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2007年4月定点観測 - 中小にはチャンスの時代 -

年末商戦が終わって4ヶ月。この時点での国内市場の動向について簡単にまとめておきます。

よく粘っているWii

Wiiはよく粘ってます。任天堂の据置ハードはN64、GCの実績を見ると、150~200万台まではスムーズに伸びるものの、その後急速に売上が鈍化する傾向があります。ファミコン世代とファミリー層に多くのファンを抱えているため、ある一定の数字までは早いけれども、それ以降はさっぱり……というわけです。

Wiiもやはり150万台を越えたあとは徐々に販売が鈍化していきました。しかし春商戦では再び『Wiiスポーツ』のテレビCMを流し、販売を少し持ち直させました。7万台の週が2週つづき、その後は再び5万台前後に落ち着いています。

また、その後も「笑っていいとも!」の特番で、一時的に販売を押し上げるなど、任天堂は本当に販促戦略が巧みになったなと感じますね。鈍化/失速してるものの、そのカーブは緩やかで、目立つタイトルが少ない状況でうまく凌いでいるといえます。そういう意味で、「よく粘っている」と評すのが妥当でしょう。

とはいえ、新しいユーザー層を取り込むソフトが続かなければ、「いつもの任天堂据置ハード所有者+α」で止まってしまうでしょう。少し前に忍之閻魔帳の忍さんも「Wiiに関してはやけに呑気」と懸念を表明していましたが、DSの時はタッチジェネレーションが春に始まったことを考えると、確かにそう評されても仕方ないですね。

もっとも、DSの時はローンチが『さわるメイドインワリオ』と『マリオ64DS』という続編&リメイク作品で、『Wiiスポーツ』という新規タイトルを準備したWiiよりもずっと貧弱でした。また、ゲームへの関心が薄い人に向けてWiiチャンネルが積極的にリリースされている点も忘れてはいけません。

けれどもWiiチャンネルがWiiを買う動機になり得ていない点は不安要因です。ライトユーザーにとって、無線LAN環境は敷居が高く、お天気やニュースもテレビや携帯電話で見られるもので、Wiiでなくてはという訴求力が高いとは言いがたい。家族から敵視されない要素にはなっても、積極的に購入してもらう動機にはなっていません。Wiiチャンネルがネットユーザの玩具の域を脱していないのは、誤算といわざるを得ないでしょう。


おいおいおいおいおいPS3

でもまぁWiiには、悠長なことをしている余裕はあるんですよね。XBOX360は国内では全然売れてませんし、PS3も週間売上が1万1948台(4月9日~4月15日)という有り様。年度内100万台はおろか、この分だと100万台突破は夏前までかかりそうです。

ソフトメーカー各社も急いでソフトを投入する必要性を感じず、普及台数が伸びてからと考えるでしょうし、「ソフトが出ないから売れない。売れないからソフトが出ない」という悪いスパイラルに入りつつあります。

日本で不調でも、海外で売れていれば、まだ可能性はあるのですが、それも厳しい。欧州はそれなりに堅調な滑り出しでしたが、北米ではXBOX360との競争が激しく、伸び悩んでいます。

3月の北米での売上台数はNPDグループ集計によれば、Wiiが25万9000台、XBOX360が19万9000台、PS3が13万台でした。米国では日本よりもHDテレビの移行が進んでいますから、次世代機ではHDゲーム機がSDゲーム機のシェアを越えています。しかし方向性の似た2つのハードが存在するため、XBOX360とPS3はどちらもWiiを下回る傾向が出ています。

今の所、ソフトメーカにとって「PS3」という市場は存在せず、「海外のXBOX360」あるいは「PS3+XBOX360」という市場のみが存在する、と言ってもいいでしょう。ソフトメーカー各社はXBOX360とのマルチ化を進めつつあり、PS3が巻き返すのは徐々に難しくなっています。

ネットでは値下げの噂が流れていますが、タイミングが問題です。夏に『みんなのGolf 5』『ぼくのなつやすみ 3』が投入されることもあり、バンドルパックなどの施策が発表される可能性は高いものの、中途半端に値段を下げても状況は良くならないでしょう。4万円を切る価格が必要ですし、『GT』クラスのタイトルが起爆剤としてほしいところです。


中小にはチャンスの時代

ソニー、PLAYSTATION 3の20Gバイト版を北米で販売終了--公式に認める
北米でのPS3が60GBモデルのみになります。XBOX360の『エリート』もそうなんですが、HDゲーム機はゲーム機に高いお金を払うコアゲーマーの争奪戦になっています。両社とも値下げ合戦はせず、付加価値で競争しています。

値下げ合戦が激しかったPS2世代とは異なり、プラットフォームホルダー各社は今の所、不毛な価格競争を嫌っています。そのため低価格のWiiが漁夫の利を得て、販売台数を堅調に伸ばしています。

そのため中小の開発会社にとっては、チャンスが拡大しつつあります。大手ソフトメーカーは、HDゲーム機市場の成長を睨んで、そちらに開発リソースを割いておかなければいけませんが、中小の開発会社ならザックリ割り切れるからです。

あるいは、バーチャルコンソール中心のWiiとは違い、PS3とXBOX360は新規タイトルのダウンロード販売に積極的ですから、HDゲーム機でも低リスクでチャレンジできる余地があります。

DS市場が良い例です。大手ソフトメーカーの実用ソフトが苦戦している中、ロケットカンパニーの『漢検DS』、レベルファイブの『レイトン教授』のように、中小の躍進が目立っています。

少し前に「これからは巨額の開発資金と高い技術力が必要な時代。日本のゲーム産業の中小企業は脱落していく」という主張を唱える人たちがいました。けれども同じようなことは以前も言われていたのです。PS2時代には「今は続編と版権しか売れない。大手が有利」と言われ、DS時代には「脳トレは宣伝で売れた。巨額の宣伝費を使える大手が有利」と言われたのです。

しかし事実はそうではありませんでした。要は、チャンスが目の前にあっても手を伸ばさない人間が、自分の臆病さを正当化するために、「みんな、同じ! みんな、チャンスが無い! だから俺がこうなってるのは仕方ない!」と叫んでいただけなのです。

今ふたたび新しい戯言が生まれつつあります。目の前にあるチャンスを捨てて、新しいチャンス(もどき)に飛びつこうという言説です。セカンドライフに代表される仮想空間サービスです。これからは仮想空間サービス? ゲームはサービス化?

そういう寝言は資金力のある大手に「遊んで」もらって、作られたブームに乗せられることなく、稼げる時にきっちり稼いで、成長すべきでしょう。鈍重な象があちこちに目移りしている間に、中小が小回りで勝負する。堅実な積み重ねこそが企業を成長させるのですし、今はそれができるのですから。

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