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三分の計ならぬ四分割の時代

東京ゲームショウの業界デーが終わりましたが、全体として目を引くような発表は無く、事前に新情報が公開されていく流れがますます強くなってきましたね。読者の皆さんの感想はさまざまあると思いますが、どこか一強が市場を制する情勢ではなく、四強がそれぞれ異なる路線を打ち出し、先行きが混沌としてきました。


3DSの立て直しを図る任天堂
大幅値下げ、モンハン発表、自社の続編ラインナップの発表によって、3DSのイメージ回復を図る任天堂。しかしカプコンと任天堂は共に株価が下落し、近視眼的な効果しかないという冷徹な評価を食らいました。任天堂がソーシャル路線を打ち出すか、それに変わるまったく新しい何かを発表しない限り、株価の回復はなかなか厳しいものがあります。

つか、3DSの立て直しにリソースを使う以上、WiiUの立ち上げはますます危険になるのは自明で、本来据置ゲーム機で発売されるはずの『モンハン4』をWiiUに引っ張ってくるならともかく、3DSに誘致した事により、「WiiUはどうするの?」という点が普通に疑問です。

「無料+アイテム課金」という狭いスキームではないにせよ、もはやソーシャルネットワークを無視してゲーム機ビジネスを考えるのは難しいところまで来ています。独自性では任天堂以上のアップルにしても、ソーシャルプラットフォームとの連携はきわめて重視しています。どこを受け入れて、どこは拒むのかをきちんと自問自答して、新しい戦略を打ち立てるべきフェーズに入ったのは明らかです。


ゆっくり着実にPS VITAを立ち上げるSCE
3DSをはるかに超える性能を持つPS VITAは、ローンチタイトルの数が前例のない程多く、中小を始めとして幅広いゲーム会社の協力を取りつけたのはさすが。PSPの堅調なマーケットを安定的に受け継ぐことが期待されます。

しかしローンチについてはHDバージョンや移植、リメイク系のタイトルが多いのも確かで、全体的に小粒。E3で発表され、比較的期待されていた『Gravity Daze』がローンチに出てこなかったのは意外で、あまりにタイトルが多すぎるので、サードパーティに遠慮したのかと思うほど。

とはいえ、発売日が12月17日と遅く、年内の出荷台数が限られている状態で、多数のタイトルがひしめく中、さらに強力なタイトルがいくつも出てきても、お互いに食い合うだけですから、ソフトの「渋滞」が解消するまでは致し方ないのかもしれませんね。

じっくりゆっくり立ち上げていこうというSCEの狙いはよくわかります。PS VITAと3DSのユーザー層の違いは明白であり、その差別化ができている間は、焦る必要はありません。無論、長期間ユーザーを待たせるのは問題ですが。

VITAについて問題なのは、ブラウザゲームのような「無料+アイテム課金」型の展開と、ゲーム以外のアプリの展開です。コアゲーマー向けで売っていくなら、この2つは前面に押し出してもアピールにつながりません。幅広いビジネスモデルに対応していこうとする姿勢は立派ですが、あれもこれも同時に見せようとして、アピールが弱くなってしまっているのも事実。

PSNを核にソーシャルプラットフォームを拡充し、そこにゲーマーでも楽しめるオンラインゲームやブラウザゲームを揃えていく。やりたいことはわかりますが、そこまで整備する時間はあまり無いでしょう。極論としては、モバゲーとグリーのどちらか片方と包括提携をする等の大胆な施策も視野に入れるべきですね。


ゲーム業界での存在感を示したグリーと「名より実」を取ったDeNA
社長の発言が一部の反感を買ったとか、ブースへの人の集まりがイマイチとか、問題が無いでも無いですが、その辺は小さなことであって、最大規模のブースを出展し、SCEと同じく基調講演もおこなったことで、ゲームショウにおける存在感はじゅうぶん示しました。

ゲーム業界からの採用を積極的に進めており、大手各社からの人の流入もあり、人材面では業界再編の大きな原動力になっています。パッケージビジネスからの転換がさほど進んでいない現状で、ゲーム各社は雇用を維持するのが厳しくなってきており、流出した人間を吸収するバッファをグリーとモバゲーが提供しているのは一面の事実です。好き嫌いはさておき、もはや無視できる存在ではなくなっています。

