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究極のメタゲームを期待しちゃうよ。PS2版とPSP版の『涼宮ハルヒ』

PSP向けにバンダイナムコから、PS2向けにバンプレストからそれぞれゲームが発売されるようです。ライトノベルのゲーム化は珍しくありませんが、2タイトル同時展開はさすがハルヒといったところ。

SOS団がゲーム製作に挑戦! 『涼宮ハルヒの戸惑』
PSP版は内容が不明ですが、PS2版はSOS団がゲームを制作するゲームらしく、その名も『涼宮ハルヒの戸惑』。ネーミングセンスといい、企画内容といい、原作をきわめて高い水準で理解しているゲーム化を予感させます。

SOS団の活動として、映画制作や文芸誌制作に続いて、ゲーム制作というのは、普通にありえる展開です。また、メタライトノベル的な『ハルヒ』をゲーム化するにあたって、ゲームを作るゲームというメタゲーム構造を取るのは極めて自然な判断

メタゲームといえば、DCの怪作『セガガガ』やPC美少女ゲーム『らくえん』など、極度にユニークなソフトが多いわけですが、はたして『ハルヒ』がメタゲームの歴史に名を残す超怪作になるのか? 非常に期待しております。

バンダイナムコの作る『ハルヒ』は、連動的な要素の有無を含め、どういう内容なのか気になります。バンプレストの方がずっと面白かった、なんて結果にならないといいのですが。
むしろ『涼宮ハルヒの分裂』のαとβのように、メタ構造ならではの連携を実現していただきたいものです。

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テーマ:▼ゲームの話 - ジャンル:ゲーム

正義と悪の家族 『世界平和は一家団欒のあとに 2』

世界平和は一家団欒のあとに 2 拝啓、悪の大首領さま (橋本 和也

ライトノベルにおいて、正義の味方と悪の大首領が主人公の物語は1つのジャンルを形成している、といっても過言ではない。それだけパロディの対象としてありふれているんだろうね。ちなみにエロライトノベル(ジュブナイルポルノ)でも変身ヒロイン物は1大ジャンル。大抵のオタクは、ガキの頃に何かを刷り込まれてるんですよ、きっと。

さて「世界平和」というタイトル通り、この小説の主人公は正義の味方。特殊な能力をもち、世界を危機から救う役割を押しつけられた星弓家は、望むと望まざるとに関わらず、世界の危機に巻き込まれ、いつのまにか世界を救っている。

1巻につづき、2巻も家族モノだが、焦点が当たるのは正義の味方の星弓家ではなく、星弓軋人が倒した「かつての悪の組織」の鶴見家。

世界を征服しようと企んでいた悪おやじも、今やただの無職の中年。ワンカップ酒片手に、公園でブランコに揺られる虚脱の日々。母親の優子はそんな夫に愛想を尽かし、長女の銀子は父親を見限って失踪中。末っ子の正志は、尊敬していた悪の大首領の失墜ぶりに意気消沈。鶴見家は離散の危機にあった。
後ろめたさを感じた軋人は、鶴見家のきずなを取り戻す手助けを始める。

自分の手で妹を殺めた過去に苦しむ軋人が、家族の中での居場所を再発見する1巻と比べると、深刻さは薄く、かなり気軽に読み終えられる。まとまりもいい。星弓家の紹介は済んでいるし、役割の曖昧だった柚島も、役どころがハッキリしている。しかし一方で、主人公の軋人自身にはあまり葛藤がなく、巻き込まれたトラブルを解決するだけという役割に終始しているため、家族モノとして引き込むような面白さは薄い。

正義の味方の一家の次は悪の組織、というアイデアは、ありがちだが悪くない。でも他の家族はしょせん、他人にすぎない。主人公が状況を客観視できてしまう。家族モノの王道はあくまで、主人公の家族に相次いで起こるトラブルを、いっしょに力をあわせて解決していく所にある。話が整理されていて読みやすい反面、物足りなさを感じたのも確かだ。

ライトノベルの2巻目は、箸休め的なエピソードが挿入され、シリーズ全体を駆動する伏線が張られるのは3巻目から、という展開が少なくない。次巻は再び星弓家に焦点をもどしてほしい。でなければ、3巻止まりのシリーズで終わってしまいかねない。

星弓家のメンバーも、七美と美智乃を除けば掘り下げが浅く、彩美と刻人はまだまだ転がしようがあるはず。軋奈がらみのエピソードも掘りようがあるし、父親の耕作も全然出てこないままです。ライトノベルでは、親とりわけ父親の存在が薄い傾向にあるが、家族モノを描く以上、それはいけない。

後々のネタとしてストックしてあるのだと思うが、3巻はそのあたりも見せてほしいもの。家族モノは個人的に大好きなジャンルだけに、とても期待している。


関連
神様も運命もくそっ食らえ! 世界を巻き込むホームドラマ 『世界平和は一家団欒のあとに』

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

ラストまであと1巻。現実と虚構の激突の先に 『レジンキャストミルク 7』

レジンキャストミルク 7藤原 祐

滅んでしまった世界の可能性=虚軸(キャスト)を現実世界=実軸(ランナ)に呼び込んだ人間は、強大な特殊能力を得るかわりに、痛みや感情、子供の頃の記憶、他人を認識する能力といった大切な何かを失う。なぜなら喪失した部分に虚軸が入り込み、居場所を作るからだ。より強大な虚軸を受け入れた人間は、それだけ大きなものを失う事になる。

虚軸に寄生された宿主である主人公たちは、自分たちのまがい物の日常を守ろうとしている。前巻では敵にこてんぱんにやられたが、今回はついに反撃を開始する。しかしその結果は、思わぬ犠牲を生むことになる……。

美少女との日常を満喫するのが美少女ゲームのフォーマットなら、日常を守るために戦うのが現代学園異能……かというと、少し違う。『月姫』『Fate』のような奈須きのこ作品にしても、『灼眼のシャナ』『レジンキャストミルク』のような現代学園異能にしても、正ヒロインはどちらかというと、非日常の側に属している。

現代学園異能は、『月姫』の影響を受けた、美少女ゲーム的な日常と少年漫画的な異能バトルの両方の要素をあわせもつ作品群のことである。あるいは別の見方をすれば、日常側に属するヒロインと非日常側に属するヒロインが主人公を奪い合う物語である。そして主人公の気持ちは、非日常側のヒロインに傾きがちだ。

『レジンキャストミルク』も、幼なじみの森町芹菜と最悪の虚軸「全一」城島硝子が主人公の城島晶を奪い合う構造にある。いや、正しく書き直そう。天秤がどちらに傾いているかなど、明らかだ。

けれども物語作家は大抵、作家の良心において、最後には読者を現実に帰すことを選ぶ。あちら側に行ったまま帰ってこないという結末を許すのはホラーぐらいのものだ。

実際『月姫』と『Fate』のトゥルーエンドは、非日常との別れである。『月姫』ではグッドエンドという形でプレイヤーをなだめていたが、『Fate』ではセイバールートのグッドエンドを作らない姿勢を貫いている(そういう意味では、PS2版の『Last Episode』は蛇足の極みではある)。

マルチエンディングという表現手段をもつノベルゲームは、トゥルーとグッド、2つの終わりを用意して、物語作家としての意地と良心を守りつつ、読者の願望を充足させた。

では、1つの結末のみをもつ小説は、どのようなエンディングを選択し、作家と読者の調停をおこなうのか? 現代学園異能と呼ばれる作品群が、本当の意味で評価の目に晒されるのはこれからだ。例えば、『灼眼のシャナ』はああいう引き伸ばし方をした。主人公は選択したが、読者はその結果を知らない、というねじれた関係になってしまった。

さてこの『レジンキャストミルク』は、どういう結末を提示してみせるか、最終巻での作者の手腕に大いに期待したい。


関連
美少女ゲームにおける擬似家族と本物の家族の対立。そして『レジンキャストミルク』

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

AppleTVがあっさり失敗した理由

Apple TVの挫折

キャズムを超えろ!:Apple TVのYouTube閲覧機能を徹底解剖。生煮え感があり、次のバージョンに期待か!?
この記事を読んで、「Apple TV? そういや、そんな物もあったなー」と思い出したのでコメントしてみます。日本でどれだけ売れてるかの数字は知りませんが、まぁ売れてないという事はわかります。日本で明らかにヒット商品のWiiとは、比べるまでもないでしょう。

アップルTVもYouTube頼み?
海外の状況はちょっと把握してないのですが、なにしろついさっきまで存在を忘れていたぐらいなので。リンク先の記事ではハッキリ「苦戦」と伝えています。ファームウェアのアップデートでYouTubeに対応し、拡販をめざすあたり、必死感がありますね。

そもそもYouTubeをテレビで観るなら、アップルTVより安いWiiがすでにありましたから、先進的でもなんでもなく、ソースはちょっと忘れましたが、たしか海外で「リビングでYouTubeなら、Wiiの方が先にやっている」という議論が起こったはず。
 しかし、家庭用ゲーム機Wiiを使えば、すでにお茶の間のテレビでゲームを楽しむだけでなく、インターネットも、YouTubeの動画も再生することができる。アップルの狙い通りにアップルTVの販売増といくか疑問視する声もある。

 古くからのアップル・ファンは、「アップルは常にスタイルのカッコよさでリードしてきた。今回のように機能に走るのはすでに負けを認めているも同然だ」と指摘している。


日本人にはわかりにくいApple TV

さて、まず日本でApple TVが売れなかった理由を分析し、それから日米問わず、Apple TVが失敗した理由を考えてみます。発表当初から日本での反応は薄かったので、日本で売れないのは簡単に納得できます。

