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どういうユーザーから支持を集めているか、プラットフォームの実態が問われる時代なんです。

任天堂社長が説く、ヒットゲームの新法則
PR活動の必要性を実感したという事でしょうか。
ヒットゲームが特に出てないゲーム会社の社長へのインタビューが「ヒットゲームの新法則」というのはシュールな面白さを感じますね。ガンホーの森下社長へのインタビューなら、まさにピッタリのタイトルなんですけど(汗

ガンホー、『パズドラ』好調続き営業益4331%増…2QもQonQで42%の増益を達成 高成長続く
ガンホーの営業益がとんでもない数字に達しています。半期で営業利益451億円というのはプラットフォームホルダー級の数字です。大ヒット1本でここまで行けるというのは、ドリームあふれる感じで良いですね。

世界市場を見渡すと、Kingの『Candy Crush Saga』、SuperCellの『Clash of clans』も月間50億円以上稼いでおり、大ヒットタイトル1本でプラットフォームホルダーを超越する利益を稼ぎ出せる時代が到来しました。もはや専用機のマーケットはニッチ市場に過ぎず、ワールドワイドを舞台にした本当の巨大市場がスマートフォンやタブレットで展開されるのです。

無論、ニッチマーケットの覇者も、自らをニッチではないと自己主張し続けることでしょう。PR活動お疲れ様です、おっす、おっす。


多数のニッチマーケットにセグメント化されている現状において、プラットフォームホルダーが取るべき戦略は限られてくるんですよね。普及台数=市場だった時代には、普及台数を増やすことが最重要でした。

しかしサードパーティビジネスというものは、市場ありきであって、普及台数ありきでは無いのです。1年に1本しか買わないユーザーばかりに1000万台普及するのと、1年に5本も6本も買うユーザーに200万台普及するのは、実は後者のほうが市場が大きいかもしれない。

普及台数ではもはや汎用機には太刀打ちできない。ではどういうユーザーから支持を集め、そこを市場として保持し、プラットフォームホルダーとパブリッシャーの両立を為すのか。それが問われているのではないでしょうか。SCEがある意味ニッチに割り切ったおかげで、メッセージが明確になり、据置ゲーム機の競争で優勢になりつつあるのは象徴的な出来事です。

Wiiの後半において、普及台数と市場が比例しない事が露呈しました。普及台数至上主義の崩壊です。その衝撃が大きかったのか、任天堂は自己定義が崩壊したまま、無為無策にコアゲーマーを取り込もうとして中途半端な施策を打ち出してきました。その結果が現状のWiiUです。

LINE方式というか、サードパーティをほぼ締め出すスーパーパブリッシャーに変身した方がまだマシだった気がします。セカンド方式にするか、開発支援金と宣伝支援金を出してその分ロイヤリティ比率を上げる中間的な方式にするか、はたまたロイヤリティを大幅に下げてタイトル数を稼ぐか。いずれにせよ、従来のビジネスモデルを惰性で続けられる時間も限られてきました。


普及台数という点ではゲーム専用機にはなかなか明るい話題がありません。マイクロソフト、ソニー、任天堂いずれも普及台数は前世代には及ばず、普及ペースも遅い。そうなってくると、ゲーム専用機を積極的に購入してくれて、ゲームにガンガンお金を使ってくれるユーザーが集まっているかどうかが重要です。PSフォーマットにはそういうお客さんがしっかり付いている。それは証明されています。

忍之閻魔帳 - 2013年7月5週(8月1週)の新作、他
基本無料ゲームが溢れているこの時代に8,000円前後の本作が品切れが続出したことはフルプライスのゲームを開発しているメーカー、クリエーター様にとっては非常に明るい材料となったのではないだろうか。

無料を餌にばらまき、網にかかった数%のユーザーからがっぽり巻き上げる課金ビジネスに頼らなくとも、きっちり作られた魅力のあるソフトはしっかりプロモーションすればちゃんと売れるのだ。

映画「キツツキと雨」紹介、500万台突破の3DSと伸び悩むVita。2機種が抱える問題点、他
完全新規タイトルで比較すれば、「リズム怪盗R」や「心霊カメラ」を「GRAVITY DAZE」が上回っているのも見逃せない。Vita用の新作が本体を牽引しなかったことは、裏を返せばヘビーユーザー率が高いことの証明でもあり、これはコア向けを手掛ける中小のソフトメーカーにとって決して悪い話ではない。

ハードの普及台数がどうであれ、ソフトの目標本数が5万本程度であれば、新規タイトルが受け入れられ易い&熱心に買い支えるユーザーの多いVitaの方が商売になるのではと考えるメーカーも出て来るかも知れない。

Wii U GamePadをファミコンに「レトロフェイスプレート」7月発売、他
値下げ以降、ハードだけでなく既発タイトルの動きまで活性化しているVita市場の好調を受けて、Wii版の売り上げをあっさり更新してしまった。
1年と少し前の記事で

ハードの普及台数がどうであれ、ソフトの目標本数が5万本程度であれば、新規タイトルが受け入れられ易い&熱心に買い支えるユーザーの多いVitaの方が商売になるのではと考えるメーカーも出て来るかも知れない。

と書いたことがあるのだが、現状のVitaは着実にその地位を固めつつある。
今後は、モンハンの二番煎じばかりに依存することなくハードを盛り上げる弾を用意できるかが鍵。

ちゃんと売れる。
そう、PSフォーマットではちゃんと売れるんです。

そして売れるのはパッケージだけではない。
PC版に続いてPSVita版がリリースされた『PSO2』が成功していることに加えて、『拡散性ミリオンアーサー』もPSVita版がしっかり売り上げているようで、F2Pが成立していることを伺わせます。

次のステージに進むソーシャルゲームの課題・・・スクエニ安藤プロデューサーが考える「スマゲ」の未来
さて、ここからが「喋る!スマゲ☆革命」という本題です。まず紹介されたのは、『拡散性ミリオンアーサー』がPS Vitaで健闘している点です。DAUは2万人と規模は少なめですが、KPIはPCにおけるオンラインゲームに近く、非常にロイヤリティの高い顧客が付いているそうです。ビジネスの規模としては、年間を通してパッケージゲームが30万本売れているくらいのもので、他のPS Vitaのソフトと比べても遜色ない売上です。

