FC2ブログ

 

Latest Entries

最大の喜劇はむしろこれからなのかな?

夏商戦における任天堂の切り札、『ピクミン3』が発売された週のWiiUの売上が出ました。
2万2199台売れて、いよいよハードの累計実売数が100万台に迫っていますね。
ゲームデータ博物館 - WiiU

競合のPSVitaも当初大苦戦でしたが、累計160万台を突破しています。
ゲームデータ博物館 - PSVita

大きな差は普及台数よりも、タイトル数ですよね。ゲームデータ博物館にカウントされているタイトルの本数がWiiUは12本、PSVitaは73本。サードパーティ、特に中堅メーカーのタイトル数が相当に異なっており、PSVitaがコアゲーマーをしっかり捕まえて、アクティブなユーザーを囲い込みつつある状況が浮き彫りになります。

普及台数ではWiiUの10倍以上、PSVitaの6倍以上の3DSを見てみましょう。
ゲームデータ博物館 - 3DS

掲載タイトル数は164本で、普及台数を考えると、サードパーティのタイトル数がさほど多くない事がわかります。上位タイトルの大半を任天堂とレベルファイブの2社が占めており、コアゲーマー向けのタイトルを供給する中堅メーカーの存在感が極めて薄いのが特徴です。

売れ筋を見ても、小中学生向け、女児向けのタイトルが大半を占めていることがわかります。スマートフォン所持率が低い、子供層を男児、女児問わず、がっちり囲い込んでおり、この辺りのマーケットは相変わらず堅固です。欧米に比べれば、国内の子供市場は大変堅く守りきれています。

3つのハードの市場を俯瞰してみれば、明らかにユーザー層が住み分けています。もはや単純な普及台数は意味を失い、どういうユーザー層がどこにいるかが重要です。


さて話をWiiUに戻すと、夏タイトルの目玉である『ピクミン3』の売上がなかなか厳しいですね。
しかしピクミンシリーズは、累計販売数に対して初週販売数が少なめのタイトルです。
ピクミン 初週:101,299 累計:507,011
ピクミン2初週:161,930 累計:483,027
ピクミン3初週:92,720
累計25~30万本ぐらいまでは伸びるのでは、と思いますが、普及台数の低さを考えれば、健闘していると言って良いのではないでしょうか。

ただ、この後有力なタイトルが乏しいことを考えると、来春の『マリオカート』、来年?の『スマブラ』まで、本体を強力に牽引するタイトルが見当たりません。かなり大胆な施策を打たないと、もはやどうにもならないでしょう。据置ゲーム機からの「結果論としての撤退」になりかねません。市場が相手にしてくれない。

問題は、従来の任天堂機を支えていた子供層とファン層の両方から十分な支持を得られていない事です。子供向けには定番タイトルの充実と、本体価格の引き下げが必須で、逆にいえば、そこさえやれば多少は挽回できます。深刻なのは、任天堂ファン層の期待を大きく裏切っていて、彼らがむしろアンチ化しつつある現状でしょう。バイラルの起点にもなってきた彼らから見離されれば……。

コア層向けのソフトも実質モノリスソフト最新作1本だけですしね……。


PS4とXbox Oneの末期に次世代WiiUを出すようでは同じ失敗の繰り返し。
速やかに次世代据置ゲーム機の準備に入る必要があります。

しかし問題はソフトウェア技術が全然追いついてないこと。10年間技術が停滞していたツケがあまりにも重い……。ここを克服しなければ、結局、自社ラインナップが充実しないでしょう。経営陣の入れ替え等によって、技術投資への理解が深い人間を入れ、3~5年間は集中的にキャッチアップを図る必要があります。

現在の任天堂の中核スタッフでは、全然時代に追いついていない事実を深く反省し、企業買収を含めた新体制の構築が不可欠ですね。エンジニア出身の役員がいる割には、技術オンチっぷりが露呈しており、技術の目利き()というシュールな自画自賛ジョークが虚しく響きます。まぐれ当たりに気を良くして、勉強と研鑽をサボっている人達の事を目利きと自称するのは、全世界広しといってもこの会社だけでしょう。

そもそもこの規模の会社であれば、経営陣が何を喚こうとも、反骨精神でこっそり技術を研鑽しているような社員がいたっておかしくない。牙を抜かれた狼でもあるまいし。

それが無いのだとすれば、それは組織統治の方法論が間違っているのですよ。以前から書いている事なので、常連の読者の方たちはまたかと思われるかもしれませんが、あえて繰り返せば、組織は最適化し過ぎてはいけないんですよ。無駄がなきゃいけない。無駄があるから、それが環境変化の際に強みに変わることもある。