家にあるPC→外に持ち出せる携帯デバイスという関係は、素人にもわかりやすいです。しかし家にあるPC→リビングのテレビに接続した機械という関係は、ピンときません。たかだかテレビに出力するためだけに、どうして機械を買わなければいけないんでしょうか。XBOX360も、同じような機能があるのですが、実際どれだけの人が有効活用してるかというと非常に疑問です。

アップルもマイクロソフトも同じような路線でくるので、おそらく米国人にとってはまったく違和感が無い戦略なんでしょうね。家庭におけるPCの役割が違うのかなあ……と解釈。

日本で普及を狙うなら、iTunesの機能を単独で備えて、PC無しでコンテンツを購入し、記録し、iPodと接続できる機械にすべきでしょう。PCを買わなくてもiPodが使えて、インターネットが見られて、メールが読み書きできれば……って、そこまでいくとMacに近づきますが、要はMacというパッケージでは売れないから、PCからライトユーザーが本当に必要な機能だけを抽出して、Apple TV(iPod TVかiTVの方がいいけど)という箱に入れてしまうのです。

そうすれば、MacとWindowsに続いて、iTunesというサービスに至る入口をもう1つ作ることができます。AppleTVがあっけなく敗北した理由を挙げるなら、ボクは入口ではなく出口を作ろうとしたことだと思います。


Apple TVが失敗した理由

AppleTVの狙いについては以前、中島聡氏が分析しておられます。
Life is beautiful:iPhoneとApple TVの発表で明らかになった新生アップルの経営戦略
今回のMacWorldで発表されたiPhoneもApple TVも、ハブであるiTunesからみれば、iPodと同じ位置づけのスポークにあたるデバイスに過ぎず、そういったデバイスから直接iTune Storeにアクセスしてコンテンツを購入できるようにする(アップルおよび既存のiTunesユーザーにとっての)メリットはほとんどない。
うん。なるほど、確かにアップルはこう考えたのだろうな、という説得力があります。しかしこう考えたからこそ、失敗したんだと思うんですよ。iTunesに蓄積したコンテンツの出口を増やすという戦略は、たしかに一見もっともらしいのですが、入口を増やすことへの情熱は常に保ち続けるべきでした。
  • iTunesは十分成功した、iTunes人口はすでに十分多く、iTunesの出口をテレビに、携帯電話に設置することで、アップルはテレビも携帯電話も制することができる。
  • iTunesは非常にすばらしい体験だ。ぜひこの体験をさらに多くの人間に提供したい。たかだかPCが苦手という程度の事で、このすばらしいサービスに参加できないのはもったいない。よし、アップルはテレビにも、携帯電話にも、iTunesへの入口を設けようじゃないか。
もしアップルが後者の考え方をしていたら、いったいどれだけ画期的な商品を生み出していたことでしょうか。残念でなりません。

セットトップボックスのApple TVとゲーム機のWiiを単純比較するのもなんですが、かたや出口を増やそうとし、かたや入口を増やそうとした。両商品の向いている方向性が180度違ったことは、とても面白いですね。

すばらしいサービスだからこそ、もっともっとユーザー人口を増やしたい。だから入口を増やす。とても素直な考え方だと思います。戦略だの、方針だのってのは、素直で強い考え方があって、その先にあるものでしょう。娯楽の世界では、素直でシンプルな考えってのがいちばん強いんです。

ゲーム業界は「パラダイス鎖国」ならぬ「パラダイス開国」

ゲーム業界は「パラダイス鎖国」とは程遠い

「パラダイス鎖国」について、いくつもの有名ブログで話題になっています。
率直にいえば、あまりピンときません。なるほどなあ。大変ですねえ(他人事)。
なにしろゲーム業界は、携帯電話とは真逆の世界なんです。日本市場だけで閉じるなんてあり得ないし、どちらかというと日本市場を切り捨てでも、欧米市場を優先する企業も珍しくありません。

コナミの『MGS』シリーズが良い例ですが、戦略商品の最初の発表会が米国の展示会(E3)なんて事はザラ。ゲーム機の正式なお披露目も、ふつうはE3のタイミングで行います。日本の大手ゲーム企業は軒並み、海外に開発拠点を抱えていますし、ローカライズ能力も年々増強する傾向にあります。

ゲーム機は日米欧3地域の同時期発売が当たり前になりつつあり、ゲーム企業は全世界同時リリースを行う体制を構築しつつあります。アクションゲームのようなテキストの少ないゲームはもちろん、RPGのようなテキスト量の多いゲームでも、同時リリースヘの意欲が高まっています。(純粋なRPGではありませんが)Wiiの『ゼルダ』は昨年末、日米欧の3地域で発売されました。スクウェアエニックスは『ラストレムナント』で日米同時発売をめざしてます。


少子化がうながす、海外重視と国内産業の自己強化

ゲーム業界の海外志向ははるか昔から高いのですが、近年は特に切実さを増しています。なぜなら、娯楽産業にとって少子化は大きな危機だからです。大人になってもゲームを熱心に買い続けてくれる層がいればいいのですが、やはり年齢と共に購買力は落ちていきます。

PS2時代には、ファミコン世代のゲーオタが十分な時間と金を持っていたため、多くのゲーム企業がその層に依存しました。しかしファミコン世代の年齢が上昇して、ゲームに時間と金を使わなくなってくると、とたんに各社の市場シェアが低下し始めたのです。

ここ2~3年は、いちだんと中高年層の開拓海外市場の開拓が急務になってます。良い例は任天堂で、DSとWiiのユーザー拡大路線は大成功をおさめ、海外市場でもユーザー拡大路線を取ることで、新しい市場を開拓しています。同業他社もこの流れにつづき、海外市場重視と中高年ユーザーの開拓を推進しています。

日本の製造業の問題点としてよく指摘されるのは、メーカーの数が多いことです。家電メーカーはその典型で、統廃合を進めて、国際競争力を強化すべきという文章をネットでよく見かけます。また、メーカーが減れば、結果的に大企業が抱える技術者が市場に放出されて、ベンチャー企業などの技術力の底上げになる、という予想もあります。

ひるがえってゲーム業界は、ここ数年でスクウェアとエニックス、バンダイとナムコ、セガとサミーのような大型合併が起きていて、プレイヤーの統廃合が健全に進んでいます。ぶっちゃけ、もう1社か2社ぐらい消えた方が理想的ですけれども。
中堅企業については、インデックスやドワンゴによる買収があり、ゲーム業界=ゲーム機と捉えると、地盤沈下が起きているとみなせますが、携帯電話やPCも有望なゲームプラットフォームなわけで、トータルで見た時の国内の総開発能力は堅調です。

ゲーム企業一般に敷衍するわけにはいきませんが、任天堂の株式時価総額が松下を抜き、ソニーの株式時価総額も抜いた、というのは象徴的な出来事かもしれません。


日本の娯楽産業は世界に通用する

「ゲーム天国」日本の成果物を海外に持っていくというビジネスモデルも、ファミコン以来、成功が続いています。かつて「ポケモンが売れるのは日本だけ」と言われ、「FFが売れるのは日本だけ」と言われ、「nintendogsが売れるのは日本だけ」と言われましたが、結果は皆さんご存知のとおりです。

一時期、ハリウッドと連携を深めた北米ゲーム産業が優位にたつという見解も生まれていましたが、現実には海外でもDSとWiiが成功し、欧米の大手ゲーム企業が続々と路線転換しています。
(参考:娯楽の世界に安泰はいらん。海外ゲーム産業の勢力図を塗り替えかねないWiiとPS3

欧米と日本のゲームユーザーは確かに嗜好が異なっているものの、文化的、社会的にディープな作品ではなく、直感的、感覚的な作品は、地域や人種を問わずに受け入れられています
また日本のゲーム企業は多少の差異は吸収できる程度の研究と経験とノウハウを積み上げています。ハリウッドにしろ、ハリー・ポッターにしろ、マリオにしろ、ポケモンにしろ、本当に面白いものは全世界で通用します。それが娯楽の世界のルールです。

テイストが違う、文化が違う、感性が違う、といった御託は、だいたいにおいて娯楽を知らない人間の戯れ言です。多くの場合、適切なローカライズが行われていなかったり、販路の開拓が不十分だったりするだけのこと。携帯電話は知りませんが、少なくともゲームではそうです。日本が特殊かどうかなんて、つまらない議論で、娯楽の世界はむしろ特殊なことが優位性につながります。


日本人が面白いものはアメリカ人だって面白がるという信念

日本のゲーム業界は「パラダイス鎖国」の真逆、「パラダイス開国」を貫いています。日本という娯楽天国の成果物を、自信をもって、全世界にあまねく届ける。それが日本の娯楽産業の進む王道です。

そもそも標準とは何か、グローバルとは何かといえば、見も蓋も無い表現をすれば、強い奴が自分に有利なルールを「これが普通だ」と僣称しているだけにすぎません。しかもそれを正義だと信じて、自然体で、完全なる善意のもとに、いささかのためらいも、恥じらいもなく実行できる。それは強みですよ、確かに。しかしゲーム業界を見ればいいのです、「日本が普通だ」「日本人が面白いものはアメリカ人も面白いに決まっている」と確信し、見事に成功しています。

日本人にとって大切なのは、「日本は特殊」という殼に閉じこもる事でも、よその連中が決めた標準とやらに合わせる事でもありません。そもそも日本が普通なのだ。地球上にいる残りのたかだか64億人がたまたま現在、日本人と異なるとしても、それがどうした。1億2000万人の日本人が面白いと思うものは、残り64億人だって面白いと思う。

自信を持とう。
過剰な自信? 傲慢?
な一に、恐縮は不要だ。
世界中に兵器を売りつけるわけでも、軍隊を派遣するわけでもない。
世界中の人間の腹を満たすことには敵わないが、世界中の人間を笑顔にするのに何を遠慮する必要がある?