このようにゲーム専用機でもスマートフォン発のネットワークゲームが健闘することがわかったため、今後はF2PのネットワークゲームはPS4やXbox Oneといった次世代機とのクロスプラットフォームが当たり前になってくると予想しました。

コンシューマーゲームが大好きなユーザーって、無料+アイテム課金のモデルには否定的なイメージが強いでしょう? でも実際にはF2Pビジネスが成立するほどの金払いの良いユーザーがPSフォーマットには集まっているわけです。PSフォーマットには。3度言いましょう、PSフォーマットにはいるんですよ。


しかし任天堂機はどうか?
子供は購買余力が無く、大人のユーザーにしてもDLCにいちいち批判的で、ファーストパーティの続編タイトルばかり好んで購入し、F2Pビジネスには超否定的。パッケージソフトの売上だけ見ても、新規タイトルの売上という点では、『逃走中』のようなファミリー層向けのIPタイトルを除けば、普及台数で1桁少ないPSVitaのほうが完全新規タイトルの成功例が目立つ。

子供受けしたタイトルを、一部の大人ゲーマーが購入して、母数は子供ユーザーが膨らませているから、自らを多数派と錯覚して、声もデカい。しかしそんなもの、マーケティングすればバレちゃうんですよ。サードパーティの売上が悪いのはサードパーティのソフトが品質が低いからなのか、単にお客さんがいないだけなのか。後者だってことが徹底的にバレちゃった。DSとWiiの時代、Wiiの後半において明確になっちゃった。

PSVitaがあの台数で市場が成り立っている事の意味を考えると、国内のコアゲーマー層の大半はPSフォーマットに囲い込まれている現実を直視せざるを得ません。

それでもバブリーなライトユーザー市場は魅力的だったし、懐古ユーザー向けの市場もDSには存在しました。そういうユーザーを狙って3DSも当初は盛り上がりました。けれども普及台数が拡大しても、タイトル数はそこまで伸びてこない。セグメントが分析され尽くした現状では、3DSに付いているお客さん向けのソフトしか出なくなっていく。無論、旧来のメーカー間の「政治」は存在するから、まだタイトルを引っ張れる。

でもそれも今世代までじゃないですか。マルチプラットフォーム化のたやすいゲームエンジンに載せることを前提にしたうえで、ローリスクで持っていけなければ、プラットフォームに付いたお客さん向けのソフトしか集まらなくなります。

そもそもプラットフォームホルダーの社長自らが、自社プラットフォームのゲームの幅を制限するような言動を鼻息荒くして喋りまくる。そこにどんな市場が誕生するのでしょうか。「F2Pは悪の商法! パッケージビジネスこそが真のゲームビジネスなり!」と叫ばれているプラットフォームの方が、完全新規タイトルが売れにくく、F2Pビジネスも当然根付かない。いったいそこにどんな未来があるというんでしょうか?

自分達が満足できるゲーム体験ができるなら、「もう少し支払ってもいい」という大人のゲーマーが支えるプラットフォームと、経済力があるにもかかわらず、「子供と同じ料金体系がいい」と声高に主張し続ける大きなお子様が幅を利かせているプラットフォーム。

どちらに未来があるのか?

答えは出つつある気がしますね。宗教にも似た扇動をもって、大きなお子様を説き伏せたところで、それで大多数のゲーマーは動くのか、ソフトメーカーは動くのか。プラットフォームビジネス万歳と言い続けて、心中するつもりがあるなら、まだいい。でも実際にはそんな覚悟は微塵も無く、かつての栄光に囚われて決断が遅いだけ。何度も発言をひっくり返していく。

大きなお子様に口当たりの良い「飴玉」を投げてその場その場を言い繕うだけの企業が果たして信頼されるのか。きちんと未来と向かい合う企業こそが最終的にはゲーマーの信頼を集めるのでは?

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雑感というか。

コンシューマソフト週間販売ランキング: 2013年7月15日~7月21日
WiiUは『ピクミン3』が落ち着き始めており、ハード牽引も弱まっていますね。初代の路線に戻ったためか、『2』に比べてボリューム不足を指摘する声も多く、累計20万あたりで止まりそうな雰囲気。じわ売れでも累計30万本までいくのかどうか疑問がよぎります。

そもそも論で、ハード普及のキータイトルに据える時点で間違ってると思うんですよね。ハードを買ってまでという熱心な人は限定的で、せいぜい10万人前後ぐらいでしょう。本体持っていれば買うかなぐらいのお客さんが一番多い気がします。

WiiUは『スマブラ』がなかなか発売されなかった場合のゲームキューブになってますね。そもそもリビングに置かれる想定のゲーム機なのに、『マリオカート』や『スマブラ』が本体発売の1年以内に発売されないという時点で、根本的にラインナップ編成がおかしいです。

ゲームの出来が良いとか悪いとか言う前に、3DSの反省をどう活かしたら、こういうラインナップになるのか。いわっち社長の無責任な発言はこれに始まったことではありませんが、すぐバレる嘘をつくのは浅はかすぎるのでは……。いわっち社長の信頼感は、WiiU発売を機に本当に地の底まで落ちてしまった、と残念でなりません。

『マリオ&ルイージRPG4』は、4作目にもなると、飽きてきませんかね……。売上からも消化率からもそう感じますが……。一方、『ルイージマンション2』はかなり売れていて、初代とは比較にならない大成功ぶりです。初代は完成度も低かったわけですが、ようやくにして本当に完成したと言えますね。10年以上経っても通用するゲームプレイでした。

