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ニコニコ動画VS日本テレビ 『僕が2ちゃんねるを捨てた理由』

僕が2ちゃんねるを捨てた理由 (扶桑社新書 54)
タイトルを見て、「え、2ch? 今更」と思った方、ちょっと待ってほしい。この本、タイトルに偽りあり、である。第1章こそ「2ちゃんねる譲渡」だが、わずか14ページに過ぎず、全体の1割にも満たない。あとがきでひろゆき氏が語った言葉を引用すれば、「そこらへんは担当さんの力だけでは、どうにもならない」らしいので、生暖かくスルーしてあげよう。

この本のハイライトは、「2ちゃんねる管理人」から「ニコニコ動画の顔役」になったひろゆき氏が「テレビはもう、死んでいる」と宣言する第4章。そしてニコニコのひろゆき氏と、あの『電波少年』を成功させたプロデューサーで、第2日本テレビを立ち上げた土屋敏男氏との対談である。

ユーザー側、すなわち動画共有サイトにおいて、YouTubeとニコニコ動画が圧倒的な勝者になったのは、いまや疑いようもない事実。

一方、オフィシャル映像配信については、まだ決着がついていない。大連合という雰囲気のアクトビラ、Gyaoを買収して会員数でトップに立ったヤフー、第2日本テレビを筆頭とするテレビ局のネット配信が主要なプレイヤーである。早くも失敗の印象が強いが、それに『Wiiの間』も加えてもいいかもしれない。

オフィシャル映像配信を巡っては、ネット上でも色々な記事が目につくようになってきた。端的にいえば、テレビ局の業績悪化が顕著になり、では次の収益源は?という事で、必然的にネット対応や映像のオフィシャル配信の話題がホットになってきている。
この辺の記事、そして江口靖二のテレビの未来という連載を「ふりかけ」として読んでおくと、この本の面白さはさらに高まる。逆に、これらの記事を読んで、興味がわかないのであれば、この本を読んでもつまらない。ゲームファンの人達には、この本を読めば、『Wiiの間』のどこが失敗しているかが見えてくる、とだけ述べておく。

テレビ局のネット配信はどこも苦戦しているが、利用者数はこの春ぐらいから伸び始めているようだ。第2日本テレビは他局に先駆けて始めたこともあり、NHKオンデマンドを押さえてトップに君臨している。

しかし道のりは平坦ではなかった。無料視聴のテレビとDVD販売の中間モデルを作ろうとして、当初は有料配信モデルでスタートした。しかしやがて無料配信に転換する。「テレビとネットのメディアミックス」という広告手法によってスポンサーが付いているのが現状だ。

その第2日本テレビの土屋敏男氏とニコニコ動画のひろゆき氏の対談は刺激的だ。
ひろゆき氏のやわらかくも身も蓋もない話術(?)によって、『電波少年』を成功させたベテランプロデューサーが今何を考え、悩み、試行錯誤しているか、その本音が見事に引き出されている。土屋氏の言葉の中には、長年テレビ番組を作ってきたクリエイターの自信や、鋭い洞察も垣間見える。
土屋 僕がやろうとしているのは、ネット上のコンテンツをテレビでも放送しようという、今盛んに議論されている「テレビ番組はなぜネットに出ないのか?」とは逆の発想。そういう意味で僕はネットコンテンツの作り手になりたいと思っていて、それをやるためにはどうやるんだろうと? 今も試行錯誤しているところなんだよね
土屋 ヤフーは「うちは動画を作る気はありません」と表明していたけど、確かにそれじゃ意味ないよね。まあ、そうでも言わないとテレビ局の協力が得られない、っていう計算はあるのかもしれないけどね。例えば、映画とかラジオの時代からテレビの時代になるときって、まずテレビは寄席中継や映画を放映することからはじめたわけ。当時の映画会社は、テレビに対して「うちの俳優はいっさい番組には出さないぞ」みたいなことをやって、けっきょくダメになっていった。この昔話は、今のテレビとネットの関係でもよく言われている。でも、テレビの存在価値が高まったのは、何も映画を放送していたからではなく、ワイドショーとか野球中継とかテレビでしかできないものを放送したからなんだよ。
西村 確かにそうですよね。
土屋 ということは、テレビ番組をネットでそのまま放送している限りは、「ネットって便利だよね」というだけで、話が終わってしまう。でも、ネットってテレビにできないことをやるから存在価値があるわけで、それがおもしろいわけじゃない。

では、ネットでしかやれない、テレビにできないことって、何だろう?
ひろゆき氏と土屋氏が考える、それぞれのネットならではの面白さ。
それはぜひ、本を買って確かめてみてほしい。