テーマ:▼ゲームの話 - ジャンル:ゲーム

そして混迷へ。

そういえば、最近「酔っ払って書く」メソッドが流行っているらしく、時々行使していた切込隊長はともかく、梅田望夫氏まで使うとは驚愕の極み。

場末のブログのボクも、一滴も呑んでませんが、酔っ払って書いてみました。E3ショウ(縮小版)があと2週間ちょいに迫ってますが、来月に入ると各社の動きが慌しくなるのかな? そんな予感を漂わせつつ、今月は株主総会の時期であり、各社の役員人事にも変化が起きています。

スクエニ:FF・サガの河津氏が、取締役退任 開発に専念
これ、額面どおりに受け取っていいのか、悪いのか。
取締役会に対する開発の影響力が低下するのは、ちょっと懸念材料ですね。宮本茂氏を専務とし、社長も開発者出身の任天堂とは真逆の路線。ただ、開発者出身でない和田氏がトップな以上、異なるやり方になるのは当然か。いいか悪いか、本気でわからん。

もう1つの懸念はグループ内企業が増えすぎていること。選別を本気で考えないといけないんじゃないの? よくわかんないベンチャーを飼ってても、コントロールできてるように見えないし。勝手に「化学反応」が起きるわけじゃない。

モデレータのような人物がいて、うまく拾い上げたり、いい感じに風を通したりしているから、良い結果が生まれてくるわけですよ。そういう人をグループ内にどれだけ作れるかが重要。

セガ、経営改革に向けて新体制を内定
小口氏が副社長に降格されたわけですが、サミーがセガを買収した時からの「予定通り」なんじゃないかな。降格の噂は去年からあったし。

あるいは、コンシューマー部門の再編を大胆におこなう上で、小口氏では生ぬるいという判断なのかもしれませんが。売れない企画ばかり動かしすぎだからなあ……。あと、去年の回収騒ぎも含めて言えることですが、大手でウェルメイド感を作れてない所は辛いと思います。タイトルの選別を進めて、クオリティ(最低品質)を底上げしないと厳しいでしょう。

カプコン社長に辻本春弘副社長が昇格
経営が落ち着いている今のうちに、Jr.に社長の座を渡しておこうという判断は妥当ですね。退社した開発者が異様に多い点がよく話題になりますが、それでもあの水準でゲームが作れているのだから、大したものです。

まぁ古い人たちがいなくなると、風通しが良くなる効果もあるわけで、ゲームエンジンの共通化が進んだのも、そのおかげかもしれません(単に人が辞めてエンジン無しで作れなくなっただけかもしれませんが、結果オーライですな)。

「PS3ソフトを200タイトルに」平井SCE社長が方針
そういえば、丸山氏が辞めたそうで、うーむ……。
「2007年度中に専用ソフトを現在の約60タイトルから200タイトルに、ダウンロード用ソフトも現在の約50タイトルから180タイトルに増やしたい」らしいけど、タイトル数で勝負が決まるとでも思ってるんでしょうか。

そりゃ20タイトル対200タイトルなら話は別ですよ。でもマイクロソフトも任天堂も、すっかりビジネスが巧みになってるわけで、そんなに大差つかないでしょ。開発のしやすさでは、両社の方がはるかに上ですし。

つくづく「勝ったことしかない人」なんだなあ、と。
ダウンロードソフトなんていくら増やしたって、本体のインストールベースは伸びないじゃないですか。だいたい、どんだけ売れてるのよ、PS3のダウンロードソフトって。数字は知らないんだけど、『鉄拳』は別格としても、数百本とか、千数百本じゃないの、どうせ? 同人ゲームと比べてどんだけー? 慈善事業やってんじゃねーんだからさ。

まぁSCEはDSとPSPがシェア争いしてる最中に、携帯電話向けのゲームをリリースしてるような道楽企業ですからね。余裕のある企業は素晴らしいデスヨ。ゲーム機メーカーの抱えるソフト部隊が、ハードの台数を伸ばすソフトを作らないって、おかしいよねえ。いくら外注だっていっても、自陣営の戦力は戦力でしょ。そりゃ、PS2の時はそれでも勝てたけどさ。ソフトメーカーが頑張ってソフトを作ってくれたから、遊んでてもよかっただけでしょう。

それともあれか? 携帯アプリやってる会社には、PSPクオリティやPS3クオリティのゲームはどうせ作れない、って判断なのかな? 竹槍じゃ、爆撃機は落とせないってか?
現実の戦争じゃそうですけど、ゲーム市場はそれが可能なわけですよね。数人で3ヶ月といわれた『脳トレ』なんて、人月は竹槍級だけど、それで戦争に勝っちゃったよね。それしか無かったら、それで戦うのが普通の感覚。ところが勝ちすぎていた連中は、そのうち「赤じゅうたんの上でないと戦えない」などと言い出す。

新任の最高司令官は比較的まともだと思ってたんですが、じつは「水と食料、弾薬が足りません」→「そんな物は要らん。まず赤じゅうたんを届けろ」と真顔で言っちゃう人なんだろうか? その辺はE3で、少し見えてきそうです。

テーマ:▼ゲームの話 - ジャンル:ゲーム

凡人の幸せと超人の幸せ 『とらドラ・スピンオフ! 幸福の桜色トルネード』

とらドラ・スピンオフ! 幸福の桜色トルネード竹宮ゆゆこ

『とらドラ』シリーズの外伝だが、本編を知らなくても読めるので、気にせず買って読んでほしい。登場人物は一部かぶっているが、特に問題は無い。電撃hpに掲載された3編と書き下ろし1編が収録されている。ボクは全部読んでいたが、今回読み返してみて、あらためて面白いと感じた。超人と凡人の、対照的な狩野姉妹が。

名前に反して生まれつき不幸体質の幸太は、入学早々、盲腸で入院し、最初の1ヶ月を棒に振った。授業についていくのは大変だったし、退院してみれば、クラスメイトはそれぞれグループを作っていて馴染めない。ホントに不幸なやつだ。

そんなアンハッピー野郎がさらに大きな地雷を踏みつけた。
偶然出会ったスーパーおバカっ娘の狩野さくらに勉強を教えなければならなくなったのだ。全教科追試を無事クリアさせなければ、とんでもない罰が待っている……。何故ならその娘は、スポーツも勉強も万能で、人望も器量もあふれる生徒会長、我らが兄貴・狩野すみれの妹だったから。すみれに脅迫され、不幸男は仕方なくさくらに勉強を教え始める。

しかし相手は、全教科追試という快挙を成し遂げた天然おバカ娘である。生半可な事ではなかった。放課後の生徒会室で、「うぅん……う、んん……」「ああ……あ、あぁ……っ……そこっ! そこは……っ!」「そ、そこはだめ、だぁぁ……あーっ! か、狩野、さん……っ!」「だめなのぉ!? いやっ、いやあ! 富家くん、ここっ! ここぉぉーっ! ……はぁんっ!」とムンムン勉強し、追試前日には狩野家にお泊りで勉強する。しかしなかなかはかどらない。

なにしろ、学力の差がとんでもない。すみれや幸太と同じ学校に入れたのが奇跡のようなもの。本来、もっと身の丈にあった学校に行くべきなのだ。しかしさくらには、どうしてもすみれと同じ学校に通いたい理由があった。その気持ちを知った幸太は、本当に心の底から、さくらを救ってやりたくなる。

そうやって勉強を教え、教えられた2人がどうなるか、なーんてことは古今東西、たった1つに決まっている。幸福の桜色トルネードが吹き荒れるのだ。

幸太とさくら、2人の関係は微笑ましい。傍で見ていて突っ込みたくなるぐらい、ヤキモキさせられることもあるが、お互い、身の丈にあった恋愛をしている。不幸体質の男と天然ドジっ娘、行く道は果てしなくデコボコかもしれないけど、ずっと一緒に歩いていけそうな組み合わせじゃないか。

一方、姉のすみれは対照的だ。すみれは超人的な頭脳と圧倒的なカリスマ性を備えた、完璧超人のラオウの超サイヤ人なのだ。妹のさくらいわく、
「ここまで出来が違うってことはね、大人になってから、ものすごく遠く、完全に、道が分かたれるってことなんだよ。あそこまで出来る人は、こんな狭い日本になんか留まってないよ。どんどん外国に行くだろうし、世界もどんどん広がるだろうし、……そうすることを求められるだろうし、凡人の私からは何万キロも、何百万キロも離れたところで、『みんなの狩野すみれ』になるんだよ。……そのために、ああいう人は、生まれてくるんだよ」
すみれは人並みの恋は叶わないし、すみれに恋した男も同じことになる。frontierへ向かって突き進んでいくすみれと、彼女への想いを表に出せない北村。その行く末は『スピンオフ』の中では語られないが、読まずともわかることではあるのだ。あまりに突出した人間は、望むと望まざるとに関わらず、周囲の人間を次々と置き去りにしていく。自分で口にした言葉のとおり、「運命のままに」。

凡人の幸せと超人の幸せ。
どちらが良い、とはいえない。人は凡人になることも、超人になることも、自分では選択できないのだから。

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『らき☆すた』DVD1巻、今日発売!!