また『討鬼伝』も着実に本数を伸ばしており、『無双マルチレイド』越えも視野に入ってきました。この分だとあき発売の『ゴッドイーター2』にも期待がかかります。


凋落するプラットフォームホルダーという点では、グリーがすっかり話題の的ですが、ベンチャーらしく、素早い撤退を進めており、海外は諦めて、国内のネイティブアプリ市場に集中するようです。海外事業を担当していた青柳氏が日本に呼び戻され、ネイティブアプリの開発と運営を担当するとか。
業績悪化のグリー、エース青柳氏が国内復帰

DeNAも経営面で変化が起きています。夫の病気療養のために経営の一線を退いていた南場陽子氏(創業者)が復帰しつつあるようで、公取委の立ち入り調査やコンプガチャ批判といった逆風の時期をうまくかわしました。


アップルとグーグルの2社が巨大エコシステムを築き上げ、既存のプラットフォームホルダーが利益を失っていますが、中小プラットフォームの乱立は続いています。特徴としては、パブリッシャーとプラットフォーマーの中間的な立ち位置のプラットフォームが増えていることです。

LINEやブシモはその典型といえますし、CAも結果論としてはそうなっていますね。プラットフォームが増えてビジネスチャンスが拡大しているサードパーティに対して、独自色の強いコンテンツを確保したいプラットフォーマーがセカンド契約や共同開発を結ぶケースが増えており、パワーバランスの変化が顕著です。


日本に本社のある日本企業の日本軽視が始まったんですかねえ?

という神意がわからないとは、困ったものですね。
任天堂がおこなうWii U開発ツールの無償提供、日本からの申請は不可であることが明らかに

togetterにまとめられている情報も興味深いですね。

Wii U向けの個人開発は日本国内"のみ"不可
「全世界にフレームワーク開放!」→日本国内の個人開発者の方は受け付けておりません→「記述無くなったぞ!」→日本国内の開発会社からのご申請は、現在受け付けておりません→「…」←今ここ
yasei_no_otoko 2013-07-21 03:07:33

@ntheweird 今年のGDCで公開された際は注意書きは一切無く日本からも僕含めて応募が多数あったんですが、「サポートが面倒だから日本在住の個人はダメな(意訳)」という謎の後出しメールが本社から半月後に届き「日本の個人は駄目」という注意書きが加えられ、(続く)
yasei_no_otoko 2013-07-21 04:02:09

@ntheweird 法人の場合は下のアドレス(本社ライセンシー窓口)に送るようにという導線も書かれていたのですが、最近その文章が何故か消えて(そろそろ全開放か?)と思った後の最初の更新が今回の文章です。
yasei_no_otoko 2013-07-21 04:03:41
要は、任天堂本社の手を煩わせるなよ、インディーズども!!
という任天堂からの力強いメッセージですよ。

日本企業が日本国内の個人開発者に対して取る姿勢がこれ。
素敵でしょう、でもこれが任天堂という企業の本質なんですよ。E3には参加しても、TGSには参加しない企業ですからね。日本こそが最も厳しいルールで動いているというね。

俺様の手を煩わせるなよ、国内サードどもっ!!
俺様の手を煩わせるなよ、国内開発者どもっ!!

……これがエスカレートして、

俺様の手を煩わせるなよ、国内ユーザーどもっ!!

にならない事を祈ります。


あと、株価誘導の仕込みか何か知りませんが、北米における3DSの6月の販売台数が好調だったことが材料視され、株価が上昇していたようです。
USの6月のセールス(NPD):3DSが急伸してトップに。据置勢は横ばい

実情はご覧の有り様ですけどね!
NPD北米6月の販売台数

    GBA   NDS  3DS    計
03年 66.0万           66.0万
04年 52.1万           52.1万
05年 28.8万 11.2万      40.0万
06年 18.9万 59.3万      78.2万
07年 11.3万 56.2万      67.5万
08年      78.3万      78.3万
09年      76.7万      76.7万
10年      51.1万      51.1万
11年      38.6万 14.3万 52.9万
12年      15.0万 15.5万 30.5万
13年      **.*万 22.5万 22.5万
素晴らしいですね。


最大の喜劇はむしろこれからなのかな?

夏商戦における任天堂の切り札、『ピクミン3』が発売された週のWiiUの売上が出ました。
2万2199台売れて、いよいよハードの累計実売数が100万台に迫っていますね。
ゲームデータ博物館 - WiiU

競合のPSVitaも当初大苦戦でしたが、累計160万台を突破しています。
ゲームデータ博物館 - PSVita

大きな差は普及台数よりも、タイトル数ですよね。ゲームデータ博物館にカウントされているタイトルの本数がWiiUは12本、PSVitaは73本。サードパーティ、特に中堅メーカーのタイトル数が相当に異なっており、PSVitaがコアゲーマーをしっかり捕まえて、アクティブなユーザーを囲い込みつつある状況が浮き彫りになります。

普及台数ではWiiUの10倍以上、PSVitaの6倍以上の3DSを見てみましょう。
ゲームデータ博物館 - 3DS

掲載タイトル数は164本で、普及台数を考えると、サードパーティのタイトル数がさほど多くない事がわかります。上位タイトルの大半を任天堂とレベルファイブの2社が占めており、コアゲーマー向けのタイトルを供給する中堅メーカーの存在感が極めて薄いのが特徴です。

売れ筋を見ても、小中学生向け、女児向けのタイトルが大半を占めていることがわかります。スマートフォン所持率が低い、子供層を男児、女児問わず、がっちり囲い込んでおり、この辺りのマーケットは相変わらず堅固です。欧米に比べれば、国内の子供市場は大変堅く守りきれています。

3つのハードの市場を俯瞰してみれば、明らかにユーザー層が住み分けています。もはや単純な普及台数は意味を失い、どういうユーザー層がどこにいるかが重要です。


さて話をWiiUに戻すと、夏タイトルの目玉である『ピクミン3』の売上がなかなか厳しいですね。
しかしピクミンシリーズは、累計販売数に対して初週販売数が少なめのタイトルです。
ピクミン 初週:101,299 累計:507,011
ピクミン2初週:161,930 累計:483,027
ピクミン3初週:92,720
累計25~30万本ぐらいまでは伸びるのでは、と思いますが、普及台数の低さを考えれば、健闘していると言って良いのではないでしょうか。

