思い込み」であり、ゆえに課題はなく、改善も解決も必要としない。未来は見えた。そしてソフトメーカー各社にとっては「諦める」という選択肢がますます現実味を帯びてくるのでしょう。


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> 恐らく被害者の立場に自分達を置いているような気がします。
> 「サードが自分達の足を引っ張っている」とでも言いたいような。
任天堂のクローズド体質も、そういう身勝手な「被害者意識」が根っこにあるのかもしれませんね。門戸を開いてやったのに、という気持ちがいまだに根強いのかも・・・・? やー、SNS屋でさえ、オープン化し始めている時代に、なんたる時代錯誤な(苦笑

まあ任天堂は偉大なソフトメーカーではあるけれども、プラットフォームホルダーとしては、三流以下なのが、本当に不思議で残念ですね。能力というよりも、姿勢の問題なんでしょうけど。

> 携帯機一本に絞るサードとか、業界そのものから消える所とか
> 大量に出そうな気がします。
コンシューマーから実質撤退する会社や開発会社は出てくるでしょうし、すでに出てきていますね。全体の案件数が減ってしまえば、コンシューマーに留まることは難しい。

むろんコンシューマー市場が消えて無くなることはないのですが、敷居が高くて新規参入が入りにくい状況で、収益性の確保が困難になれば、従来維持していた雇用を維持するのは難しい。

すでに大手各社がリストラを行っていますが、要するに「受け皿」としてのコンシューマー業界が縮小しているわけです。行き先としては、 iPhoneやSNSアプリになるんでしょうね。そこも地獄かもしれませんが、コンシューマーで仕事が無くなってしまえば、とりあえずそこに行くほかありませんから。


本来は、DSやWiiのパッケージゲームを作ったり発売したりする体力がなくなった会社にとって、ダウンロードソフト市場が受け皿になってくれるかも・・・・という話だったんだけど、WiiWareとDSiWareが駄目だめなんで、受け皿がありません。

ま、任天堂にとってみれば、業界の中小なんて塵芥も同然でしょうし、業界活性化のためにリスクを負ってまでダウンロードソフト市場を本気で活性化するつもりなんて、カケラもないんでしょう。任天堂はディスクで当分食っていけるので、ディスクで勝負できなくなっている中小の事情なんて理解できないわけですよ。

パブリッシャーとしての任天堂は中小の良作を拾うこともあるけど、プラットフォームホルダーとしての任天堂は伝統的に中小には優しくない体質ですからね。家庭用のクオリティ感を重視して、敷居を上げたがる傾向が根強い。敷居を下げて変なものを出されるより、敷居を上げた方が良いという考え方に傾きやすい。「少数精鋭じゃなくて、ただの少数」になってしまった64の反省も、多少は活かされたとはいえ、まだまだ足りないですねえ。

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