すでに限定版が予約完売している『らき☆すた』DVD第1巻。
通常版はまだ注文可能なようです。

らき☆すた 1 通常版


21世紀最大の発明は誰にも終わらせられない戦争 『オイレンシュピーゲル 2』

オイレンシュピーゲル 2冲方 丁

かつてウィーンと呼ばれていた、オーストリアの首都ミリオポリス。国際情勢の狭間にあって、さまざまな矛盾を抱えこんだこの都市には、世界各地のテロリストたちが暗躍していた。現実においても、現実の未来においても、架空の物語においても、21世紀は「テロの世紀」だ。

世界を滅ぼしかけた大戦争を2度にわたってくり返した人類は、さらなる進化した戦争を具現化した。世界大戦は多くの「後遺症」を残したが、いちおう終結できた。しかしテロは終わらせることができない。責任を取る国家がすでに消滅しているケースが多いからだ。そう、人類はついに誰にも終わらせられない戦争を発明したのだ。

短編連作という形を取っていた1巻と違い、2巻は1つの大きな事件が展開する。ロシアの原子炉衛星が外部からのハッキングによって、地上に墜落させられた。墜落現場から原子炉を奪取したテロリストたちの目的は、原子炉を使って核兵器を作り、ミリオポリスをふっ飛ばすこと。暗躍する7つのテログループを、涼月、陽炎、夕霧、3人の機械化少女が追いかける。

少女たちが立ち向かうのは、世界に満ちる悪意である。
世にあふれる悪意。無力な少女。身体の喪失。機械化された身体の獲得。戦いの再開。自分の居場所の確立。『マルドゥック・スクランブル』と通底するテーマをライトノベル的に描きなおしたのが、この『オイレンシュピーゲル』である。

正しく言い直そう。少女たちは悪意に立ち向かうのではない。悪意は向こうから一方的にやってくる。不意打ちこそ、予期しない遭遇こそ、悪意の悪意たる由縁であるのだから。
小説の中で描かれる未来の社会には、大人たちの不合理が充満している。しかしそれだけでは、いささか抽象的すぎる。ライトノベルという娯楽小説には、もう少しわかりやすい具現形が必要となる。

世界中のテロリストに武器を与え、戦う動機を与える幽霊企業プリンチップ社。「世界中の人間に戦う理由を与える」と自称し、テロを扇動する演出家リヒャルト・トラクル。トラクルおじさんは素質のある若者に接触して、優しく言葉をかけ、必要な時に必要な力=武器を与えてあげる親切な中年男。まさしく悪意そのもの。

対になる2つの小説、『オイレンシュピーゲル』と『スプライトシュピーゲル』。色気のある機械化少女3人と、かわいい機械化少女3人。悪意はどちらの小説にも出現している。悪意の手はどこまでも長く、その懐は広大なのだ。2組の少女たちが、悪意の象徴トラクルおじさんを追い詰めるのはいつか来るのだろうか。それはわからないが、この作品において、不条理に対峙する人間の生きざまが美しく、はかなく、健気に、女性らしく、書かれているのは間違いない。
 鉄拳――流れるような動作。
 ごつっという音/顔面に熱・衝撃――火花が散った/積み重なった札束の中に倒れこんだ。
 跳ね起きてやり返そうとしない自分――図星を突かれた者の弱み。
「現実感覚だ。おまえは今、それを失いかけた」ユーリー――涼月を殴りつけた左拳。「その痛みだけが、お前に実感可能な範囲だ。翻弄された心をその範囲に押しとどめて自律しろ」
「二度ほど使った品で良ければ一時間ほど潜り込んで休んでいろ。くれぐれも自分が見たものを理解しようとするな。それは四十八時間ほど後で仲間と一緒になってからにしろ。さもなければ史上初のカミカゼ攻撃を食らって半狂乱になった第二次大戦時の米兵みたいになるぞ」
 それは実に、何も言い返す必要がないくらい、まさに的を射た助言だった。
「了解」敬礼――鋭角的に。「思考停止します」
「必死にやれ」

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タグ:オイレンシュピーゲル  冲方丁  

あのニート探偵が帰ってきた! 二億円の大金をめぐる事件 『神様のメモ帳 2』

神様のメモ帳 2杉井光

クラスに馴染めず、学校からドロップアウトしかけていた藤島鳴海は冬に起きた事件を経て、ニート探偵アリスの助手におさまっていた。そして日夜、ラーメンをアリスの元に運んだり、ドクターペッパーを冷蔵庫から取ってくる仕事に精を出していた。非力なアリスのためにプルトップを起こしておく気遣いも忘れない。すごいZE、鳴海、アリスの下僕助手レベルが上がるのも目前だZE☆

ニート探偵事務所を訪ねてきたのは、二億円の現金入りのバッグを抱えたタイ人の少女・メオ。彼女の依頼は「お父さんを助けて」。元ヤクザの父親が大金を残して、姿をくらましたのだ。

ドラッグや生に対する絶望といった、陰鬱なモチーフが使われた1巻と異なり、今回は父と娘をめぐる信頼の物語であり、普通に面白く読める。1巻を読んだ人は、ぜひ2巻も読んでほしい。主要な登場人物の紹介が済んでいるため、事件に集中することができ、作品としてもまとまりが出て来た。

少年やくざの「四代目」の活躍する場面が増えているのもいい。人気が高そうなキャラだけに、次巻以降も登場を増やしたらいいと思う。この作者の前シリーズ『火目の巫女』はいっこうに続きが出なくて、打ち切り臭が漂ってるけど、このシリーズこそは頑張って。

さすがに『池袋ウエストゲートパーク』あたりと比べるわけにはいかないけれども、文系男子的な気弱さをもった主人公がトラブルシューターをつとめる話として、けっこう化ける可能性もあるんじゃないかな。「きみはだいたいにおいて考えが足りないが、どういうわけか、手もつけられないほどに混乱した状況の最後にあって無理矢理つじつまを合わせるのだけは得意なようだ」とアリスに評された鳴海がどれだけ化けていくのか、次巻以降に期待したい。

エンディングのハッピー度合いもこれまでで一番高いし、陰鬱な話に寄りがちな作者がここらで一皮むけるといいな。まだ化ける余地が残った作者だと思うし、リアリティの構築という点でライトノベルの水準に留まる可能性はあるけれど、一般小説でも勝負できるポテンシャルは秘めていると感じた。

探偵と助手の関係では、ヴィクトリカと一弥のコンビに似た部分もあるんで、『GOSICK』シリーズのファンも一度読んでみてほしい。
「……探偵さん?」
「ニート探偵だ。アリスという。そっちは助手のナル……わ」
 女の子はベッドの端に手をついてアリスににじり寄った。まるでパジャマのにおいを嗅いでるみたいに、アリスを至近距離からしげしげと観察する。
「な、なんだい」
「抱っこしてもいいですか?」
「なにをばかなことを言ってるんだきみは!」アリスは真っ赤になって女の子の顔を押しのけ、後ずさった。
「ごめんなさい、こんな探偵さん見たことないから、つい」
「なにがついだ。依頼人は依頼人らしくしていたまえよ!」
「どうしてもだめ? 一回だけでいいから」
「ぼくはぬいぐるみじゃないぞ!」

関連
凶悪ドラッグVSニート! ニート探偵が難事件を解決!! 『神様のメモ帳』

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タグ:神様のメモ帳  杉井光  

なんという才能wwwwww 愛すべき短絡思考たち 『リヴァースキス』

リヴァースキス佐野 しなの

文章のリズム、会話のテンポが軽快で、読んでいてここまで楽しいラブコメもひさしぶり。
第7回電撃hp短編小説賞の大賞受賞作がこのたび長編小説にリライトされて登場! 電撃hpに掲載された短編バージョンは読んでいるが、明らかにテクニックが向上している。第7回の選考基準は完成度よりも、これまでのライトノベルにない面白さを重視したそうだが、電撃編集部はまぎれもなく当たりを引いたな!

アイデアが奇抜。
分類するといちおうトランスセクシャル物(男の子が女の子に。女の子が男の子になっちゃう話)になるんだけど、こういう話もありなのか、と新鮮な気持ち。明らかに奇妙なんだけど、奇妙なシチュエーションに違和感をおぼえることなく楽しめてしまう。これって、相当すごいよ?