ただ、この後有力なタイトルが乏しいことを考えると、来春の『マリオカート』、来年?の『スマブラ』まで、本体を強力に牽引するタイトルが見当たりません。かなり大胆な施策を打たないと、もはやどうにもならないでしょう。据置ゲーム機からの「結果論としての撤退」になりかねません。市場が相手にしてくれない。

問題は、従来の任天堂機を支えていた子供層とファン層の両方から十分な支持を得られていない事です。子供向けには定番タイトルの充実と、本体価格の引き下げが必須で、逆にいえば、そこさえやれば多少は挽回できます。深刻なのは、任天堂ファン層の期待を大きく裏切っていて、彼らがむしろアンチ化しつつある現状でしょう。バイラルの起点にもなってきた彼らから見離されれば……。

コア層向けのソフトも実質モノリスソフト最新作1本だけですしね……。


PS4とXbox Oneの末期に次世代WiiUを出すようでは同じ失敗の繰り返し。
速やかに次世代据置ゲーム機の準備に入る必要があります。

しかし問題はソフトウェア技術が全然追いついてないこと。10年間技術が停滞していたツケがあまりにも重い……。ここを克服しなければ、結局、自社ラインナップが充実しないでしょう。経営陣の入れ替え等によって、技術投資への理解が深い人間を入れ、3~5年間は集中的にキャッチアップを図る必要があります。

現在の任天堂の中核スタッフでは、全然時代に追いついていない事実を深く反省し、企業買収を含めた新体制の構築が不可欠ですね。エンジニア出身の役員がいる割には、技術オンチっぷりが露呈しており、技術の目利き()というシュールな自画自賛ジョークが虚しく響きます。まぐれ当たりに気を良くして、勉強と研鑽をサボっている人達の事を目利きと自称するのは、全世界広しといってもこの会社だけでしょう。

そもそもこの規模の会社であれば、経営陣が何を喚こうとも、反骨精神でこっそり技術を研鑽しているような社員がいたっておかしくない。牙を抜かれた狼でもあるまいし。

それが無いのだとすれば、それは組織統治の方法論が間違っているのですよ。以前から書いている事なので、常連の読者の方たちはまたかと思われるかもしれませんが、あえて繰り返せば、組織は最適化し過ぎてはいけないんですよ。無駄がなきゃいけない。無駄があるから、それが環境変化の際に強みに変わることもある。

DSが当たったから3DS、Wiiが当たったからWiiU。そんな創造性の欠如した仕事をクリエイティブと称す欺瞞。そんな欺瞞に盲従する人達しかいないのであれば、そりゃ環境変化には恐ろしく脆弱でしょうよ。連結従業員が5000人以上の大組織ですから、山っ気のある人材が豊富に隠れているはずと確信しています。確信したいものですよ、ホント。


一番恐ろしいのは、据置ゲーム機市場での敗北ではありません。

海外ではキッズ向けにもタブレット機などが浸透してきており、国内の子供市場を除く、全世界のあらゆる市場を失ってしまうという恐ろしい可能性ですよ。WiiUの喜劇を次世代3DSで繰り返さない可能性がまさかゼロパーセントだなんて楽観してませんよね……。

これから数年の舵取りを誤れば、技術力の低下はさらに深刻になり、ソフトウェア技術の点で完全にフェードアウト。キャラクター人気の高さで関連商品(ゲームソフトを含む)を売っていくだけの企業になってしまうでしょうね。

まー、ディズニーの凋落の歴史を辿ったとしても、それでも当分の間は食うに困らないほどのIP資産は抱えていますが。事業規模を縮小して、版権管理会社になる可能性も「あり」なのかもしれません。悲しい未来ですが、それが現実にならないとはもはや誰にもいえないのですから。

浦島太郎になっちゃったキリギリスの話。

そこまで憎悪せんでも(汗

まー、ファンこそが最も厄介なアンチになり得るというのは1つの真理かもしれません。
と世界有数の任天堂信者ブログを自負する僕も思います。

などという戯言はさておいて、『ピクミン3』を買ったので、感想を書いてもいいんですが、プレイ時間少ないのでゲームそのものへの感想は差し控えます。ボリュームを語るほどプレイできていませんし。

グラフィックの技術に関しては、浦島太郎感が満載で、ゲームキューブ時代の表現手法の延長線が多用されており、シェーダーやグローバルイリュミネーション系のレンダリング技術の基礎研究をサボっていた事がよくわかり、暗澹とした気持ちになります。

地形のテクスチャの張り方などを見ても、ゲームキューブ→Wiiと約10年、技術が止まっていた弊害をまざまざと感じられて、デザイナーの苦労がうかがい知れますね。他社が何年も前に通過した道を今頃通過しているというか、HD初期の感じが漂っています。

HD化の初期は皆さん、背景に苦労してたわけです。画面解像度が上がった際、どこの部分の解像度が一番増えるかというと、背景なんですよね。テクスチャの解像度が粗いのもばれやすくなるし、ディフューズ、スペキュラー、ノーマル、さらにレンダリング用の付加情報……といった具合にマルチテクスチャの枚数も増える。テクスチャ解像度が増えて、制作工数が増えるし、メモリが増えてもテクスチャにかなり食われるから相変わらず厳しいし……。


制作側のそういう苦労が如実に現れていて、完全に周回遅れになったことが露呈してましたね。

カプコンのMTフレームワークやスクウェアエニックスのルミナスエンジンのような、本格的なエンジン開発に投資してないし、アピールもしてないから、技術志向のエンジニアも集まりにくいでしょうし、ここから技術を上げていくのは相当大変そうです。経営陣が技術投資に理解を示してないからこうなってるわけで、今さら反省するとも思えませんしねえ……。

まー、任天堂ファン層はグラフィックに口うるさくない方達だし、HD機のゲームを豊富に遊んでいるのでなければ、目が肥えてませんから、任天堂自身はマイペースに進んでいけばいいのかな、という気もしますね。ただ、開発環境を引っ張り上げるという意味では、ファーストパーティの技術力が低いのは、どうかと思いますが……。

