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地獄の蓋は開きかけている。

下記の記事を見て、なんだ、こりゃ!?と思ったので。
任天堂は以前からコンプガチャを否定していた
『FE覚醒』の追加DLCは、ただの追加データ配信ではないでしょう。

実際この記事には突っ込みも入っています。
はてなブックマーク - [NS] 任天堂は以前からコンプガチャを否定していた
FE覚醒で軍資金や全能力+2のアイテム、上級職をDLCで売ってるんだけど・・・クリエイティブへの対価という考えを捨てて、短期的な収益を目指す方向に転向したのかな?

引用元の記事では、アバター販売を「アイテム課金」に、FE覚醒の追加DLCを「追加データ配信」に分類していますが、これはちょっと違和感があります。

FE覚醒の追加DLCは、本編だけでは物足りなかったユーザー向けの外伝ストーリーという性質のものではありません。本編よりも効率よく稼げるマップや、報酬としてパラメータ上昇アイテムや、(本編では手に入らない)上級職がセットになっています。より正確にいえば、FE覚醒の追加DLCは「追加エピソード」+「追加ユニット」+「時間短縮系、効率UP系」+「追加パラメータ」というべきです。

追加エピソードをプレイした「報酬」だから、アイテム課金とは違うのだ、という意見もあるかもしれませんが、追加エピソードを購入しない限り入手できない報酬がある以上、ただの追加エピソード配信とは性質が異なります。

世の中の「無料+アイテム課金」ゲームの中には、無課金プレイヤーも課金プレイヤーも共に得られる報酬は同じで、掛かる時間だけが違う、というゲームもあります。それに比べれば、「報酬」という形を取っているにせよ、『FE覚醒』の追加DLCはゲームバランスにおける課金プレイヤーの露骨な優遇以外の何物でもありません。

商売としては正しいが、ゲームとしては正しくないと思った。
ゲームを工夫して遊ぶ面白さ。
例えばドラゴンクエスト等のRPGでレベル上げがしんどいなって思うことは多々あります。そう考えれば、今回のDLCは素晴らしい救済処置かも知れません。ですが・・・プレイヤーから「ゲームを工夫して遊ぶ面白さ」を奪ってしまった気もします。

レベル上げがしんどい。そこでプレイヤーは「どう効率よくレベルをあげるか?」と考えると思うんです。それは一つの”ゲームを工夫して遊ぶ面白さ”だと思うんです。
(略)
任天堂は「ゲームを楽しくすることに努力を惜しまない会社」。これは昨日も書きましたし、今でもそう思っている。だからこそ「ファイアーエムブレム 覚醒」のやり方は凄く任天堂らしくない!

先日言った通り、商売として任天堂は間違ってない。けど、ゲームとしては正しくない気がする。DLCの値段が高いとかの問題じゃないんだよね・・・。

資金も経験値も金で解決!ってそれでいいのか。3DS「ファイアーエムブレム 覚醒
本作のウリのひとつである「すれ違い通信」でやってくるユーザーの多くは
高級武器をリストに目一杯詰め込んでやってくるため、
まともなプレイではまず歯が立たない。
闘いを挑むには武器が貧弱過ぎるし、スカウトするには資金が足らない。
DS時代から長年「すれ違い通信」をやっているが、
見知らぬ誰かが「不愉快」を運んできたのは初めてである。

やってもみずにアレルギー反応を起こしてばかりでも何なので
試しに300円支払って資金が増やし易いマップを購入してみたところ
2~3回遊んだだけで数万も稼ぐことが出来た。
高級武器をチマチマと輸送隊に預け、鉄や鋼でやりくりしていたのが
バカらしくなるほどに簡単である。
金塊を持っている敵がステージ外に逃げ切る前に仕留める必要もないし、
銀装備や上級魔法を全員に持たせることも余裕。武器の改良もやりたい放題。
そして、今度はそれと同じことを経験値でもやると。