主人公の善ちゃんを筆頭に、けっこうワガママで自己中で、目先の事しか考えないキャラが多いが、イヤな感じはまったくない。愛すべき短絡思考たち。自分の身体を乗っ取られるというシチュエーションから始まった騒動は、やがて親友や級友の女の子の登場によって、ラブコメちっくな展開になるが……ホントに後先考えてないな、お前ら。

キャラクターが勝手に動き出すタイプの小説で、物語としての完成度はさして高くない。計算しつくしている感じもない。話のまとめ方も、割と強引な気がする。だがまったく問題にならない。主人公2人の掛け合いを読んでいれば、それで面白い。こいつら、放っておいたら、無限に続けるんじゃなかろうか。

永遠に回り続けるドタバタ、エンドレスの日常。まさにコメディの王道である。繰り返しに耐えるキャラを生み出すうえでは、会話の妙やテンポが重要になる。それは、小説を書く(文章を書く)スキルの中でも、最も才能やセンスに属するものだ。経験で上がっていくものじゃない。

これほど才能を感じる新人作家は、なかなかいないよ?
まちがいなく今月のオススメ新作、ナンバー1。
「これって言うな! 俺には末村善っていうきちんとした名前があるんだ!」
 言ってしまってから後悔した。予想通りの反応が返ってきた。
「略して、据え膳、なんだね」
「ほっといてくれませんかねえ!?」
「いただきます」
「やめてもらえませんかねえ!?」
 トモヨシが両手を合わせて俺を拝むのに全力で突っ込んでから、もう一度鏡を見る。
「……美少女だ。こりゃ、お前、惚れても仕方ねえな」
「でしょ? ああ、楽しみ。どんなちゅうしてくれるのかなあ」
「……どんな、ってなんだ」
「舌を、」
「いれませんよ、そんなもの、この馬鹿エロ!」
「バカエロっていそうだね、なんか。偉人に。それとも天使?」

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

かつての「Web3D」ブーム(?)を思い出した

遅まきながら、最近ちょっとActionScript3.0に手を出していたり。
つーのはPapervision3Dに興味がわいたからなんですが。今年の始めに話題になってたネタなんで、遅いっちゃ遅いんですが。

しかしライブラリのソースを読んでいると、なんだか10年ぐらい前、3D黎明期にタイムスリップしたような気分に。Flashには3D機能は無いので、Zソート法を用いて、ポリゴンをソート。奥から手前にむかって、ポリゴンを描画してます。昔はこうだったんだよな(しみじみ

低機能ではあるものの、これで約1000ポリゴンらしいから、ひと昔前の携帯電話の3D表現やDSぐらいはできそう。まぁPCのCPUパワーにもよりますけど。もっとも「DSみたいなショボいグラフィックじゃ、面白くねー」とか言ってるプログラマは、歯牙にもかけないんでしょう。

DSで『ドラクエ9』を出すのがオッケーなら、(グラフィックを進化させる必要は無いと割り切るなら)Flashで『ドラクエ10』を出すことも、妄想とは言い切れないのかも。ま、妄想ですが(笑 『ドラクエ』はDS移籍によって、そういう選択肢も「あり」にしたんですよね。

昨今の「仮想空間サービス」やPapervision3Dを見ていると、ボクがまだ現役の3Dプログラマで、3DCG系のサイトを運営していた2000年ごろに流行っていた「Web3D」を思い出します。要はWebページを3D化しましょう、車なんかの製品紹介では便利でしょう、という話だったんですが、独自のプラグインが普及せず、さして盛り上がらずに終わってしまいました。

Webつかコンピュータの世界は、性能や環境の変化が激しいから、「三度目の正直」が通用することもあるんですよね。ただし、ボクはセカンドライフ系には思いっきり懐疑的なスタンスですが。MMORPG的なものは好かんのですよ。もうちょっとオープンで、手軽な世界であってほしい。

1つの世界に没入するというより、ブログやSNS等のアバターが3Dになっていく方が、ボクの考える将来像には近い。
  • Web上の共有コンテンツという点で、3Dデータのシェアリングはテキストや音楽、静止画、動画ほど進んでおらず、掘る余地は残っている。
  • 3Dのオンラインゲームを作るにしても、特別なクライアントを要しない方が参加しやすい。
  • アバター表現等で、3D化のメリットはある。


描いた落書きが踊り出す、このPICTAPSなんかも面白い。
PICTAPS
どれぐらいイケるのかは、正直まだよくわからないんですけど、ちょっと興味は高まってる、ってトコですかね。(3D黎明期への)懐かしさに捕らわれて、ちょっと冷静に見れてない可能性も大。

取っ掛かりはこの辺のブログに載ってます。


ついでにアフィっておきますね。Papervision3Dの本ではないんですが、ネットで評判の良い2冊を。

ちなみにボクはプログラミング系の本は極力買わない人なんで、どちらも読んでないです(無責任ですまん)。でもたぶんいい本だと思うよ。評判的に。

テーマ:プログラミング - ジャンル:コンピュータ

娯楽の世界に安泰はいらん。海外ゲーム産業の勢力図を塗り替えかねないWiiとPS3

海外メーカーのUbi SoftとElectronic Artsの間で、明暗が分かれました。
Ubiは昔から親任天堂派として知られるパブリッシャーで、任天堂の据置ゲーム機が失敗していた時代にも、ラインナップを揃えていました。一方、EAはマルチプラットフォーム戦略を取りながらも、基本的にはソニー寄りでした。PS、PS2、PSPを支えてきた実績をもち、SCEAにも強い影響力を持っています。

昨年の年末商戦、Ubiは海外メーカーの中では最もWiiに注力し、EAはPS3にかなりの力を割いていました。その後の両ハードの売上は皆さんご存知のとおりです。

世界的に見て、WiiはPS3の2倍以上売れていて、累計台数格差が3倍に到達するのも時間の問題。Wiiは日米欧のどの地域でも成功している健全なマーケットを形成していますが、PS3はどの地域でも不調です。XBOX360は北米に偏りすぎ、全世界累計では年内にWiiに抜かれる可能性が高まっています。結果的にUbiは大成功をおさめ、EAは方針を大転換せざるを得ませんでした。

Wii:ゲーム機戦争を制した「逆転の発想」(2)
EA社の場合、2006年11月のWii発売に合わせて出したゲームは2本だけだったが、PS3用のゲームは5本出していた。その後、EA社がWii 用ゲームの開発を強化したとき、同社のゲーム・デザイナーたちは、Wiiのコントローラを活用するゲームを作ることが大変な挑戦であることに気づいた。
(略)
仏Ubisoft社のTony Key副社長は、このことをもっと楽観的にとらえ、「Wiiのコントローラを活用するゲームをデザインすることは、コスト増ではなく、チャンスの増大とみるべきだ」と語る。Ubisoft社は早い段階からWiiの可能性を認識し、ソフト開発企業の中で最初にWiiの開発キットを入手したと、Key副社長は説明する。その結果、Ubisoft社は2006年末までに9本のWii用ゲームをリリースし、これらの売り上げの合計は、2006年のWiiソフトウェア売上全体の11%を占めることになった。
しかしそれでは、株主に対して説明ができません。どうしてWiiではなく、PS3を重視したのか、問い詰められるのは必至です。Ubiという成功例があるのです。どれだけ理屈を並べても、自分たちがUbiよりも無能であることを立証するだけでしょう。大幅な路線転換を迫られた海外企業が少なくありません。

今年になって、EAはWii向けのラインナップを大幅に強化し、カジュアルゲーム部門を新設しました。「いちおう手を出しておくか」から「そろそろ本気になっていいですか」へ。北米における重厚長大路線の象徴ともいえるEAが、親しみやすく、軽く遊べるゲームの価値と可能性を素直に認め、舵取りを変えたのです。

EA、カジュアルゲームを強化--元アクティビジョン幹部を責任者に
Electronic Arts(EA)がカジュアルゲームに真剣になりつつある。世界最大のサードパーティーパブリッシャーである同社は、従来のゲームユーザーとは異なる層を狙った、「手軽に遊べる」ゲームを提供する部門であるEA Casual Entertainmentを設置することを発表した。
EAは巨大なパブリッシャーですから、1回の判断ミスでは傾きませんし、リカバーしてくるでしょう。けれどもマルチプラットフォーム戦略を採っているEAにとって、1機種だけグラフィック性能が劣るWiiは対応が面倒に感じられるでしょうし、Wiiリモコンへの対応も頭を悩まされるはずです。インターフェイスをうまく使いこなすノウハウも、やや低い。

いつまでもPS2時代の考え方に囚われ続け、新しい変化に対応できないでいれば、ひょっとすると、海外ゲーム産業の勢力図が塗り変わる……なんて事も、ただの妄想ではないかもしれませんね。


おまけ

欧米ゲーム産業優位論者が「これからゲームは映画みたいになる」と夢を見ていたところに、横合いから強烈な一撃がぶちかまされた。簡単にまとめれば、そういう事でしょう。ゲームをなめすぎ。ゲーム業界のダイナミクスをなめすぎ。

この業界、10年ごとに天下が入れ替わってるんだから。
ちょっと油断して、寝ぼけた事を口にしていると、後ろから奈落に蹴落とされる世界なわけですよ。たかだか10年とか20年ゲームを作ってきて、30年……はギリギリいらっしゃるか? なんか知ったような事をいって、法則だのなんのと言ってるだけでしょう。そういう人が不意打ちを食らって、無様に地面を転げまわるのは、じつに爽快ですよね。

10年前に任天堂が無様に負けたのはすばらしいし、SCEが哀れに倒れつつあるのも最高です。それでこそダイナミクス。娯楽の世界に安泰はいらん。だから5年後か10年後か知りませんが、任天堂もまた無様に転がる時がくるんでしょう。それが正しい。

PS1時代に成功した人間が権力をもち、その時の若手が中堅になった時に、SCEが無様に負けたように。DS時代に成功した人間が権力をもち、その時の若手が中堅になった時に、任天堂は地べたを這うんでしょう。
それは避けようが無いし、避けようと努力すればするほど、かえって組織の局所最適化が進んでしまいます。「優秀さ」とは、状況や環境への最適化にすぎない。

むしろ大破壊の嵐が必ず到来することを確信したうえで、それをエレガントにかわすことを考えず、どう耐えるかを考えた方がいいんじゃないか、と思いますね。例えば、任天堂がソニーに負けてサバイブできたのは『ポケモン』があって携帯機が脈々と生き残ってきたからですし、今回の復活劇は岩田社長のリーダーシップが大きい。

しかしその2つの要素は、任天堂自身とは別の所で生まれたもので、5年以上はまったく金にならない状態だったわけでしょう。それをスーファミ時代(勝っている時代)に拾っておいたから、負けた時に生き残れた。で、そこに理論や法則があるかというと、無い。むしろ無いからこそ、意味がある。だから非連続の変化に耐えられる。