WiiU向けのラインナップが延期しまくりで、戦線が崩れている事からも明らかなように、基礎研究を怠ってきたツケがとりわけソフトウェア側で露呈してます。他社がHD機で開発して苦労してるのを他山の石として、あらかじめ基礎研究を進めておけばよかったものを……。天狗様は自分達は同じ轍を踏まない、自分達は能力が高いから大丈夫、と勘違いされていたのでしょうか。滑稽極まりないですね。

ゲームの面白さはグラフィックで決まるわけではありません。
ですからWiiUのゲームは総じて面白いのかもしれません。しかし制作技術がどの程度かはすっかり露呈してしまったなあ……と思います。


性能や技術力でゲームが面白くなるわけではありませんが、技術力は積み上げが効きますし、性能と技術力は開発効率を高めて面白いゲームをすばやく作る余裕を現場にもたらします。続編をHD映像で作り続けるだけで精一杯……なんて状況は回避しやすい。

特別対談 ずらり揃った4社の代表が今後のゲームエンジン・ミドルウェアについて語り尽くす!・・・GTMF2013直前インタビュー
そうですね。自分もXbox360やPS3でゲームエンジンを作っていた頃は、パフォーマンスを5%犠牲にしてでも、開発効率を20%上げることをテーマにしていましたが、やはりトレンドの移り変わりを感じます。

効率という意味でいうと、AAAの開発チームだと300人体制とかになっちゃうんですよね。でも世界的なムーブメントを起こしているインディゲームのチームを見ると、エッジをたもったまま組織できるのは、せいぜい30人なんですよ。たぶんPS4世代でも、そういう10人から30人くらいの開発チームによるタイトルが増えると思うんですね。

つまりプロダクティビティという意味では3000人の仕事をいかに30人でやるかが重要なんです。10倍ではなくて100倍の効率化が必要で、すごいブレイクスルーが必要なんですよ。またはお客さんが100時間ではなくて、1時間で満足してもらえるゲーム。こういった作り方のブレイクスルーが必要なんだろうなあと思いますし、その後押しをしたいですね。というのも300人で作るゲームで、もう全く新しいものは作れないのではないかと思うんですよ。たしかに『コール オブ デューティ』や『Halo』はおもしろいんですが、それ以外にはなれないと思うんですよね。それって紅白歌合戦みたいなもので、当然必要だけど、それだけじゃないだろうと。

HD機で苦労した開発スタジオやミドルウェア制作者にとっては、「次(PS4世代)は性能を使って制作効率を上げる世代になる」というのは常識なんですよ。

これ以上性能が上がっても見た目の違いがわからないとか、制作労力が掛かるだけ、なんて阿呆な事を真顔で言ってたのは世界中探してもただ1社のみ。浦島太郎が大きな声で喚いている。昔は皆さん耳を傾けて、苦笑の1つも漏らしてくれたかもしれませんが、空耳ノイズとしてスルーされている。そもそもWiiUで開発しているサードパーティの絶対数も少ないですしね。


いやはや、滑稽なまでに、喜劇なまでに誰にも相手にされない浦島太郎になっちゃった
技術者、ゲーム開発者、サードパーティ、大多数のユーザー、……そういった人達はもっと未来に生きています。熱狂的な人達はまだ傍にいてくれるけど、信仰心も有限です。
さてどうなることか。

何が間違ってたんでしょうか?
色々ありますけど、積み上げられるものを積み上げなかったのは失策の極みですよね。アリとキリギリス。ゲーム人口拡大、ライトユーザー万歳と言って、技術の研鑽を怠っていた会社はいつのまにか浦島太郎になってしまった。キリギリスさんは自分はアリだと信じ込んでいたのかもしれませんが、「井の中のキリギリス、自分をアリと錯覚する」という非常にわかりやすい結果です。

Wii U復活とゲーム人口拡大の質
任天堂がWiiやDSを販売していく際に掲げた「ゲーム人口の拡大」というテーマ。実際、DSやWiiはこれまでゲームと関わりの薄かった高齢層や女性層、あるいはあまりゲームを遊んでこなかった人達を取り込んで、ゲーム人口を拡大したかに見えました。しかし、Wiiでゲームを遊んだ人たちが、Wii Uで興味を失ってしまったとしたら、それは一過性のもので、本当の意味でゲーム人口の拡大を成し遂げたとは言えないでしょう。

任天堂は、Wiiでゲームの面白さを知った人に、Wii Uも買ってもらって、はじめて本当の意味でゲーム人口の拡大が進んでいると謳うことができます。Wii FitやWii Partyを遊んだ人が、また遊びたいと思い、Wii Uにも興味を示す、そういう環境づくりをしていかなければいけません。

ソウデスネ。


リストラに関する味わい深い2社の話(追記)

任天堂がリストラをしない理由とは―岩田社長が回答
こういう質問に答えざるを得ないのが現状という事ですね。神企業ブームだった頃と違い、はてブあたりの反応も冷静です。
#任天堂 の場合、最初っからプロパー従業員では回りきらない商売モデルで会社回してるだろうが。変動要素のある部分は協力企業に投げてしまえば、こういう嘘くさい回答が大手を振って通るという。

もうフラグにしか見えない件

クラニンの不祥事は外注なんで知りません発言と併せて読むと感慨深い

もともと採用数がかなり控えめだしね
『研究開発型企業』が、短期利益に汲々としてどうすんだ、というのはまさに正しい。

HAL研時代の資金繰りの苦労が今の岩田社長を作ってるんだろうな…

不安に怯えながら作ったソフトが、本当にユーザーの心を動かせるのか

日本語で使われるリストラはぶっちゃけ人件費減らしの解雇なので、それをする必要はないが、事業戦略のために企業組織の構造を変革する本来の意味でのリストラはどんどんするべきではあるのですよね、この手の業界は

資金力に余裕があるのと、社長が元プログラマだからってのが大きな要因だろうなぁ。頑張って欲しい。

だよね、成果を早く求め過ぎ
あからさまな模範解答で、模範解答が実行し続けられたらいいよね(にっこり
というのが普通の感想ではないでしょうか。

「シャープ町田元社長現特別顧問が著書で「リストラなき経営」語ってから5年ほどでリストラした」という突込みなど、味わい深くはあります。5年後どうなってるんでしょうね?

