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ゲーム専用機が二重に終わりつつあるね。

スマートフォンやタブレットに押されているとか、クラウドゲーミングが広がって専用機が不要になっていくとか、色々言われていますね。それに加えてゲーム機メーカーが増えていくという流れも顕在化しつつあります。

Android搭載で無料+アイテム課金のみのOuyaが発表されたほか、会員数5000万人のSteamを運営するValveのSteam Boxも開発が進んでいるようです。

国内でも規模は小さいものの、ハードウェアの販売に踏み切る企業も現れています。
UEI、HTML5向けゲームエンジン「enchant.js」ベースのハードを開発

実は家電の世界では家電ベンチャーが増えています。汎用品が低価格になっている事や、製造のフラット化が進んだ結果として、膨大な投資を必要とせずにハードウェアの販売が可能になっています。デジタル家電を製造する工場を自分で建設する必要は無いんです。無論、数百万、数千万という規模になれば、相応のコストが掛かるわけですけど、別にそこまで普及台数は必要ないんですよね。

例えばアマゾンのKindleがわかりやすい良い例でしょう。アマゾンは全世界に数億の顧客をもち、ほとんどあらゆるデバイスにKindleアプリを提供しています。アマゾンのサービスの利用者は、ハードウェアとしてのKindleを購入したユーザーの数十倍いるのです。だからKindle FireはiPad miniよりずっと安く販売できる。ValveのSteam Boxだって、5000万台も売れる必要はありません。PCで5000万アカウントあるわけですから。

ソーシャルプラットフォームが台頭して、ゲームプラットフォームが乱立するようになりました。プラットフォームにとってハードウェアは不可欠ではなかったのです。そして次に、ハードメーカーその物が乱立し得る時代になりつつあります。


利用者1億、ハードウェア500万というビジネスが成り立つのであれば、参入企業は一気に増えます。ソーシャルプラットフォームの乱立により、ゲームプラットフォームが乱立したように、ゲームハードウェア・プラットフォームも増える可能性があります。

クラウドゲーミングが進んでいくと、1)あらゆるデバイスで最低限の「体験」が保証される、と同時に、2)プレミアムユーザー向けに専用機が提供される、という事が起こり得るわけですね。1)と2)の体験には、当然、粗密の差があります。

アマゾンはもともと流通側の企業ですから、体験の粗密は気にしてません。アップルは体験の密度は非常に気にするので、ハードウェアとソフトウェアを密結合させています。任天堂もアップル側の考え方ですが、マイクロソフトとソニーはどうか? PS4はPSN(=Gaikaiのクラウドゲーミング+従来のPSN)の濃縮体験で構わないし、次世代XBOXはXbox Live(=Windows8のエンタメ部分+従来のXBL)の濃縮体験で構わないのです。

サービスの濃縮体験としての専用機(中身は汎用機)という形が見えつつあります。中身はandroidとタブレットでいいわけですよ。壁紙とかUI部分だけカスタマイズするなら、開発費もたいして掛かりませんしね。それなら、任天堂の10分の1の企業でもゲームハードウェアビジネスに参入できます。

ハードウェアビジネスは膨大なお金がかかるという常識さえ、フラットな製造体制とネットサービスの組合せにかかれば、ふっとんでしまいます。Valveが『ハーフライフ』を世に送り出した当時、Valveがハードウェアを出すなんて、想像した人が何人いたのか?

そうなると、ゲーム専用機ビジネスは普及台数とか、市場規模どころか、概念のレベルで崩壊しちゃいます。ハードウェア=利用者人数ではなくなってしまうのですから。ハードウェアとしてのゲーム機なんてものは、年間一定額以上使ってくれるプレミアムユーザーに無料で配ったって構わないのですよ。

プラットフォームはハードウェアの有無だけでなく、体験としての粗密さにおいても、さまざまに分類できます。プラットフォームビジネスというものがまた1つ次元を加えたというと、大げさかもしれませんが、奥行きが深くなったのは事実でしょう。


ではマイクロソフトとソニーが次の世代でどうするのか。こういう変化は理解できていると思うのですが、なかなか自己変革しきれないでいる、というのが現状でしょう。Windows Vista当時のLIVE構想だったり、久夛良木政権時代のCELL構想だったり、ゲーム機をゲーム機という箱の外に拡大しようという考え方は存在しました。いずれもうまくいきませんでしたが。

何が問題だったのか? マイクロソフトもソニーも結局、クライアント側に偏って物を考えすぎたという事につきます。マイクロソフトはクライアントOSを販売する自社のビジネスモデルに縛られていたし、ソニーは体験の品質を担保しようとしてCELLというプロセッサにこだわり過ぎました。その辺ひっくりめて、任天堂もマイクロソフトもソニーも、3社とも考え方が古かったわけです。