例えば、任天堂がインターフェイスで勝ったからといって、もし仮にデバイス系の会社に過剰投資するようになったら、終わりですよね(笑 ソニーが半導体やディスクへの投資額を上げていって、後戻りできなくなったのを笑えません。投資すれば、それを回収することを考えてしまい、結果的に視野が狭くなります。

SCEは勝っている時にどんな種を蒔けたのか。それが次の10年、生き残れるかどうかを決めることでしょう。断言しますが、「優秀」(過剰最適化)な社内からは出てこないものが生き残る鍵になるはずです。

ゲーム機メーカーに限らず。
EAもそうですし、他のソフトメーカーも同様。ちょっと油断していると、思わぬ一撃を食らって、ぶざまに奈落に落とされる。ゲーム業界にはまだそれだけのダイナミクスがあると思うし、そうであってほしいですね。娯楽の世界に安泰はいらん。

テーマ:ゲーム話 - ジャンル:ゲーム

心のどこかに火がつく小説 『紅』

片山憲太郎

まずは表紙をご覧いただきたい。
真っ赤なドレスをまとった少女である、いや幼女である。九鳳院紫。なんと7歳。さすがはライトノベル3大小学生ヒロインの1人である、半端ではない。もう1人は16歳の少年である。紅真九郎。揉め事処理屋の高校生。真九郎が自分のもとにやってきた紫を守る。この小説の要旨は、ただそれだけである。

まことに直球、しかし掛け値なしに熱く、面白い。
揉め事処理屋をやっている高校生、紅真九郎のもとに1人の少女を守る依頼が舞い込んでくる。九鳳院家の娘は、世間知らずでワガママ。扱いに困る真九郎だったが、一緒に生活しているうちに、純粋でまっすぐな心の持ち主である事に気がつく。

九鳳院に生まれた女は、一生を屋敷の中で過ごす。九鳳院の外の穢れた世界を知ることはなく、ほとんど無条件に九鳳院の男に仕える。九鳳院の男に奉仕し、九鳳院の男の子供を産む。それが九鳳院の女の運命であり、人生であり、幸せなのだ。いびつだが、国を裏から支配する九鳳院の巨大な権力は、ありえない楽園を現実に作り上げている。

九鳳院の娘、紫はある願いから、外の世界に飛び出した。他愛の無い、ごく小さな、ささやかな願いだ。普通の家に生まれた少女なら。しかし男の心に火がつくには、ふさわしい理由である。その願いが何かは、ぜひ読者が自分の目で確かめてほしい。
「おい、どうする気だ?」
「行きます、あいつのところに」
「状況わかってるか? 九鳳院家は、おまえ一人でどうにかなる相手じゃ……」
「紅香さん」
 真九郎は壁にかけていたハンガーから上着を外し、腕を通した。
 そして、正面から紅香を見つめる。
「ここは悩むところでも、迷うところでもありません。進むところです」
現在、刊行されているのは2巻まで。にも関わらず、すでにアニメ化が発表されている。アニメ化に向いた作品だとは思うが、早く3巻を読みたいのはボクだけではあるまい。なんとかしていただきたいのだが。

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

すべてのコアゲームはXBOX360に集まる? いつもニコニコ、360

エースコンバット6 解放への戦火 (XBOX360) - Trailer
『エースコンバット6』のトレイラーがニコニコ動画で話題になってますね!
XBOX360とニコニコの相性は非常によく、『アイマス』のMADムービー、『Forza2』の痛車ムービーなど、次から次へと話題になっています。ニコニコ動画を見ていると、まるでXBOX360こそがこの世に唯一の据置ゲーム機なんじゃないか、と錯覚しかねないほどです。

ナムコが『ソウルキャリバー IV』をPS3とXBOX360向けに発表しました。ソフトメーカー各社は急速にXBOX360への対応を推し進めていますし、とりわけバンダイナムコはPS3まっしぐらだった去年と異なり、XBOX360にかなり力を注いでいます。

全世界累計でWiiが年内にXBOX360を抜く可能性が高まっている一方、XBOX360も北米では圧倒的な強さを堅持しています。もはや世界のゲーム状勢は「SDのWiiとHDのXBOX360」という2大政党制へ向かいつつあります。

日本国内においても、実売台数ではPS3に劣っていますが、ネット上でのポジティブな話題性ではXBOX360が圧勝。ここ最近、PS3関連で唯一良かった話題は、DVDやPS2の映像のHD化だけです。真にゲームを愛するコアゲーマーの心の中では、XBOX360対PS3の決着はついてしまったのかもしれません。

今月はRPG『トラスティベル』も発売されますし、購入に踏み切る1つの機会かもしれませんね。

テーマ:▼ゲームの話 - ジャンル:ゲーム

魔法のiらんどと電撃文庫が提携!! 再び『ケータイ小説家になる魔法の方法』

日本最大のケータイ小説サイト「魔法のiらんど」とライトノベル市場シェアトップの「電撃文庫」が提携を発表。「魔法のiらんど文庫(仮)」を創刊。毎月3冊程度を刊行していくそうです。

若者向けの読み物として頂点に位置するケータイ小説とライトノベルのコラボレーションであり、ケータイ小説とライトノベルのシェアトップ同士の提携となります。いきなり最強タッグ結成です。

ケータイ小説は、実話ベースの作品が多い傾向がありますが、今後はライトノベルのようなファンタジー物など、より架空性の強い作品も支持を集めるのではないか、という予想も出ています。
若者向けの小説の世界において、今年最大級の発表といえるでしょう。


ケータイ小説の勢いを示す1つのデータがこれ。
トーハン:上半期ベストセラー 2007年度上半期
単行本フィクションでは、1位、2位、4位、5位、9位、10位と6作品がランクイン。過半数をケータイ小説が占めています。そのうち「魔法のiらんど」に投稿された作品が5つ。オタク色が強く、1作品あたりの部数の上限が見えているライトノベルよりも巨大な金鉱があると考えられます。

ケータイ小説サイト「魔法のiらんど」についてもっと詳しく知りたい人には、同サイトのプロデューサーが執筆したこの本をお薦めします。

書評:日本最大のユーザークリエイションコミュニティ魔法のiらんどの秘密とは 『ケータイ小説家になる魔法の方法』
書評も掲載してますので、ぜひご一読を。

テーマ:文学・小説 - ジャンル:小説・文学

刀か人か愛人か 『刀語カタナガタリ 第6話 双刀・鎚』

刀語カタナガタリ 第6話 双刀・鎚西尾維新

刀の重さを嫌って刀を捨てた剣士の一族「虚刀流」を継ぐ鑢七花(やすり・しちか)。七花という一本の刀をふるう持ち主、幕府の奇策士・とがめ。2人の恋愛道中記は、ついに日本最北端、蝦夷の大地に到達した。

前回が九州で、今回が北海道、そして次回が四国と、すさまじいペースで日本全土を南北に行き来する二人。全12話の『刀語』も、いよいよ6話。折り返し地点。とがめの宿敵ともいえる、尾張の否定姫の登場で、徐々にこの物語全体の終局も見えてきた。

序盤(1~4話)は虚刀流の紹介編にあたり、無人島で育てられた七花の人間性の薄さが際立っていた。七花は一本の刀として生きる。善も悪も自分で判断せず、持ち主の命令があれば、女子供でもいささかの躊躇も無く斬る。まさしく「虚刀流」は一本の刀なのだ。

しかし中盤(5~8話)では、どうやら徐々に七花の人間性が育ちつつあるようだ。5話ではやきもちという人間らしい感情をおぼえ、6話では単純に命令に従う以外の行動を取るようになった。そして予告によれば、次なる7話では、心がへし折れるような壮絶な試練を迎える事になる。

刀に人間性など必要ない。それが論理だ。けれども、とがめは七花に人らしい心を求めて、徐々に成功しつつある。しかしそれは、武器としての純度を落とすことに他ならない。さらに、感じなくてもいい苦悩を与えることでもある。その矛盾に気づきつつあるとがめは、今後どんな選択をしていくのか。そして二人は、この物語の果てにどういう結末を迎えるのか。

ただのラブラブバカップル時代劇でなくなってきた月刊『刀語』シリーズ、年末発売の『炎刀・銃』に至るまで、今から読み始めてもまだ間に合う!