伝統的に「しない」と言ってきたことをいずれ「する」会社ですし、ブラウニーブラウンの件やマリオクラブの件など、さらに味わい深い案件もありましたよね。

狭い意味ではリストラは本社の正社員の希望退職や整理解雇ですから、それはしないけど、子会社の事は知らん、という古きよき日本の伝統的な言葉遣いに感動します。古きよき日本企業の伝統に忠実であってほしいものです。


その一方で伝統を破壊するタイプのベンチャー企業も、強引な手法を取っているようですね。
やまもといちろうBLOG:【号外】GREEがまたやらかす
中国オフィス閉鎖に続き、韓国オフィスでのリストラの話が流れていましたが、欧州の拠点も閉鎖するようで、海外はあからさまな撤退ムード。さらに短期間に大量に採用した社員も、子会社への出向や給与の減額を推進しており、固定費削減に走ってるようです。

今年駄目なら海外は諦めて日本で粛々とやるぐらい、海外は本気でやるよ!という話は出てましたが、本当にこの短期間で諦めてしまうあたり、さすが横っ飛びは早い、と感心していいのか呆れていいのか。東証一部上場企業になっても、ベンチャー魂を失わない点は素晴らしいですが、悪い意味でもベンチャー企業的で、会社の成長にあわせて組織化ができなかった典型的な経営の失敗事例ではないですか。

コンサル出身の南場陽子氏が作ったDeNAとは対照的です。
ファーストパーティの開発力という点ではDeNAは色々と問題がありますし、グリーの方が成功タイトルは多いのですが、DeNAはビジネス面の施策でそこを補ってますからね。そういう意味ではSCEと同じく、ビジネスという概念を理解しています。

グリーは幼い任天堂というか、プラットフォーマーのくせに恐ろしく自己中がにじみ出てしまう点は、似すぎてて怖いです。場所を貸してやってるんだ感がプンプンします。この2社、コンテンツに対する誠実さや愛情は大きく異なってるんですけどね。プラットフォーマーとしては非常にタチが悪い事例。

実際の所、グリーが今一番問題なのは、サードパーティの市場が急速に減退している事であって、そこが確保されていれば、海外で戦い続けたり、大量の社員を抱える原資はあるのですよ。

海外については昨年買収したFunzioが成果を上げているので、北米はそこそこ堅調と言っていいのでは、と思います。現地雇用した連中とか、その前のOpenfeintはアレでしたが……。

ここ1年のソーシャルゲーム業界の買収案件を調べるお
2012/05/02 GREE Funzio 169億円
2012/10/24 GREE ポケラボ 138億円

グリーは昨年、大型買収を2件も行なっていて、攻めの買収が多かったですね。大量採用しておいて短期でリストラとか、後先考えない無計画さがベンチャーイズムの醍醐味でしょうか。味わい深いですね。


プラットフォームの乱立が加速するにつれて、アライアンスの上手いSCEやDeNAが堅調になり、ファースト重視で自己中心的なビジネス感覚が抜け切らない任天堂やグリーが不調というのが、なかなか面白い事象です。

ファースト重視というのは必ずしも悪い事ではなくて、ホームランを出せば、DS&Wiiのタイトル群とかドリランドとかパズドラみたいにガッツリ儲かるし、利益もひとり勝ちですからね。ギガヒットというホームランに酔いしれて、経営者が経営者としての仕事を怠ってしまうのがよろしくないですよね。ホームランさえ出れば、戦況は覆せると思えば、まともな兵站も準備しなくなってしまう……。新型秘密兵器で大逆転が革新的経営の本質なり~、かっこいい~っ、惚れるわっ☆

事業所の閉鎖と大量採用した社員の短期間での退職誘導もどうかと思いますし、リスクを下請けと子会社に押しつけただけのリストラしません発言も香ばしすぎます。本音むき出しで節操ないか、公家さん風な微笑を浮かべて水面下でやるか。どっちも経営の失敗には変わりないじゃないですか。

娯楽産業に「山あり谷あり」はその通りだけど、もうちょっと計画性を持とうよ、とは誰もが思う感想でしょう。まー、言うは易く、行なうは難しであって、両社ともしばらくは迷走するんだろうなと思うし、頑張ってください。


追記
狙ったつもりは無いんですが、この記事書いた直後にこんなニュースが出てきました。
据置機と携帯機の開発部署を統合したのと同じく、不合理&非効率な組織を改変する、本来の意味でのリストラを推進しています。

部署統合と配置転換によって余剰人員を抽出→子会社出向→自主退社のコンボが行なわれているかどうかはわかりませんが、仮に行なわれていてもそれは「リストラ」とは言わない、いいか、わかったな?(from 任天堂言語の豆知識より)

任天堂、国内外の営業を統合 ソフト同時発売に対応
 16日付で海外本部(約70人)を解体し、日本を担当する営業本部(約150人)に人材と機能を移す。同社は2月、携帯型ゲーム機と据え置き型ゲーム機とで別々だった開発組織を統合しており、さらなる組織の合理化を探っていた。

 任天堂では従来、日本市場については営業本部が卸業者などへの営業から、テレビCMの企画、店頭販促(POP)の制作などを一手に担ってきた。一方、海外については現地子会社や販売代理店を尊重し、海外本部に輸出業務や国別マーケティングを任せている。

 ただ日本と海外の営業担当者が同じゲームソフトの情報を担当部署に照会するなど業務の重複も目立っていた。ゲームソフトの販売が「日本先行」から「世界同時」に切り替わりつつある中、統合で効果的な営業戦略をとれるようにする。また営業組織の統合にあわせて社長室を経営企画室に改組。テレビCMの担当部署を社長直轄とする。

