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3DSに対する希望と絶望って、実はハードその物では無いんだよね。

E3での好評価から一転し、微妙な評価がつき始めた3DS。
ユーザーの感想はおそらく「高い」という1点に集約されているのでしょう。性能に関する評判も、高い割りにという感情が込められているように思えます。今後3DSは「あの値段で・・・・」「高い割りに・・・・」という評価をしばらく背負い続ける事になるのかな?

一方で業界人の不満は、実は3DSというハードウェアその物にはありません。問題はビジネスモデルや任天堂の対サードパーティの姿勢にあります。3DSの可能性に期待している人ほど、同時に3DSにおける相変わらずのビジネスモデルには失望してしまう。ハードが画期的でも、ビジネスモデルが古いままなら、片手落ちだろうと感じているわけです。

アルケミスト社長の苦言はネットのあちこちで話題になり、任天堂の旧態然とした姿勢が明らかになりました。そしてゲーム業界における著名なアナリストの平林久和氏も、同じような意見を持っているようです。

ニンテンドー3DSの特長は3Dではない・・・平林久和「ゲームの未来を語る」第3回
であるとするならば、任天堂の収益モデルも変化するべきでしょう。販売するものがハードとソフトだけの時代ならば、(1)任天堂製ハードの販売、(2)任天堂製ソフトの販売、(3)サードパーティからの製造委託費……が収益源の3本柱でよかった。変数がない単純な足し算です。

しかし、2011年以降、ニンテンドー3DSが育っていくためには、任天堂が先行投資をしてリスクをとる、「規格外の企画」について柔軟になる、適正な利益配分を創造的に考えて、通信網やダウンロード販売、動画配信などが自律的に活性化するようにする。このような変化も、同時に起こさなくてはいけません。

ゲーム業界に依然として残る、見えない対立の構造。ハードが普及することによって、ソフト会社は利益を得る。ハードメーカーは、その利益が肥大化しないように、自社の利益を守ろうとする。このゼロサムゲームから脱却することが、次世代のビジネスモデルを生むまえの、当面の課題となります。

ああ、上の文章、学者が書いた抽象的な論文みたいですね。読みかえすと恥ずかしい。

自分らしく、俗っぽく書きます。

ハード普及の「おこぼれ」をもらったんだから「テラ銭」をいただくよ。
この、今までのやり方を見直しましょうよ。

ハードの会社もソフトの会社も、同じ業界なのだから仲良くしてくださいよ。
ハードの会社とソフトの会社が、利益の奪い合いをすることはないでしょう。
結局3DSの3D表示なんてものは、割とどうでもいいのですよ。Wiiにおける体感リモコンほどの価値さえ無いかもしれない。本当に期待されているのはビジネスモデルで、そして失望されつつあるのもビジネスモデルなのです。


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ソーシャルを巡る世界大戦の前夜なのかな

国内外でソーシャルゲーム企業の買収が盛んですね。

ZyngaがBonfire Studiosを買収
Bonfire Studiosは「Age of Empires」「Age of Mythology」「Halo Wars」を手がけてきたEnsemble Studiosのメンバーが設立した会社です。ソーシャルゲームの会社がPCゲームやコンシューマーゲームの開発者を取り込んでいく動きが加速しています。

ソーシャルゲームというのは、ある一面では広告でユーザーを流し込み続け、そのうちの何割かが1ヶ月後に定着しているかという話であって、広告費でユーザーを流し込み続ける状態をどうやって維持するかという事です。極めて露悪的な表現をすれば。

まー、露悪的な表現というのは始末が悪いものです。
家庭用ゲーム機のビジネスだって、発売日直前に大量の宣伝で1回パッケージを買わせてしまえば、後はユーザーがどれほど楽しんだか知ったことではない、と居直れるという意味で、タチの悪い商売ではあるのです。露悪的な言い方をすれば。

しかし広告費の撃ち合いが永遠に続くかというと、徐々に効かなくなってきます。定着率を高めるために、徐々に「奥深さ」も多少は必要になってきます。たとえそれがPCゲームやコンシューマーゲーム機の水準からすれば、ほんのフレーバーのような物に過ぎないとしても。

そういう意味では、コンシューマーゲームやPCゲームを制作してきた人達がソーシャルゲーム開発へ流れていく動きはまだ続くのでしょう。


その先駆者がEA幹部のニール・ヤング氏が立ち上げたngmoco:)でした。
『ロード・オブ・ザ・リングス 二つの塔』『Sims 2』を手がけており、日本でも何度もインタビューに登場しているので、ご存じの方も少なくないでしょう。
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」開発者インタビュー
新エンジンによって映画からシームレスにゲーム世界へ