「たったひとり、家族を殺され、家を滅ぼされた恨みのために戦ってきたが……そなたとこれまで旅をして、わたしは初めて気付かされた……わたしのやってきたことは、本当は何の意味もないのではないかと……」
「と……とがめさん?」
「お笑い種だ……本当の幸せとは、過去を振り向くことではなく、誰かと共に、新たな命をはぐくむことにあると……前に向かって共に歩むことだと、そんなことにさえわたしはこれまで気付かなかったのだ……」
いい台詞極まりないが、問題は口にしたタイミング、タイミング!
しかしつくづく思うのは、この2人、ラスト付近ではどうなってることやら。


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テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

タグ:刀語  西尾維新  

嘘つきとヤンデレの恋愛(?) 『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸』

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸入間人間

第13回電撃小説大賞において、受賞させることができなかった問題作がついに出版。最終選考会で揉めたという逸話も納得できる内容でした。
リビングで、マユと一緒に見ているテレビでは、平穏なわが街で起こった誘拐事件の概要が流れていた。誘拐は、ある意味殺人より性悪な犯罪だ。殺人は本人が死んで終了だけど、誘拐は、解放されてから続いてしまう。ズレた人生を、続けなければいけない。修正不可能なのに。理解出来なくなった、人の普通ってやつに隷属しながら。
 ――あ、そういえば。
 今度時間があれば、質問してみよう。
 まーちゃん、キミは何で、あの子達を誘拐したんですか、って。
折り返し部分に書かれた作品紹介からして、この通りである。
ジャンルとして分類すれば、電撃文庫では珍しいミステリ小説にあたる。ライトノベルの割には、という留保付きではなく、講談社ノベルスあたりに入ってもおかしくな水準を保っている。しかし本作品の最大の特徴は、壊れたまーちゃんの壊れっぷり。尋常ではない。

ヤンデレ。
恋愛感情のもつれなどにより精神的に病んでいく女の子。嫉妬が強く、主人公やライバルのヒロインに対して暴力をふくめた物理的な行動を取る。周囲の世界に対して強い不信感と拒絶を示しているが、唯一、主人公に対して心を開いている場合も指す。
(参考:はてなダイアリー「ヤンデレとは」

主にアニメや美少女ゲームに生息していて、ライトノベルにおける発見例は少ないと聞く。その点でも、まーちゃんは希少価値かもしれない。空っぽの鍋をかき回したり、歩道橋の上ですれ違いざまノコギリで相手の女の首筋をかっ斬ったり、彼氏の目の前に向かってマンションから飛び降りてみせたりはしないけど、ぶっ飛んだ振る舞いなら負けてない。

いちおう分類すると恋愛を描いていることになるのか?
でも精神的に病んだ女の子と、かなりねじくれたひねくれ少年(何しろ自称「嘘つき」だし)の関係を、恋愛(?)と称するのはいささか語弊がありすぎる気がする。

実際、嘘つきみーくんは、一度たりとも恋愛だといってないし、むしろ否定的だ。どちらかというと、親の子供への保護欲に近い気がする。まーちゃんにしても、口では「大好き」「死ぬほど好き」(殺したいほど好きの表面形)と言ってるけど、いわゆる恋愛感情を越えた、もっと根源的かつ原始的なものだろう。世界=自分&みーくん(味方)とそれ以外(敵)、みたいな。

清純かつ健全な小説以外は読みたくないという人は例外として、題材の割に、しかし読んでいて不快に感じることはあまり無い。ボクの感受性のフィルターに埃が詰まってるせいかもしれないが、おそらくは、みーくんのまーちゃんに対する姿勢が一貫しているからだろう。

恋愛ではなく、友情でもない。もっとも近いのは家族という概念だが、この小説で描かれているのは崩壊した家族なわけだから、それも違う気がする。何であれ、社会的な代名詞をつけることはできない。みーくんとまーちゃんを結んでいるのは、もっと原始的な何かだと思う。社会以前の何か。

壊れたまーちゃんを指して、こう論じることができる。「ひどく傷つけられた人間は成長しても、他人を傷つけることでしか自分の外の世界と関われない」と。トラウマ、便利な言葉である。そういう理屈は、世の中に存在する。けれどもみーくんは一貫して、その理屈に抗い続ける。不幸が不幸を生み、悪意が悪意を生む連鎖へのささやかな抵抗。

その果てに彼と彼女が幸せをつかめるかどうかはまだわからない。物語はこの先を描いてないからだ。だが信じることはできる。嘘だらけの、病んだ世界でも、人は幸せになれる、たぶん。

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タグ:入間人間  

今日もニコニコ 6月11日


こんなかがみはダメな子だw
かがみはMADでは、いじられキャラ化してるな。
「ばかがみん」「ツンバカ」に笑った。最悪じゃねえか。
カニから「デレ」抜いたようなもんか。

こんなつかさはひどい子だw
黒つかさブーム到来。
なんつーか、こういうキャラは確実に「黒化」されるのが最近の公式になってる気が。

オタク向け作品では、作中でのボケと突っ込みが定式化されがちだけど、最近は「公式→ユーザーによる弄り」が定式化されつつあるような。こういうボケ(公式設定)には、こういう突っ込み(弄り)、みたいな。

(MAD) 涼宮ハルヒの憂鬱 最強○×計画 full ver. 画質向上版
神画質、神MAD。
かっこいいとか、怖いとか、笑えるとかではなく、純粋にかわいい。愛です。

はる☆すた(途中まで)
途中までのバージョンらしいのですが、作画枚数が991枚という壮絶な量に。個人でここまで描くとは……。


らき☆すたOP「もってけ!セーラーふく」

最近の気になるゲーム(6月9日)

前回、「最近の気になるゲーム」を書いてから、なんと1ヶ月が経過しました。しかしエロゲーばっかりやってたからなあ……。

今回はXBOX360ソフトに絞りました。
というのは、今月はXBOX360とPS3の対決が熱い(?)からです。
ソフト日照りが続き、1万本を割り込み、下げ止まる気配を見せないPS3。一方、最下位確定とみなされ、『アイマス』がネットでどれほど騒がれようと、『Forza2』の「痛車」祭りが激しかろうと、週販3000台程度をキープし続けるXBOX360。

累計台数を見れば、さすがにPS3がXBOX360に負けることは無いでしょうが、6月の売上なら、いやいや6月のとある1週に限れば、勝負はわかりませんよ。

何故ならバンダイナムコからRPG『トラスティベル』が発売されるからです。本体同梱パッケージも発売され、忍氏によれば、受注も『DOA4』と『ブルードラゴン』に次いで歴代3位。十二分に勝負をかけられます。

めざせ、週間1万台突破! PS3に勝つのだ!

……その勢いが継続すれば、PS3に逆転勝利も夢ではないぜ、とXBOX360ユーザーの妄想がふくらむ今日この頃です。

ぶっちゃけ、今の日本市場はDSとWiiだけでマーケットが回っちゃってて、PSPとPS2がちょこんと片隅にある状態でしょう。PS3もXBOX360も、本当は発売されて無いんだよ、全部ネタだったんだよ、と言われても通用しそうな売上ですからね。ネタとして楽しむ対象であって、遊ぶゲーム機でも、買うゲーム機でもないんだよねえ……。コアゲーマーの生み出した白昼妄想夢、それがXBOX360とPS3だったんだよ、みたいな。

というわけで、粒ぞろいになってきたXBOX360のソフトから3本。

■『トラスティベル ショパンの夢』

去年のPS3マンセーぶりはどこへやら。『アイマス』に『ショパン』、『エースコンバット』と、バンダイナムコのXBOX360への注力ぶりがすさまじい。

見た目的には、何となく全体にウェルメイド感が漂いますね。次世代機になって、ますますRPGを作るのは大変そうです。いいソフトにめぐり合うのもますます大変です。きっと。


■『デッドライジング Xbox 360 プラチナコレクション』

昨年秋にカプコンがXBOX360向けに発売した、ゾンビパラダイスゲームがお安くなって再発売。カプコンの共通エンジンを使用したゲーム第1弾であり、『ロストプラネット』と並んで、去年のカプコンの業績を支えた世界的ヒット作でもあります。

ゾンビはいいけど、さすがにバイオはちょっと飽きたという人、去年の年末にXBOX360を購入したので時機を逸していた人、もちろん新規のハード購入者にもオススメできます。


■『Forza Motorsport2』

「痛車」祭りで知られるレースゲーム。『アイマス』といい、『Forza』といい、XBOX360はネットユーザーの注目を集めるゲームが続きますね。ニコニコ受けはいいんですが、売上につながらないのが残念なところです。どうやって「見る」ゲームを売るかは1つの課題でしょうね。


★ご注意
「気になるゲーム」はボクが気になっているゲームを紹介する記事です。発売済みのソフトも、これから発売予定のソフトも両方あり、プレイしたもの、未プレイのものもあります。

以前からゲームの紹介をしてほしいという要望は聞いていたんですが、結構な本数が出てくるなか、最後まで遊んでレビューするのは現実的に難しいです。

無論、ゲームで飯を食っている人間として、発売されるゲームをチェックしています。しかし必ずしも、自分が好きなゲームや面白い作品をプレイするわけではありません。むしろ失敗作から課題を見つけることもあります。気になっていても時間が取れなくて遊べないソフトもあります。

テーマ:▼ゲームの話 - ジャンル:ゲーム

良質きわまる少年冒険譚 『冬の巨人』

冬の巨人古橋秀之

古橋秀之といえば、あまたいるライトノベル作家の中でも屈指の筆力をもつ作家である。惜しむらくは、決して売れっ子作家ではない、という1点。ライトノベルでは必ずしも、筆力の高さと売上が一致しない。

しかし古橋秀之の作品がどれもこれも面白いのは疑いようもない。かっこいいアクション物が多いが、一方で『シスマゲドン』のような実験的なパロディ作品も書ける。懐も幅も広い。そして今作においては、一般に通じる作品を仕上げる実力を証明してのけた。

人間の住む都市を背負って、終わりのない冬の大地を休むことなく歩き続ける巨人”ミール”。人々にとって”世界”は巨人の背中の上に限られたものだった。都市の外市街に住む貧しい少年オーリャは、神学院教授のディエーニンの助手として、地上と空から、巨人の背の上の”世界”の在り方を目の当たりにし、光り輝く少女と出会う。
世界の外からの来訪者は、年老いた都市とその住人にとって、いったいどんな意味をもつのか。一千年もの歳月、世界を支え続けてきた巨人はどこへ向かうのか。

