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その選択は軽くない 『シュタインズゲート』

Steins;Gate(シュタインズ・ゲート)(通常版)
「それが運命石の扉 -シュタインズゲート- の選択だ……エル・プサイ・コングルゥ」

舞台は秋葉原。主人公の岡部倫太郎は大学生になっても厨二病から抜けられない重度の厨二病患者(邪気眼使い)で、狂気のマッドサイエンティスト・鳳凰院凶真を名乗っているが、周囲からは「オカリン」の愛称で呼ばれている。

秋葉原の雑居ビルの2階に「未来ガジェット研究所」というサークルを作って、幼なじみ椎名まゆり(まゆしぃ☆)や橋田至(ダル)と共に、人類史を塗り替えるような驚異のガジェット制作に取り組んでいる。

それらは役に立たないただのガラクタのはずだったが、ある日偶然にも奇妙な現象を目撃する。始めはちょっと納得のいかない不思議な現象にすぎなかった。日常の中の奇妙な出来事。実験を繰り返すうちに、徐々に法則性が明らかになっていく。

再現される怪現象は、物理学の常識を覆すような一大発見を予感させるものだった。アメリカの大学を飛び級で卒業して、サイエンス誌に論文が掲載された天才少女・牧瀬紅莉栖を仲間に巻き込みながら、ただの厨二病だった岡部倫太郎は狂気のマッドサイエンティスト・鳳凰院凶真として、神をも恐れぬ新発見に到達していく。

ここから先に行ったら引き返せない。

しかし岡部倫太郎は憶病なオタク青年ではなかった。鳳凰院凶真は触れてはならない領域へと踏み込んでいく。全能の神に近づいていく昂揚感と共に、無邪気に実験を繰り返す。全11章のうち前半の4章は、SF的な科学談義をはさみながら、ゆるやかに展開するが、5章、6章で物語の様相は一変する。

やめ時が見つからないのはここからだ。偶然手にした異能を無邪気に使っていた主人公はやがてその代償(影響の大きさ)に気づいて、償いを決意する。それは頭がおかしくなってもおかしくない、奇妙な苦しい旅だ。

ある選択をすれば、誰かが救われて、誰かが救われない。選択をやり直せば、救われなかった誰かを助けられるが、救われていた誰かを不幸にしてしまう。後半、主人公はその葛藤をくり返す。鳳凰院凶真は岡部倫太郎として、選択の重みを何度も突きつけられることになる。途中で挫折したくもなるだろう。

本作では、トゥルーエンドに至る途中で、枝分かれしてヒロイン別のエンドに達する構造になっている。誰かを救うために誰かを不幸にする事に耐えられなくなった時、主人公が到達するのが個別エンドである。ゆえに誰かが幸せになるが、誰かが不幸になったままという、バッドエンド感を拭えない結末になっている。

しかし葛藤を乗り越えて、再び決断をくり返したところで、その果てに待つのは都合のいい万能の選択肢ではなく、「究極の選択」。岡部倫太郎とプレイヤーは選択の重みを存分に味わうことになる。

本作では選択肢が無いかわりに「携帯メールを送る」ことでシナリオが分岐する。選択肢は神の視点たるプレイヤーが気まぐれに選ぶ采配ではない。フォントリガーシステムは、作中のSF設定にもマッチしており、たかが1通のメールが多くの人の人生に影響を与えることを痛感させられる。映画『バタフライ・エフェクト』を引き合いに出す人が多いのもうなずける。

SF設定とシナリオ、ゲームシステムがあわさって、プレイヤーに「選択の影響と重み」を感じさせるようになっており、秀逸なシナリオだけでは到達できない名作「ゲーム」の領域に達している。ブラック★ロックシューターで一躍有名になったhuke氏がキャラクターデザインを手がけている事もあり、ふだん萌え系ゲームを敬遠しているユーザーも手を出しているのか、ネット上では驚くほど高い評価を勝ち得ている。

主人公が厨二病という事で、合わない人もいるかもしれない。だがシナリオを読み進めていけば、「現実逃避の手段」ではない「不器用な優しさ」を感じ取れるはずだ。小学生時代のまゆりのエピソードや、主人公とルカ子(男の娘)のやり取りには、鳳凰院凶真の優しさがよく表れている。


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