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2011年の総括は?
今年は「ソーシャルゲーム」の定着が進んだ年でした。
まずコンシューマーゲーム業界の状況を見てみましょう。
次にソーシャルゲーム業界の様子を見てみると……。
また旧来のパッケージビジネスも、限界が露呈しつつあります。
ソフトのブランドパワーという意味でも変化が顕著になっています。
シェア争いでは任天堂一強の時代は過去のものになり、ソーシャルゲーム2強が着実に時代をリードしています。任天堂もSCEも従来型のソフトを超える提案はできていません。
ついでにエロゲー界も見ておくと、
ソーシャルゲーム関連の企業を除いて、国内のコンテンツ企業各社がほぼ内向き=国内向きに転換していたのも、なかなか象徴的でしたね。大組織を維持するための大きな売り上げを確保するため、海外市場に向かって大予算で侵攻を開始したものの、見事に爆沈してしまい、結果として市場の縮小にあわせたサイズに組織をスリム化する羽目に。
折よくソーシャルゲーム市場が伸び、任天堂が自爆ってる間にもその横には堅調なPSP市場があり、まー、ぶっちゃけ、どっちも国内市場にすぎないわけですけど、その「国内の蜜」を吸っている間に、組織の配置転換とスリム化を推し進める。『ドラコレ』でしこたま儲けているコナミがコンシューマー系の人員をむしろ削減に走っているあたり、ブームが過ぎ去った後の最悪ケースを想定しているな、と思います。相変わらず冷徹すぎて怖いよ、ホント。
まずコンシューマーゲーム業界の状況を見てみましょう。
- 大手ゲームソフト企業において、ソーシャルゲームの売上が大きく拡大し、収益面で無視できない柱になった。
- 『ドラコレ』の大ヒットで伸びたコナミを中心に、コンシューマー部隊の配置転換とリストラが進み、コンシューマー開発要員のスリム化が進んだ。
- ゲームソフト開発スタジオにおいても、ソーシャルゲームやスマートフォン案件への切替えが進んだ。
- 『ガンダムロワイアル』でバンダイナムコが国内ソーシャルに積極的になり、モバゲーと組んでBDNAを設立した。
- 国内のパッケージゲーム市場の縮小が明確になり、ソーシャルゲームやアイテム課金制への転換が強く叫ばれるようになった。
次にソーシャルゲーム業界の様子を見てみると……。
- ベンチャー系SAPの勝ち/負けが鮮明になり、モバゲー陣営、グリー陣営ともに、月次売上で10億円以上のSAPが誕生している。
- ソーシャルゲーム関連企業の上場が始まっており、来年まで上場は続く。
- 世界最大のソーシャルゲーム企業であるZyngaがIPOを果たした。しかし利益率で日本のソーシャルゲーム企業と比較され、評価が伸び悩みつつある。
- グーグルがGoogle+でfacebookに競争を挑んだ。
- iPhoneとandroidの競争が激化しつつ、スマートフォンの普及が加速している。
- スマートフォンへの普及とカードバトル系が流行るにつれて、グリーがモバゲーに追いつき、追い越した。
また旧来のパッケージビジネスも、限界が露呈しつつあります。
- 3DSの立ち上がりが不調で、1万円もの大幅値下げを必要とした。携帯ゲーム機の適正価格に実質上限がついたともいえる。
- 物理パッケージ版とダウンロード版が同時展開されるPS Vitaが発売になった。
- 限定版にダウンロードコードが付くのが当たり前になっただけでなく、ソーシャルゲームのアイテムコードがつく事例も増えた。
- スマートフォン市場では無料+アイテム課金が当たり前になってきた。
ソフトのブランドパワーという意味でも変化が顕著になっています。
- カプコンのハードメーカーに対する『モンハン』の影響力がさらに拡大している。
- スクウェア・エニックスの『FF13』『FF14』の不評により、『FF』のブランドパワーが低下した。
- 任天堂の『マリオ』は健在。『ゼルダ』は国内での退潮傾向がさらに鮮明になった。
- バンダイナムコのオタク向けのブランド『テイルズ』『アイマス』がPSフォーマットで復調してみせた。
- コナミはコンシューマー事業をさらに縮小させており、残るブランドタイトルの先行きが不安。
- レベルファイブはライト向け、子供向け以外では失速しており、早期のプラスアルファ版投入で、流通とユーザーからの信用を低下させている。
- イメージエポック、日本ファルコム、アイデアファクトリーのような中小企業がPSフォーマットで堅調。インデックス(アトラス)もコンシューマー事業が手堅い。
シェア争いでは任天堂一強の時代は過去のものになり、ソーシャルゲーム2強が着実に時代をリードしています。任天堂もSCEも従来型のソフトを超える提案はできていません。
- 任天堂は3DSで定番物が主体の展開。『脳トレ』クラスの提案はできておらず、ライトユーザーの獲得は不透明。
- 1万円もの大幅値下げと有力タイトルの投入で、やっと初期のDS並みに復調しているが、DSの一大ブームに匹敵する社会現象は生み出せそうにない。
- WiiUは誰もがジョークと認めるような状態。Wiiがここまで死んでいる状態で、「U」が出てきても印象が良くない。どうすんの?
- SCEはソフト面では特に見るべき点なし。
- Vitaの課題は新しいビジネスモデルの浸透にある。
- グリーは『ドリランド』を筆頭に、自社タイトルの育成と拡大に力を入れて、マーケットを拡大させた。
- 2倍近くあったモバゲーとの差を縮めたのは見事。
- モバゲーはロワイアルの成功体験に溺れ、『忍者ロワイアル』というシュールなジョークをかまし、ソフト面では怠惰の極み。
- ngmocoというスクラップへの投資を誤魔化し切れていない。
ついでにエロゲー界も見ておくと、
- マーケットの縮小が激しい。
- 『Rewrite』もなあ……。
- 『穢翼のユースティア』、良かったけど売れてないね……。
- ニトロプラスはもうエロゲ屋じゃなくなった気がする。TYPE-MOONも版権企業になっちゃった感が。
- エロゲー市場がもたないのは予想されていた事であって、脱出に成功している一部の大手&ブランド企業は見事に生き残りへの道筋をつけている。
- でもまー、大作がコンスタントに出なくなった影響で、ますますエロゲー市場が微妙になったような、拍車がかかったような気がする?
- ライトノベル方面に人材も流れてしまったしなー。地味にじわっと効いてるよね。
ソーシャルゲーム関連の企業を除いて、国内のコンテンツ企業各社がほぼ内向き=国内向きに転換していたのも、なかなか象徴的でしたね。大組織を維持するための大きな売り上げを確保するため、海外市場に向かって大予算で侵攻を開始したものの、見事に爆沈してしまい、結果として市場の縮小にあわせたサイズに組織をスリム化する羽目に。
折よくソーシャルゲーム市場が伸び、任天堂が自爆ってる間にもその横には堅調なPSP市場があり、まー、ぶっちゃけ、どっちも国内市場にすぎないわけですけど、その「国内の蜜」を吸っている間に、組織の配置転換とスリム化を推し進める。『ドラコレ』でしこたま儲けているコナミがコンシューマー系の人員をむしろ削減に走っているあたり、ブームが過ぎ去った後の最悪ケースを想定しているな、と思います。相変わらず冷徹すぎて怖いよ、ホント。
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