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「没入型」と「生活浸透型」

社会学者 鈴木謙介氏に,現代社会におけるコミュニケーション論や,そこでゲームが果たす役割について聞いた――「ラブプラス」を中心に
鈴木氏:キャラクターが増え,シナリオも長大化し……という。
    その中でラブプラスが,ゲームとしてだけでなく社会的な話,ビジネス的な話として
    面白いのは,乙女ゲームの文脈も盛り込まれているからなんです。
4Gamer:乙女ゲーム,ですか。
鈴木氏:実はラブプラスと同時期に,携帯電話向けの乙女ゲームをちょこちょこ見ていたん
    ですが,なかなか凄いことになっているんですよ。
    例えば,「恋人は同居人」という作品だと,1日に15~20分程度の小さいシナリオを
    クリアすると,そこから20時間は次のシナリオへ進めないんです。
『ラブプラス』を語る際に携帯電話の乙女ゲームを引き合いに出したのは良い着眼点ですね。プロデューサーの内田明里氏は、『ときめきメモリアルGirl's Side』を作ってきた人なので、当然その辺は意識していたはずですし。

ネット上の美少女ゲーム論壇(エロゲー論壇)はノベルゲーム中心の視点のせいか、男性向けの恋愛ゲームに対する乙女ゲームやBLゲームの影響を無視しがちなんだけど、作り手サイドは意識せざるを得なかったはずなんですよね。特にコンシューマー畑ではゼロ年代、女性向けのほうが男性向けより売れる傾向が続いていたので。
携帯電話のコンテンツプロバイダからすると,月額の契約料を長期にわたって徴収するためには,長い時間遊んでもらわないといけないわけですよね。
 以前から携帯向けゲームでも,PC向け美少女ゲームの全年齢移植版がありましたが,長大なシナリオをプレイするために,細かくシナリオをダウンロードする必要がありました。地下鉄通勤などで,常に電波が入るわけではないプレイヤーにとっては,非常にストレスフルな仕様です。
 ですが乙女ゲームではそうした方向には振らず,プレイさせる期間を長くすることに成功しているんですよ。
こういうゲームデザインになったのは、記事中で言われているように携帯アプリの課金が、サイトに登録して月300円というような月額課金制が主流だったからです。それと女性のプレイスタイルに合っていたというのも、あるんでしょうね。

ソーシャルゲームも女性ユーザーが非常に活発なんですが、実時間を間にはさむタイプのゲームが主流で、mixiの『サンシャイン牧場』では野菜が育つには一定の実時間が経過するのを待たなければいけませんし、モバゲーがグリーを抜く最大の原動力になった『怪盗ロワイアル』はミッションをこなしたり、他人にバトルを挑むのに必要な「手下」(HPであり、行動力でもある)は時間で回復する仕様です。

家庭用ゲーム機というか据置ゲーム機というのは、売り切りのビジネスだったから「一度に何時間もぶっ続けでプレイするゲーム」を提供しやすかったんですが、ユーザーのライフスタイルの変化にあわせて、「一気にプレイできないゲーム」が増えてきました。『脳トレ』のようなトレーニング系ソフトもその1つでしょう。

リンク先の記事の男の子ゲーム、女の子ゲームというのは、「没入型」と「生活浸透型」という言い方をしてもいいのですが、そのどちらも重要で、今は後者のタイプのゲームが膨らんでいるので、相対的にみると没入型のゲームが衰退しているように見えるのだけど、やはり一定のユーザーとマーケットは残るでしょう。発熱地帯というブログをやっていた頃は、「生活浸透型」が逆転して支配的になるかな、と考えていた時期もあるけど、今振り返れば冷静さの欠如もはなはだしい。


『龍が如く』や『MGS』『ベヨネッタ』あたりはあくまで「男の子」ゲームを貫こうとしているように見えます。ああいうゲームが必要なくなるとは思いません。タイトル数は絞り込まれていくでしょうけどね。

一方、従来「没入型」として作られていたゲームも変化しています。「没入型」ジャンルだった恋愛ゲームに「女の子ゲーム」の文法が入り込んで『ラブプラス』が生まれたように。協力型ゲームの市場を拡大した『モンハン』のように。

「男の子ゲーム」にとっての課題の1つは、短期決戦型の販売傾向なことです。今のマーケットではリスクが高い。中古対策の意味でもプレイヤーに長く遊んでもらう必要があり、その手段として「男の子ゲーム」に「女の子ゲーム」の文法を持ち込むという方法論は「あり」でしょう。ゲームデザインの大きな課題です。

プレイヤーに長く遊んでもらうもう1つの方法は、オンラインプレイの充実です。『モダンウォーフェア』は欧米における没入型ゲームの代表ですが、操作できないムービーシーンはほぼ皆無で、ブリーフィングのシーンはお安く上げてるし、ゲーム本編も短い。しかしオンラインのマルチプレイによって、長時間遊んでもらっています。

『モダンウォーフェア』ほど上手くいったとは言いがたいものの、『MGS4』に『MGO』を含めたのも、そうした意識があったからではないか、と思います。『アンチャーテッド2』もマルチプレイを入れてました。

プレイして経験値が入ってレベルアップするとロックが解除されたり、溜まった通貨ポイントでアイテムを買えたり、という仕組みは、1つのフォーマットになりつつあります。高密度な映像体験と長大なプレイ体験を両立させるには莫大な開発費が必要で、それは到底不可能ですから、高密度のプレイ体験ができるソロゲームとプレイ時間を稼ぐマルチゲームを両方入れてしまおう、というわけです。


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