DSが当たったから3DS、Wiiが当たったからWiiU。そんな創造性の欠如した仕事をクリエイティブと称す欺瞞。そんな欺瞞に盲従する人達しかいないのであれば、そりゃ環境変化には恐ろしく脆弱でしょうよ。連結従業員が5000人以上の大組織ですから、山っ気のある人材が豊富に隠れているはずと確信しています。確信したいものですよ、ホント。


一番恐ろしいのは、据置ゲーム機市場での敗北ではありません。

海外ではキッズ向けにもタブレット機などが浸透してきており、国内の子供市場を除く、全世界のあらゆる市場を失ってしまうという恐ろしい可能性ですよ。WiiUの喜劇を次世代3DSで繰り返さない可能性がまさかゼロパーセントだなんて楽観してませんよね……。

これから数年の舵取りを誤れば、技術力の低下はさらに深刻になり、ソフトウェア技術の点で完全にフェードアウト。キャラクター人気の高さで関連商品(ゲームソフトを含む)を売っていくだけの企業になってしまうでしょうね。

まー、ディズニーの凋落の歴史を辿ったとしても、それでも当分の間は食うに困らないほどのIP資産は抱えていますが。事業規模を縮小して、版権管理会社になる可能性も「あり」なのかもしれません。悲しい未来ですが、それが現実にならないとはもはや誰にもいえないのですから。

スポンサーサイト



浦島太郎になっちゃったキリギリスの話。

そこまで憎悪せんでも(汗

まー、ファンこそが最も厄介なアンチになり得るというのは1つの真理かもしれません。
と世界有数の任天堂信者ブログを自負する僕も思います。

などという戯言はさておいて、『ピクミン3』を買ったので、感想を書いてもいいんですが、プレイ時間少ないのでゲームそのものへの感想は差し控えます。ボリュームを語るほどプレイできていませんし。

グラフィックの技術に関しては、浦島太郎感が満載で、ゲームキューブ時代の表現手法の延長線が多用されており、シェーダーやグローバルイリュミネーション系のレンダリング技術の基礎研究をサボっていた事がよくわかり、暗澹とした気持ちになります。

地形のテクスチャの張り方などを見ても、ゲームキューブ→Wiiと約10年、技術が止まっていた弊害をまざまざと感じられて、デザイナーの苦労がうかがい知れますね。他社が何年も前に通過した道を今頃通過しているというか、HD初期の感じが漂っています。

HD化の初期は皆さん、背景に苦労してたわけです。画面解像度が上がった際、どこの部分の解像度が一番増えるかというと、背景なんですよね。テクスチャの解像度が粗いのもばれやすくなるし、ディフューズ、スペキュラー、ノーマル、さらにレンダリング用の付加情報……といった具合にマルチテクスチャの枚数も増える。テクスチャ解像度が増えて、制作工数が増えるし、メモリが増えてもテクスチャにかなり食われるから相変わらず厳しいし……。


制作側のそういう苦労が如実に現れていて、完全に周回遅れになったことが露呈してましたね。

カプコンのMTフレームワークやスクウェアエニックスのルミナスエンジンのような、本格的なエンジン開発に投資してないし、アピールもしてないから、技術志向のエンジニアも集まりにくいでしょうし、ここから技術を上げていくのは相当大変そうです。経営陣が技術投資に理解を示してないからこうなってるわけで、今さら反省するとも思えませんしねえ……。

まー、任天堂ファン層はグラフィックに口うるさくない方達だし、HD機のゲームを豊富に遊んでいるのでなければ、目が肥えてませんから、任天堂自身はマイペースに進んでいけばいいのかな、という気もしますね。ただ、開発環境を引っ張り上げるという意味では、ファーストパーティの技術力が低いのは、どうかと思いますが……。

WiiU向けのラインナップが延期しまくりで、戦線が崩れている事からも明らかなように、基礎研究を怠ってきたツケがとりわけソフトウェア側で露呈してます。他社がHD機で開発して苦労してるのを他山の石として、あらかじめ基礎研究を進めておけばよかったものを……。天狗様は自分達は同じ轍を踏まない、自分達は能力が高いから大丈夫、と勘違いされていたのでしょうか。滑稽極まりないですね。

