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地盤沈下しているという認識の中で再構築していく他ないのよね。

日本そのものについて、これからの日本に期待している人がどれだけいるのか。そう考えれば、ゲーム業界だけが突出して期待される方が不思議な話です。地盤が沈下している中、娯楽産業だけが浮き上がるのは難しい。日本のあちこちで起きている現象であって、ことさらゲーム業界だけ槍玉に上げるのは無理があります。
しかし次の「ゲームは日本が世界に誇れる産業だと思いますか?」という質問では「強くそう思う」、「そう思う」、「少しそう思う」と答えている人がほとんどで、「思わない」と回答したのはわずか10%であった。日本のゲーム業界は技術的には海外のゲームデベロッパーに抜かれてしまってはいるが、世界に誇れる物だという認識がまだあるのだろう。
(略)
最後に「海外のゲームソフトと日本クオリティ差」の項目では「日本をわずかに超えている」、「日本をはるかに超えている」と答えた人が会わせて64%もおり、日本のゲームクオリティは海外に負けていると思っているユーザーが大半のようだ。

技術はある程度まではいくら投資したかが反映されます。
より大きな市場をもち、その市場で売れるジャンルを抱える会社がより巨額の投資を続けて、さらに強大になっていくのは自然な流れです。一定の大きさを誇っていた国内市場に依存しすぎた日本企業が、海外に押されていくのも当然です。それほど日本と海外で売れるジャンルは異なります。

海外市場をリサーチして研究開発すればよいというのは道理ですし、今後はそこが問われていきます。が、もともと国内市場が小さかった韓国などに出遅れてしまうのは、家電などでも起きた話であって、足元の(高利益な)ユーザーが国内、社員も経営者もほぼ国内、という状況で、国内依存を避けるのは難しかったのは事実でしょう。これからの立て直しが重要。

数年前には「でも●●は違う」という意見もあり、そこに任天堂やカプコンあたりが含まれていたかもしれませんが、今この2社だけを別格として礼賛する人はいないでしょう。以前から売上に占める海外比率が高いだけに、他社と比べて比較的パッケージゲームの開発を維持できているのは確かですが、構造として国内感覚が強いのは変わりません。

カプコンが依存している『モンハン』はほぼ国内のみの市場です。任天堂は全世界で売れるIPを最も多く抱えている企業ですが、据置ゲーム機における退潮傾向が北米市場で鮮明になっており、近年のゼルダも不調。根幹のゲーム機戦略にしても、3DSは狭い国土と電車通勤文化に依存した「すれちがい通信」などに基軸に据えて、海外では魅力のない機能をごり押しする羽目になってます。Wiiのネットワーク戦略の失敗も、(北米に比べて)ネットに対する抵抗感が強い日本人センスが裏目に出た結果ともいえます。

無論この2社は相当マシな側ではあるし、海外売上の比率も高いのですが、要はそういう企業であっても、開発や経営、社員構成が日本に依存しすぎており、その弊害からは逃れようがない、というシンプルな事実が明らかになりつつあるのです。

個々のコンテンツが当たった、外れたという個別の戦いを積み上げても、大きな構造での戦いに勝てるはずもない。そこは謙虚に反省し、転換するほかありません。そしてそれはゲーム業界に限った話ではありません。


ユーザーの期待感うんぬんでいえば、日本のゲーム産業が立ち直る荒療治を断行するには、その過程において日本のユーザーの望まないゲームに開発リソースを割く期間が不可避に発生するでしょう。日本の大手企業の失敗というか不運は、海外市場で売れるようになるまでの間、日本のユーザーからも、海外のユーザーからもそっぽを向かれるソフトを出し続ける体力と根性が無かったことです。

海外向けと号令をかけて、いきなり売れるようになるわけもなく、売れないソフトを出しながらも、改善を加えていき、アプローチを見直し、時には組織構造にもフィードバックを掛けながら、売れるソフトを生み出せる体制を構築するほかありません。ただ、それにはえらく時間が掛かるわけで、それまでの期間赤字を垂れ流し続けることができるかどうか。それが許されたかどうかにすぎません。

2000年以降の10年間で、投資する時間は十分あったはずですが、資本投下という点では無理だったという事です。大手企業がさらなる大合併を進めていれば、資本体力はついたでしょうが、国内市場のボリュームがあったので、統合する方向には進みませんでした。「日本は家電メーカーが多すぎる。韓国みたいにもっとまとめた方がいい」という議論と同じ事は言えるのです。


海外においても、アクティビジョンブリザードの身売り話や、EAの買収の噂など、超巨大パブリッシャーもとても安泰とは言えませんから、日本のゲーム業界だけを槍玉に上げるのはちょっとおかしいのですが……。比較的好調なUbiSoftにしても、WiiU向けの投資金額は限定的ですし、携帯ゲーム機の比率は小さく、ソーシャルを含むその他分野が急激に伸びています。
パワーシフトが起きている中でどこに付加価値を持つべきかという視点が必要であって、足元への戦略的な再投資も含めて、見直すべき時期ですね。


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アニメという娯楽の世界に嫉妬せざるを得ない

細田守監督「おおかみこどもの雨と雪」が大ヒット! 21、22日の2日間で興収3億6515万円、スタート土日の比較では「コクリコ坂から」(最終44・6億円)と拮抗
ポスト宮崎駿という評価を一部で受けていた細田守監督の『おおかみこども』が好調なスタートを切ったようです。

『時をかける少女』『サマーウォーズ』ではまだ知る人ぞ知るというマイナーな匂いも残っていましたが、今作は完全に一般層に体当たりしていますね。観ましたが、親子物に弱いという個人的嗜好を除いても、大変心動かされました。御大の絶賛もうなずける内容。

エンタメ的な物語のラインに安易に帰着されない、映画の新しい手触りが確かにあります。筋書きだけの力ではなく、一方で過剰までの描写の積み上げにも依存しすぎていません。ありそうだが無い、無さそうだがある、という身近なファンタジーを生み出しています。

子供時代に山に出かけた際に体験した事のあるような何かを感じさせるディティールを積み上げていますが、それは決して過剰ではありません。ジブリが自然を生き生きと描きすぎるのに比べて、あくまで人間の世界は自然の外にあるという描き方で統一されており、(受け取り手の世代にもよるかもしれませんが)今作のほうにより身近なリアリティーを感じていました。

無論、プロットも良くできているのです。親の子離れ、子の親離れという普遍的なテーマが、人間か狼かという境界線によって、より際立っています。しかしそれも、上述のような自然と人間世界との距離感があってこそです。リアルなドラマであると同時に、間違いなくファンタジーでもあるという、絶妙なバランスが成立しています。このプロットを元に実写ドラマを撮ることは不可能ではないでしょうが、このドラマとファンタジーの見事なバランスは、アニメでしか作れなかったのだと思います。


産業としてのアニメは年々悪化しているようにさえ見えますが、クリエイティブという意味では、次代へ継承されているのだな、いえ、次代で新しい物が生まれているのだな、と感じられ、ゲームに身を置く人間としてはある種の嫉妬をおぼえます。

ゲームは産業としてはアニメよりも堅調ではあるものの、堅調さを維持する事の中で急速に色々なものを失っているように感じられます。5年先か10年先か、次代へ受け継がれるものが壊滅したかのように思われる頃になって、次代において新しいものが生まれると良いな、と思います。


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2012-07

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