都市を丸ごと背負う巨人という舞台設定は、なんとも空想的であり、仮に映像化したなら、一般にも訴求するダイナミックな光景になるのは間違いない。
世界は現実の縮図として、良くできている。人工の温室”天球”の中に住む内市民と”天球”の外で働く外市民。巨人の体に井戸を掘って侵食し、体熱をくみ上げる事で、人間の生活圏の温度を確保しているという構図。一千年の間に、疲弊している巨人。

世界に果てがあるからこそ、その果てを目指して「冒険」が生まれる。冒険は新しい発見と変化を世界にもたらし、大人たちの律する社会に大きな波を起こす。まさしく少年が冒険する物語の王道をまっすぐに書ききっている。

229ページと手軽に読める分量なのもいい。
あえて欠点を言えば、コンパクトにまとまっているがゆえに、『天空の城ラピュタ』や『未来少年コナン』ほどのボリューム感を期待すると、少し当てがはずれることだ。敵との立ち回りや追いかけっこといった、アクション要素も無い。

また世界の謎については、完全に解き明かされるわけではなく、想像の余地が少なからず残されている。消化不良になる怖れは無いが、少年の想像力や大人のゆとりはほしいところだ。子供に読ませるウェルメイドな冒険譚であり、少女も映像美に魅力を感じる情景豊かなファンタジー小説であり、大人が短い時間に楽しめるファンタジーでもある。ライトノベルという枠組みにとらわれず、オタク限定ではなく一般向け、中高生限定ではなく全年齢に、どこまでも幅広く読まれてほしい。

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

タグ:古橋秀之  冬の巨人  

今日もニコニコ 6月8日

仕事中に電波ソング聴いてる率が高まってる今日この頃。
我ながら、頭使ってるのか、頭悪くしてるのか、どっちなんだか(笑
家に帰ってもニコニコで「あきら様は大切なバルサミコ酢をアハ☆アハ☆アハ☆」をループ視聴。
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ジェードリ編、ついに完結! 『薔薇のマリア』

薔薇のマリア 7 SINBREAKER MAXPAIN十文字 青

前巻のラストでのカタリの衝撃的な死。ZOO一行に笑いをもたらしていたムードメーカーを失い、メンバーは意気消沈。自分がああしていれば、とそれぞれが悔やみ、落ち込んでいた。しかしそこに1つの情報がもたらされる。ZOOはかすかな希望を見出だし、再び立ち上がる。

一方、切り札のサリアベルを失い、追い詰められた血塗れ騎士団は、最後の手段に出る。古代の遺物を用いて、強化された騎士たちは、神への服従だけを考え、痛みを感じずに戦う戦鬼と化した。この世の矛盾と理不尽を正すために立ち上がった者とつき従ってきた者たちは、故国を遠く離れた土地にて、いかなる結末を迎えるのか。

バルモア商会の私兵とパンカロファミリーの連合軍が、血塗れ騎士団と激突するなか、ZOOはオルトロス神殿に侵入を試みる。だがその先で彼らを待ち受けていたのは……世界の裏側にひそんでいるはずの存在だった。

ジェードリ編の締めくくりだけに、さまざまな人物が信念をかけてぶつかり合う。きれいな言葉はやめよう。人間同士の潰しあいである。己れのワガママを押しつけ合う、愚かで卑小な激突である。

人は愚かしく生き、みっともなく死んでいく。同じ人間どうしで争い、殺し合い、限られた時間を大切に使わず、大切に使う方法も知らない。無駄死にの連鎖が人類の歴史なのだから。短い寿命をせいぜい生き足掻こう。

ジョーカー。
他人のことをしょっちゅう愚か者と呼ぶ男。しかし彼はその実、人の愚かさを愛しているのだろう。だから定命の人間が不死を得る在り方が、竜や神が人の子の在り方に介入するのがゆるせない。

それはトマトクンやZOOのメンバーも同じだ。仲間を守るために戦う時の人はおそろしく強い。主人公のマリアは相変わらず弱く、全体を見渡す目を養うことで指揮の助けを果たそうと頑張るが、うまくいかない事も多い。成長といっても、一歩進んで二歩下がっているように感じる。しかし一進一退で、明日へ向かって進んでいく姿は、読者の共感を呼ぶ。なぜなら読者もまた、愚かしい人々の1人なのだから。

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

タグ:薔薇のマリア  十文字青  

『らき☆すた』と『FF』に見るコンテンツ展開戦略

入口いっぱい、お客いっぱい

ここ最近、コンテンツへの入口を増やすという戦略を取るケースが増えていますね。『らき☆すた』や『FF』が良い例となっています。
『らき☆すた』は単行本1巻の時点ですでに、コンプティークだけでなく、少年エース、エース桃組など、複数の雑誌に掲載されていました。4コマ漫画という軽いコンテンツなことも幸いして、複数の入口(雑誌)から『らき☆すた』へと導引する構造を早くから意識的に構築していたのです。

現在ではなんと、掲載誌6誌に加えて、携帯サイトでも掲載されています。これだけの数になると、「ファンにすべての掲載誌を買わせよう」という意図ではないでしょう。そもそも『らき☆すた』は強い吸引力がある作品ではなく、隙間に入るような、暇つぶし的でお気楽な作品です。

ネット上でのマーケティングでは、ブログに貼れるブログパーツを配布して、とにかく入口をたくさん増やすのが重要です。AmazonやYouTubeも、そこがキーになりました。非ネットのコンテンツ展開でも、同じように入口を多数つくる戦略が盛んになりつつあります。

『FF』についても、一番強いハードに絞ることをせず、DS、PSP、PS3、Wiiと、複数のハードで異なる作品をリリースしようとしています。現在までの各作品の販売動向を見るかぎり、かなり上手くいっているといえます。FFファンが「ファミコン→スーファミ」と「PS1以降」で分かれることを考えると、『FF7』系の流れはPSPでやり、『FF3』『FF4』のリメイクはDSでやるのも、理にかなっています。

分散し、多様化するユーザーに対して、複数の入口を設けることで、複数のプラットフォームに分散するマニア層を1人たりとも逃さず、導引するという戦略は、見事というほかありません。(ゲーム機戦争というメタゲームを楽しんでいるメタゲーマーからすると、この戦略は理解しにくく、面白みがないのでしょうが)


マニア向けか、ライト向けか

入口を増やす戦略は、マニア向けかライト向けかで、多少異なります。マニア向けの場合は、同じメディアを複数使うことが多いのです。『らき☆すた』は雑誌媒体を複数使ってますし、『FF』はゲーム機を複数使ってます。マニア層は嗜好の細分化によって、複数の雑誌やゲーム機に分散していても、「雑誌」や「ゲーム機」そのものにはリーチしているからです。

一方ライト向けの場合は、「雑誌」や「ゲーム機」そのものにアクセスしていないので、異なるチャンネルを使う必要が出てきます。作品そのものは単一で、広告チャンネルと販売チャンネルを多様化させます。任天堂のDSやWiiでの広告手法が良い例でしょう。テレビCMに加えて、大規模な体験台の設置、交通広告、山手線内の専用CM、折込チラシ、凝った店頭POP、体験会の開催など、できる限り複数の広告チャンネルを使って、情報に接する機会を増やしています。

こうしてみると、実はプラットフォームホルダーがマニア向けコンテンツを展開するのは、若干不利なことがわかります。というのは、自社のゲーム機で展開するだけでは、マニア層の取りこぼしが起きるからです。PS系のハードに限定すれば、任天堂ファン系のマニアを取りこぼすし、任天堂系ハードに限定すれば、PS世代のマニアを逃がしてしまいます。

SCEの『GT』シリーズが代を重ねて、売上が若干下降してきていることや、Wiiで『ゼルダ』が40万ちょっとで止まってしまったこと、『ファイアーエムブレム』が長いこと伸び悩んでいること、XBOX360向けのミストウォーカー作品が期待通りの結果を出せていないこと。そうした諸現象を見ていると、個々のケースでの敗因はあるにしても、総じてプラットフォームホルダーの強みが生きてないな、と感じます。

ソフト開発会社がどのパブリッシャーと組むかを考える際には、自分たちの作っているコンテンツの「濃さ」を見極めた上で、よく検討したほうがよいでしょう。

例えばミストウォーカーの動きを見ていると、プラットフォームホルダーとガッチリやっていくという、旧スクウェアの成功戦略が目立ち、そのせいでもったいない結果になっています。80年代、90年代の成功スキームをなぞるだけで、自分の目で市場を見て、自分の頭で市場を考えてないように見えますね。

もちろん圧倒的に強いコンテンツであれば、プラットフォームの幅を狭めても問題ないのかもしれません。けれども『FF』でさえ、入口いっぱい戦略を採っているご時世に、そんな作品がどれほどあるでしょうか。

任天堂によるモノリスソフトの買収も、率直にいって、モノリス側にとって良い結果なのかどうかは疑問です。RPGの薄い任天堂や、売上が芳しくない開発会社を持て余していたバンダイナムコにとっては良いビジネスだったかもしれませんが。まぁバンダイナムコの経営陣がモノリスソフトをうまくハンドリングできなかったのは事実で、今さらスクウェアエニックスとは組めないとすると、苦渋の決断だったのかな?


補足

複数誌への同時掲載というと、『ひぐらしの泣く頃に』も同じなのですが、『らき☆すた』で角川が採っている戦略とは意味が違うと思います。『ひぐらし』は8編で構成される並列構造で、どちらかというと「並列性」を重視した展開をしています。「4冊同時刊行→4冊購入特典」というキャンペーンは、同時に展開する複数の並列作品を「すべて」買ってほしいという意図がハッキリ現れています。


らき☆すた 1 限定版


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