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現代を生きる魔術師の物語 『レンタルマギカ』、ほぼ全巻紹介

科学全盛の現代において、魔術師を生き生きと描くのは難しい。何故なら、今の人類にとって魔術など不要なのだから。火を起こすなら100円ライターで事足りる。空を飛ぶなら飛行機があり、一般人が自動車という暴力装置を運転できる。戦いにしても、現代兵器の前で、あらゆる幻想種など、容易に駆逐されてしまうに違いない。

あらゆる幻想を殺し尽くした世の中で、今なお魔術を追い求める者。そいつは馬鹿という他ない。あきらめが悪く、偏屈で、意地っ張りで、負けず嫌いで、プライドが高く、孤高で、挑戦心に満ち、傲慢で、そのくせ俗世になじむことに臆病なのだろう。そのような愚直で不器用な人間を魔術師という。

そんな魔術師の物語にこだわり抜く、数少ない作家が奈須きのこ。
魔術師とは続く者。父が子に、子が孫に、代々その血と魔力、魔術の技を伝えていく。そうやって、より血を濃くし、魔力を高めて、いずれ子孫が真理へ到達するのを望んでいる。人の意志も才能も努力もすべて、連綿と受け継ぐ血に比べれば、何の価値もない。人の営みからすれば異質なあり方。ゆえに孤独、ゆえに異端。しかし意地っ張りのこの連中のあり方に、何とも言えない魅力も感じるのだ。

同じようにこだわり抜いて魔術師を描く作家が三田誠。
奈須きのことほぼ同じような魔術師観を備えた作家である。いわば、同志。こちらの対談でも、なんと仲の良いことか。
僕と三田さんは'80年代後半から生まれた伝奇観を今でも大事に思っていて、それを今でも生かそうと戦っている同志なんです。同じところをめざす者として、お互いにこれからも良いものを作っていければいいなと思います。
奈須きのこの生んだ魔術師を大好きな人間は、三田誠の描く魔術師も気に入るだろう。三田誠の書いた魔女を愛してやまない人間は、奈須きのこ作品の魔女にも惚れるはずだ。
凜に叱ってほしいと悶えた者、青子に眼鏡を作ってほしい者、橙子を傷んだ赤色と呼んでみたいと考えてしまった者。魔女に魅入られた読者たちは、アディ(アディリシア・レン・メイザース)の操るソロモンの魔神に引き裂かれ、穂波・高瀬・アンブラーにしごかれたいと思うに違いない。

この作品は、現代では数少ない、真性の魔術師作家がつづった物語である。
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