ところでテレビCMの担当部署を社長直轄にするという香ばしげな話がさらっと上がっておりますが、宣伝のド素人がしゃしゃり出てきて、何をするんでしょうか。そんな事よりプロの宣伝マンをスカウトしてきて、担当させるべきでしょう。

それともなんですか。WiiUは素晴らしい機械だから売れないのは魅力が伝わらないからで、すなわち全部宣伝が悪い、というそういう理論武装が脳内でなされてるのでしょうか? だからテコ入れするんだ、と。
うーん。ま、そういう事ですかね。


濃度の高いゲーム機がますます濃くなっている光景ですね。

ソフトウェア 週間販売ランキング TOP20
コーエーテクモの新規タイトルである『討鬼伝』がPSVitaで12万4000本、PSPで6万9000本売れて、合計19万3000本のスマッシュヒットになりました。またPS3向けも手堅い売上のタイトルが続いており、『ガンダムブレイカー』が約20万本、『エスカ&ロジーのアトリエ ~黄昏の空の錬金術士~』が約6万1000本、『デート・ア・ライブ 凜祢ユートピア』が約2万6000本で、サードパーティにとってPS3とPSVitaが着実に市場になってきました。

正直「せっかくPS3がビジネスになってきたのに、もうPS4なの?」という声も聞こえてきそうですね。そこはSCEの事ですから、PSVita、PS3、PS4のマルチ展開がしやすいような施策で、安心感のあるビジネスチャンスを提供してくれるでしょう。

この辺り、携帯ゲーム機をやらないマイクロソフトや、ハードの特徴を活かす事を至上命題とするがゆえに、携帯機と据置機のマルチ展開に極めて消極的な任天堂とは異なります。

コンシューマーゲーム市場が盛り上がっていれば、任天堂のような姿勢でも、サードパーティは付いてくるでしょうが、スマートフォン市場が拡大して、「第2のパズドラを出せ」という強い圧力に晒されている大手ゲーム会社にとっては、コンシューマーゲームに割けるリソースは限りがあります。

ソーシャルゲーム向けもまだまだ続きます。グリーが利益低下していると言っても、ソーシャルゲーム市場はまだ健在で、DeNAもセカンド案件の拡大によって、大手ゲーム会社や大手SAPをがっちり囲い込んでいます。グリーが落ちぶれたとしても、他の企業がのし上がってくるだけで、コンシューマーゲームが再び隆盛するのはなかなか難しいのが実情です。

アーケードゲーム⇒コンシューマーゲーム⇒ソーシャル&モバイルゲームという大局は変わりません。SCEはそうした現状を冷静に受け止めて、極めて現実的なビジネスを展開していますね。一方、マイクロソフトは……

マイクロソフトは新ハード立ち上げの土壇場で幹部が引き抜かれる不運に直面している他、メディアの報道も全体としてPS4の逆襲に沸いており、最初の発表からE3を経て、発売前の「前哨戦」においては、SCEに極めて良い風が吹いています。

また任天堂は欧米における存在感をものすごい勢いで喪失しており、今年のE3は悪い意味で2003年のゲームキューブ敗戦のE3と並ぶものです。嘲笑を浴びるのが嫌で敵前逃亡したとしか思えません。WiiUのラインナップを見ても、今年は売る気がまったく感じられず、具体的な反転攻勢は来年まで持ち越しでしょう。

来年こそ『ゼルダ』新作の発表を行い、任天堂復活の狼煙を上げてほしいものです。今年は死んでおくしかない。気になるのはレームダック化が進む岩田政権の先行きで、「ゾンビがしゃべってる」状態になってしまうのかどうか。

来年のE3も墓の下からしゃべるような状態になれば、任天堂の欧米に対する影響力を中長期的に喪失しかねないだけに、気合を入れなおしていただきたいものです。任天堂がE3という大舞台で2年連続、無様をさらしたことは無かったですからね。


ゲーム機市場とソシャゲ市場のダイナミクス

Xboxの責任者ドン・マトリック氏がMSからZyngaCEOに~XboxOneの日本年内発売も無し
マイクロソフトにおけるXbox事業の責任者であるドン・マトリック氏が退職し、ZyngaのCEOに就任するようです。E3以降、良い話がまったく出てきませんね。まー、マイクロソフトにおけるゲーム事業は社内での評価も低く、これまでも何人もの幹部が去っていきましたからね。

それにしてもゲーム機メーカーというのは、勝った後、自滅していくジンクスでもあるんでしょうか。かつての任天堂、かつてのSCE、そしてマイクロソフトと、自滅の連鎖が続きます。今回のラウンド、任天堂がWiiUで自滅し、マイクロソフトがXbox Oneのビジネスモデルで自滅し、自動的にSCEが優勢なポジションにつきました。別にSCEが特別優れいているわけではなく、競合2社が勝手に自滅しただけです。

任天堂に関しては、今年のラインナップからはWiiUを売る気がまったく感じられず、もはや据置ゲーム機から実質徹底するつもりなのか、と本音を疑いたくもなります。マイクロソフトも、Xbox事業がスティーブ・バルマー氏の直轄になることで、ますますセットトップボックス的な性格を強めていくことと思われます。

SCEを見ていると、継続は力。地道にインディーズスタジオやサードパーティへの営業を積み上げていった成果の大きさをまざまざと感じさせられます。コアゲーマーとクリエイターを重視するSCEの戦略はわかりやすく、サードパーティ各社にとっても期待感が持てますよね。

任天堂はアンチゲーマー路線を掲げて、(既存の任天堂ファンを除く)あらゆるコアゲーマーからの信頼を失い、ゲーム機人口拡大にこだわる余り、膨大なカジュアルユーザーをソーシャルゲームとスマートフォンに奪われました。北米におけるチャンプになったマイクロソフトは、社内プレッシャーによって、Xboxのゲーム機以外の側面を強調し、コアゲーマーと流通からの信頼を大きく毀損しました。