すでにパラダイムはシフトしており、ハードウェアを持たないソーシャルプラットフォームとハードウェアを持つ専用機プラットフォームの対決ですらない。そんなこだわりさえ、無効化してしまうようなルールの変化が起きているのですよ。

ハードウェアでの差別化は年々難しくなっており、次世代PSと次世代XBOXはXbox360とPS3ほどの中身の差は無いでしょう。マルチプラットフォーム展開のしやすさは、全世界のパブリッシャーの強い要請だからです。その圧力に勝てるプラットフォームホルダーは存在しません。Wiiにおいて独自路線を貫いていた任天堂も、WiiUでは大幅な妥協をせざるを得ませんでした。Wiiに比べて中途半端に思える妥協点の数々は、マイクロソフトとソニーに供給されているソフトを任天堂機にも出してもらうための方策によるものです。

任天堂が唯我独尊の圧倒的普及台数を築き上げれば、余所で食えないサードパーティ各社は任天堂機で出さざるを得なくなる……一部の熱狂的な人達が思い描いたストーリーは空虚な夢物語でした。兵糧攻めにあって敗北したのはサードパーティではなく、Wiiだったのです。Wiiの後半は惨めな餓死と言えます。

移植しやすさを担保するなら、性能は似通っていきますし、それでも違いを出すとするならインターフェースになりますが、あまりに違えば移植してもらいにくくなるし、本体コストも高くつきます。挙句の果てがタブコンでしょう。それを4台揃えさせるのが難しいから、従来型のコントローラとの併用になり、「非対称ゲームプレイ」という制約が生まれてしまう。実に馬鹿馬鹿しい話です。


結局は体験で差別化する他ないんですよね。そこから逃げては何ともならない。
まー、本当は各社わかってると思うんですよ。任天堂にしても、好きこのんで未完成なゲーム機を発売したかったわけじゃないでしょう。最低限求められる水準が上がってきた。キャッチアップするのに精いっぱいで、それさえし切れなくて、言い訳のように独自性を語って、誤魔化せない部分をせっせとアップデートしていく……。

Wiiでさぼったツケを支払い続けてるわけです。本体ソフトウェアもネットワークサービスも、開発リソースを継続的に投入し続けなければいけないものです。その割に新卒採用人数が急に半減しているあたり、ご自慢の貯金は何のためにあるんでしょうか……。

任天堂、背水の陣 岩田社長の覚悟
「WiiUで結果を出し、収益を回復することに私は責任がある。環境が激変する今、私の進退がどうこうと話すのが適切とも思わない。それに、もし(WiiUが)不発に終わったらと考えたらきりがない。どんなに自信を持って作っても、評価を決めるのはお客様。最後は『(こんなゲームが)できました』と祈るようにお客様の前に差し出すことしかできない。お客様が期待通りに受け取ってくれなかったら、いかに早く補正していくかが自分の役割だ。結果を出せるよう、自分の全能力をかけて当たるつもりだ」。岩田は慎重に言葉を選びながら答えた。
(略)
 「このビジネスがどういうものか、今でも私以上によく知っている人です。だから結果で私を責めることはないと思うが、本当のお気持ちは私にもよく分かりません。株が(以前に比べ)下がって嬉しいとは思わないはずですから…」
まー、過程で評価してもらえるのは従業員までで、経営陣は結果責任を求められますからね。どういう結果になり、どういう責任を取るのかは知りませんが、仮に上手くいったとしても、現政権もかなり長期に続いていますから、次代につなぐ準備は考えなければならないでしょう、当然。

1つ残念なのは、3DSとWiiUの構想時期が近すぎたこと、すなわち天狗の鼻が伸び切った頃に考えた構想であり、ゲーム機という事です。3DSの反省をじゅうぶん活かせないですよ。基本コンセプトは変えられないんですから。そういう意味では、みっともなく首の皮が1枚残った状態でも、3DS&WiiUとは異なるコンセプトの「次」を出してほしいものですが。

いやー、まー、時価総額が10兆円近くまで上がって、アップルやグーグルと並び賞賛されて、調子に乗ってしまうのは仕方ないと思うんですよ。人間だもの、しょうがない。そんな人間達が作った商品が屑みたいな機械になってしまうのも自然の結果です。WiiUまでは、当然の結果なんですよね。

そういう意味では、基本コンセプトの段階から考え直せる「3DSの次」や「WiiUの次」でどんなものを出してくるか、じゃないでしょうか。またまた2画面携帯機とか、面白コントローラ据置機を出してきたら、失笑極まれりですが。

それでも今の世代でやれる事はあります。ネットワーク周りは積み上げが物を言いますから、3DSとWiiUの世代でどこまで積み上げられるかです。アイデア重視とかほざいて、やるべき事を怠るのはただの怠惰です。同じ失敗は繰り返さないでほしいですね。


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