本当にそれで良いのだろうか。

クリア後のご褒美として経験値が2倍になったり
そのままのレベルで初めからプレイできるのとは訳が違う。
任天堂は改造ツールなどには否定的だったはずだが
本作で行われているのは、いわばメーカーオフィシャルの改造ではないか。

実際に違和感をおぼえているユーザーも少なくないようです。
率直にいって、岩田社長の過去の発言からすると、かなり違和感のある踏み込み方です。純粋な追加エピソード+追加ユニットぐらいに留めておくのか思いきや、事実上の「時間短縮系」課金ではないですか。

ゲームプレイが伴っているから、別に問題ないというなら、例えば
  • 本編よりも報酬やドロップ率がずっと高い追加配信マップ
  • 本編では決して手に入らない装備が入手できる追加配信マップ
  • 本編ではものすごく低確率でしかドロップしないレアアイテムが高確率でドロップする追加配信マップ

というDLCはOKという事になりますね。
それって、マップデータをプレイしなければならないだけで、「時間短縮系」「確率操作系」課金アイテムと何が違うんでしょうか?

上記の3つの例の一番最後などは、ガチャと何が違うのって話になりますよ。
無料ガチャではものすごく低確率でしかレアアイテムがドロップしないが、課金ガチャなら高確率でレアアイテムがドロップする。おおらかな時代のガチャは、まー、そんなものだったわけです。あっという間にエゲツなくなりましたが。

オンラインゲームの「無料+アイテム課金」にも色々なパターンがあり、単純でわかりやすいガチャに依存してても仕方ないという指針で、あくまでゲームプレイの際のドロップ率を操作する「確率操作系アイテム」という形になってるものもあります。

無課金プレイヤーでは、どうあがいても課金プレイヤーとは同じ物が入手できないゲームもあれば、途方もない時間をかければ入手できるゲームもある。無課金プレイヤーと課金プレイヤーの差を明確にするか、あいまいにするか、ほとんどなくすかは、ゲームが対象とするユーザーにあわせて設計されているんですよね。

ソーシャルゲームはすき間時間にプレイするものだから、課金の結果がわかりやすく提示されるケースが多いってだけなんです。


それでは『FE覚醒』の追加DLCといわゆるアイテム課金に違いは無いんでしょうか。ぶっちゃけ広義にはありません。パラメータ上昇アイテムだの、稼ぎ効率UPだの、本編にはない上級職を入れた時点で、本編では物足りない人に追加で楽しんでもらうなんていう大義名分は地に落ちています

広義には差は無いんですが、狭義には1つ明確な線引きがあります。

それは複数個買えるかどうかです。
線引きするなら、単数買いが基本の追加データ販売(=追加アイテム配信)と複数買いが基本の消費アイテム販売という区切りが妥当です。

わかりやすく例示するなら、「レアアイテムが高確率でドロップする追加配信マップ」と「レアアイテムが高確率でドロップする追加配信マップに入るためのチケット(1回使うと無くなる)」は意味が違うよね、って事です。後者の場合は、ゲーム提供者側に「できる限りたくさん買わせたい」という動機が生まれやすい

レアアイテムがドロップする追加配信マップでの、レアアイテムのドロップ率次第では、プレイヤーに何度も何度もチケットを購入させられます。ゲーム会社の側に儲かるような確率設定をするインセンティブが働くわけです。いくら使えば、目当てのレアアイテムがドロップするか、プレイヤーにはわからない

アバター装備も、ユニットも、それが複数買いされる前提になれば、ダブる事になる。しかし複数買う意味がなければ、1個で十分です。だから使えば使うほど摩耗していったり、複数の装備やユニットを合成してより強力な装備やユニットを生み出せるようにする。ダブるからユーザー間のトレードも生まれる。

ダブりを生まれやすくするのは、ガチャだったり、ゲーム内のドロップです。ダブるからこそ、購入したアイテムを売却したり、トレードしたり、ギフトする行為が生まれ、無課金のユーザーがダブったアイテムを入手しやすくなる。価値の交換が行われるのです。すなわち「経済」の始まりです。