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コメント

少し話がずれますが、私も最近、この本を読了したところなので、思いつきをちょっと書かせていただきます。

UCGの記事とも被りますが、一つ思うのは、一般的に、ゲームというのはマスメディアに近いのではないかという事です。

つまり、ちゃんとチューニングされていて、誰にとっても同じようなある程度の面白さのクオリティが保証されていて、そこにユーザーは金を払う。それに対し、UCGというか、インターネットは玉石混合で、基本的にインフラ料金以外は無料と考えると、非常に対比的です。

ゲームユーザー(結局、ゲーム業界において最重要視されるのが売上げである以上、命運を握っているのは、コアゲーマーだけではなく、ライトユーザーも含めたゲームユーザー全体だと思います)の基本的な性格は、大衆(マス)であり、サイレント・マジョリティ。ネットユーザーの基本的な性格は、ニッチコミュニティ的な分衆であり、ノイジー・マイノリティ。

ネットユーザーの基本的な性格がニッチコミュニティ的な分衆、ノイジーマイノリティであると見抜いているからこそ、ひろゆき氏は、2ちゃんねるの掲示板群を細分化させていったのだと思います。

と考えると、例えば、ゲーム+エディタの様な売り方をしているソフトにおいては、ゲームとエディタを完全に分離してしまった方がいいのかも知れないなと思います。具体的には、エディタ機能は、大衆(マス)に対して、ほとんどウリにはならないし、それなら、エディタ部分はUCGと相性の良いPCのフリーソフトとして配布した方が制作の敷居が低くなるような気もします(まあ、ゲーム本体をどう売るかが問題になるかも知れませんが)。

で、そうなると、ネット上のニッチコミュニティ群が制作した玉石混合の作品群から、クオリティ保証のマスメディア的なゲームソフトへ使えるようにするための変換/編集作業がキモになる訳ですが、なんというか、例えば、ニッチコミュニティの歪みや偏りが面白さであり、それへの情熱が創作を生むとして、それが食べやすいように味付けされたような作品が口コミで広がって大ヒット作になる、というのは、(特に日本では)結構あるパターンの様な気もします。

もちろん、カメラが大衆(マス)に受け入れられたように、大衆(マス)に受け入れられるエディタ(の様な物?)を作る事も可能かも知れませんが、別の可能性もある気もしました。

いや、"気がする"ばかりで申し訳ないんですが、なんというか、他の可能性を妄想せずにはいられないほど良い本だと思います。

>bin3336 さん
ゲームビジネスでは、MODがそれを成功させたと言えますし、iPhone、そしておそらくは開発の敷居の下がっていくPSPが成し遂げていくような気もします。オープン化は次のトレンドでしょう。


UGCに関して思うのは、新しい世代の台頭について。
子供や10代の頃に、どんなメディアの影響を受けて育ったか、その影響の強さを表す言葉として、俗に漫画世代、アニメ世代、ゲーム世代(ファミコン世代)などと呼ばれます。

そしてついにネット世代、いやネットサービス世代はあったかもしれませんが、ネットコンテンツ世代(UGC世代)が誕生しつつあるのだな、という事です。ニコニコ動画の中心は10代と言われてますが、とりわけ「東方」世代の動き方を見ていると、特にそう感じます。

無論、『東方』も原作は、商業作品ではないにしても、ゲームではあるわけですが、ゲームである事の意味はかなり薄いのではないかと思います。アイマスにおいても、「ニコマス」派対「アイマス」派の対立といった現象は生じていましたが、少なくとも対立する程度には、どちらの派閥も存在するといってよい。けれども東方においては、そういう対立はほとんどありませんし、そもそも「原作設定」以上に、「二次設定」「同人設定」が蔓延しています。

まあアイマスでも、黒春香といった現象はあったわけですが、基本的には商業作品、および商業作品の設定が『ご本尊』として強い影響力を持っています。東方は、設定を崩す、破壊することが、常態として行われており、興味深いユーザー文化を形成していると思います。

定義としては「二次創作」ではあるのだけど、二次創作と言って良いのかな、と思われるような現象も起きつつある。この世代が10年後、働き出して、どうなっていくのか。かなり興味深いと思います。


僕はファミコン世代であり、ゲームの影響を受けて育った人間なので、ゲームではなく、UGCが若い彼らを「洗脳」しているのを見ると、寂しさも感じるのですが、同時に納得してしまいます。

僕がUGCの記事で、「それでもUGCから逃げるわけにもいかない」と書いたのはそのためです。漫画がゲームに比べて古いのと同じ意味で、ゲームはUGCに比べて古いのでしょう。

UGCサイトから1次創作が生まれつつあるし。ブラックロックシューターをグッスマが商品化してるとか、pixivファンタジアとエンターブレインが協力してるとか、その辺の動きは面白いですよね。(まあ、ブラックロックシューターには異論がある人もいるかもしれませんが)

UGCサイトはもちろん「空から振ってきた商業作品をいじくり回す場所」ではあるのだけど、部分的には逆転現象も起きつつある、という事をどう捉えるか、でしょうね。

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