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パワーバランスの変化ですかね。

ゲーム業界全体として、ソーシャル系の売上比率が上がってきており、欠かせない一角を占めています。
2011年度ゲーム関連上場企業30社の決算状況を見る

興味深いのは、大手ソフトメーカーにおいて、ネットワーク事業系の役員が力を持ち始めていることです。

バンダイナムコゲームス
バンダイナムコゲームスは、元バンダイネットワークスの大下氏が社長に就任しました。元ナムコの石川祝男氏が会長に退いたことや、旧ナムコがバンダイナムコスタジオとして分離されたことなど、旧ナムコのパワーが後退して、バンダイ側が権勢を強めています。

セガサミー
セガサミーでは、ネットワーク事業をセガネットワークとして新会社に分離しました。里見会長の息子である里見治紀氏が社長に就任しており、将来の成長性が高い分野をゲーム事業から切り離し、サミーつか里見氏サイドが牛耳るという構造変化が起きています。

あのOE研も当然そちらに吸収されていますが、トップの菊池氏は『龍が如く for GREE』を手掛けており、コンシューマーゲーム部門の事実上のトップである名越氏の部下だった人物でもあります。

名将が将来伸びる場所に部下を送り込んだのか、ある種の下剋上的な野心を抱いて部下が名将の下を去ったのか、その辺は外野からはよくわからんのですが、現時点においてコンシューマーとネットワークの両事業に顔が利くポジションというのは強みですね。

コナミ
ゲーム大手の中では最もソーシャルゲームで成功した企業であり、関連事業の役員も出世しています。またこちらも面白いことに、ドラコレスタジオのエグゼクティブプロデューサーの兼吉氏が小島監督の下でメタルギアシリーズを手掛けていた人物だという点。名将が(ry

上記の3社はネットワーク事業系の役員やメンバーが権限を強化しており、パワーバランスは覆った~ほぼ覆りつつある状態と言っていいでしょう。それ以外の大手、スクウェア・エニックス、カプコン、任天堂はまだそこまで行っていません。

改めて、ネットワーク事業への転換が進んでいる3社は、コンシューマーゲームでのブランドパワーが弱い傾向があり、スクウェア・エニックス、カプコン、任天堂はコンシューマーでのブランドパワーが強い3社と言えます。


その中でスクウェア・エニックスはアイドスの買収等もあって、パッケージゲームでまだまだ世界戦を続けていく意欲も感じ取れなくもないのですが、その一方で『戦国IXA』『拡散性ミリオンアーサー』等のソーシャルゲームも着実に成長しており、FFとドラクエが共にオンラインゲームになるなど、ネットワーク事業への転換も見られます。

各方面での成功がそれぞれバラバラの部署で起きており、糾合されないあたり、パワーバランスが大きく覆らない一因ではあるのでしょうね。3~5年以内の地殻変動はありそうな予感もします。しかし多方面に展開しすぎているせいで、一方面で成果を挙げても影響が限定的で、容易にバランスが崩れない構造になっているようにも……。

和田社長の決算説明会での説明によれば、ヘッドクォーターの機能を北米、欧州へ分散するという戦略のようなので、J/A/Eがバラバラになってプレゼンスが弱体化したSCEみたいにならないといいなあ……と思います。

カプコンはネットワーク事業での売上は着実に伸びていますが、やはりコンシューマーゲームでのブランドが強すぎて、権力構造が覆る可能性は相当低い印象です。竹内氏、小林氏の後にはいよいよ辻本氏が控えてますし、ネットワーク事業系の幹部が入り込む隙が無い。このまま順当に辻本幕府の完成ですよねえ……。


任天堂は三大権力者のパワーバランスが崩れる何かが起きない限り、スピード感のある改革は難しいでしょう。が、敵対関係にあるという程ではないはずなので、お互いの顔を見ながら、ゆっくりとは変化していくのかな、と思います。

まー、Wiiチャンネルから何かしら芽が出ていたら、岩田社長の後光が強まって一気に物事が進んだのかもしれませんが、残念、サービスを回すセンスが無かったです、という結論でした。専用機ビジネスが弱体化していく流れの中で、ネットワーク事業の強化とIP事業の拡大という2つの選択肢にベットする他ありませんが、結局この会社にマッチするのは後者なんじゃないかなと思います。Zyngaではなく、Rovioであり、ディズニーなんだと。

IPをぶん回すという点ではゲームキューブ時代のカービィーやF-ZEROなど黒歴史っぽいのもありますが、この辺をどう強化していくか。ポケモンが設立されたのも、権利関係が複雑になったという理由もありながら、一方でIPぶん回すのが苦手というのもあったわけで、普通に考えると、IPぶん回す別会社を東京あたりに設立して、数年後の実績を見て、本体に吸収して幹部として迎えていく、みたいなパターンですかねえ?

ネットワーク事業については、三巨頭のどこかに紐づけると、色々とアレであるし、つかそれで上手くいくなら、Wiiチャンネルの頃にもっと上手くやれたはずだよな~。ネットワーク推進派の岩田社長が最も権勢輝いていた頃なのだし。mixiあたりを買収しても腐らせるだけだろうし、そもそも海外売上比率が8割の任天堂が日本オンリーの衰退SNSを買うメリットも無いしねえ……。

つーわけでネットワーク事業は遅々と進むんじゃないかと予想しております。今のうちに何かやっておくなら、IPの横展開のノウハウを蓄積しておくことかな、と。ゲームだけ作ってちゃいかんという事で。本体はそれでもいいけど、ディズニーを見習って、グループ内企業として色々と種を蒔いておくべきでしょうね。


総括すると、カプコンと任天堂は天上天下唯我独尊で頑張っていただきたい、という事でひとつ。


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2012-05

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