数年前は、SCEこそが真っ先にゲーム機から撤退しそうな企業でした。しかし今や任天堂とマイクロソフトこそがゲーム機から撤退しそうな企業です。より正確にいえば、任天堂は据置ゲーム機から実質的に撤退しつつあり、マイクロソフトは一度シェアを失ってしまえば、Xbox事業を継続するほどの情熱はもはや社内には存在しないでしょう。

このダイナミクスこそがゲーム業界の面白さと言えますね。


ソーシャルゲームやスマートフォン市場でも大きなダイナミクスが起きています。
ガンホーが大きな飛躍を遂げたのは象徴的ですが、「任天堂の倒し方教えましょうか」で悪名を轟かせたグリーの営業利益が大幅に低下しているようです。
【悲報】 グリー、営業利益が前年比マイナス70%と大幅減  減益が止まらない状況に

DeNAの堅調さとは好対照です。
なんつーか、やることなすこと、裏目に出まくりで泣きっ面に蜂な感じですよね。
企業イメージも大幅に悪化しており、ソーシャルゲームの悪い部分を凝縮すると暗黒物質グリーになるという感じですし、ソーシャルコアゲーマー層もモバゲーやAppStoreに大きく移動し、DAUと課金ユーザーが大きく低下しています。

コンプガチャショック以降の受身の取り方が最悪でした。未成年の課金額を制限する仕組みに抜けがあったうえ、それを隠蔽していた問題や、SAP向けの施策を大きく誤り、去年の秋以降、SAPの売上が大きく減少し、グリー陣営のSAPも続々離脱を始めています。

グリー陣営の一角だったenishは上場して以降、モバゲーへのソフト展開を推し進め、エイチームは株式をグリーが手放す事になりました。オルトプラスはグリーとの合弁会社を設立するなど、深い関係を築いていますが、それもグリー側がオルトプラスの離反を防ぐための一手でしょうね。

両プラットフォームに展開していたものの、どちらかといえばグリー寄りだったコナミも、『秘書コレクション』をモバゲーにも展開を始めるなど、グリーからの離脱を感じさせる動き方が目につきます。


唯一の朗報は、gloopsからの独立組であるグラニが『神獄のヴァルハラゲート』でヒットしている事でしょう。遅まきながら、ギルドバトルに注力を始めており、グリー陣営の筆頭格であるgumiに『ドラゴンジェネシス』を作らせた他、『ドリランド』で大規模なギルドバトルイベントを展開し、大きくゲームデザインを変更する準備に入っています。

ヤフーとの合弁会社ジクシーズでも、ドリランドの外伝タイトルとして、ギルドバトルゲームを仕込んでますし、去年後半には『運命のクランバトル』『栄光のガーディアンバトル』で知られるポケラボを100億円以上で買収して、ギルドバトル物のノウハウを吸収しようとしました。

次の飯の種に向かって全力で横っ飛びするあたりは、さすが、と言えますが、カードバトル物が永遠に儲かり続けるはずが無いのに、どうして先行投資しておかなかったのか、疑問ではあります。組織そのものの若さって事でしょうか。

そもそもギルドバトル物のはしりって、アソビズムの『ドラゴンリーグ』です。これ、グリー向けにリリースされたゲームなんですよね。それを育てもしないで、放置しまくった挙句、モバゲー陣営のgloopsが目をつけてパクったのが『大連携!!オーディンバトル』で、月次10億以上の大ヒットタイトルになり、その後モバゲー内でギルドバトル物が流行っていき、一大市場を形成するにいたりました。アソビズムはグリーに見切りをつけて、早々にAppStoreに移っちゃいました。


マーケットの全体感としてはIP物が強く、ギルドバトル物が増えてきてますし、趨勢は大きくモバゲーに傾いています。DeNAは開発費が高騰して体力的に厳しくなってきたSAP各社に対して、セカンド契約による協業を推進して、ファーストパーティの弱さを補いつつ、ブラウザとネイティブの両張りでラインナップをますます厚くしています。

一方のグリーは社員を増やしすぎて、利益が大きく低下しており、運営タイトルや開発タイトルを合計20本以上クローズする自体に。開発要員も買収した子会社に押しつけるなど、高額で人材募集しまくった1年後には全力でリストラ開始とか、訳がわかりません


ファーストパーティを重視するあまり、サードパーティはおろか、陣営の会社にまで離反されるというのは、どこぞの京都企業にも良く似ています。コンテンツに対する姿勢はかなり違うんですが。まー、「内向きな企業」の失敗の典型例という理解でいいのかもしれませんね。

「内向き」な企業がプラットフォーム事業を行なう事の限界が露呈したと言うと、言いすぎでしょうか。頼むからもう少し、社外に目を向けてほしいものです。


失敗の仕方が何故か似てるんだよねえ。

グリー、営業益7割減 ゲーム課金収入低迷 13年4~6月期
DeNAとの格差が開くばかりですなあ……。
王者コナミでさえ溺れかけているのが何ともはや……。

その意味では新チャンプのグラニを筆頭に、ギルドバトル系でどこまで市場を伸ばせるかが当面の課題でしょうか。mobageに比べてソーシャルコアゲーマー(※)の育成と囲い込みを怠ってきたツケは大きいですね。

※ソーシャルゲームのコアゲーマーの事で、ソーシャルゲームの廃人。コンシューマーゲームのコアゲーマーの事ではない



グリーって、プラットフォームホルダーとして見た場合、悪い意味で任天堂っぽいんですよね……。ファーストパーティ重視で、サードパーティとの協業では自社のリスク回避を最優先するとか。

DeNAの方が積極的にセカンド案件を増やしていて、開発費が高騰してる状況で、SAPに対してリスクを担保してあげていたり。その分、自社の開発リソースの流動性が高められるわけで、闇雲に開発人員と開発ラインを増やしまくった挙句、不調になった途端にバタバタ畳むとか、計画性無さすぎです。

ビジネスって、要はお互いにリスクとリターンをどうシェアして、リターンを最大化していくかって事です。リターンはまず俺の物で、余りカスはお前に恵んでやるが、リスクは背負え、という姿勢は、正直者かもしれませんが、露骨過ぎると、心は離れていきますよね。


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2013-07

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