世界有数の巨大パブリッシャーの幹部として、最先端のゲームを開発し続けていた人物が、iPhoneアプリの企業を立ち上げたというだけで、かなり大胆な転身です。そして今やiPhone界のZyngaと呼ばれるほどのモバイルソーシャル企業に成長しているのですから、その時代を見る目は確かだったと言えるでしょう。

日本のDeNA、4億ドル超でiPhone/iPadソーシャルゲームのngmocoを買収か?
そのngmoco:)をDeNAが買収しようとしている、という噂が出ています。
DeNAは国内市場の成長限界を明らかに見切っており、国内の成功で得た資金で海外企業の買収を続けています。好調な業績と円高が強気の買収の追い風となっているのでしょう。ま、確かに今の時期に積極的な買収や出資ができない企業はただの腑抜けと言っていい。

DeNAの海外展開の動きは以下の通り。
モバイルソーシャルゲーム分野への積極的な投資が見て取れますね。今後スマートフォンが普及していくのに伴い、日本でモバゲーを普及させたのと同じ事を海外でも狙っている事がわかります。「草食系男子」な性質をもつmixiはさておき、DeNAと競合関係にあるGREEも何らかの形で海外進出を図るのは明らかで、ソーシャルゲームプラットフォームはすでに世界戦が始まりつつあります。

ソーシャルゲーム最大手のZyngaはウノウを買収してZynga Japanを設立し、Playfishもヤバゲーに参入。CrowdStarはドリコムとの協業という形で日本での展開が進んでいます。ワールドワイドで買収と出資が相次いでおり、急激な成長分野として注目を集めています。

SNSや3Dなどの新たな潮流にゲーム産業は!? 浜村氏の語る現状と展望
ゲーム市場予測 :「ソーシャルゲームがカンフル剤」に エンターブレイン浜村社長
浜村通信氏の講演でもソーシャルゲームの成長性にふれていますね。
 「国内外で急浮上したエマージング市場」と語る浜村氏は、その普及スピードと市場規模は驚異的だとし、アメリカ最王手のFacebookのユニークユーザーは4億人、毎日ログインしているユーザーは2億人、モバイルでのユーザー数は1億5000人だというデータを示し、「ソーシャルゲームの市場はこれからもどんどん大きくなり、産業構造自体の変化が起こる」と指摘。
(略)
 だが、そんな状況の中、ソーシャルゲームに大手ソフトメーカーのヒット作は数えるほど。その大きな理由として、浜村氏はソーシャルゲームは少数精鋭で作られており、スピードを重視すること、さらにユーザーの嗜好などデータを細かく取って、それを重視した展開をすることなどを挙げ、「家庭用ゲームの作り手は映画監督型で、メーカーは時間をかけて作品を熟成させ、それをユーザーに提示します。ゲームユーザーは監督や作品で指名買いするわけです。ですが、ソーシャルゲームはユーザーの好みに合わせて陳列を変えていくコンビニ型」とたとえ、ゲームそのものの“属性”が違うことを要因に挙げた。

ただ、ソフトメーカーでは若手中心に、または専門のチームを編成し、ソーシャルゲームに参入する動きを見せているという。今後は「家庭用ゲームのよさがソーシャルゲームに反映されてさらに盛り上がるのか、また、それによりソーシャルゲームのユーザーが家庭用ゲームのよさに気付いて家庭用ゲームを遊ぶようになるのか。展開しだいではその両方が起きると思います」とし、新たな流れが生まれる可能性を示唆した。
また、講演の最後では、ゲーム機メーカーがスマートフォンやソーシャルゲームで拡大したユーザー層を取り込んでいく戦略を打ち出していくのではないか、と予想しています。その通りでしょう。

3DSにおける3D表示なんて一過性のギミックに過ぎません。体感ゲームという一過性のギミックに頼りきり、次なる矢を放てなかったWiiが結局パーティゲーム機という枠から出られなかったように、3DSも3D表示だけなら、ただの携帯ゲーム機の枠を出られないでしょう。

まー、任天堂のネット戦略は伝統的に駄目なので、さほど期待はしていませんが、アップルがpingでiPhoneをソーシャルメディア化しようとしているのを少しは見習ってほしいものです。ソニーとマイクロソフトがどう動くかも注目ですかね。


週刊 東洋経済 2010年 10/9号 [雑誌]
ソーシャルゲーム界隈の動きに興味のある人は「東洋経済 2010年 10/9号」をお薦めします。国内外ふくめてかなり広範な話題を扱っており、「まとめ」としてかなり秀逸です。

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