ゲームの面白さはグラフィックで決まるわけではありません。
ですからWiiUのゲームは総じて面白いのかもしれません。しかし制作技術がどの程度かはすっかり露呈してしまったなあ……と思います。


性能や技術力でゲームが面白くなるわけではありませんが、技術力は積み上げが効きますし、性能と技術力は開発効率を高めて面白いゲームをすばやく作る余裕を現場にもたらします。続編をHD映像で作り続けるだけで精一杯……なんて状況は回避しやすい。

特別対談 ずらり揃った4社の代表が今後のゲームエンジン・ミドルウェアについて語り尽くす!・・・GTMF2013直前インタビュー
そうですね。自分もXbox360やPS3でゲームエンジンを作っていた頃は、パフォーマンスを5%犠牲にしてでも、開発効率を20%上げることをテーマにしていましたが、やはりトレンドの移り変わりを感じます。

効率という意味でいうと、AAAの開発チームだと300人体制とかになっちゃうんですよね。でも世界的なムーブメントを起こしているインディゲームのチームを見ると、エッジをたもったまま組織できるのは、せいぜい30人なんですよ。たぶんPS4世代でも、そういう10人から30人くらいの開発チームによるタイトルが増えると思うんですね。

つまりプロダクティビティという意味では3000人の仕事をいかに30人でやるかが重要なんです。10倍ではなくて100倍の効率化が必要で、すごいブレイクスルーが必要なんですよ。またはお客さんが100時間ではなくて、1時間で満足してもらえるゲーム。こういった作り方のブレイクスルーが必要なんだろうなあと思いますし、その後押しをしたいですね。というのも300人で作るゲームで、もう全く新しいものは作れないのではないかと思うんですよ。たしかに『コール オブ デューティ』や『Halo』はおもしろいんですが、それ以外にはなれないと思うんですよね。それって紅白歌合戦みたいなもので、当然必要だけど、それだけじゃないだろうと。

HD機で苦労した開発スタジオやミドルウェア制作者にとっては、「次(PS4世代)は性能を使って制作効率を上げる世代になる」というのは常識なんですよ。

これ以上性能が上がっても見た目の違いがわからないとか、制作労力が掛かるだけ、なんて阿呆な事を真顔で言ってたのは世界中探してもただ1社のみ。浦島太郎が大きな声で喚いている。昔は皆さん耳を傾けて、苦笑の1つも漏らしてくれたかもしれませんが、空耳ノイズとしてスルーされている。そもそもWiiUで開発しているサードパーティの絶対数も少ないですしね。


いやはや、滑稽なまでに、喜劇なまでに誰にも相手にされない浦島太郎になっちゃった
技術者、ゲーム開発者、サードパーティ、大多数のユーザー、……そういった人達はもっと未来に生きています。熱狂的な人達はまだ傍にいてくれるけど、信仰心も有限です。
さてどうなることか。

何が間違ってたんでしょうか?
色々ありますけど、積み上げられるものを積み上げなかったのは失策の極みですよね。アリとキリギリス。ゲーム人口拡大、ライトユーザー万歳と言って、技術の研鑽を怠っていた会社はいつのまにか浦島太郎になってしまった。キリギリスさんは自分はアリだと信じ込んでいたのかもしれませんが、「井の中のキリギリス、自分をアリと錯覚する」という非常にわかりやすい結果です。

Wii U復活とゲーム人口拡大の質
任天堂がWiiやDSを販売していく際に掲げた「ゲーム人口の拡大」というテーマ。実際、DSやWiiはこれまでゲームと関わりの薄かった高齢層や女性層、あるいはあまりゲームを遊んでこなかった人達を取り込んで、ゲーム人口を拡大したかに見えました。しかし、Wiiでゲームを遊んだ人たちが、Wii Uで興味を失ってしまったとしたら、それは一過性のもので、本当の意味でゲーム人口の拡大を成し遂げたとは言えないでしょう。

任天堂は、Wiiでゲームの面白さを知った人に、Wii Uも買ってもらって、はじめて本当の意味でゲーム人口の拡大が進んでいると謳うことができます。Wii FitやWii Partyを遊んだ人が、また遊びたいと思い、Wii Uにも興味を示す、そういう環境づくりをしていかなければいけません。

ソウデスネ。


«  | HOME |  »

2013-07

検索



カテゴリー

月別アーカイブ

最近の記事

最近のコメント

連絡先

RSSフィード

忍者カウンター