DeNAはゲームショウには参加せず、最近の投資はおもに海外スタジオに向けられており、EA DICEのプロデューサーを引っこ抜いて、FPSを作る開発スタジオを設立したり、非常に積極的です。まー、残酷な言い方ですが、国内はすでに囲い込みが完了したという認識なのかもしれません。モバゲーを小馬鹿にしていたら、モバゲーに見切られた国内企業、というところなのか??? いや、ちょっとこれは煽りすぎですね。すみません。

ちゃっかり大手とのアライアンスは進めており、バンダイナムコとの間でBDNAを立ち上げました。ま、これは新会社の株式比率を見てもわかるとおり、どっちかというと、バンダイナムコのバンダイ側の手腕が物を言った、という見方をすべきなんでしょうね。

コミックやアニメの版権をモバゲーが着実に押えにかかっている中、版権ビジネスの最大手であるバンダイナムコとしては「縄張り」を荒らされたようで面白くない。『ガンダムロワイアル』で握手しつつも、水面下でお互いの腹を殴りあったり、刺しあってみたものの、不毛さに気づいたのか平和意識に目覚めたのかは知りませんが、落ち着くべき所に落ち着きました。


なんで株価が下がるのか
四つ巴の戦いの行方はまだまだわかりませんが、せっかく上がった任天堂の株価がまた下がっている辺り、敗北したと言ってもいいんですが、もっと適切な表現をするなら、勝手に変な方向に突っ走っていったという見方をされているのでしょう。

Wiiが成功をおさめた後、任天堂の株価が異常に上がったり、アップルと比較されていたのは、要は任天堂がただのゲーム機メーカーではない、と評価されたからです。噛み砕いていえば、約5年ごとに新しいゲーム機を発売していくだけの会社ではなく、SCEとシェア争いをするような小物ではないという事です。

しかしその後任天堂がやったのは、DSの後継機として3DSを発売し、Wiiの後継機としてWiiUを発表しただけです。それって、ただのゲーム機メーカーですし、PS陣営のタイトルをせっせと強奪しているのはSCEとのシェア争いに必死になっているだけです。要するにやっていることが小さいんですよ。いつのまにかSCEとのシェア争いごときに必死にならざるを得ない会社に戻っちゃってる。

まー、結局、DSとWiiの空前の大成功があっても、会社の意識、社員の意識は「ただのゲーム機メーカー」から変わらなかったという事なんでしょうね。普通に良質なゲームを作って、普通に売っていれば、それで食っていける会社ですから、仕方ないのかな、とは思いますが。


次はどこが勝つのか
混沌としてきましたが、1つポエムを紹介しましょう。

【SCEJ Press Conference】速報コラム・・・平林久和「ゲームの未来を語る」第23回
私は彼らのプレゼンテーションを、はじめ、正視できなかった。
知人・恩人ばかりなのに、今日、その言葉を原稿にして伝えることは、絶対にしないことがカンファレンス中に判断していたからだ。

私はうつむいて、泣いた。
恩人たちの言葉でも、ここは非情になって割愛しなくてはいけない。
申し訳ない気持ちが込み上げてきた。
そんな時間帯が30分ほどあった。

しかし、私は信じることにした。
恩人たちは、私以上にPlayStation Vitaの本質を見抜いている。今日は、すでに開発しているソフトをプレゼンテーションするのが職務なのだ。いずれ‥‥いやもうすでに着手しているかもしれない未来のゲームがきっとあるはずと。

PlayStation Vitaを革命的なマシンと呼ぶとするならば、革命には時間がかかる。
逆の言い方をすると、NTTドコモの辻村氏とニワンゴの杉本氏の2名だけが登壇者だとしたら、意味不明のカンファレンスになってしまった。主催者であるSCEJは、そのことを十分に理解して、すでに認知されている価値と未来の可能性を並び立てたに違いない。

そうだ。革命には時間がかかり、真の改革者はバランス感覚が必要だ。
今までのゲームを、今までの言葉で説明する人がいてもいいではないか。
心の中でそんな整理ができた瞬間に、私の涙は止まった。

いや、悪いけど、僕はSCEがそんなに大層な未来を作れるとは思いませんね。任天堂も今回のラウンドでは無理でしょう。次のラウンドをどう立ち上げていくか、その準備を今から進められるかどうか。あんま期待してないけど。


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2011-09

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