コンシューマーゲーム機の追加DLCは大抵の場合、同じ物を買えるのは1個だけです。これは当時話題になった『テイルズオブヴェスペリア』の回復アイテムセットやゲーム内通貨セットも同様です。一部、消費アイテムを複数購入できるゲームもありますが、ゲーム機においては、まだまだ少数派の事例です。これはゲーム機メーカーが提供しているDLCのシステムの都合、という部分もあります(少なくとも当時は)。

ただこの部分を自由にしないと、本格的なF2Pビジネスには踏み込めません。逆にいえば、ここを開放したら、露骨なガチャではないにしても、実質的にはそれに近いことをいくらでもやれます。おそらく確率設定に制限をかけるか、プレイヤー1人あたりの課金額に上限を設定しない限り、スマフォのソーシャルゲームと大差ない状況になっていくでしょう。

整理すると、下記のようになるでしょうか。

追加データなし

単なる追加データ ※効率性には影響せず、報酬も本編で入手できる内容のみ

------------- パッケージの壁 -------------

1個のみ買える追加アイテム ※効率性に影響、ゲームバランスに影響 (FE覚醒はここ)

------------- 経済発生の壁 -------------

複数買える追加アイテム ※ダブるためトレードなども可能な事が多い

------------- 高射幸心の壁(?) -------------

ガチャにより高速サイクルでアイテムがダブっていく。射幸心を煽りやすい。

経済の扉が開くのはいつか?
無課金であっても、ユーザー間のアイテムトレード機能が盛んになり、そこに効率性を変化させる追加アイテム(1個のみ買える)が入れば、かなり近似した状況になります。

村で暮らすゲームがあったとしましょう。友達に魚をプレゼントでき、300円の釣竿を一本買えば、ゲームが下手な人でも通常の2倍多く魚が取れる、魚の出現率さえ変わってくる、なんて事があれば、「たった300円で魚を気前よく振る舞うお大尽プレイができる」という気持ちよさは魔性の魅力を放ちます。

釣竿が毎月新しい物がリリースされ、「今月の魚」に特に効果のあるアイテムだとしたら?
毎月買う人もいるかもしれませんね。

釣竿に使用回数制限があり、やがて摩耗して使えなくなるか、特殊効果が失われるとしたら?
ヘビーに遊び人は何本も買うかもしれませんね。

釣竿がガチャで手に入り、釣竿同士で合成ができるなら?
強力な釣竿を作るため、何度もガチャを回すかもしれませんね。

一度、効率性をいじる物を出してしまえば、あとは個数制限の問題に他なりません。パッケージの枠内に本気で留まりたいなら、効率性をいじるのはご法度です。効率性をいじるなら、パッケージの壁はとうに踏み越えてしまっている。

ただね、追加DLCなんて言っても、効率性をいじるような商品でなければ、なかなか売れやしないんです。

そりゃそうでしょう。本編だけで物足りないお客さんなんて、本編を買った人の何割いるんですか? ゲームを購入した人全員がゲームをクリアしているわけじゃありません。大目に見積もって仮に半数がクリアしたとしましょう。その中で本編で「満腹」せずに「おかわり」をする人ってどれだけですか。大目に見積もってさらに半数として、結局パッケージ購入者の1/4が対象って事になります。

本編内のコンテンツと本編で物足りなかった人向けの追加コンテンツでは、売上(の機会)という点で4倍違う。同じコストを掛けるなら、乱暴にいえば4倍高く売りたいか、コストは1/4で抑えたいってもんですよ。しかもこの購入者が1/4ってのは楽観的な仮定の数字です。

追加DLCって、本編だけで物足りない人だけを対象にしていたら、割に合わないんですよ。だから様々なバリエーションが生まれるわけで。そして効率性UPに踏み込めば、いよいよ「地獄の蓋」が開きかける。お為ごかしをどれだけ並べようが、蓋はもう開きかけています。いずれ開くのは確かでしょう。


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2012-05

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